2019年12月31日火曜日

「お努め」

相当ズボラな横着者でも、大晦日ぐらいは普段気にしていた事の一つや二つは片付けてみたくなると思う。その一つや二つが俗に言う「ケジメ」であり、この行いが「努め」だと思う。今朝朝食後のお茶を飲みながらNHKで「皇室この1年」を観て思ったのが、この「努め」。皇室の皆さん別けても天皇皇后両陛下は365日朝から晩まで「お努め」で休む間も無さそうだ。一昔前なら平民は50歳ともなればそろそろ引退を考え始める年頃。

その50歳を過ぎてから否応なしに新しいお努めを割り振られたのだから、両陛下のご苦労は並大抵ではないはず。しかもこれは死ぬまで務めなくてはならぬかもしれぬ。「努め」は祈り、極端に言えば四六時中休む間が無いのだから、世界に数多ある宗教の聖職者の中で最も過酷な地位かもしれぬ。日本の文化及び統合の象徴とはよく言ったものだ。改めて思いを深くした。

今上陛下は覚悟されて皇位を継がれていると拝察するので心配ないと思う。問題はこれから先、我が孫やその子達の世代に何方が継がれるかは分からないが、少なくとも知る限り昭和・平成・令和と三代に亘り受け継がれたこの「努め」が無事継承されるか少し心配でもある。それこそ国民多数の支持を得て首相の座にいる政治家や長年そばに仕える官僚どもが、継承の無事を果たすために支える決まりにはなっているが、現状のような体制が続く限り実に心細い。

他人の務めについては偉そうに言うけど、己については言えた義理ではないかもしれぬ。それこそ伝統的な社会の義理を欠き、家の内外の掃除もせず、庭の雑草も大分伸びているが結局草取りもしないまま、むさ苦しい独居世帯での年が間もなく閉じる。除夜の鐘を聴くこともなく、明けりゃこれまでのことは全てチャラになるだろう。昨日は家族親族への感謝を込めて書いたつもり、今日はやはり友人諸兄(中にはこれを日頃ご愛読頂いている見知らぬ方もおられる)のあたたかい友情に支えられどうやら無事年を越すことができそうだ。厚くお礼を申し上げて最後の締めくくりとさせて頂く。皆様どうぞ良い年をお迎え下さい。

2019年12月30日月曜日

家内の3回忌と年越しと

いろいろあったが今年も余すところ1日だけ。一昨日の土曜日に家内の実家に娘たちと集合して3回忌も無事済ますことができた。坊さんのお経は無くても仏には喜んで貰えただろうと勝手に思っている。義母は大正13年子年の生まれの95歳だから来年は96歳になる勘定。東芝と横浜市が共同して造成した団地内に今でも一人住まいをしている。長女は心配で毎朝定期的に電話をしているが、義母自身が言うには「この団地は全部で100戸あるが、その中の最高齢者になった。」とのことで未だ元気だ。

一昨日は義母の手作りと娘二人が持ち寄ったものを併せ、盛大な年越しができた。また、家のことに無関心だった小生には初耳の話をたくさん聞くことができて有意義であったとも言える。義母は夫に続いて娘にまで先立たれているので、普通は落ち込むところだろうが、なかなかどうしてである。「もう怖いものは何も無い」そうだ。毎朝電話でやり取りしている長女がいろいろ解説してくれた。先ず「私が初孫だが、おばあちゃんが45歳の時だからね。19歳の時に結婚したのだから。」恐れ入りました。

夫である岳父は我々の婚約が整った時、静岡県島田市にある東芝の関連工場に勤務をしていた。当時は社宅に住んでいたので、それでは家でも建てようと土地を手当し、家の方も設計が終わり地鎮祭まで終わった時に、いきなり東京本社勤務を命ぜられたそうだ。我々の婚礼が終わってから会社が造成したこの土地を買って建てたのがこの家で、築後50年になってしまった。一人住まいには広すぎるし、先ず足が弱っているので2階に上がることができない。だから孫娘が時々訪れて、2階に上げてある衣服を季節に合わせて下ろす必要があるらしい。

近くに義弟が住んでいて、これも毎日顔を出している。しかし、衣服のことなどはやはり女性同士でないとコミュニケーションが上手くないらしい。2年前までは娘である家内がやいていた世話を孫の娘どもが代わってやっているようだ。何れにせよ皆健康で年を越せそうなので何よりのことだ。

2019年12月29日日曜日

読後感「アイリッシュマン」
チャールズ ・ブラント著, 高橋 知子 翻訳

余りメジャーとは言い難い「ハヤカワ・ノンフィクション文庫」の上下巻2冊なので、よほど好きでないと買う気にならぬかもしれぬ。子供の頃から講談本を好んでいた癖が抜けずに購入してしまった。長い日数をかけてやっと読了した。この本の特徴は著者のあとがきが異様に長いところにある。著者チャールズ・ブラント氏はニューヨーク生まれ。ブルックリン法科大学で法学博士号取得。司法局に勤務し、デラウェア州検事総長代理(地検の次席検事に相当)にまでなったのち、ノンフィクション作家に転じた異色のご仁。あたかも推理諸説のようではあるが、著者が小説ではないと断っている。

彼がアメリカマフィア組織の中で殺人請負人として高名であった犯罪者(通り名が「アイリッシュマン」)とは現役時代から知り合いであったが、死ぬ直前の晩年に接近、1995年頃から2002年までの7年を掛けたインタビューの結果、書き上げた作品である。本書の発売は先月末であるが、アメリカでは既にロバート・デ・ニーロが出演した作品も映画化されており、製作がNetflixで配信されているので、映画館では観ることができないかと心配したが、都内では1月1日に池袋のマイナーな映画館で上映されるようだ。

マフィア組織はよく知られているようにイタリア系アメリカ人によって構成されているが、本書の主人公はアイルランド系アメリカ人で1920年生まれで著者のインタビューがほぼ終わった2003年に亡くなっている。生まれも育ちもフィラデルフィア。アメリカが第2時大戦に参戦すると同時に陸軍の兵士としてヨーロッパに渡り激戦の中生き延びて1945年に無事復員している。戦後様々な仕事につくがトラックの運転手とか酒場の用心棒なものが多く、必然的に戦場での経験が物言う世界に入っていったようだ。

膨大なインタービューが土台になっているので詳しく書く余裕はないが、肝は彼が全米トラック運転手組合(チームスター)のボスのジミー・ホッファに可愛がられてその世界でのし上がっていくが、最終的に日本流で言えば渡世の仁義でジミー・ホッファを殺すことになった。直接的には告白していないが、本書を読む限り告白も同然である。

そのことは扠措き、最も興味深かったのはアメリカ政界とマフィアの関わり方である。時あたかも日本ではカジノ賭博導入に関する議論が再燃する事件が発生している。ラスベガスは健全な娯楽都市になっていると錯覚している人が多いと思うが、そんなに甘くはないだろう。マフィアの全国会議なるもの実態は素人には永遠に解るまい。ケネディー兄弟は間違いなくマフィアの手にかかったと見て間違いなさそうだし、ジミー・ホッファもある日突然行方不明になっただけで未だに生死が判明していない。

2019年12月26日木曜日

果てしなき大空を

明日からは普通の人と少し異なるがお正月となる。明日早朝から伊勢神宮(初詣)に行き、夜は東京に帰って親しい友人と忘年会。28日は家内の命日なので、義母の家に娘二人と集合して内々の3回忌。娘たちが家族同伴で来れば大賑わいになるだろう。そのまま冬休みなるかならないか分からぬが、最低2日間はブログを休む。うまい具合に書きたいことも無くなった。今年最後になるかもしれないテーマが思いつかぬので、いっそ飛躍して宇宙のことでも書いてみたい。

世界最強を誇るアメリカ軍は、現在陸軍・海軍・海兵隊軍・沿岸警備隊軍・空軍の5軍で編成されているが、来年以降これに宇宙軍を加えるそうだ。ロシアのプーチン大統領に言わせると、年間軍事予算は7500億ドルで2位以下の国すべての国の予算の合計より多いとのことだ。軍事予算なんて正直に申告している国がどれほどあるか分からないから、プーチン大統領が僻みたくなるくらい大きいと受け止めれば間違いなさそうだ。

宇宙軍予算は調べてないが、聞きかじった限りでは空軍から主に兵隊さんを引き抜き、民間技術者のリクルートを含め1万6千人体制で発足とのこと。空軍の現在兵力も分からないが、軍隊全体が160万人体制と一応ネットには出ているので、ある意味で相当力んでいるようにも見える。しかし宇宙戦争の局面では想像するにアメリカは中露に相当遅れを取っているはず。

慌て者のトランプ大統領がアメリカ航空宇宙局(NASA)を軍隊に取り込もうとしたのかどうか知らぬが、現在宇宙に浮かんでいる宇宙ステーションはロシアのものだし、つい先日ボーイングとテスラが共同して打ち上げたスペースシャトル代替品も見事失敗に終わっている。この軍事力強化策と同時に大統領が「アルミテス計画」なるものを同時に発表した。これはNASAが半年以上前に公表しているもので、2024年に再びアメリカが人間による月面着陸を目指すものだ。

5年以内とは随分悠長に思うが、アポロ11号アームストロング船長のによる月面着陸は1969年7月20日のこと。それ以来未だに2度めが成功していない。悪口を言う輩は「あれはフェイクではないかぇ」なんて言ったりしているくらいのものだ。軍隊と名がつくとおどろおどろしくなるが、人類にとって宇宙には限りない未来があるはずだから誰によらず頑張ってもらうのは大変結構なことだ。

2019年12月25日水曜日

同じ文書からこの大きな違い

昼飯を食いながらいつも観ているNHK「お昼のニュース」トップだったと思うが、今日公開された外務省1955年の文書の中にあった重光元外相のコメントが賑々しく紹介された。曰く、安倍政権で憲法を踏みにじる形で強行採決された集団的自衛権行使と軌を一にする内容とのことである。へ~と思って帰宅してからネットを丁寧に読むと、次のような内容だ。

先ずダレス米国務長官「日本はアメリカを守ることができるか。例えば、グアムが攻撃された場合はどうか?」
重光外相「自衛が目的でなければならないが、兵力の使用について協議できる。」
ダレス「日本の憲法が許さなければ意味がないと思うが」?
重光「自衛であるかぎり協議できるというのがわれわれの解釈だ。」
ダレス「全く新しい話だ。日本が海外出兵できるとは知らなかった。」

この2つのやり取りを読んだ学者の解説が紹介される。ここが肝心。解説者と内容は以下の通り。日米外交史が専門の日本大学の信夫隆司教授が次のように言う。
「当時の日本の基本的認識では、集団的自衛権は行使できず、自衛隊の海外出兵はできなかった。重光氏は、安保条約改定問題もあり、日米を対等な形に持っていきたいということだったのだろう。重光氏が述べたことは、安倍政権が閣議決定した集団的自衛権行使の限定的容認と同じような主張だったと読み取れる」と指摘しています。

これだけ読むと、安倍政権は日本外交の道筋を踏み外していないような錯覚に陥りかねない。しかしチョット待って頂きたい。同じ文書を読んだ朝日新聞の報道は全く異なる。タイトルは『「帝国最後の外交官」 外交文書が明かす安保改定の裏側』内容を短い引用で汲んで頂くのは難しいが、大意は次の通り。『55年8月30日。来日したダレスとの会談で、重光は強気に要求した。「我々は平等を欲する」』と米軍の撤退を強く迫っているのだ。それに対しダレス氏は極めて冷ややかな対応で、日本が未だ完全に独立してないと指摘。

結局物別れに終わったこの会談の後、改めて策を練った重光氏が8月ワシントンに再び乗り込み再折衝。以下に長くなるが再び引用する。

「重光は、日本が防衛力を強化するので米軍は撤退し、「分担金制度そのものを究極的に廃止することについて、考慮を払うことを希望する」と求めた。ダレスはこれに対して「在日米軍の減少に応じて分担金の削減も考慮する用意がある」と前向きな姿勢を示した。この会談の5年後、60年の日米安保改定で分担金は消滅した。」できれば全文を参照願いたい。

https://digital.asahi.com/articles/ASMDL53PZMDLUTFK00P.html?ref=hiru_mail_topix2_6

2019年12月24日火曜日

日本外交

国内には何から取り上げたら善いか迷うほど様々な問題が山積しているが、総理自身が得意と思っていると伝えられる外交で、これほど無残惨めなことはないと思ったことを書いておきたい。その「まえがき」である。外交は国と国との折衝、お付き合いだから、その顔となるべき人間はそうむやみに代わったのではまともなことが出来る筈がないと思う。総理自身が長期安定だから良いとしているのかも知らぬが、日本は外務大臣を余りにも頻繁に交代させすぎるのではないか。

如何に大陸とかけ離れた島国とは言え、他国とまともに付き合いたいなら、もっと腰を据えた担当を据える事が必要だ。外相ポストが軽いのは現在の野党政権時代も同様だが、安定政権を自認するなら、せめて1内閣1外務大臣であってほしい。現在の外務大臣は未だ就任数ヶ月、安倍内閣では岸田氏・河野氏に続く3人めである。昔ソ連の外務大臣グロムイコ氏がアメリカの大統領(ケネディの時代だったかな)に向かって「私はあなたが小学生の頃から外務大臣をしています。」と語ったとされる逸話を思い出す。

本論に戻す。昨日北京で行われた日中と韓中首脳会談の報道である。日中会談は約40分、この中で安倍総理が力説したのは、したかったのは「日中関係の重要な節目となる来年春の習主席の国賓訪日を極めて重視している。」だけだろう。国賓待遇をするから是非お出かけください、は悪いことではないが、中国側は日本の政権内部にも国賓待遇に反対する意見が強いことは百も承知のはず。腹の中では「その春先までしっかり党内も含め、世論をリードして政権が持つよう努力しろよ。」と思っているに違いない。

日本から中国の人権問題に注文をつけたとか北朝鮮による拉致被害者救出に協力を要請したなんてなんてことは、マスコミのリップサービスじゃないかと疑っているが、文書が残っているはずだから言うだけは言ったかもしれぬ。引き換えて韓中会談については報道が少ないので、内容をネットで確認するにも手間がかかる。短いテレビ報道だけからも中国側首脳陣の表情の違いが明確で、日本で崩壊間近のように報道されている文在寅大統領を暖かく迎え入れている様子だ。

こっちの主要テーマは北朝鮮問題に他ならぬ筈。米朝会談を実現するために互いにできることを具体的に話し合ったことだろう。会談時間は分からないが、日中と同じであったとしても中身の濃さに大きな違いがあったのではないか?中国の新聞は文在寅大統領が香港問題やウイグル自治区問題を中国の国内問題と言及したことを大きく報道しているようだ。

2019年12月23日月曜日

年末年始の過ごし方

最近では金融機関や霞が関のお役所でさえ今週で御用納めになるらしい。働き方改革なんて自ら言うぐらいだからそれも結構かもしれない。更にスーパーやコンビニも年末や年始のお休みが流行りらしい。食い物屋は頑張ってる店でも年末は30日、年始は4日からが多いみたいだ。ところがサンデー毎日の独居老人は一般の方がお休みをお取りになるのが結構きつい。独身者用の小さな冷蔵庫しか無いので食料の買いだめができないからである。

いっそどこか安いホテルでも見つけて行きたいなんて考えてはみたが、これも甘い考えで、1泊10万円も出せば何とかなりそうだが、貧乏だからこれも叶わない。昔から年末年始の5日間くらいは家内が宿下がりするので、一人暮らしだったが、当時とは条件がまるで違う。昨年は今年と同じ条件だったわけで、なんとか凌げているのだから、今年もなんとかなるだろう。妻が二人いる古い友人が「俺は盆と正月が一番嫌だ。同じことを2度ずつやらなきゃならぬから疲れてしまう。」と言っていたことを思い出した。

「妻二人も大変かもしれぬが、妻0人もけっこう大変だぜ。」と返したい。と言ったところで特にすることはない。本当はあるのだろうが、この2年間で万事省略を決め込むことが習いになってしまった。年賀状書きも無し、大掃除も無し、庭の草取りくらいはしなければと思いつつも、どうもズクが出ない。(信州弁で横着を決め込むこと)

妻の3回忌すら省略。毎朝仏壇に水とお茶だけは上げているので、3回忌のパスで罰が当たらないよう一生懸命祈っている。面白そうな映画でもあれば、時間潰しにはもってこいだが、年末年始興行は面白そうな作品が見当たらない。大宣伝している「スターウォーズ」も既に見飽きた感だし。困ったことだ。

ブログのネタもそろそろ尽きた感じもあるが、ま、仕方あるまい。

2019年12月22日日曜日

歳末の世相

暮になって突然、何を思ったか東京地検特捜部が動いた。容疑を掛けられた秋元司氏を好き嫌いは別としてよく知っているが、知る人は少ないだろう。要するにそれほど言っちゃ悪いが小者に過ぎない。今朝のTBS「サンデーモーニング」に出演していた青木理氏が解説していたが、特捜部が政治案件で手柄顔するならもっと他に案件が幾つもあるだろう。仰るとおりで、小生から見れば現在の政権は犯罪者集団に見える。中枢部も当然後ろめたくもあるので、小者一人で世間の目を逸らすことができるなら、もっけの幸いだろう。

正に司法が政権に塩を送っていることに他ならない。まして、この国会でIR法が成立してしまい、これから設置場所の選定が始まろうと言う時期、中国の業者なんぞに政権最大の利権案件を一寸でも渡せない思惑は隠しようもない。視聴者の多くは秋元氏を薄汚く思って観ているだろうが、彼以上に悪い魂胆の誰かがいること忘れてはいけない。その張本人かどうかは別として首相は昨日日本橋三越本店の「報道写真展」に出向き、G20の集合写真にサインをしてご満悦の様子。それが大々的に夕方のニュースになるのだから平和で結構なのか?こんな茶番で年を越さなければならない国民は可愛そうだ。

アメリカ大統領やイスラエル首相なんかは議会で嘘を言ったとか収賄罪などで訴追されている。トランプ氏の場合は不起訴が決まっているようなものだから気楽だろうが、ネタニヤフ首相の方は政治的混迷が深まっているようだ。何故日本はそのようにならないのか?これも青木氏がどこかで丁寧に解説していたが、要するに官邸が司法に関しても人事権を握ってしまったのでどうにもならないらしい。日本が世界的標準から外れていることは枚挙にいとまがない。

昨日は、男女の平等度合いを調査した2019年の「ジェンダー・ギャップ指数」。総合ランキングで153カ国中121位に沈み、過去最低の順位となった。先進7カ国(G7)の中で最も低く、中国や韓国よりも低い順位。なんて記事もあったし、テレビでは留学生制度がある日突然変わり、理由も知らされずビザの更新を打ち切られ、志し半ばでネパールに追い返された学生のルポを見せつけられ、なんとも言えない嫌な気分になった。

要するに留学生制度なんて称しているが、安い労働力の輸入制度に他ならなかっただけのこと。「今だけ、金だけ、自分だけ」は未だ暫く続くのだろうが、日本人は以外に鈍感のようだ。一方外国では、事実関係を正確に見ている人が意外に多いとのこと。安倍さんものんびりしてはいけないかもだ。

2019年12月21日土曜日

掛かりつけ

昨日が冬至、ゆずだけは買ってきて一応ゆず湯には入ったが、南瓜は駄目だ。インスタントスープで多少気分が出るかと思ったが、とてもじゃないがパンプキンのパの字にも当たらない。なかなか一陽来復とはいかぬもので、今日は「冬ぞ寂しさ勝りける・・・」である。暗い気持ちでいると、数日前蛍光灯の交換を頼んであった町の電気屋さんから電話があり、昼頃に来てくれた。先日カレンダーを届けてくれた時以来だから待つこと1週間ちょっと。電気屋さんも暮れは大忙しのようだ。

聞くと、この界隈の競争相手4軒が店仕舞をしてしまっているので、大掃除をしたらレンジカバーのファンが回らなくなったとか類似の依頼が引切り無しらしい。古い得意でなくても断るわけにいかない、経緯は無視して全て受けているが、30日でこちらもお断りせざるを得ない、とのこと。当たり前だろう。彼も久しぶりに屋内に入って、不思議そうな顔をしている。そりゃそうだ、昨年リフォームしたから彼の記憶とは随分違う筈。

「奥さんはお出かけ?」と聞かれ、まる2年前に亡くしてしまったことを伝えると、びっくりして「このところカレンダーや商品カタログやらをお届けに伺ってもお目に掛かれなかったので、どうもタイミングが悪いと思っていました。それにしてお寂しいことで、年賀状なんかも知らずにお出ししてしまい済みません。」「こちらからお知らせしていないのだから、気にしないで下さい。」で終わった。

蛍光灯2本交換しただけで6,600円を高いと思うかどうかだが、金額の問題ではないだろう。彼も言っていたが、新しい家電製品を買ってきたはいいが、動かない、調子がおかしいとの注文が捌ききれないほど溜まっているらしい。たまたまこちらは昔ウェブサイトを管理する会社をしていた関係で、技術者の友人が何人かいる。おまけにパソコンは毎日使っているし、バックアップ体制も一応取っているので、電子機器関係はなんとかなっている。

若い人ならもう殆どパソコンは使わないだろうが、普通50歳以上の人がパソコンを使う場合、初期設定はどうにかなっても、購入して1年もすれば必ずどこかに支障が出るはず。これのリカバーは容易でないので電気屋さんにSOSを発信したくなって当たり前だ。現代人は掛かりつけの医者と弁護士が必要とされるが、電気屋さんもその範疇に入りつつあるかもしれぬ。

2019年12月20日金曜日

迷信

他人のことを言えた義理ではないが、死んだ家内も妙に信心深いというか迷信を信じる傾向があった。家内が通っていたのは先ず人形町の水天宮、これは安産守護だからよく分かる。自分を含め娘二人と合わせると3人分の願いをかけて、それぞれのお礼参りをするとかなりの回数通っても不思議はない。もう一つが理由がよく分からないが、早稲田にある穴八幡宮。ひょっとしたら娘が早稲田大学を志望したのがきっかけだろうか?

何れにしろ行ってきたと言う話はよく聞いたが、趣味が違うのが我が夫婦で、両社とも目の前を通っても参拝に立ち寄ったことはなかった。ところが今日は冬至であるが、朝から快晴で気温も上がり絶好の散歩日和。たまには少し別のコースをと思い、暦に合わせて穴八幡宮参拝をしてきた。偉そうに言えば、正に令和元年が陰極まる年となり、来年からは一陽来復で少しでも良いからまともな方向に向かってもらいたいからだ。

先日京都の飲み屋で占ってもらったら、過去2年間は最低だったでしょうと言われたものだ。びっくりしたが、今月28日が家内の3回忌だからまる2年間喪に服していたようなものかもしれぬ。家内の信仰していた神様仏様に家内のお礼と成仏を祈り、来る年を迎える準備としたかった意味もある。個人的なことは細やかだな願いだから、お聞き届け願えると信じているが、問題は孫子の世代、日本のことだ。

昨夜もテレビ(BS-TBS「報道1930」)を観ていたら今や世界中がバブルなんだそうだ。何でも特に酷いのがアメリカと中国で、両国ともこのバブルはいつ弾けてもおかしくないとのこと。他にも外国のことをいろいろ論って、あの国は潰れてもおかしくないとか何とか言っている。それはそれで傾聴に値すると思う視聴者がいるのだろうが、他人の頭の蝿のことをよく言うよと思う。同じく昨日は日銀総裁の記者会見もあったようで、相変わらず日本経済は緩やかな回復基調とか言っている。

流石に、これについてはコメンテーターの一人森永卓郎氏が色をなして怒っていた。オリンピックが終わるまで大丈夫なんてことは言えないらしい。誰の意見を信じようと、迷信を信じるのと同じかもしれぬ。

2019年12月19日木曜日

報道の本質

子供の頃から外国の小説を読んだりして勝手なイメージを作ってきたが、長じてから現実に外国旅行ができなかったコンプレックスがあるのかもしれない。昔は映画館で観たモノクロのニュース映像、そして今ではテレビの海外報道を興味深く観ている方だと思う。しかし外国のことは数分の報道だけでは、真っ暗闇の中で象のしっぽに触ってその姿をイメージするのと同じことだ。

しかし先日の突然降って湧いたようなペシャワール会中村哲氏の報道には胸を打たれた。昔から時々思いついたような、それも不幸は事件での報道が主だ。今回も氏にとっては最大の不幸が襲った報道だった。氏のご冥福を祈ったのはもちろんだが、それにしてもアフガニスタン国を知ったのはいつのことか記憶がない。今や限られた報道だけでこの国を想像するのは非常に難しい。映画の舞台として屡々登場しているので、そっちの方から刷り込まれたイメージ法が強いかも知らない。

歴史的には相当古くから存在し、カンダハールやバーミアンなんて聞くと何となく三蔵法師の時代を彷彿する気がする。しかし記憶にある限りは戦いに明け暮れているイスラム教国家で、嘗てはソ連とそして最近はアメリカを敵に回して戦っているようなイメージ。ソ連とは兎も角として、現在国家としてはアメリカと戦っている訳ではない。その複雑さが日本人で理解できている人は極めて少数の筈。それこそペシャワール会関係者や嘗て北部部族の武装解除に国連職員として実際に関わった伊勢崎賢治氏くらいのものだろう。

こんな思いを書いたのは今日孫崎享氏のメルマガに書かれていた『ワシントン・ポストは「アフガニスタン・ペーパーズ」を発表。』を読んだからだ。そこにはこう書かれていた。曰く「アメリカは共和ブッシュ、民主オバマ、共和トランプの18年に亘りアフガンで戦争を続けている。しかしこれほど無益無駄な戦争はない。政府高官や将軍達は全員そのことを知りながら国民に嘘をつき続けている。」

「長年に亘る失敗の連続ではあるが、目新しいものは何も無い。大きな変化がないから、聴衆をエキサイトさせるものが無い。結果として殆ど報道が無い。」現代の報道の本質かもしれぬが、ワシントン・ポストはこのペーパーを世に出しただけ未だ益しだ。

2019年12月18日水曜日

毎朝の食材

この冬は気象庁が予測しているように暖冬のようだ。今月に入ってから幾日か寒い日もあったが、今日はまるで春の陽気だ。散歩していて汗をかいた。年寄りには良いが、国民全体で考えた時に果たして良いかどうかは分からない。昼食時に飯屋の親父と最近の食材について話した。

「年中食べているトマトだが、最近は流石に味が殆ど無くて不味くなったものだ。夏野菜だから冬至が間近になって食う方が悪いのかな?」「そりゃキュウリであれ何であれ私どもも使っていますが、仕方ないでしょう。ミニトマトにしてみては如何ですか?」とアドバイスを受けた。先程スーパーまで行って買い求めてきたので明日の朝食でトライするつもりだ。

食い物つながりで今日のニュースを紹介したい。と言っても多くの方はご存じないと思う。なんと言っても小生が本邦唯一のクオリティーペーパーと位置づけた日刊ゲンダイの記事である。

近著に「怖い中国食品、不気味なアメリカ食品」(講談社文庫)がある大宅壮一ノンフィクション賞(06年)受賞したライター奥野修司氏の寄稿である。
以下に引用させてもらう。

『来月から日本にドッと入ってくる安い米国産牛肉。ところが欧州各国は、だいぶ以前から、この米国産牛肉の輸入を禁止にしている。百八十度違う対応だ。どうしてなのか。これは、食の安全を考える日本人にとって重要な問題だ。まず、ざっとした経緯から書こう。1980年代、イタリアとプエルトリコで幼い女の子の乳房が膨らんだり、初潮が始まるという奇怪な事件が発生した。調べたところ、米国産牛肉の合成ホルモンが原因物質ではないかと推定された。

これをきっかけに、欧州各国でホルモン剤の使用に抗議する運動が起き、そして1988年、EC(現在のEU)は、家畜にホルモン剤を使用することを禁止した。さらに翌年には、米国産牛肉に残留する成長促進剤ホルモンであるエストラジオールに関して、「完全な発がん物質とみなす証拠がある」と発表し、ホルモン剤使用の米国産牛肉の輸入を禁止したのである。発がん物質とは穏やかじゃないし、超大国アメリカを相手に、勇気ある対応だ。ー中略ー

食の安全に関して、基本的に科学的なエビデンスというものはない。薬の治験のように、人間に食わせて病気になるかどうか、試すことができないからだ。だから欧州は環境や生命に重大な影響があると疑われるものを禁止する「予防原則」の立場を取っている。しかし日本は逆だ。「絶対に危ない」ことが明確でないかぎり、大抵は輸入が許される。』怖いと思うかどうかは皆さん次第だ。

2019年12月17日火曜日

今年を顧みて

年末が目前に迫ってきた。毎日後悔すべきことばかりではあるが、そろそろ1年を振り返り大きな反省する頃合いだろう。そうでないと大切な人生が、まるきり反省の無い安倍政権のように虚しいものになりかねない。このところ天気がはっきりせず、気温の変動も激しい。高齢者の健康問題で最も注意を要するのは「風邪予防」と信じているが、今年は珍しく夏風邪を引いて20日以上往生した。これが最も反省すべきことだ。

規則正しい生活を続けていれば滅多なことでは風邪など引かぬと思うが、生来の遊び好きだから来年もよくよく注意する必要がある。現在は先々の目標は考えずに、ひたすら日々のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)について満足することだけで生きているので、目標に届かなかったといった反省は無い。強いて言えば囲碁が相変わらず下手であることが悔しい。1年前と比べてみたいと思いネットのソフトで探ってみたが、半年前の7月2日以来のグラフしか表示されない。

1年前は今より強かったように思うが、7月2日に比べれば少し益しなようなのでホッとしている。今日現在、日本ランキング:7,784位、世界ランキング:11,123位だそうだ。真偽の程は分からぬが、使っているソフト『パンダネット』は「世界150カ国に7万人の会員を持つ老舗インターネット囲碁サロン!」と宣伝文句が書いてある。考えようでは頑張っている方かも知れぬ。忘れ物が多くなっていることも問題の一つ。だがこれはいくら反省しても治らないかも知れない。

これも治らないだろうが、読書量が益々減っている。本ブログの読後感に上げた本は13巻だけ。寂しい限りだ。中でも8月に読んだ劉慈欣 著の「三体」が一番印象深かった。山歩きも減ってきているがこれもしょうがあるまい。過去の記録を見ると昨年は12月27日に裏高尾から陣場山まで歩いている。寒さにかまけて引きこもりがちな昨今、どうすればそんな事ができたか不思議でならない。来年は3月にスキー合宿があるので、4月から山歩きを始めて、夏か秋には信州のできればアルプスと名のつく山に登りたいが、果たしてどうなるか?

何れにせよ先の日曜日で社会的な会合は全て終了した。後は神様へのお礼参りだけだ。兎に角風邪を引かぬことよう気をつけよう。

昨年の12月27日
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1686726.html

2019年12月16日月曜日

後輩たち

昨日は高校の同窓会があって帰宅が遅くなり、ブログは休んだ。同窓会と言っても首都圏に居住する者だけなので100人足らずのこじんまりしたもの。高校自体は旧制中学から数えると既に120周年だ。我々同期が卒業してから数えると丁度その半分、60年目のはず。昨日の同窓会に同期での出席は他に1名の二人だけ。名簿を確認すると1期上の先輩が二人だから我々も年をとったことを実感せざるを得ない。

部屋の隅で爺二人が小さくなっていると、52期下、即ちこの会では最年少の後輩が3人寄ってきてくれた。10歳や20歳後輩であれば現役はリタイアしていても未だ社会的に肩書が通用しているので、一応こちらも腰をかがめなくてはならず些か億劫だが、半世紀下ともなると偉そうにできるので料理などを運んでもらったりして有り難かった。3人は長野高校のサッカー部(蹴球部)の同期。二人は大学は違ったが就職で再び一緒になり、同じ監査法人トーマツに入社したとのこと。共に公認会計士の有資格者。

一人は大学卒業後、世界最大のコンサルティング会社アクセンチュアに入社するも2年で退社して個人コンサル企業は開業したが、現在はもう一つ別の起業活動中とのこと。何れも相当優秀な若者と受け止めた。独立心の強い青年は若い時から志賀高原でスキーもしていたようで、大いに話が盛り上がった。若い人の話は何れも夢があって楽しい。己の若い頃とは大違いだ。短い時間だったので、もっと話ししたかった。

彼らがどう感じたが分からぬが、最後にブログを読んでくれと言って別れた読んでもらえると嬉しいが、ひょっとするとなにか役に立てるかも知れぬ。

2019年12月14日土曜日

集団ヒステリー

先ず「ヒステリー」 である。子供のギャー泣きやこれを叱る母親の甲高いし怒り声などで何となく分かっているつもりではあるが、念の為調べてみた。「1.精神病質の一種。満たされぬ欲求の反応として、種々の精神的・肉体的症状を起こす。症状が大げさで演技的色彩を持つ。2.俗に、病的に興奮して感情を統制できず、激しく泣いたり怒ったりする状態。」と書かれていた。

こんな下らないことを調べて理由は、昨日の英国総選挙結果報道をテレビで観たからだ。本論と関係無いが、兼ねて不思議に思っていたことが勘違いであったことが分かったので告白しておこう。英国は日本人からすると民主主義の見本みたいに言われ、政権交代可能な2大政党に依る国会運営がなされているとずっと思っていた。これまでにも英国総選挙報道はあった筈だが、関心が無かったのだろう気が付かなかったが、政党が沢山ある。中でもスコットランド民族党なんて地域政党は鈴木宗男氏の北海道の何とか党以上に強そうだ。

余談はさて措き、歴史的勝利を収めたジョンソン氏率いる保守党の祝賀会風景についてだ。選挙に勝利した会場はどこの国でも高揚感に溢れるのは当たり前のことだ。ただ違うのは高揚感がどのように発露されるかにある。我が国の場合は与野党問わず、支援者の「バンザイ」三唱と相場が決まっている。これは長年培われた習慣で今更変えろというのは無理だろう。人によっては候補者も一緒に「バンザイ」を唱えているのを見るが、これは如何なものだろうか?

どうでもいいが、候補者の答礼もほぼ「皆さんのためにがんばります」とパターン化されてそれを超える話は余り聞かない。英国には残念ながら「バンザイ」のような集団的雄叫びは無いらしい。いきなり当選者の挨拶から始まるのが普通みたいだ。ジョンソン氏も最初は燥いで「ブレグジット」が支持されたこと喜んでみせたが、直ぐに40%を超す国民が不支持だったことに触れ、反対者への理解を求める努力を述べていた。

同じ思いを抱く人間が多く集まった時の高揚感は仕方ないだろうが、日本人はどうも感情的になりすぎでないか。悪く言えば極端に走って集団ヒステリーを起こしかねない。今回マドリッドで小泉環境相が日本を代表して率直な意見を述べた事に対し、各国メディアから遺憾の意が表されたことを受け、日本メディアの報道が正にこの症状だと思う。

2019年12月13日金曜日

他国のことばかり

行ったこともない外国のことなど思っても何もならぬだろうが、29カ国で構成されているEUが来年は英国が抜けて28カ国になるらしい。そもそも「欧州連合」の意味もあやふやだが、自然環境、経済環境はもとより人種や言語の違いも乗り越えて、参加国全てで一種の国家のようなろうじゃないか、と合意したものらしい。要するに昔は互いに戦争ばかりしていたらしいが、戦争だけはやめようと決めているとのこと。

EUは現時点で人口約5億1千万人、共通通貨もあり、時差はあっても往来は自由、羨ましいと思うし、イギリスが何故しゃかりきになって離脱するのか意味がわからない。移民の問題や負担金の重さなどボケ老人には分からないことが山ほどあるのだろう。この膨大な国家と人口を擁する連合の新しい指導者(委員長)につい先日就任したのがドイツ人女性フォン・デ・アライエン氏。人となりはずっと前に触れたことがあるので省略するが、先日就任早々新しいエネルギー政策を打ち出した。名付けて「グリーンディール」

少し神経質になりすぎるのでは?と言いたくなるが、2050年までに脱炭素社会を構築するのが目標。連合内部には日本同様に石炭火力に依存している国が少なくない。それらの国には連合が資金面で面倒見るから、2030年までの温暖化ガスの排出削減目標を現在の40%減から「少なくとも」50%減に引き上げなさいとしている。もちろん原子力に依存している国もあり、脱炭素だから文句ないだろうと威張っているが、そんなやばいものに補助は無いのは当然のこと。脱炭素以外の環境問題にも敷衍して、子孫により住みよい環境を残すことを非常に大切にしている。

環境は兎も角、域内の経済格差も激しく、イギリスの離脱はこれが大きな要因ではないかと思うが、そのことより前にエネルギー改革を打ち出したのは、日本のボケ老人からすると驚きでもあるし、大方の日本人には理解しかねるだろう。経済(お金)が命より大事な日本人にとっては、「グリーンディール」が国際経済ひいては日本経済に如何なる影響を及ぼすかが大事なことなんだろうと思う。日銀短観が発表されて4四半期即ち1年通して景気はマイナスと言うのに、米中の関税戦争に決着が着きそうとの報道で、株価が1年何か月ぶりの高値をつける国だ。

何も分からぬ老人が他国のことばかり書き連ねても文句はあるまい。

2019年12月12日木曜日

民の竈

景気が良いの悪いのと騒ぐのはある意味で贅沢かもしれない。と言うのは世界には「今日の飯さえ無かったなぁ~」てな国が沢山あると思うからだ。どの国であれ、国の基本は水と食料が確保されること、燃料に不自由しないことが基本だろう。そのためには国境線に兵員を置いて、外敵からの侵略を防ぐとかの防衛手段が必要になろう。

この前提に異論を唱える人は少ないと思う。昨日マドリッドの第25回気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)閣僚級会議で小泉環境大臣が演説をして、脱炭素に向けた具体策が不十分と他国から非難されているとのこと。この報道を見て考えてしまった。日本は地球上に200以上存在する国の中ではかなり豊かな国と自他共に認めるところだろう。しかし食料の自給率は既に40%を割り込み、燃料自給率に至っては北朝鮮にも及ばないのでは?

強いて言えば水だけは完全自給が可能の筈だが、敢えて外国から輸入した水を買う人もいるし、国や自治体が運営している水同事業を民営化して外国企業に売り飛ばそうなんて考える輩がいるのだからやりきれない。このことはさて措く。

食料も燃料も外国に依存しているので、国の安全保証にとってこの補給線の確保が目下の最重要課題になっている。そのためには供給国と仲良くするのが一番だと思うのは当然のこと。食料最大の供給国は調べてもいないが、多分アメリカだろう。その他平たく言えば世界中の国から食料は入ってきてるに違いない。だから、日本は外国との戦争を考えてはいけないし、必要もないはず。特定の路線だけ物理的に防衛なんてナンセンス。

話が逸れ初めたので脱炭素政策に戻す。小泉氏が非難されているのは石炭火力の減少廃止に言及しなかったためらしい。しかし考えてみるに、燃料をほぼ100%海外に依存している我が国で、その30%を占める石炭火力をゼロにするなんてことが現実的でないことは誰にも分かりそうだが(COP25)ではそうはいかなかったみたいだ。では嘘でもいいから「2030年までに半減」とでも言えば良かったのだろうか?

小泉氏が何を考えていたか分からないが、嘘つきは泥棒の始まりだから、これも感心しないだろう。何れにせよ、何でもアメリカの言いなりもいいが、指導者は民の竈の煙を絶やさぬために何をすべきか、よくよく認識すべきだ。

2019年12月11日水曜日

ノーベル賞

カラスの鳴かない日はあってもテレビで韓国の悪口を聞かない日は無いくらい、毎日のように聞かされる。最近は韓国の経済について、通貨暴落説まで出るようになった。他国のことでもあり、まして経済問題なので真偽のほどは分からぬが、自国の経済は大丈夫なのだろうか?識者に伺ってみたい。先日も冬のボーナスについて、建設業界の景気が良いと書いた。今朝の新聞には全産業で見ると冬のボーナスが7年ぶりかで前年割れらしい。

先週末に内閣府が発表した統計に依ると、GDP18年度の実質成長率は0.3%。19年7~9月期は前期比の年率換算で1.8%増ではあるものの、増税後の10~12月期は反動の落ち込みもあってマイナス成長に陥る公算が大きい。19年度もならしてみると低成長に終わる懸念は拭えない。となっている。韓国ばかりでなく、中国の悪口もマスコミは好きなようで、中国もGDP成長率が鈍っていると書いて喜んでいるが、貿易摩擦で苦労して鈍っているかも知れぬが成長率は6%を維持しているし、競争相手のアメリカも未だ成長基調にある。

沈没しかけている国もあれば成長を続ける国もあるのだろうが、何れも他国のこと。大騒ぎしても始まらない。昨日はストックホルムでノーベル授与式があり、吉野彰氏が1980年代にリチウムイオン電池を発明したことで目出度く化学賞を受賞された。氏は旭化成の企業人。2002年にノーベル化学賞を受賞した島津製作所の田中耕一氏もそうだったが、極めて珍しい。今朝の新聞に掲載された吉野氏のインタビュー記事を読んで成程と思ったことがある。

企業人は研究成果を世界的な科学誌には投稿しない。研究結果は全て特許申請することでオーソライズし、企業もそのことで業績評価をするもののようだ。氏によれば「特許というのは、できるだけ中身がわからんように書くのがコツでね。普通の人だったら全然わからないんです。」と語っている。「にもかかわらず、特許という文献を証拠に受賞者の一人に選んでもらったことは、いまの産業界の研究者にとって影響は大きいと思う。」氏自身が語っているがノーベル賞の選考委員会の調査能力は凄いものだ。

要するに国の産業政策に、このような産業や人材を育成する力が全く不足していることが、我が国の経済成長力に大きく作用しているのではと心配したくなる。吉野氏も指摘していることのもう一つは純粋な学術研究も企業内の研究もどちらが優れているとは言い難い。企業研究のメリットとして、社内で大勢のスタッフに支えられていても、それだけでは大きな成果に結びつかない。やはり異業種間交流が大切。インターネットの発達で異業種の事情が早く入手できるようになってはいるが、インターネット上の情報は薄っぺらとのこと。このことも謹聴に値する。

2019年12月10日火曜日

忘年会シーズン

忘年会と言う程ではないが、土日月と3日続けて夕食が外でとることになった。普段酒を飲まないので僅かな酒で酔ったような気分になる。おまけに池袋から帰宅するのにバスやタクシーに乗ったりして、普段しつけないことで体調がおかしくなった。土曜日は朝から冷たい雨、昼前に駒沢公園の体育館に出かける必要があった。娘のフラダンス公演を観るためである。駒沢公園なんて行くのは初めてのことで、行きも帰りも道に迷って歩数だけは1万5千歩以上稼がせて貰った。昼間買い物ができないので午前中買い物にでかけたはいいが、卵を買い忘れ、日曜の朝は卵無しで納豆を食うはめに。帰りは池袋で一人忘年会、帰宅はタクシー。

日曜は立川の病院に、入院手術を受けた友人の見舞い。帰りに同行した友人宅で家庭料理の鍋ををご馳走になった。家内が逝ってから既にまる2年近いので、あたたかい鍋とたっぷりの野菜で久しぶりの味、友人も夫婦二人暮らし、すっかり遅くまで話し込んで帰りはタクシーのお世話に。そのせいか昨日は目覚めたのが5:40、すっかり慌ててしまった。よくよく考えれば慌てる必要なんか何もありゃしない。何のことはない、すっかりサラリーマン並みかそれ以上の忘年会シーズンだ。

昨日は新宿の碁会所に行き、帰りにご指導頂いている先生と新宿で忘年会。先生はかなりイケる口の筈だが、こちらを気遣ってあまり召し上がらなかったかもしれない。それでもこちらすっかりいい気分となり帰りはまた池袋からタクシー。帰宅して日曜日に録画したNHK囲碁対局を観ていたつもりだが気がつくと番組が終了していた。それでも今朝は5時少し前に起床、朝のルーティンが一通り出来たようだが、昼の散歩が1万歩に届いていない。なにか用事を見つけて後千歩位は歩かなくてはいけないのだが、もう気力がない。

テレビやメールもろくに見ていないので娑婆の動きはよく分からないが、国会が安倍首相には無事終わったこと、フランスのマクロン大統領とドイツのメルケル首相がロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領をパリに招いて和平交渉の仲介の労をとっていること、北朝鮮の若旦那が、トランプ大統領に業を煮やしたふりをしていることくらいは何となく知っている。国際外校合戦は益々激しいが、相変わらず日本の出る幕は無さそうだ。

2019年12月9日月曜日

開戦記念日


昨日のことではあるけど忘れてはならないこと。
あったことを無かった事にしてはいけない。

2019年12月7日土曜日

この国の産業構造

このブログ読者の多くはボーナスとは無縁になっている方が多いと思う。株の売り買いを熱心にされている方ならいざ知らず「この冬のボーナスが良かった業種とか企業名は?」なんて問いに答えられる方はごく少数のはず。昨日YouTubeで慶応名誉教授の経済学者金子勝氏の話を聞いてびっくりした。今日本で一番の優良企業はゼネコンだとい言うのだ。氏は元々現政権の経済政策には批判的であるのは知っているが、その実証に社員の給与を持ち出したのは新鮮だった。

この冬のボーナスで比較すると、トヨタ自動車より大手ゼネコンのほうが高い。
何故かと言えば、国の産業政策が新たな産業育成には少しも貢献せず、土木中心の公共投資に偏っていると指摘しているからだ。と断言している。念の為、みずほ総合研究所の調査でこの冬のボーナスの数字を確認してみた。

全体の平均支給額は74万7808円、対前年同期比で0.1%の減少
製造業平均は77万6818円 対前年同期比で0.6%減の
非製造業平均は65万1305円 対前年同期比で1.8%増
非製造業の内訳が興味深い
建設業が77万1379円 しかも平均年齢が35.4歳と非常に若い
この数字を上回るのは情報・通信の81万4000円のみで、年齢不詳だ
企業別トップ10には建設業が3社も入っているが、自動車産業が1社も入っていないのも確かだ

いつも書く通り経済のことは分からないが、日本に目新しい産業が芽生えていないことだけは確かなようだ。親類縁者にゼネコンに勤務しているものもいるし、ゼネコンが全産業のトップにいてどこが悪いと聞かれても答えられない。情報通信業界の高給は予てから知るところだが、我が現役時代高給取りの最先端にいた新聞や放送局も当時の映画と同じ斜陽に入りつつある。一方、新しいIT関連の情報産業も、嘗ての国営企業が大部分を占め、残りを少し胡散臭い人がひしめく電話屋さん、或いは神奈川県の中古ハードディスクをオークションで売って事件となった会社をイメージすると実に心許ない。

昨日に引き続き今日も寒いし、予報ではこれから雨または雪が混じるかもなんて言っている。なのにこれから出掛けなくてはならない。明日もどうなるか分からないので、気になっていることを早めに書いた。

2019年12月6日金曜日

誰がための国会

臨時国会は事実上既に終了したようなことらしいが、政府はこれから与党政治家だけと打ち合わせをして重要な国策を決定していくらしい。例えば中東のオマーン湾、アラビア海北部の公海などに、海上自衛隊と航空自衛隊を派遣することについて丁寧な議論をすると発表している。野党を念頭に置かず、慎重意見のある与党公明党を説得することだけ意識しているらしい。と言うことは、立法措置は必要とせず、省令か何かで誤魔化して凌ぐつもりだろう。

いかにも姑息、国政そのものを私物化しているように見るのは小生だけだろうか?しかも年内に自衛隊の中東派遣を決めたら、年明け早々に首相がサウジアラビアやアラブ首長国連邦などを相次いで訪れ、その説明にあたるとされている。立法府での説明を省いて態々アラビア半島諸国を巡ることについて、野党は説明を求め追求したくても国会が開かれていないから出来ませんという訳だ。野党の議員はどう思っているか知らぬが、これほど国民を愚弄した話はあるまい。

なるほど自民党のタレント議員や国会対策委員長が報道機関に屡々言う通り「桜を見る会なんかの議論を長々している場合か、他に議論すべき課題は山ほどある。」の意味が分かる。要するに国民を丸め込み、アメリカの意向に沿った国策を1日も早く実現せしめたいだけだ。取り敢えずは日米貿易協定の発効の目処がついたので、次は米軍主導の有志連合に加わったような加わらないような、鵺みたい手立てを一日も早くだろう。

自民党の諸氏に言われるまでもなく、こちらからも審議してほしい問題は山ほどある。中東のことなんかにかまけている場合か!補正予算も金額だけは決まったような顔をしているが、肝心の災害対策にしても先ず金額ありきで、事業の中身はインフラ整備が中心で被災者救済策については具体策が全く分からない。被災者にしてみれば「なんだかね」だろう。

センター試験の記述式問題の件も国会審議は既に無くなった段階で、文科相が年内に結論を出すそうだ。既に辞任した二人の大臣が説明責任を約束した国会は来年の1月末になって開催されても、人々はそんな事があったっけ?ですっかり忘れているだろう。特に菅原経産相は個人の贈答品問題より、関電幹部への高浜町からの贈答問題で明るみに出かかった原発事業の闇の方が遥か大きな問題だと思うが、経産相辞任のお陰ですっかり影が薄くなってしまった。

この内閣が続く限り、あったことがなくなる国であり続けると思うと実にやるせない。

2019年12月5日木曜日

無駄遣い

年の瀬に入ったせいか、家計のやりくりが気になって、郵便局に小銭を預け入れがてら記帳しに行った。やりくりと言っても入ってくる年金は国が勝手に決めるのでどうしようもない。改めて確認すべきは支出である。年金生活ゆえ無駄遣いは厳に戒めなくてはならない。とは言っても凡人のこと、分かっていても無駄遣いゼロにはならない。国家でも年度設定の違いがあるにせよ、年末になると来年度予算関係の仕事が多くなる。

国家とて財源には限りがあろう。同盟国アメリカの大統領閣下は日本の首相に「シンゾー君よ、貴国は豊かだから少しは面倒見てくれよ。」と防衛予算増を呼びかけたと報じられている。大統領閣下が如何なるデータに基づいて発言されているか伺いたいものだ。ひょっとしたら思いやり予算なんてこともある上に、昨今は次から次へと兵器は買ってくれるし、シンゾー君が世界漫遊するたびに振りまく膨大な手土産の金額を知ってのことかも知れぬ。

我が国の財政なるもの、家計に例えれば火の車状態と認識しているが、素人ゆえに大きな勘違いをしているのかも知れぬ。昨日の会計検査院発表によれば「2020年東京五輪・パラリンピックの関連事業に対する国の支出が約1兆600億円に達しているとの集計結果を公表した。」とある。続く記事全体は引用しないが、既に政府支出として公表していた約2880億円の4倍を既に支出していることも明らかにしている。

2020年東京五輪・パラリンピックの関連は国から以外に東京都が約1兆4100億円、組織委が約6千億円を支出する予定になっているので、今回の検査院の検査結果を加えると3兆円を超えることになる。招致の際のプレゼンでは確か4500億円とか言っていたような気がする。今日閣議で取りまとめられるとされる「経済対策は26兆円で決着」なんて記事もあるが、数字が大きすぎてピンとこない。政府は空中で指をぱちんと鳴らせば、空からお金が降ってくると考えているようだ。

でなければ、桜を見る会が予算を3倍オーバーしたら予算を3倍にすれば済むなんて発想は湧かないだろう。閣僚全員集めて経済対策会議を開くなら、アベノミクスを見直し、ムダを省くことから論議すべきだ。

2019年12月4日水曜日

義務教育課程

マドリッドの「国連環境開発会議」に引き続き、昨日からはロンドンでは北大西洋条約機構(NATO)29ヶ国首脳会議と米仏大統領確執、今週初めにはロシアからの天然ガスパイプラインが中国に到達して開通式が行われるなど、世界は目まぐるしく動いているので書きたいことが山ほどあるが、それらは全て措くことにしたい。と言うのは日本がほとんど蚊帳の外に置かれているからだ。日本の政治家は韓国の政治家を韓半島しか観ていないとけなすが、己の視野の狭さを知ることがないようだ。

年末に首相はインドに出かけるそうだが、インドと何を交渉しようというのだろう?数年前から「自由で開かれたインド太平洋戦略」なんて変なこと言い出し、力も無いくせに中国の進出を封じ込めたいなんて思っている。確かにインドは中国に匹敵する人口を擁し、経済成長の可能性も高いだろう。しかし中国市場での出遅れをインドで取り戻すのは容易ではあるまい。ずっと前からインドに着目していたスズキ自動車でさえ苦戦している現状の筈。

従妹の娘の旦那が確か日立の社員(エンジニア)でバンガロールに赴任しているので、話を聞いてみたいが、行く気にはとてもならない。多分相当苦労していることだろう。要するに日本政府は国民のために何をしたいかさっぱり分からない。今は外国とのことより日本の将来をじっくり考える必要のほうが先だろう。

昨日(PISA)なるものが発表されて、新聞テレビも大きく報道している。これは経済協力開発機構(OECD)が世界79カ国・地域の15歳約60万人の生徒を対象に2018年に行った学習到達度調査の結果だ。日本は全国の高校など183校の1年生約6100人が参加している。注目すべきは、日本は「読解力」が15位となり、前回15年調査の8位から大幅に後退していることではないか。子供の学力について偉そうなこと言える立場ではないかも知れぬが、敢えて言いたい。

子供の頃から読み・書きは非常に重要だと思うし、日本は昔からこれを大切にしてきた筈。明治維新の後も師範先生と称して教員を育成し、教育に力を入れてきた。戦後先生方が組合を結成するに及び、権力者がこれを非難し始めた頃から雲行きが怪しくなったのはご承知の通り。そして今の義務教育課程、話題に上るのは、やれ英語教育だことのプログラミング教育と首を捻りたくなるような事ばかり。

これが日本語「読解力」の低下と関連するかどうかは分からないが、義務教育課程の教員数や質の向上をもっと真剣に考えるべきだ。大学試験制度改革や高校授業料無償化以前の問題だと思う。

2019年12月3日火曜日

あっけない幕引き?

昨日参議院本会議が開かれ、安倍首相が「桜を見る会」に関する質問に一々丁寧に答えたことで、大山鳴動のごとく思われた件が一件落着になったらしい。”目出度し、目出度し”詳細は全く観ていないし、知るのはテレビ報道の精々2分か3分程度のみなので、実にあっけない幕引きだと思う。これで与党が言うところの重要法案審議が順調に進むわけか?

重要法案の審議が行われるとされる今国会は来週月曜の9日まで。数えれば今日を含めて7日間あるが、国会なるもの月曜と金曜は殆ど機能しないのが普通だから、精々3日か4日くらいなものだろう。そこで何が重要法案か知らぬが、邪推すれば与党にとって最大の課題は、首相と大統領がアメリカで合意してサインまでしてきた日米貿易協定の批准だろう。たしか既に参議院に送られていると思うから、1日か2日あれば委員会から本会議採決までは十分。と言うことで、これを睨んだ日程が昨日の本会議だったに違いない。

野党は予算委員会審議を求めていたと喧伝されている。与党自民党としては予算委員会であろうと何であれ、こんな問題で「恐れ入りました、済みません。」なんて安倍氏が言う筈がない事は先刻承知。しかし余りにしつこいので、ならば本会議で本格的にやろうじゃないか、逆手に取ったのだろう。野党がどう応じたか分からないが、何れにしても、これで俗に言う「首相の説明責任」が果たされたことになる訳だ。

長野県小諸市出身の共産党田村議員も頑張ったけど「残念でした」で済む問題で終わる可能性は否定できない。昨日の朝も接骨院の先生と少し話していたのも同じこと。「昔話になるが、小沢一郎氏が民主党代表になりかかった際、政治資金収支報告書の陸山会問題が起こり、直ぐに東京地検特捜部が動き、結局秘書の逮捕に繋がって、小沢氏の政治生命が実質的に絶たれたことを思い出す。」

国会での質疑なんて、見れば分かる通り小学校学芸会以下、少年探偵団の真似事ではないか。司法が内閣に籠絡されていることはある程度分かるが、野党は何故検察を動かすことを考えないのだろう?野党にだって検察上がりの弁護士はいるだろうし、検察の中にも野党に共鳴する検察官は居る筈だ。それが不思議でならない。

2019年12月2日月曜日

知らぬが仏の環境問題

今夜からスペインの首都マドリッドで「国連環境開発会議」が開催され、日本からは小泉進次郎環境大臣が出席とのこと。日本は都心に住んでいても空気は昔ほど汚れていない感じで、環境といえば、今年は大雨による水害くらいしか思い浮かばない。しかし世界を見渡すと、どうもそん悠長では無さそうで、国連の事務総長が、2030年までに産業革命当時からの地球全体の平均気温上昇を2℃に抑えることがとても難しく、人類存亡の危機と声明を発出している。

これまでも度々書いてきているように、CO2の影響は大したことではないとする学者もいるので、国連がそんなに大騒ぎする必要があるのかね?なんて思ったりしているのが実態だ。アメリカもトランプ大統領もその口で、11月4日、気候変動への国際的な取り組みを決めた2015年の「パリ協定」からの離脱を正式に国連に通告している。引き換えヨーロッパの先進諸国は涙ぐましいほど環境問題を意識している。この違いがどうしてか分からないが、世界の一流学者の大半がCO2問題に賛同しているのだから、我々も少し真剣に考える必要があるのかも知れぬ。

CO2問題はさて置き、身近な問題でありながら日本人が余り気にしない放射能汚染について、今朝考えさせられる記事を見つけた。家内生存中は三陸ワカメは買わないとか、色々気を使っていたようだが、最近は近海の海産物など縁がないので近海の放射能汚染は全く気にしてなかった。確かに近隣諸国がこれを気にして日本食品の輸入禁止措置をとっている国があることは承知している。自分が気にしないので、なんでそんなに神経質になるのか不思議でもあった。

今日の記事は、日刊ゲンダイのWEB版に掲載された国立札幌病院・北海道がんセンター放射線科に勤務、約40年間がん治療の現場で放射線治療を続けてこられた西尾正道氏によるものである。氏が力説するのは、福島の事故を起こした原発サイトで溜まりに溜まった汚染水の海洋投棄問題。これを「原発汚染水の海洋放出は人類への“緩慢な殺人”」と題して警鐘を鳴らしている。

確かに素人考えで言えば、無害であれば最初から海洋投棄すればいいじゃないかと思う。それを保管が難しいので8年も経ってから急に言い出すのはおかしい。氏は次のように述べている。「トリチウムの排出規制基準も日本は異常に緩く、日本の飲料水基準は1リットル当たり6万ベクレルです。これは日本で最初に稼働した福島第1原発が年間20兆ベクレルのトリチウムを排出していたことから、国は放出基準を22兆ベクレルとしました。それが理由で、医学的な根拠はまったくありません。」参考:WHO(世界保健機関)は1万ベクレル

9月の国連気候サミットで安倍首相が演説を断られたそうだがさもありなんだ。

2019年12月1日日曜日

共産党の営業

最近は、定期的な支払いを全て振り込みでしているので集金人が訪れることもないので、滅多に人は訪ねてこない仕組みになっている。ところが昨日の午後、玄関からピンポーンと呼び鈴が聞こえた。訳の分からぬ売り込みなら無視するつもりで声を上げずに外を伺うと名前は知らぬが見たことのあるご近所さん、取り敢えず対応することにした。玄関を開けると男性一人とご婦人2人の3人連れ。

男性が回覧板のようなボードを取り出しながら「いつもお世話になります。私達は共産党の者です。一寸ご意見をお伺いさせて下さい。」ときた。取り出したボードはA3二つ折り片面に緑色の丸いシールが沢山貼られている。説明はこうだ。『いま国会で問題化している「桜を見る会の」疑惑について、もうこんな問題をいつまでも騒ぐのを辞めてもっと他の問題を審議すべきと言う声があるのも承知しています。実はこの問題は私どもの機関紙「赤旗」が最初に取り上げていますので、このことをもっと国会で追求してほしいと思い、皆さんのご意見を伺って歩いています。』

「ご賛同頂けるならこのシールをこちらに張って頂けないでしょうか?」とのことだったので気軽に応じることにした。すると彼がすかさず「これを機会に赤旗をたとえ1ヶ月でも構いませんのでご購読願えないでしょうか?」だった。考えれば署名を集めるならわかるが、気軽にシールを貼らせてのセールスプロモーション、なにか子供を騙すような手口だ。空き地を挟んですぐ裏に住むご主人だが、共産党も世知辛いのだろう。別に腹も立たないが、普通の新聞でさえ宅配は全て断っているのだから勿論きっぱり断った。

「ありがとうございます、ご参考まで。」と言って「しんぶん赤旗」日曜版12月1日号を置いて去っていった。内容は目新しいものは無いが定価は月額930円1部売り240円となっている。日刊紙は3497円と書いてあるので、朝日や毎日とあまり変わらないのでは?共産党集金力の源泉と聞くが、昨日来た3人もかなりの高齢、もう少し別なことを考えないと党勢維持も難しかろうと、余計な心配をしてしまった。

2019年11月30日土曜日

初冬の散歩

今日で11月も終わり、今年は木枯らし1号、即ち10月半ばから11月末の間に、初めて吹く毎秒8メートル以上の北風が吹かなかったそうだ。では比較的暖かい日が続いたかと言えば決してそうではない。昨日今日は久しぶりの晴天になったが、それまで1週間も雨降りが続いたりして実質的には初冬の感がひしひしと迫っている。今日も朝から快晴とは言えかなり冷え込んだ。

庶民の賃金が一向に上がらないのに有効求人倍率1.8とかだから景気が回復している、と言われてもどこかピンとこないチグハグ感。今年は暖冬だそうだが、お天気はまさか嘘を言わないだろうね。昔は暖冬と聞くと、スキーシーズンが短くなるのでなんだか寂しい気がしたが、最近は暖かい方が雪かきをしなくて済むことや、光熱費が安くなることを想像するのでずっと有り難い。

朝食後に区から送られてきた介護に関するアンケートに答えを記入。投函するついでに天気が良いので皇居まで足を伸ばし、大嘗宮でも見学するかと思い立ったが、実際に皇居にたどり着くととてもじゃないが、見学どころではない。普段利用する北詰門から皇居を時計回りに半周して有楽町の素敵庵まで歩き、久しぶりにステーキ定食を食って帰宅。大嘗宮は建築中にちらりと観ているし、今更観ても観なくてもどうということは無い。

1万歩以上散歩できただけで十分である。それにしても東京駅正面から皇居に向かう一本道は銀杏の黄葉がなんとも言えず綺麗だった。昭和30年代終わり頃だったろうか、皇居前広場が整備されて皇太子殿下(現上皇陛下)ご成婚記念噴水の脇に座って丸の内方面を眺めた記憶が蘇った。「ああ、日本もここまで来たか。東京はこれ以上綺麗になる必要も無いな。これからは地方都市の整備に力が入るのだろう。」新幹線も高速道路も未だ無い時代のことだ。子供心に他人事のように思った。

今日見た風景はまるで外国の風景。美しいことは美しいが、遥かに見えるビルのスカイラインは何を言わんとするのだろう?目を見張り耳を澄ましたところで何も聞こえず、誰が何のためにこの光景を生み出したか、とても考えが及ばない。


2019年11月29日金曜日

老後の人生

一昨日京都で久しぶりに会った友人が面白い話をしてくれた。彼は未だ60歳を少し超えただけ、サラリーマンをして一応役員まで行ったが、定年と同時に会社との縁を絶ち、元々好きだった音楽の世界で所謂シンガーソングライターをしながら自由気ままな生活を楽しんでいる。シンガーソングライターを職業としたつもりでも、趣味を満足させることは出来ても社会は急には認めてくれないだろう。しかし話を聞くと、地元から始まり徐々に活躍の場が広がりつつあるようで目出度い限りだった。

その彼が話の中で面白い想いを聞かせてくれた。「これまで様々な思いを歌ってきたが、これからの活動を通して、世の中から<老後>を無くしていきたい。」言われてみると、世の中には自分が置かれている立場を<老後>と感じている人、或いは迫りくる先の人生を<老後>と思い、それにどう備えるか真剣に考える人は多いだろう。特にお国から「後期高齢者」なんて結構な肩書まで頂戴すると、棺桶の近くに佇んでいるような気になりかねない。

経験からすると当時は意識してなかったが、所謂サラリーマン即ち人様からお給金を頂戴することが途絶えた時、個人で起業したのが63歳。一昨日そのことに話が及ぶと彼がしきりに褒めてくれた。確かに、人によっては会社を辞めた時からが老後と思う人もいるだろう。私の場合は蓄えがさほど無かったので、なにかしないと拙いなと思っただけである。何をするかは考えず、取り敢えず有り金をはたき300万円で有限会社を立ち上げてみた迄だ。

これが結果的には、そこそこの食い扶持を以来10年くらい齎してくれたのも事実。仕事の内容は極めて単純、ある社団法人のホームページを制作管理するだけ。自身の最大課題はこの仕事を誰に引き受けてもらうかだった。設立8年目くらいだったか、幸い素晴らしい技術系人材が見つかり、社長になってもらった。しかし好事魔多しの喩え通り、得意先の担当者が代わって受注が難しくなり、折角の代わってもらった社長が急死したりして経営破綻。その後数年は資本金を食いつぶしながら近くに事務所を構えていたが、これも手放し宿六に逆戻り。

その後は友人の仕事を手伝う条件で、友人の事務所にデスクは貰ったもののさしたる仕事にならない前に、2年前の平成29年の年末に家内が急死したので、家に戻って独居老人となった訳だ。要するに老後なんてことを考えている暇が無かったとも言える。現在も3度の飯に何を食うか、考えて準備し、食って後片付けすることに追われ、毎日が忙しく、3日位先のことは考えても半年先や1年以上先のことなどとても考えられない。よくよく考えると老後はこれからも無いかもしれぬ。

改めて京都の友人の思想に大いに賛同し、彼の活躍を期待したい。

2019年11月28日木曜日

京都の夜


天気が良ければもう少しゆっくりする予定だったが、京都も雨模様だったので早めに帰ってきてしまった。しかし昨日の午後は良い天気で、楽しい観光旅行が出来た。急ぐことは何もないので10時半ころ東京を出発、運賃の安い「ひかり」で3時間かけて京都着、天皇陛下の里帰りと打つかってしまったので、京都駅は警官で溢れかえっていた。友人との待ち合わせは夕方4時になっていたので、駅で軽い昼飯の後バスで嵐山方面に向かう。

バスはさほどでもなかったが嵐山の紅葉が真っ盛りとあって、渡月橋とか天龍寺界隈の人混みは半端でない。今月頭の丹沢大山の山頂といい勝負、カメラを構える場所さえ無かった。京都駅を出たのが確か2:30頃だったので既に約束の4時には間に合いそうにない。友人に電話して約束の時間を4時半に変更してもらい、嵐山から京都にJRでバック。

4時半に四条河原町高島屋前で友人と再会。彼は中高校から同志社なので京都は詳しい。食事の予約は6時とのことで、1時間半かけて京都中心部を宵の散歩。考えると大阪に6年近く住んだ割には、京都の中心部をゆっくり観光するのは初めて。高島屋前から友人の説明を聞きながら東の方にゆっくり登っていった。観光のトップシーズンだけにまちなかの人混みも相当なもの。歩道いっぱいに人が溢れている。

京都だけに和服を着た夫婦連れが多いが、その殆どが外人さんのようだ。言われてみると確かに安っぽい着物が多い。南座の招きも昨日上がったばかりなんて説明を聞きながら、有名なお茶屋「一力」の角に。ここから祇園かなんて思いながら建仁寺の境内を抜け(八坂道から八坂の塔八坂神社、そして清水寺の正面で踵を返し、高台寺の脇から再び八坂神社に降り、祇園の真っ只中。祇園には花街が3つあるそうだが、昨夜飲んだのは祇園東と言う場所とのこと。

最初に入ったのが、近江の蔵元がやっている居酒屋「遊亀」。1階はカウンターで既に満席、予約は2階にある座卓、但し板の間に座布団なので2時間で足がしびれて立てなくなった。酒も肴も美味かったが辛抱できなくなって仕舞にする。勘定がびっくりするほど安いし、飲んだ酒がうまかった。と言うのは、なんと精米していない米で作った酒を飲んだから。人によっては全く駄目という人もいるようだが、なんとも言えない米の味がするのでつい飲みすぎたかも。

2軒めの店がまた楽しかった。女将さんが占いをしてくれたのだ。最初入ったときは客が二人だけだったので非常に面白く話を聞き始めたのだが、途中からものすごく混みはじめ、少し心残りだったが、これもなんとも言えない良い体験と言える。


2019年11月26日火曜日

ロマン

何気なく使っているが「ロマン」とは「およそ実現しそうにない幻想的なもので、夢や冒険心をもたらすもの」が正確な意味らしい。この歳に至れば、およそ実現しそうもないことが身の回りに溢れているから、毎日がロマンティックな人生とも言える。昨夜NHK・BS1「日本百名山 赤石岳」を観て、そのロマンティックな思いに浸った。長野市内の飯縄山(1900m)登山でさえ叶わなかった今年だ。無理すれば未だ行ける可能性はあるだろう。しかし赤石岳は南アルプスの3000m峰、もう行けないことは間違いない。

昨夜のテレビで紹介された大倉峠は、大倉財閥の創業者大倉喜八郎氏が88歳の時に自分の所有する土地の最高地点に立ってみたいと志し、恐らく地元の山林業者などに命じて開いた道とのこと。しかも氏はその道を200人のお供を率い、自身は籠に頼ったようだが、山頂に至ったそうだから正に男のロマンを実現したとも言える。昔の人は偉いものだ。と思うと同時に自分のアルバムを開いて、昔行った赤石岳の写真を改めて見直した。

日付は2013年8月2日、昨夜の番組は9月に撮影されたものらしく紅葉が鮮やかだったが、アルバムの写真は未だ緑濃い夏姿だ。でも雲の彼方に浮かぶ富士山の姿はテレビの映像と寸分も違わないことに感激、当り前だろうが脳軟化しかかっている単純なオツムだ。

もう一つのロマンティックな話題がある。今朝の報道でドイツからもたらされた大泥棒の話。「欧州有数の美術コレクションを誇るドイツ東部ドレスデンの「緑の丸天井博物館」から25日、宝石でかたどった装飾品など歴史的な収蔵品が盗まれた。」盗まれたのは歴史的な宝石で値段のつけようもないほど高価なものらしい。また盗賊は未だ捕まっていない。行ったこともないので想像するしかないが、ドイツの歴史的美術品はスターリンに依って殆ど盗み取られたと思っていたので、そんなに高価な美術品がある事自体が驚き。

昨今はIT技術の向上で泥棒活躍の余地が極めて狭まれているはず。それが証拠には最近は映画でさえ泥棒を主役にしたものが少なくなっている。そんなに有名なお宝を盗んでも換金することが可能なんだろうか?アルセーヌ・ルパンのように大金持ちのくせに趣味のように盗みを働いたとしたら?捕まってみれば夢は敗れるだろうが、今のところは主犯にロマンを掻き立てられている。

*平日ですが明日から2日ほど、京都の友人を尋ねるのでブログを休みます。

2019年11月25日月曜日

選挙で選ばれた人

昼近くなって久しぶりに陽の光が射してくれた。気温もぐっと上がり実に気持ちが良い。昨日、他国のことはどうでもいいようなことを書いたが、香港の区会議員選挙とは如何なるものか知らないけれど、民主勢力が地滑り的な圧勝とのニュースが流れている。これまでの与党や本土の政府は困っているだろうが、羨ましい。

日本では新年の次期通常国会冒頭解散説が噂されたりするが、これをやられて野党が勝てる見込みはないばかりか、現政権がこれまで並べ立てた嘘八百が総てチャラにされることにもなりかねないそうだ。日本はどこまで腐れば良いのだろうか?腐りかかっていると感じるセンス自体が浮世離れしていると理解するしか無さそうだ。

己の考えが常に正しいとは思わないが、他人との会話で嘘は言いたくない。本当のことを言うと拙いなと感じたら、話題を変えるか黙っている方が善いと信じている。嘘を言い始めたら後々辻褄を合わせるだけで神経が磨り減る筈。森友事件では辻褄合わせの公文書改竄に従事した近畿財務局職員が、お気の毒にも亡くなったりしている。東京の財務本省の高級官僚は誰一人罪の意識が無いようなのも凄い。

政府の言うとおりにしていれば取り敢えず自分の人生は安泰で高禄が保証されている。そりゃその通りだろうが、彼らにも嫁もいれば子もいることだろう。妻子に対しどんな顔で向き合うのか?男は仕事の話は家庭でしない、と言っても妻子は気になる筈だ。話が始まったら家族にまで嘘を付くもだろうか?他人事ながら心配してしまう。

個人的なことはとやかく言っても始まらない。問題は政府が意図的に国民に対して嘘を言うこと、これをどう考えるかだ。嘘はいずれバレると教わったが、政府の嘘はやがて反転して真実になりかねない。この弊害を阻止するために普通の民主国家は政府に絶対的権力を認めず、権力を3つに分散して立法府、司法府に同等或いはそれ以上の権限を与えている。中でも選挙で選ばれた立法府の権限が最高とされるのが普通。

香港の区会がどれほどの権限を有するか知らぬが、日本の国会は政府の権限に全く隷属させられてしまっているみたいだ。

2019年11月24日日曜日

他国のこと

先週末以来陰鬱な雨降りが続いている。何でも木金だったか金土2日間で平年の1ヶ月分雨量を超えたとのこと。昨日までは気温も低かったが、今日は雨模様に関わらず気温が気持ち悪いほど高い。何れにせよ気分は晴れず、午前中はただボーとしていたが、昼前にいつもの歩行だけはと思って東池袋の区立図書館に行き月刊文藝春秋12月号を読んできた。

10日の発売日に書店で手にした時、安倍首相と田崎史郎氏の対談が掲載されていたのでバカバカしくなって買うのを止めたものだ。勿論こんな記事やNHKの岩田明子氏が書いた記事などは読みはしない。巻頭随筆は一応全て読んで思ったことがある。最近この頁のトップを飾っている藤原正彦氏の随筆についてだ。氏は数学者である以上に日本文化の存続に警鐘を鳴らす文明評論家として、私は尊敬しているし、文藝春秋社も同様であろうと思っている。

藤原氏は12月号に「楼蘭の美女」と題する随筆を寄稿して、中国のウイグル族弾圧政策を厳しく非難している。即ち、中国政府が約3千万人と言われるウイグル族人民の3分の1にあたる1千万人を強制収容所にぶち込み思想改造していることについて、人権無視も甚だしく許せないとのこと。氏は英国生活は長いし、海外事情については豊富な経験と情報源をお持ちの筈だから事実誤認はないと思う。勿論人道主義立場に立つ論評に異を唱える人もいないだろう。

氏も少し触れておられたが、私は世界いたる所で見られるこの種の特定民族に対する為政者の弾圧、例えばミャンマーのロヒンギャ族、トルコやシリアのクルド族とか、少し趣が異なるが香港の学生暴動といった他国の内政に起因する暴動について、どちらかの立場に立っての感想を述べたことはない。自分で直接見れば意見も湧くだろうが、記者が直接見ている事実はあるにせよ、その報道を観ただけでこっちに理があるとか、いやあっちの方だなんて言える筈が無い。

今は昔の話になるが、大学2年の時だから60年近く前になる。日本にも60年安保騒動があった。ノンポリで一度も参加しなかったが、国がひっくり返るような大騒ぎ、その騒ぎの中で東大生の樺美智子さんが国会通用門で亡くなったのも事実。これを機に学生運動が隆盛を極め、東大入試中止などを経てあさま山荘事件(1972年)などに繋がって行った。当時外国メディアがこれをどのように報道したか知らぬが、この騒ぎで逮捕され長期刑を被った人々は今どうしていることやらである。

2019年11月23日土曜日

今朝NHKBS1スペシャルを観た

テレビコマーシャルが挿入される番組を見るのも限られているので偏った見解かも知れない。今日思ったのはあたり前のことだがCMの種類が時代とともに随分変わっていること。先ず自動車について、スズキやダイハツ等小型車ばかり目につく。最近ご近所を見ても国産のプリウスやレクサスといった大きいセダンを駐車している家は少なくなって、国産小型車かベンツなどの外車に分かれている。

こんなところにも実質所得が上がらない庶民と全国に300万人以上存在するとされる富裕層に分かれ始めた日本の経済格差の一端を見る思いだ。テレビコマーシャルや車の影は少なくてもトヨタは日本を代表する企業、年間の生産台数は全世界で約1100万台、売上約30兆円、営業利益約2兆5千億円と聞く。どこから見ても日本を代表する超優良企業。雇用や税金の貢献も大きいだろう?

但し、この超優良企業でさえここ10年くらいで、コンピューターやソフトウェアを駆使して世界のサイバースペースを支配するに至ったアメリカ企業(GAFA)や同様の中国企業の後塵を拝するに至り、何となく古臭く活力が乏しく見える。所詮どんな企業の経営資源もヒト・モノ・カネ・情報とされるが、詰まるところは人材かと今朝は思った。

何故ならたまたま早朝の6時からNHKBS1で放送された番組「インド“世界最高の頭脳”を獲得せよ~密着!就職面接会3日間」を観たせいである。インド人が数学に強く、今流行りのIT技術者にもインド人が活躍していることは聞いていた。がしかし、その技術者を今世界で最も多く排出しているのが「インド工科大学」で、アメリカの「マサチューセッツ工科大学」より抜きん出ているとは知らなかった。

大学の責任者自身がテレビのインタビューに応えて「我が校は世界で最も優秀な学生を世に送り出しています。」と豪語するほど。就職試験は大学が先ず卒業予定者との面接を希望する企業を選別して、学生側の希望とマッチングの上校内で面接試験をさせる仕組み。順番はGAFAやゴールドマン・サックスなどの金融大手などから、要するに過去の実績を反映して決められる。ここには日本から来た企業として「メルカリ」がいたが、残念ながら「トヨタ自動車」の影はなかった。

今年度の法人税収が見込み違いになりそうだとの報道があるが、政治家や官僚は何を考えるかだ。メルカリが何れトヨタ自動車になれば良いが、その道は随分遠そうだ。

2019年11月22日金曜日

レームダック化

安倍総理の在任期間が歴代総理の中で最長になったとのことは、ご本人からすれば誠に目出度く喜ばしい限りだろう。しかし今週の何曜日だったか忘れたが、その日になった途端、テレビ局はそのことを報じると同時に総理の来歴を振り返り始めた。これは総理にとって有難迷惑だったに違いない。しかも総理は例の桜を見る会で叩かれている真っ最中。総理在任歴代最長7年の間に達成した功労功績追求の枕か締めくくりにどうしても現在進行中のスキャンダルが出てくる。余りにタイミングが悪すぎる。

どうしても功労功績の影が薄くなる。昨日だったか一昨日だったか、その功績強調のために、とある番組に出てきた根本元厚労相。他のゲストや番組司会者が「安倍首相は毎年のように新しい看板を掲げてきたが、何れも掛け声倒れで成果らしきものは何もなかったのでは?」とやや厳しい意見に対し、「看板だけでなく実態即ち失業率が下がって雇用が良くなって家庭の収入が上がっていること等の数字をよく知ってほしい。」と孤軍奮闘色をなして反論していた。

この応酬のどちらに理があるかは問題ではない。それに引き続いた根本氏の発言に「成程、そうか」と思った。紹介によると彼は岸田派の幹部で、「次の自民党総裁は岸田氏。」と断言したのである。番組は他に石破氏だことの菅氏だことのと数人の顔写真を上げたり、短いコメントを付して紹介はしてた。野党関係者が出演していたかどうか記憶がないが、枝野氏の名前もちらっと出たような気がする。

細かいことは別にとして、首相の総裁任期が未だ2年も残っているにも関わらずマスコミがこのような番組を放送し始めたということは、安倍氏の寿命が遠からず終わると見始めた証拠だ。1社が始めれば同様の番組も増えて、首相のレームダック化は促進される。安倍氏も必死に抵抗し始めるだろうが、果たしてどんな手段が残されているか?首相お庭番としてテレビを始めとするマスコミを支配してきた田﨑史郎氏に代表される言論人たちは、「安倍氏はまだ若い、これからだ。」と力説強調はしているが、果たしてどうなることやらだ。

総理の座を襲うべく狙っている勢力は何れも弱いのは事実、しかし「時の運」が誰かに微笑むことも無くはあるまい。レームダック化した政権なんぞ早く成仏したほうが善い。

因みにレームダック(英: lame duck)とは、「役立たず」「死に体」の政治家を指す政治用語。

2019年11月21日木曜日

日本で言えば官邸官僚

アメリカの議会下院ではトランプ大統領の弾劾に関する議論が、民主・共和両党の間で戦われている。今朝の報道では公聴会の目玉証人のソンドランド駐EU大使(元々トランプ氏の支持者)が大統領に不利な証言とも報じられている。しかし、下院は民主党が過半数を占めているので弾劾決議が通過しても、上院では共和党が圧倒多数なので否決されて成立しない。が大方の見方で、トランプ氏再選の可能性が相当高いと聞いて残念に思っているところでもある。

昨日たまたまその公聴会の中継を交えたテレビ報道を少し観た。昨日は参考人として招致されたのは四人のようだが、取り上げたいのは一人だけ、民主党側が呼んだうちの一人ホワイトハウスのスタッフ(国家安全保障会議勤務)のビンドマン陸軍中佐のことだ。

ホワイトハウスのスタッフとは日本で言えば内閣府官僚に相当する筈。内閣府の役人全員が首相官邸にいるのかどうかも知らないが、トランプ大統領が顔も知らないと言うのは理解できる。一つ分かったのは、ビンドマン氏は大統領が選んだ人物ではなく、陸軍がロシア・ウクライナ担当の大統領スタッフとして適任ということでホワイトハウスに送り込んでいることだ。

従ってビンドマン中佐は大統領には忠誠を誓っているが、同時に自己の良心に従いアメリカ合衆国々民としての義務を重んじているとも発言。昨日の証言では明らかに大統領にとって芳しくない証言「大統領の電話内容を聞いた時、これは政治的意味を持つので不味いと感じて、上司か他のスタッフにその旨を伝えた。」をした。共和党議員からは「そんな発言をして命の危険を感じないか?」のような質問もあったが平然としたものだった。

それにはこんな訳もありそう。日韓問題のこじれの仲裁で日本や韓国にまで来て一躍有名になったアメリカのエスパー国防長官が「ビンドマン中佐はロシア・ウクライナ問題のエキスパートとして陸軍が責任を持ってホワイトハウスに送り込んだ人物である。彼の発言を全面的に支持する。」要するに、おかしな真似はさせないと声明を出した。

昨日見たテレビ局は公共放送局のPBSと商業放送局ABCの2局、両局ともビンドマン中佐はウクライナ生まれで、母親を亡くした後に40年前の5歳の時、父親が双子の兄弟を伴ってアメリカに移住してきた。そして二人共陸軍々人となって国家に貢献してきたことをドキュメントに編集して紹介していた。アメリカの悪口も大分書いたが、なんだかんだ言っても日本とは大分趣を事にすることを実感。

2019年11月20日水曜日

籠池泰典氏夫妻

暇な小人だから不善かも知れぬか、昨日何となくYouTubeで「言論ながさき講演会 真相トーク 森友事件 籠池 泰典・諄子夫妻を招いて」を開いてしまった。観始めて気がついたが全編視聴するのに1時間45分も掛かる。森友事件は既に過去の話で、つまらなかったら途中で打ち切るつもりで観始めたが、結局中断を挟んで最後まで観てしまった。講演会主催者の言論ながさきは長崎市のNPO法人「言論の自由と知る権利を守る長崎市民の会」。

半ば公的機関が、未だ裁判中の刑事被告人を招いて講演会を催すとは長崎市民の心意気は見上げたものだと思う。改めて籠池氏の経歴を調べると四国の高松市で海運業を営んでいた父親の代から生長の家の熱心な信徒で、籠池氏にもその影響は強かったように思われる。しかし、氏は関西大学商学部を卒業しているが、在学中に生長の家が推進していた民族派学生運動には消極的だったし、現在の生長の家や関係が深いとされる日本会議とも絶縁状態のようだ。

それはさておき、現在の籠池氏夫妻は懲役7年という求刑を受け、住むに家無く無一文状態のらしいが元気そのもの。小一時間の講演で事件の経緯を立て板に水を流すように滔々と訴える。即ち、国有地を破格の安値で払い下げを受け、そこに「安倍晋三記念小学院」建設を目論んでいたこと。これが豊中市会議員の告発で明るみに出て一気に疑惑が深まるなかで、総理夫妻との関係が浮かび上がり、当初応援者だった総理夫妻があるタイミングで手の平を返し、国会の証人喚問等を経て結局詐欺容疑で大阪地検特捜部の手で結局逮捕、300日の勾留の後釈放されるも、今は先に書いた通りの状態になってしまった。

これは国策捜査そのもので冤罪も甚だしいと訴えているわけである。講演の最後を締めくくったのが、先月30日検察求刑、弁護人最終弁論後の法廷で述べた被告人意見陳述。全く同様のことを述べている。妻諄子氏も短い感想を述べた後に同じように意見陳述を読み上げた。その後司会者や一般参加者からの質問が40分以上取り上げられたが、印象に残ったのは氏が取調べ中に検察官から「離婚するのでしょう」と問いかけられたことと、妻淳子氏が拘置所生活について語った厳しさ。

籠池氏は日本に三権分立は存在しないと語るが、国際標準になっている「被告人は推定無罪」の原則は日本では爪の垢ほども存在していないことは実感。

裁判中に被告人の話を一方的に信じるのは如何とも思うが、時間に余裕ある方には是非下記をご参照願いたい。
https://www.youtube.com/watch?v=5XGS8r3zDK0

2019年11月19日火曜日

本当に異常気象か?

時々夜寝ている間にお湿りがあるが、冬晴れの良い天気が続いている。最近の天気予報は短期的には実に正確でありがたい。但し今度の冬は暖冬の可能性が高いなんて言われても俄に信じる気にはならない。まして年単位或いはそれ以上長期に渡る気象情報を信じる人は少ないだろう。昔から何回か紹介している科学者の武田邦彦先生(中部大学総合工学研究所特任教授)に言わせれば、地球は穏やかに寒冷化に向かっているので温暖化ではないそうだ。

それにしても今年の夏、東京はえらく暑かった。おかげでオリンピックのマラソンと競歩会場が札幌移転を余儀なくされ、小池知事の怒り買ったほどだ。当方としては怒る理由は何も無いが、少なくとも日本は温暖化傾向にあると信じたい。何故かと言えば単純な話で、台風の影響がだいぶ北まで及ぶようになったとか、亜熱帯性果物や稲が北海道で栽培可能になったとかで勝手に想像しているだけのことだ。

しかし仄聞するに、外国特に国連あたりでも地球温暖化とその原因が人類の排出する二酸化炭素説に対する疑問が生じているらしい。何れの説が正しいかは科学の世界なので素人判断は出来かねる。しかし今年は世界各地で異常気象が相次いだ。夏は熱帯雨林やアメリカだけでなくヨーロッパやロシアでも大規模な山火事が相次ぎ、つい先日はベネチアの高潮被害も50年ぶりとか言われている。

そのせいか、ドイツやフランスは温暖化対策としてのエネルギー問題が大きな社会問題になっているが、日本はその手のことは全く問題にならず、エネルギー供給が一部特権階級の利権化していることで騒ぎが起きているのみだ。起きているというよりは起きかかったが、既に臭いものに素早く蓋が被せられて、既に大方の人から忘れられているようだ。毎年のように台風被害は馬鹿にできぬが、これもよくよく考えれば人災の可能性が大きい。そんなことを併せ考えると、やはり日本は四方を海に囲まれた島国で、気候はそれこそ温暖、鉱物資源はさほど無くても食うに困らぬ結構な国だ。

2019年11月18日月曜日

国会のあり様

今月に入って国会では、総理の桜を見る会スキャンダルで大いにに盛り上がっている。読売テレビの辛坊治郎キャスターに言わせれば、昔からの慣例で騒ぎ立てる程のことではなかろう、騒ぐ野党議員がバカみたい。だそうだ。自民党幹事長二階氏も同じようなこと仰って、質問を発した取材記者を睨みつけていた。だからこの問題は取るに足らぬことかも知れぬ。であれば総理ご自身が国会で野党の質問に応じて、同様なことを仰っしゃれば済む話だろう。

しかし何故か自民党国対は総理にその場を与えようとしない。そこで気になったのが今国会の期限。これは来月9日となっているから、実質的には6日金曜日まで。これを過ぎてしまえば1月末の通常国会招集まで長い冬休み状態となる。人の噂は75日と言われるが、忙しい現代ではとてもそんなに長くは持たないだろう。既に来年のNHK大河ドラマ出演が決まっていた大物女優が麻薬所持で逮捕され、この問題の影を薄め始めている。

警察は有名人の麻薬使用者リストを大量に保有して、いざという時に備えているそうだ。嘘か本当か知らぬが一部には、今回の女優逮捕にあたって警察がマスコミ各社に事前リークしたことを次のように解説する向きもある。NHK社会部が調子づいて花見問題を取り上げ始めたことを官邸が懲らしめたい、との意を戴したもの。風聞に過ぎぬが、成程官邸サイドにはグッドタイミングだろう。

たまたま今朝の朝日新聞に「国会で説明する、責任を果たすとは如何なることか」について長谷部恭男・早稲田大教授(憲法)と杉田敦・法政大教授(政治理論)の対談が掲載されている。冒頭、先日イギリス議会が政府によって5週間休会を宣言されたが、これを最高裁が違法と判決した例を引いて、日本国会の問題点を指摘している。具体的引用は長くなるのでしないが、見出しは「安倍首相、説明しないがヤジ飛ばす 2つの責任を考える」

2つの責任とは、レスポンシビリティー(行為責任)とアカウンタビリティー(説明責任)とのこと。何かことがあると「責任は私にあります。」と胸を張る安倍総理閣下、この二つをご存知だろうか?

2019年11月17日日曜日

読後感「桑中喜語」永井荷風著

読後感をかくことを少し迷ったが、著者が文化勲章受章の日本を代表する文学者でもあり、他に書きたいことも無いので敢えて書くことにする。著者の名前はよく知っていたが、その作品となると何を読んだか記憶が無い。ひょっとすると何も読んでいないかも知れぬ。本書を読んだのは高校同期の友人がグループメールで次の言葉を紹介してくれたからである。即ち「追懐は老者無上の慰楽となす所なり」我々の年代になれば誰しも昔が懐かしい。

大文学者が何をもってお墨付きを出したのか?それにしてもへんてこな題名だ。友人が題名については先ず次のように解説してくれた「桑中喜語とは桑年にあたっての述懐」というような意味で、桑年とは四十八歳のことだそうです。桑の異体字である「桒」が、十を四つと八を重ねていることから、四十八を指す。重ねて次のように述べる。「桑中(そうちゅう)」には、別の(というか、本来の)意味があって、関心のある方は「広辞苑」で確認してみてください。」と何故か意味深である。

広辞苑で調べるより読んだほうが早かろうてなことで、早速アマゾンで検索すると、なんとkindle版が0円、即ちロハ。直ぐにダウンロードした。著者の小説は私小説や親戚知り合いをテーマにしたものが多いそうだが、これもその典型である。自らの女性遍歴を赤裸々に綴っている。ネット上のwikiには略歴が詳しく書かれているが、明治時代の高級官僚の家庭に生まれ、今でも超難関とされる小中高校を卒業しながら、女性への追求心と言うか憧れが極めて早熟、晩年に至るもその気持は変わらなかったようだ。

本書は著者46歳の作品であり、この時既に、自分はこれまでの生涯の醜聞をさらけ出して通俗小説を書いて稼ぐ、と明確に宣言している。そのためには下情、即ち下々の事情に通じなければならないから、10数年に亘る海外生活を含め、あらゆる岡場所を漁ってきた。と正直に書いている。因みに最初の経験は「僕年甫めて十八、家婢に戯る。」と書いているから、18歳の時女中に手を出したのが始まりで、後は一瀉千里、市内の遊里を軒並み探訪したらしい。

結婚も2回しているが、当然破綻。死んだのは知人の家に間借りしている時。血を吐いて倒れているのを朝出勤してきたお手伝いさんが発見したそうだ。wikiによれば所持品には現金30万円強と預金通帳数千万円、他に文化勲章などを入れた鞄があったらしい。享年80歳。ご本人は満足してあの世に旅立ったことだろう。

2019年11月16日土曜日

打ち合わせ不十分?

最近殆ど観なくなっていたテレビ番組を今朝は実に興味深く観させてもらった。日本テレビ系列大阪の読売テレビ「ウェークアップ!ぷらす」。メインの司会は辛坊治郎氏。本日はゲストに橋本五郎氏(読売新聞特別編集委員)や橋下徹氏(弁護士・元大阪府市長・大阪府知事)他には三輪記子氏(弁護士)と別所哲也氏(俳優)が招かれていた。橋下徹氏以外は準レギュラーとも言える。橋下徹氏だけが異色だ。

そもそもこの番組は司会の辛坊氏と橋本五郎氏が揃うと、いつも政権のヨイショしかしないので興味が持てなくなっていた。ところが橋下徹氏が加わり、今日は日本のテレビ番組には珍しく甲論乙駁で活発な意見が飛び交い実に面白いものになった。そのテーマが例の総理主催「桜を見る会」である。徹氏は最初から「政治資金パーティーそのものだから、これは駄目ですよ。政治と行政をごっちゃにしている日本の悪しき慣習の一つ。」とダメを出す。

事前の打ち合わせがどうなっていたか分からないが、辛坊氏も相当慌てたと思う。五郎氏も褒められた話ではないだろうが、類似の催事は沢山あり、これを駄目と言い出せば日本の行政が仕切る似たような催事全部がだめに成る。大阪は大丈夫かと念を押すが、五郎氏は胸を張って「大阪はそこのケジメを全てつけた。行政の催しに酒食は一切出していない。」と応酬。大阪府知事時代もこの会には呼ばれなかったか、兎も角参加したことはないとのこと。

司会の辛坊氏もなんとか五郎氏の助けを借りて長年の慣習でもあり、皆分かっていることだから「吉田茂氏以来最初から総理の人気取り行事と決まった話、今更騒ぐ野党が馬鹿みたいものだ。」と発言。すかさず徹氏が「いま辛抱さんが野党をバカと発言しましたので私から謝ります。」とカバー。辛坊氏の頭に血が上り顔が真っ赤になった。五郎氏の顔も真っ赤。徹氏はさすが弁護士、平然と「ならばこんな会やめるべき。」と言ってのけた。嫌いなキャラだが見上げたものだ。

辛坊氏はフロアから「バカ発言取り消し」のサインが出たことを確認して「取り消しません」と発言。残る二人のゲスト発言を取り上げなかったが、それなりに本音が出ていたように思う。テレビ番組もこうであれば少しは視聴意欲が湧く。

2019年11月15日金曜日

『i 新聞記者ドキュメント』

ことの善悪は別にして、最近世界が非常に激しく動いている。そのせいか主要国首脳の動きが極めてダイナミックである。主たる要因は、世界の警察官であったアメリカの立ち位置がトランプ大統領の出現で微妙に変わり始めているからだろう。今日の朝日新聞に掲載されている耕論を読んで思った。アメリカでも今世紀はじめ、ジョンソン大統領のもとで外国に戦争に出かけることを熱狂的に支持した国民も、今や外国で戦争して莫大な費用を費やすことに反対するようになってきているとのこと。世代が若返っていることもあろう。

さすがのアメリカも金の成る木を持っているわけでは無いのだろう。従ってトランプ氏のシリアやアフガンからの撤兵は大方の賛意を得ているらしい。アメリカの動きに呼応するかのようにヨーロッパの主要国、或いはBricsと言われているブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの連合、中東の大国トルコや東アジアの韓国などを含め首脳の動きが活発化している。まさかトランプの再選がないと睨んでではないと思うが、トランプ氏の再選が確定したわけでもない。

どちらにせよ各国とも内政にそれぞれ大きな問題を抱えながら、これを克服して国内を安定させるためには外国との協調が欠かせないので、協調する国を多くするための努力に余念がないのだろう。特に最近なるほどと思ったことが2点ある。一つはフランスのマクロン大統領北大西洋条約機構(NATO:北アメリカおよびヨーロッパ諸国によって結成された軍事同盟)の賞味期限切れ発言と韓国文大統領の北朝鮮は韓国にとって脅威ではない発言。

いずれも言外に「アメリカにはもう頼るべからず」の意を含むであろう。他国のことは措くとして我が日本は相変わらずアメリカべったりのせいか、政府首脳の発言からは世界流動化に対する緊張感は伺えない。育ちが良いから余りバタバタしないと言えば格好が好いが、経済力が低下して10年以上実質賃金が下がり続ける実態の中で、国内的にも政策らしいものが何一つ打ち出されず、アベノミクスなる言葉の残骸だけ残る有様。

7年近い現政権は確かに長期政権であった。今後のことは分からないが、思えば何一つ結論の出ていないスキャンダルまみれだけが印象に残る。恐らく他国の首脳も同じ思いで見ていることだろう。映画『i 新聞記者ドキュメント』をいの一番で観てきて思い浮かんだことを書いた。

2019年11月14日木曜日

信州人

生まれたのは奈良県、以後熊本県を経て長野県に来たのは五歳の時、従って80年近い人生で長野県に住んだのは僅か13年ほど、それでも故郷は長野で信州人の端くれと思っている。他県は知らぬが長野県には県歌があり、信州人であれば知らぬ人はいないと思う。現在は知らぬが、昔は県下の小中学校では「信濃の国」なる唱歌を入学と同時に教え、何かの行事に際して必ず歌わせていた。

これが実にユニークで、何度も歌っているうちに脳に刷り込まれたことは「やせ我慢」の一言。兎も角、「信濃の国」は1900年(明治33年)に成立しているから120年の伝統ある県歌だ。作詞は旧松本藩士で師範学校の教師であった浅井洌氏、wiki(下記)をご参照願いたい。歌詞は6番まであり、信州の地誌と歴史を織り込んだ長いものである。1番の歌詞が「やせ我慢」の全てを物語る。

即ち「信濃の国は十州に 境連ぬる国にして
   聳ゆる山はいや高く 流るる川はいや通し
   松本伊那佐久善光寺 四つの平は肥沃の地
   海こそなけれ物さわに 万ず足らわぬ事ぞなき」
と高らかに歌い上げている。

しかし実際の信州は山が高くて谷が深く、冬も長く、広い割に耕地面積は少ないので、石高即ち米の収穫量も少なかったはずだ。信濃には幕末何人かの大名が存在したが、その殆どが1万石2万石の少大名。唯一の例外が松代真田藩で10万石。結論として作詞家浅井氏は述べる。「海も無いが足りないものなんか無いのだよ。」即ち贅沢言ってはいけません、である。

信州人の全てがやせ我慢哲学を刷り込まれているとは思はないが、長野県は政治的に社会主義政党色の強い県でもあった。その影響か、テレビに出てくる信州人と知ると、似た哲学を刷り込まれていると勝手に想像して応援したくなってしまう。最近密かに応援していたのが、警察や公安関係に強いジャーナリストの青木理氏と経済ジャーナリストの萩原博子氏、二人共小諸市出身で青木氏は野沢北高、荻原氏は上田染谷高の出身。母校出身のジャーナリストを上げられないのが残念だが、最近また一人この人も信州人かと思う人を発見した。

桜を見る会追求で一躍名を挙げた共産党参議院議員の田村智子氏、この人も小諸市出身で青木氏と同じ野沢北高出身。若いときから学生運動で鍛えた筋金入りらしい。お三方とも安倍政権を良しとしないところが共通しているので益々の活躍を期待している。


2019年11月13日水曜日

進学の条件

最近はやっている「身の丈」をお使いになった文科大臣を尊敬してしまう。皮肉です、身の丈ほど自身で分かりにくいことはない。例えば、月曜日の高校同期会でも話題になったことの一つに「自分のハゲ具合」がある。みな歳相応に禿げているので盛り上がった。毎朝鏡で己の顔を見て、未だてっぺんに少し毛が残っていると思っているが、これが大間違いらしい。ハゲが著しい友人が自らの例を引用して教えてくれた。「俺なんざ、相当ツルツルになっても櫛を持ち歩いていたものだ。」

頭髪のことなど外見上の過信は笑って済ませるが、身体機能の衰え即ち脳の働きや運動能力についての過信は危険に繋がりかねない。土曜日に孫と行った山歩きの筋肉痛後遺症は、水曜になっても未だ完治していない。体力の劣化が自分では分からないので無理をした咎めだ。囲碁の実力になるとその最たるものだ。碁を打ち始めると、まるで自分が名人か本因坊になったような錯覚に陥ってしまう悪い癖がある。身の丈身の程を弁えない典型である。

最近でこそあまり無いが、昔は飲み始めると財布の中身なんかいつの間にか忘れて身の丈に合わぬハシゴを繰り返したことは数しれず。歳を重ねると多少身の丈が分かって良さそうだが、なかなかそうならないのは文科大臣のお言葉を借りれば不徳のいたすところだろう。兎に角身の丈に合わぬことをするのは若者の特権のはず。それを国が「身の丈を考えろ」と言うのは可哀想だし無理な話だ。

世の中に様々な格差があることは誰も否定できないだろう。この格差を乗り越える唯一の手段が学問することで、福沢諭吉先生が仰ったかどうかは兎も角、若い頃の学問の道だけは家庭の事情を超え、平等に開くのが世界共通の政策目標と思うが、日本はだいぶ以前から、残念ながら学問も親がお金持ちでないと、優秀とされる大学に進学出来なくなっているようだ。大学を親の年収別ランク付けをするなら、東大がトップは大分以前に聞いた。

現在また共通一次かセンターテストか知らぬが、大きな話題になっている。こんなものがなぜ必要なのか?無かった時代に進学した老人にはどうしても理解しかねる。

2019年11月12日火曜日

北が見抜いてる実態

2006年国連安全保障理事会は北朝鮮が核実験に踏み切ると、制裁の実施組織として北朝鮮制裁委員会を設置した。そして下部組織として、制裁措置を各国が履行しているかを監視する実行部隊として09年に発足したのが北朝鮮制裁委員会専門家パネル。このパネルは常任理事国米、英、中、ロ、仏5ヶ国と日本、韓国、シンガポール代表の8名で構成される。任期は1年で毎年更新されているが、この専門家パネル委員経験者古川勝久氏が昨夜BS/TBS「情報1930」に出演して悲観的に話すのを興味深く聞いた。

曰く「総理大臣は北朝鮮制裁に関し、国連決議に基づき厳格に運用を声高に強調しているが、韓国と比較するなら日本の実行力は大変に甘く抜け穴だらけになっている。」今や北朝鮮に対する制裁を本気で考えている国は少なく、中国ロシアはもとより米国でさえ大統領自身が余りに乗り気でないらしい。しかし韓国は朝鮮戦争以来の警戒心が抜けきれないので、国連決議違反が無いよう相当神経を使っている。

ところが日本は、決議違反事案を摘発する専門的法律も役所も存在しないのが実態でのため、韓国では入港を禁止されている北朝鮮船籍あるいはそのダミー船が堂々と入港を繰り返して北朝鮮の密貿易に加担しているのだそうだ。我々少なくとも小生は、例の万景峰号だけが唯一の北朝鮮船と思っている愚かさだ。
全く笑い話だ。古川氏は重ねて強調した。日本では総論賛成各論反対という通り、政府が一つの方針らしきもの打ち出しても何処の役所が引き受けるかについては大変なたらい回しが起こるのが現実。

船舶の問題なんかは比較的わかりやすいが、もっと深刻なのはマネーロンダリング問題。こちらも多分抜け穴だらけだと思うので将来が心配。即ち数年後に日本はメガバンクを始めとして多くの金融機関が海外からの信用が失墜する可能性があるとのこと。

閑話休題:昨日の東京はお天気があまり良くなかったようだが、長野は素晴らしい秋晴れで郊外の山々の紅葉は真っ盛り、気温も程良く小春日和とはよく言ったものだ。毎年恒例の高校同期会に日帰り参加して実に有意義な1日となった。80歳目前となった我々の同期会は残念ながら年を追って参加者が減り続けている。昨日は卒業時の1割を切る36名とのこと、9クラスで編成されていたが、参加者が一番少ないクラスはたった一人、我がクラスは2番めに低いたった二人。物故者は分かっているだけでも90人超、生存者は75%程度だろうと話し合った。誰も口には出さぬが、互いに顔を合わせるのも後何回か、恐らく10回とはあるまい。それだけに懐かしさが募り互いに相変わらずの調子で話が弾む、弾まないのは盃の応酬。やせ我慢が売りなので全て燗酒で受けたが、量的には大した量に至らなかったと思う。

2019年11月10日日曜日

筋肉痛



昨日は素晴らしい快晴でハイキング日和、皇室の御威光のお陰で土日と晴天が続くのは何でも8月半ば以来のことらしい。兼ねて念願の孫とともに行く丹沢の大山である。孫は成城学園前から乗車するので新宿発7:11の小田急線急行で秦野に向かうことになった。遅れるのは嫌なので早め早めと思い、4時起きして新宿に着くと予定の電車の発車まで30分も待つはめに。そんなことはどうでもいいが、孫にハイキングの楽しさを教えるつもり。爺孝行させるには山が嫌いになってはいけない。

これを教え込んで、これから度々同行してもらえること企んだわけ。普段寝坊しているのは十分察しが付くので目的地も自宅から一番近い大山に設定した。幸い孫も遅刻せず無事合流、秦野から出発地点のヤビツ峠に向かう。バスは超満員。ヤビツ峠もかなりの賑わいなので、すぐに歩き始めた。緩やかなハイキングコースとは言え山道のことだ。こちらは杖を突きながら息絶え絶えに歩くが、孫は手袋もせずストックもつかず時々こちらを振り返りながら悠々と歩を進めている。

とても教えるどころではなく、こちらが介護されつつ歩いているようなものだ。出発地点が約760メートル山頂が約1260メートルなので標高差は僅か500メートル。1時間ほど歩いた場所にベンチがあったはずと、そこまで登って一休み。その少し前から急に前後に人が多くなり始めた。孫が不思議そうにしているので下社までケーブルで来た人が奥社を目指すことを教える。休憩地点からは30分と掛からずに山頂に到着するが、ここは大変な混雑で腰を下ろす場所が見つからない。昼間では未だ30分ほどあるので少し下で場所を見つけようと、下社の見晴台方面に下山。結局また約1時間降って下社見晴台で昼食。

座り込むと風もないのに結構寒い。昼食は30分ほどで切り上げて下社からケーブル下まで下山。下社は相変わらずきらびやかで、孫はお参りする気にならないそうだ。下社からケーブル下までの降り道は江戸時代から続く古色蒼然の石段。この標高差が約500メートルだから午前中の上りとほぼ同じ。この間に急な階段が1.5キロほど続くわけ。孫はスイスイ降るがこちらは慎重にならざるを得ない。

確認してみると上り累積標高:688mに対し、降りは:1254m行きはよいよい帰りは怖い、今日の筋肉痛がひどいわけである。

一応ヤマレコも書きました。下記をご参照願います。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2100819.html

2019年11月8日金曜日

一休みします

東京では季節の歩みが1ヶ月遅れたのではと思うような秋晴れの1周間となった。欧米の報道を見ていると、緯度の相違だろが殆どが冬支度。こちらは朝夕は少し寒くなったとは言え、日中は半袖のTシャツ姿もよく見かける。小生も普段日中は日当たりの良い2階にいるので今のところは暖房いらず。光熱費の節約にもなっている。

前からご愛読いただいている方はお気づきでしょうが、目下このブログのレイアウトを変更しようとしている最中。11月6日にコメントを頂いた事に対応しようと思っているのですが、なかなかご期待に答えられず苦労しているところです。若い時であれば若干の辛抱も出来たかも知れないが、この歳になるとどうしても辛抱が続かない。同じことの繰り返しでうんざりし、ついにギブアップしてしまった。

ご容赦願いたい。

明日は久しぶりにハイキングに出かける。月曜日は高校同期会のため長野に帰省、この2日間ブログは休みますが来週火曜日から気を取り直して書き続けたいと思っていますのでよろしくお願いします。

2019年11月7日木曜日

アルファベット文化

高校入学当時先輩が教えてくれた教訓「身体頑健なれど学力やや劣る」を目指したものの、結局のところ身体軟弱で学力は相当劣った者が論ずるのは、些か分不相応であるのは百も承知のこと。

日本は150年以上前から識字率が高く、外国からも文化国と見られてきたと思う。異文化についてはどんな国でも古来から命を懸けてまで取り込もうとした人は存在する。それを象徴する異人さんは今年2月日本人として惜しまれて亡くなられた元アメリカ人のドナルド・キーン氏だ。それは兎も角として、敗戦によって異文化がそれこそ怒涛のごとくに我が国押し寄せたのも事実。一口に文化と言っても様々、社会に複雑な変化をもたらすなかで、人によっては芳しくないと思うものも多数あったと思う。

中でも功罪相半ばすると思うのが、アルファベットの氾濫。終戦直後には、日本語を廃止して日本人はすべからく英語を使うようにすべし、なんて極論から一時的には、かなと漢字使用を禁止して全てアルファベット表記を採用すべきといったことが学者を含めやや真面目に論じられたと聞いている。江戸時代末期、郷土の大先輩佐久間象山先生ではないが、多くの知識人・官僚即ちお侍たちが、それまで専ら外国文化吸収のため重宝していたポルトガル語やオランダ語を捨て英語に切り替えたのはご存知の通り。

だから新教育基本法で育った我々が小学教育6年の後、全員が英語学習に取り組んだ?取り組まされたことは容易に理解できる。強いて言うならば小学教育に何故取り込まなかったかが不思議なくらいだ。戦前の高等小学校あたりで英語教育があったかどうか、中学の英語授業が戦後の英語授業と比べどうであったかは分からない。長野県の中学教師は長野師範、後の信州大学教育学部出身者が大部分。教える先生方も苦労されたことだろう。

兎も角その教育方針のお陰で、辛うじて私学ではあったが大学まで卒業することが出来た。それは結構だが英語なる知識、就職試験にまでついて回った記憶がある。しかし実社会に出てから英語知識が役立った経験は皆無に等しい。勿論友人の中には英語学習を更に磨き上げ、世界に羽ばたいて活躍した友人もいる。しかし中学同期生約250人、高校同期生約400人の中でどうだろう、1割の65人もいないかも知れぬ。

学問や教育は福沢諭吉先生ではないが、人の生涯を決する大事な問題であるのは言を俟たない。日本には教育省は無かったが文部省があった。それが何故か無くなり今は文科省と意味不明な省に変わり果てた。それも良しとしても、卑しく馬鹿な政治家共に軽々しく教育を論じてほしくない。

2019年11月6日水曜日

政治家の発信力

昔から益体もないお喋りが好きで、毎日の喋り相手がいなくなった現在は喋りの代わりにこれを書き綴っているようなものだ。お喋りと違って反応が少ないのが少し残念ではあるが、それでも一種の健康法だ。

話題を変える。今日は久しぶりに衆議院予算委員会が開かれてるらしい。ご案内の通り日本の国会の質疑なるものは、下手な田舎芝居や銭湯で聞くそれこそ益体もないお喋りにも劣る。特に答弁側が酷い。先ず「事前通告がないから答えられない。」「所管が異なるから答えられない。」「大臣という職責にあるので個人的見解は控えたい。」とあからさまに答弁拒否があり、次には「朝ごはんは食べなかったが、パンは食べてきた。」式のはぐらかし答弁。

しみじみ思うのが日本を代表する政治家の発信力の薄弱さである。初等教育でまともな国語教育を受けてこなかったか、成績劣悪のどちらかだろう。発信力が国内に対してさえ弱いのだから、国民が政治に関心を持たず期待もせず背を向けるのは当然だろう。マスコミ、特にNHKなどがいくらカバーしようとそりゃ無理というもの。彼らは最近ちょくちょく外国に出かけるが、日本語がまともに話せない者が異人さんにインパクトある話ができるはずはあるまい。

比較して思うのがイギリスの議会と議員さんのあり様だ。本題と少し外れるが彼の国は民主主義のお手本だと聞いて育ったが、最近テレビの「ワールドニュース」でBBCを垣間見て、これまでの理解と違っていることが多々あった。先ず2大政党制と聞いていたが少数勢力が在籍し、これがそれなりの発言発信力を発揮している。そして今度の下院解散総選挙、解散なんかないと理解していたがこれも間違い、見事に解散になった。

解散にはなったが、にほんそれとは大分趣が異なる。テーマは明確だが、比較第一党の与党が解散を誘ったのは日本の安倍政権を見習ったのかも知れぬ。それはさておき、イギリス国会は通年開催が前提で、政府の都合で休暇を長めに取ることはご法度。与党党首がこの手を使おうとしたら、たちまち違法とされて休みはキャンセルされた。法案審議で委員会のようなものはあるのだろうが、BBCが取り上げてことはない。専ら本会議での与野党議員の生のやり取りがテレビに出るが、これが日本と大違い。実に生々しい見解の応酬であるのが通訳を介しても伝わってくる。

これが情報の発信力で、善悪は別にして聞き取る国民を惹きつけるのだろう。

2019年11月5日火曜日

囲碁のお勉強

昨日指導碁を受けた。昨年末友人に誘われて入った新宿の碁会所で、20年くらい前に少し指導を受けた中国のプロ棋士に再会し、以来再び月1回のペースで指導を受けるようになっている。手合は5子の置碁、先生曰く「100目くらいのハンディを貰って打つのだからセオリー(理屈或いは定石)通りに打ち進めれば滅多なことでは負けるはずがない。」ところがこのセオリーを分かっているつもりでも、往々にして矛盾する手が出るらしく、メチャクチャな負け方をすることがある。たまに勝負ではわずかに残っても最後までセオリーに矛盾しないで打ち進んだことは一度もない。

囲碁は361目の地縦横(19本の線の交差点)に対し、互いが交互に好きなところに石を置いて地を囲い合うゲームである。5子のハンディとはこちらが361箇所の中で最も優位な場所5箇所に、予め石を置かせてもらってゲームを開始する。どの交差点が地所として効率が良いかは、ゲームの進行で少し変化はするが、端から数えて4本目の交差点が最高とされている。ある先生に言わせると「銀座の一等地に手付金を払ったようなもの」だそうだ。

この全てと更に9本目の交差点、8本目までの交差点は碁盤上に4箇所ずつあるが、9本目は1箇所しか無いので「天元」と呼ばれ極め付きの急所ともされている。これだけのアドバンテージがあり、指導する先生はハンディを背負いながら悠然と打ち進めて決して奇抜な手は打たない。要するにこちらが勝手に転ける(セオリーに反する着手)ことになる。そこを先生は決して見逃さない。

後刻そこを厳しく指導されることになる。女性なので普段はとても優しいが囲碁の指導になると鬼に早変わり、どうしてこんなに馬鹿なのかと思っているに違いない。先生も子供の頃はお父さんに教えられたそうだが、よく打たれたそうだ。安倍首相のようにアメリカ向け・ロシア向け・中国向け或いはイラン向けと、時に望み辺に応じて相矛盾するセオリーを使い分ける訳にいかない囲碁の難しさだ。

2019年11月4日月曜日

対等と服従

長い年月相当親しく付き合わないと、その人の考えや家庭内のことなんか分からないものだ。まして遠い外国の人においておやである。また誰にも馬が合う人合わない人、好きな人嫌いな人がいるはず。勿論自分もその例外ではない。しかし国の好き嫌いは特に無い。行きたい国を順に上げろと言われても困ってしまう。国内旅行でさえ経験が少ないうえに海外旅行の経験は無きに等しいかも知れぬ。戦前の爺婆の多くは、外国と言えばシナとロシアと西洋の3ヶ国しか知らなかったと言う笑い話を読んだことがあるが、それと大差ないかも知れぬ。

しかし最近はありがたいことに知人友人の話や書物に頼らずとも、マスコミやネット情報で世界中の国について情報を得ることが可能になった。よって一時的にはそこを訪れたいと気持ちが動くこともあるが、それが実現する前にその気持は簡単に忘れてしまう。従ってかどうか、最近の報道によく出てくる特定の国に対する好悪の調査や、その対象となっている感情は理解しにくい。最近はその対象がアジアの隣国、韓国と中国に向けられるのは何故か?調査の必然が何処にあるのか不思議でならない。

特に最近問題が大きくなっているのが韓国。比較対照されるロシアや台湾と並んで最も近い隣国の一つだろう。調査によると両国間の嫌韓、嫌日感情が高まりつつあるらしい。韓半島出身の知人友人も昔は少しいたが今は一人もいないので、彼らにその心情を聞いてみることは出来ない。ただぼんやり思うことは、日本人と彼の国の人の考え方の奥底になにか大きな違いがありそうだ。その一つが先週の報道でかなり明確になってきた。

それは同盟国アメリカに対する思いである。先週日韓議員連盟の交流会があって韓国から40人を超す議員の来日があり、日本側からも与野党を超えて100人前後の政治家が参加したことが報道され、来日議員の中にはテレビ出演をした人もいる。この会議で議員同士の相互理解が何処まで進んだかは分からない。個人的にはっきり分かったのは、韓国の政治家は同盟国アメリカを同等の対場で考えていること。対する日本は同盟国アメリカを服従の立場で考えている。マスコミはこの大きな違いに気が付かないのだろうか?

日本はアメリカの仲裁を神の声のように取り上げるか、韓国はそれをアドバイス一つと受け止めるが、採用するかしないかは主体的判断としている。小さいようだが大きな違いだ。日本の政治家が全員ではなかろうが、テレビを観ていると明らかに韓国政府と要人をバカにしているような態度のが多く見受けられる。どっちの言い分が正しいかは判断しかねるが、心構えの差は大きすぎる。

2019年11月3日日曜日

好きなネット番組

新聞雑誌は殆ど読まず、比較的よく観ているテレビは、朝NHKのBSプレミアム「ワールドニュース」を2時間半ほど。夕方はNHK「7時のニュース」を約30分7時半からBSTBS「報道1930」を1時間15分くらいかな。代わりに昼間YouTubeをよく観るが、中で一番観ているサイトに<デモクラシータイムズ>がある。このサイトは多分朝日新聞のOB数名が立ち上げたサイトのようで、毎回多彩なゲストを招き、司会者含めて大体3人位で平均的に約1時間、コマーシャルがないので実に見ごたえがある。

昨日その<デモクラシータイムズスポンサー交流会>なる催事が御茶ノ水であったので、スポンサー料金千円払って行ってみた。サイトの運営母体は一般社団法人で、リタイアしてもジャーナリスト精神なお已み難いほんの数人がポケットマネーで立ち上げて3年目になるそうだ。チャンネル登録をしている人が大凡2万数千人、毎月何本制作しているか聞き漏らしたが、観ている感じでは10本以上作っているように思う。

3年目にして爆発的人気とはいかないようなので、細やかながら応援の意味で取り上げたい。ネットのことだからNHKオンディマンド何かと異なり、古い番組を容易に観ることができるので、ご存じなかった方したに紹介したページを開いて是非一度ご覧になってください。有益な情報がたくさんあるはずです。

昨日は番組の司会者の他によく出演されるゲスト2人が特別に講演してくれた。一人は軍事問題に詳しい田岡俊次氏が昨今のシリア情勢について。クルド民族のことが話題になっているが実際はよく分からないのが本当のところ。政治家を含め多くの人もそうではないかと思うが、少し理解が進んだように思った。
もう一人は評論家の佐高信氏、この人マスコミの大手の出身ではないので、ものの見方が反権力で好きだ。

講演内容もジャーナリストとしてマスコミ報道を見ていると、何を今更と思うことが多いし、一種の定型化で書かれる記事が多すぎる。との趣旨だったが改めて大いに同感した。主催者も一人ひとり短いスピーチをしたが、安倍政権が末期症状を呈し始めたとの見方など面白い話が盛りだくさんの約2時間半だった。

サイトは:https://www.youtube.com/channel/UCIIhko3gMRId9cCteX1eu-Q

2019年11月1日金曜日

文部大臣vs文科大臣

朝から快晴、半年ぶりの泌尿器科検診日なので朝一番で日大板橋病院に行き、採血採尿の検査結果を待って担当医と面談。特に問題は無いようなので一安心。来年4月24日に再診予定が決まる。最近の物忘れは酷い、大分前から買わなければと思っていた小手帳を購入する必要がある。

忘れないうちに書いてしまいたいことを一つ。昨日図書館で読んだ月刊「文藝春秋」1955年4月号だったか(終戦10周年の特集号だった)について。巻頭随筆を斜めに読んでびっくりした。天野貞祐氏とか金森徳次郎氏とか余り気に入らぬが服部卓四郎氏などが執筆しているが、最後に登場したのが吉田茂元首相だ。この順番にはチョット驚いた。首相経験者が何故文部大臣経験者の後塵を拝したのか?まさか「あいうえお順」でもあるまい。

1955年と言えば既に15歳だから記憶していることも相当ある。しかしその10年前5歳児の記憶はかなりあやふや。執筆者の殆ど全員が、この10年の変化は非常に激しいものがあると書いているが、現在の変わりように比べればそれほどではあるまいと思った。暮らしぶりの変化は大きかったろうが、国権主義或いは軍国主義から民主主義となり法律も随分変わったにせよ、市民の基本的価値観・常識はさほどの変化が無かったのではないか。

常識の一部は変更せざるを得なかったろうが、頭に刷り込まれたものはそう簡単に捨てられなかった筈だ。例えば人を見る時よく言われた言葉の一つに「人格者」がある。現代では殆ど死語化しているし、「知識人」に代わったのが「専門家」。記者魂は失せてコメンテータが蔓延る昨今。大学が文学部だったせいか、この歳になって言葉に拘るのも困ったものかも知れぬ。

序に、名前だけは知っている政治家の松村謙三氏のことを読んだ。彼は鳩山一郎内閣の文部大臣事などを経て結局自民党員になり、昭和34年 岸首相のタカ派的な姿勢を批判して、総裁選挙に出馬するが惨敗している。日中国交回復関連など、松村氏の功績は兎も角として、感心したのは「政治は職業に非ず」として、職業を問われると何時も無職と答えたそうだ。このように捨て去られた言葉に思いをすると、自分が経験した歳月の長さをしみじみと感じる。

たまたま今日取り上げた3人はそう遠くない昔の文部大臣経験者、文部省は経済発展にもっと貢献すべきと科学技術省と合体し文部科学省となった。今の大臣は萩生田光一氏、いずれ文藝春秋の巻頭随筆に寄稿するかも知れぬが、読む気になりそうにない。

2019年10月31日木曜日

現実と理屈上の経済問題

午前中久しぶりに国会図書館に行ってきた。帰り道、地下鉄プラットフォームに立っているとき珍しく株屋さんから携帯に電話が入り、帰宅してから改めて要件を聞いた。当たり前だろうが株買い、しかもアメリカ株のお勧めである。勿論そんな余裕はないのでお断りしたが、面白いと思ったことがある。今朝のニュース経済面のトップは「FRB(米連邦準備理事会)が3連続利下げ」だろう。日銀が公定歩合の引き下げを発表するのと同じこと。ただし日銀は後ろがないところまで下げきっているのでこれ以上手のうちようがない。

経済知識がないので偉そうなことは言えぬが、アメリカは何年もこの金利をいじってこなかったはず。ところが今年に入って7月9月に続く3回目のことである。日本政府も同じような態度でいるが、景気は悪くないと言い、その証拠を株高で証明しようとしている。トランプ大統領もアメリカの景気は史上最高みたい言い方をしているし、事実池袋の株屋さんが年金暮らしの老人にまでプロモーションしてくるほどだから、株価は日米ともに上がっているのだろう。

しかし世界中の経済学者の殆どが、口を揃えて下降線を辿りつつある実体経済の指標から見た将来を悲観的に予測している。だから株屋さんの言うことを信用しないわけではない、本当にお金が無いだけのこと。念の為。そんなことより昨日テレビで観たアメリカの人口問題のほうが余程気になる。なんでもアメリカの出生率が日本に似てどんどん低下しつつあるらしい。いま豊かさを誇っている彼の国ではあるが、社会福祉関連の実態を知らずに言えば、いずれ我が国同様人口構成の逆ピラミッドが現れて苦労するだろう。ザマーミロだ。

個人的には日本経済は我が家と同じように劣化の一途と思っている。しかし昨日のテレビで森永卓郎氏がこれも面白いことを言っていた。我が国は富裕層がアメリカに次いで多い国だそうだ。100万ドル(約1億1千万円)以上の余裕資金を保有する人が360万人程いるそうだ。森永先生曰く「日本も格差が著しく広がっているのが実態で貧乏人は益々貧乏にならざるを得ない。消費税増税なんか全く不必要。」

なんて仰っても、政策で貧富格差解消なんてありえないだろうし、福沢諭吉先生は若い時に学問をしないと貧しさから脱し得ないと言われている。どの道、年金の範囲で楽しみを見つけるしか無い。

2019年10月30日水曜日

大学同級会

昨日は終日冷たい雨が降り続く最悪の天気だったが、大学の同級会があって帝国ホテル内にある三田クラブまで行ってきた。この歳になって大学の同級会とは珍しいと思う。大学の同窓会やせめて同期会、運動部やゼミの集まりならわかるが単なる同級会だ。しかも我々は2年に進級すると入学時のクラス単位の授業がなくなってる筈なので、クラスメートと言ってもたった1年間の付き合いの筈だ。それが卒業後57年経っての同級会だから呼びかけてくれた幹事には大きな敬意を表したい。

入学時のクラスは50人近かった筈だが昨日集まったのはたったの6人。それでもよく集まったものだ。集まった理由は兵庫県(確か西宮市)在住の同級生が上京してくると言うので、幹事が普段付き合いがあってこの種の会に参加しそうな人間に声をかけてくれたようだ。幹事とは1年に数回顔を合わせているが、他の3人は全く久しぶり、一人だけの女性は1年に1回位は大学関連行事で顔を合わせている。とにかくお互い久しぶりなので、近況を語り合って大いに盛り上がった。

最初に幹事から声をかけた人間について簡単な紹介があった。彼としては折角の機会だから10人くらいは集めたかったらしい。因みに幹事は埼玉県は深谷市から新幹線で上京だから元気なものだ。しかし、連絡がついて趣旨を話しても断ってきたほぼ全員が足腰が立たなくなっているとか、神奈川県在住なので東京まではちょっときついといった健康障害のようだ。高校同窓会幹事をしているので、そんな返事が多いことは容易に想像できる。

互いの近況を聞く段になると、それぞれが来し方や今の暮らしを紹介してくれた。幹事は一部上場企業の社長まで務めたので、地元深谷の名士として今や悠々自適の様子だだったが、彼も奥さんを一度亡くして再婚の身。でもすごく幸せそうだ。びっくりしたのは月30冊前後の読書をしているとのこと。月に1冊2冊が精一杯の我がことを思って内心恥ずかしかった。しかも国内海外を旅行しながらのことだ。

唯一の女性参加者も連れ合いを早く亡くしているが、ずっと独り身で通し息子さんたちを立派に育てあげている。自慢はしないが聞くだけで羨ましい。今やはり悠々自適でゴルフや別荘暮らしを楽しみにされているが、川崎の高層マンション14階がご自宅で今度の台風被害で大変な目に会われているらしい。それでもドタキャンせずに参加は嬉しい限り。関西から上京してきた彼は海外旅行の他に温泉巡りが趣味とか、地域三田会の幹事をしながら6大学野球を熱心に観戦しているS君から今年の慶応は久しぶりの優勝のチャンスとか。未だに現役のT君は近い将来会いたいとのことで、携帯の番号を交換した。

とにかく懐かしい話がてんこ盛りで、とても書ききれない会となった。

2019年10月28日月曜日

孫の誕生日祝

京都在住の友人からメールが来た。内容は彼のことが京都新聞で取り上げられたとの報告。以前書いたことがあるかも知れぬが、彼は昔の会社の同僚で、退職した現在はシンガーソングライターとして楽しくやっている。夏に銀座でコンサートがあり聴きに行ったが、その中の1曲にとても共感を覚えた。彼はこう言う「仕事をやめて寂しいかい、飼い犬じゃないと不安かい、・・・・・・命の残りを数えるな、命のままに生きてみろ、それがお前の白秋時代」

小生よりは大分若いが、彼はそのように生きているに違いない。同輩友人の多くはこちら同様に病気持ちが殆ど。昨日も電話をもらった友達は今週手術の予定とのこと。一種の癌らしいが余り深刻そうな音は出さず「大したことないと思うから治ったら美味いものでも食いに行こうぜ。」と極めて明るい。こちらも来週の癌定期検診思い出したが、普段は殆ど忘れている。お互い残りの命を数えても仕方ないし、先の歌の文句ではないが「失くした夢を今更追っても仕方ない」できる範囲でやりたいことをして生きなきゃてな話をしたばかりだった。

似たような話は重なるものだ。今朝の朝日新聞「声」欄に載った投書が同じようなことを書いている。曰く『「貧困」、それは心の余裕失うこと』これもうまいこと言ったと思う。21年務めた保育士の仕事を辞めて子と十分向き合う時間を選んだ主婦から投書だ「共働きで高収入でも、子と十分向き合う心の余裕がなければ、それは一種の「貧しい」子育てでは?」と書いている。己の来し方を振り返ると冷や汗が出る。

高収入と言えるほどではなかったにせよ、子どもたちと十分向き合ってこなかったことだけは間違いない。今更手遅れなので、罪滅ぼしのつもりで孫たちのことは少し気を使っている。今度の日曜日は一番若い小学5年生の孫の誕生日、娘に電話をしてお祝いの図書カードを用意したと伝えると「明日は雨降りだから水曜日に貰いに行くよ。」と嬉しそうだった。幸福感とはこんな感じを言うのかも知れぬ。

友人の紹介記事

明日は昼間から大学同期会でブログはお休みします。

2019年10月27日日曜日

異常気象

10月も終わり近くなったが、個人的には夏風邪で体調を崩し散々な月であった。同様に関東から東北にかけては秋台風の風と大雨による災害が甚大で夏風邪どころでない。僅か半月で死者行方不明者が100名に達するのも異常だし、河川の氾濫、堤防の決壊が全国で百数十箇所に及ぶと言われている。家屋田畑工場店舗等の正確な被害は分からないが想像を絶するものがありそうだ。10月といえば運動会シーズンでお天気が比較的安定するものと思っていたが、今年は東京も異常だと思う。昨日朝から久しぶりに秋晴れになったものの夕方には曇りはじめ、今朝になったらもうどんよりした空に変わっている。

こんな自然環境が悪い中で令和天皇の即位に関する皇室行事が執り行われたり、ラグビーワールドカップカップ開催があったりしたお陰と言うかせいで政治関係のニュースがすっかり影を潜めてしまった。昨日だったか経産大臣が辞職したことが多少ニュースになっているが、総理大臣からすればこの程度で済むならと胸をなでおろすしていることだろう。辞任の理由ももう何年も前の中元歳暮だとか香典配りという言い方は悪いが些細な事件だ。

公職選挙法違反事件は悪くすると議員辞職(テレビでは嘗て線香を配って議員辞職に追い込まれた小野寺元防衛相を盛んに取り上げる)にも繋がりかねない重大事件と思わせるが、安倍政権の昨今では司法もまともに機能しないので軽い交通違反程度にしか扱われないのが実態ではないか。総理も前経産相から中元歳暮は沢山受け取ったろうが、それに対する罪の意識は微塵もない。任命した不明を口先で謝るのみである。

むしろ腹の中では、高浜原発に関する不祥事を既に亡くなっている高浜町の一助役と関電幹部に押し付けて捌き切ったことに感謝しているに違いない。この事件は原発の闇を炙り出すには格好の材料だった筈だが、いわばこの菅原前大臣の活躍で決壊寸前の堤防を防ぎきったとも言える。このことは元経産省キャリアで内閣府にも在籍経験がある古賀茂明氏が詳しく語っている。これがネットの良いところ、御用とお急ぎでない方は是非下記をじっくりご覧頂きたい。
https://www.youtube.com/watch?v=VBpxpDS49tI&t=831s

2019年10月26日土曜日

情報収集能力格差

昨日、国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長が来日して都庁を訪れ小池都知事と会談、マラソンと競歩競技を札幌で行うよう正式に申し入れた。これに対し小池知事は未だグダグダ言って抵抗している。IOC側は単にその決定を伝えるだけでなく、東京都が受けるであろう衝撃を緩和する様々な提案を行っているにも関わらず、それを聞こうともしないで己のこれまでの立場から一歩引く気配がない。

これを称して日本の悪い癖、嘗ての帝国陸海軍が明らかに勝敗が決しているのを認めず徒に犠牲を増やしたのと同じとも言われている。全く同感であるが、これと似ていると思うのが安倍首相の対韓国政策。一昨日皇室行事出席のため文大統領親書を持って来日していた李洛淵首相と会談するも、これまでの主張を繰り返すのみ。しかも事もあろうに韓国の最高裁判決にまで口を出して「韓国の最高裁判決は国際法に明確に違反しており、日韓関係の法的基盤を根本から崩した」とまで言ったらしい。

流石にこの発言への批判は大きいようだがそのことは措くとする。言いたいのは交渉事が出来ない日本の政治家についてのことだ。その理由を考えて思った。現代日本は国際情勢に関する情報が余りに少なすぎるように思う。情報不足はビジネスにしろ喧嘩にせよ、圧倒的に不利になることは当たり前のことだ。IOCのしても韓国にしても日本の事情は百も千も承知していることだろう。先方に存在する日本語使いとこちら側の韓国語使い、或いはIOC関連ではフランス語ドイツ語スペイン語使い数が圧倒的に少ない筈。とても喧嘩になるまい。

先の大戦で敗北してアメリカに占領された日本、占領国は日本が再び軍事大国なならないようにと様々な対策がとったが、情報機関をすべてぶち壊したことが今一番効果を上げているように思う。いくら頭が良いといっても、その元になる情報が日夜アップデートされて累積されないことには他社・他国との相対において弱体にならざるを得ない自明のこと。残念ながら日本が徐々に弱体化し国際的に夜郎自大になっていくのは已むを得ないことなのか。

2019年10月25日金曜日

皇居東御苑

昨日は久しぶりに竹馬の友と会って一橋の如水会館で昼飯をご馳走になった。ここは一橋大学の校友会館だが飯も結構うまいし、何よりも食後のコーヒーを14階の高みから皇居の森を見ながらゆっくりできるのが良い。二人とも特に話すべきことがあったわけでもないが、前の晩、急に電話が来てたまには会おうよとのこと。こちらも常に暇しているのでもちろん否は無い。食事を含めて約2時間たっぷり近況を話し合った。

彼は長じて一橋大学に入るくらいだから頭も良かったし、運動神経もあり勉強もできた。彼は7人兄弟姉妹の真ん中、こちらは5人兄弟の真ん中で気が合ったのかも知れない。ともかく長い付き合いになったものだ。今となって互いに置かれた環境で一番違うのが兄弟関係。彼の場合は全員健在でこちらは既に3人が他界してしまっている。甥っ子の婚礼に関する話を聞きながら、この違いだけは羨ましく思った。

彼の亡くなったご両親の話や奥方の先祖の話を聞いていると、長い付き合いがありながらこれまで知らなかった話もたくさんあった。彼の奥方は何でも高貴のご出身と漏れ聞いていたが、とにかく華族のご令嬢。お陰で彼もその高貴な世界に半分足を突っ込んで日本の貴族と付き合ってもいるらしい。中でも感心したのは最近また絵を勉強しているとのこと。昔から図画工作の時間に描く絵が上手だったことを思い出して面白かった。

浮世離れした話をたくさん聞いたので、帰りにふと思い出して平川橋から皇居東御苑に入場、造影中の大嘗宮を観たが本丸の石垣前が広場が全面的に入場禁止なので遠くからしか見えなかったがほとんど完成状態のようだった。結局二の丸公園を経て大手門から退出、雨が降りはじめたのでパレスホテルの脇から地下に潜ったのは良かったが、地下鉄丸ノ内線の大手町駅にたどり着くのに地下街で道が分からなくなってしまった。大手町界隈の地下通路ビルの関係はとても複雑。山で道に迷ってもこんなには慌てないと思うほど慌ててしまった。

2019年10月24日木曜日

認知症現象

まだらボケなら許せるが、本格的認知症に近づいている証拠かもしれぬ。昨日から近くのスーパー「ライフ池袋店」の改装で3日間休業となった。一昨日の夕方になってから思い出し、6時半近くに慌てて飛び込んだが時既に遅し。7時閉店とのことで商品陳列棚は殆ど空で客もまだら、店員が片付けに働き始めていた。家内存命中は台所に大きな冷蔵庫が鎮座し、家が孤立しても1ヶ月は食に困らないが口癖だった。

ところがこちらが独居するようになって、冷蔵庫は小型になり中には精々3日分の朝食用食材と牛乳1カートンくらいしか入っていない。代わりに3日と開けずにこのスーパーに通っていたので、運悪く一昨日で冷蔵庫も殆ど空の状態。明日からのことを思うと暗澹たる思いだったが、辛うじて棚に残されていたリンゴや味噌など数点を購入して帰宅。それを収納する間もなく携帯が鳴った。取り出してみると見知らぬ相手、故に無視するとメッセージが『スーパー「ライフ池袋店」の〇〇です。重要なお知らせがあります。』とのこと。

財布でも忘れたかと思ってポケットを確認するが財布は置き忘れていない。でも気持ちが悪いのですぐ折り返すと、なんと「支払いをしないでお帰りになっているので再びご来店願いたい。」とのこと。この日は皇室の「即位礼正殿の儀」当日で朝から終日雨、夕方やっと少し晴れてきたので腰を上げて池袋まで行って軽いを夕食を済ませて、帰りに寄ってきたのだ。お陰で歩行数も既に1日の目標は達成して、既に真っ暗でもある。

たしか自分としてはカードで決済したつもりだ。「領収書はお持ちですか?」と聞かれても領収書はいつもお宅のゴミ箱に捨ててくる習慣だから持っている筈がない。しかし先方がそう言うのだから間違いはないだろう(昨日カード内容を確認したらなる程支払予定に上がっていない)。「それは申し訳なかった。間違いなく支払うので連休明けの26日になるようにしてくれ。」と申し込んで上司に相談してもらい、許可を得た次第。

このところ似たような思い込みや忘れ物が相次いでいる。歳のせいだろうが身体の劣化は筋肉や骨ばかりでなく脳みそや神経にも及んでいる証拠だろう。

2019年10月23日水曜日

頭の蝿

久しぶりの秋晴れになった、1日遅れの皇室晴れかもしれぬ。令和の時代も雨降って地が固まり平和と安寧が来ることを祈りたい。平和と言えば今世界で最も注目されているトルコとシリア国境問題がある。複雑すぎて理解に苦しむが、アメリカが手を引いて予期せざる混乱が生じた、しかし今朝の報道ではロシアのプーチン大統領が間に入った形で、小康を得そうな気配もある。

今年も余すところ2ヶ月ちょっと、書店には来年の日記帳・小手帳・カレンダー賑々しく並べられている。日も大分短くなって朝5時はまだ暗いし夕方5時には暗くなる。個人的には特に気が急く事は無いが、国の経済力が落ちつつある傾向が気になる。台風被害も大きいだろうが、昨年に比べ輸出量や金額は大分減っているようだ。経済の悪化は世界的傾向とも言われたりするが、少なくとも貿易戦争の只中にある中国は成長率が鈍化しているとは言え、日本から見れば夢のような6%以上の成長だ。

日本政府が馬鹿にしている韓国にしても成長し続け、数年後には一人当たりGDP が日本を抜くとされている。日本政府も他国の悪口を強調したり、喧嘩腰の外交を控え時刻の経済発展のために何が必要か真剣に考える必要があろう。外国人旅行者が増加傾向にあることぐらいで将来の日本が明るくなる筈もない。先週だったかと思うが、中国政府が企業減税を発表したとのニュースが流れた。朝のワールドニュースで観たように記憶するが、その時同時に流されたある自動車メーカーとその下請けだったか中小企業経営者のインタビューが印象深かった。

自動車メーカーの経営者「有り難いことだ。これでまた我社の自動車を一段安く提供できるようになる。」中小企業の部品メーカ社長は「これで新たな設備投資が可能になり、より高品質の製品の生産が可能になる。」中国の放送だからヤラセの発言かもしれない。しかし嘗て我が国の企業減税が策が発表された際にこのようなインタビューは聞いたことがないので、とても新鮮に思った。我が国の公共放送か国営放送か分からぬNHKも、たとえ嘘でもいいからこのような取材をしてもらいたいものだ。

ソフトバンクグループがアメリカで経営難に陥っているあるグループ企業に1兆円を超す資金投資、という記事が日本経済新聞み大々的に掲載されたのを見て、自分の頭の蝿の喩えを思い出した。

2019年10月22日火曜日

伝統儀式

昼ころまで雨に振り込められて「即位礼正殿の儀」をテレビ中継で一部始終をじっくり観た。改めて日本の伝統に思いを致した。世界約180カ国と国際機関の代表らを含む国内外の賓客の思いや如何だ。昨夜ニュースを観ていると安倍首相得意の前日首脳外交で握手している映像は、何故かミャンマーのアウン・サン・スー・チー氏がトップで後は知らぬ人ばかり。到着順の関係もあろうが、50数か国との首脳外交と囃し立てている割にどうもしっくりこない。今朝になって分かったのはアメリカが派遣してきたのは何という東洋系の女性運輸長官だ。

トランプ大統領は新天皇が最初の国賓として迎えた意味は通じていないに等しい。礼を失している相手を責めるべきか、はたまた我が国の思い違いを反省すべきかである。しかも昨日アメリカの政府高官が来日して日本に新型ミサイル配備につて話し合いをはじめたとのこと。新型とは即ち核ミサイルのことらしい。この手の話はマスコミは決して書かないが、ネットではかなり話題になっている。

閑話休題:ついに来た

我が家にご宿泊中の福沢諭吉先生ご一行様のに関することである。先日も書いたが厚生年金は郵便局が振込先なので歩いて数分の郵便局に口座がある。他に池袋の三井住友銀行に一つ口座があり、ここには厚生年金基金からの振込先になっている。昨夜就寝前に携帯にランプが灯ってショートメールの着信に気づいた。パソコンには訳の分からぬメールが毎日のように来るが、携帯にはそんな事が無かったので誰からかと思って確認すると三井住友銀行からである。

大金が眠っている我が口座が不正利用されているので下記ページを開いて閉鎖手続きをしてくださいとのこと。勿論悪意あるフィッシングメールと確信して無視。今朝銀行の業務開始を待ってチャットで早速事の次第を報告した。恐らく毎日数えきらないほどの連絡があるのだろうが、年金暮らしの老人の口座と携帯電話の番号を関連付けないとこんなメールはありえない。公的機関が個人のプライバシーを侵害するのはやむを得ないと思っているが、犯罪組織がいとも簡単にこの二つを関連付けてしまうのは空恐ろしい。

今ところはこの定度ですんでいても、デジタル技術はどの世界でも日進月歩。いずれはもっと深いところの情報が明るみに出る日が来てしまうのだろう。防ぎようは思い及ばないので、その日が来るのができるだけ遅くなること祈るしか無い。

2019年10月21日月曜日

即位の宣言

明日は新天皇の即位を内外に宣言される「即位礼正殿の儀」が海外の要人を招いて挙行されることになっている。折しも又台風が接近中とのことで、その後に予定されていた祝賀パレードは延期となった。それは取り敢えず良かったとして。この行事が皇室の伝統なかでどのように位置づけられているか正確に知る人は少ないと思う。新天皇陛下はじめ現代の皇室に好意を寄せる者の一人であるのは勿論のこと。同様の思いは国民の間で多く共有されているようにも思う。

ところが1年ほど前だったろうか、秋篠宮殿下が「皇室行事は憲法に定められた行事の他に宗教的色彩が濃いものがある。その宗教的行事は皇室費の範囲で賄うべきではないか。」と発言されたことがある。しかし実態は全て内閣が主導して運ばれるようで、国民にはその詳細が詳らかにされていない。そのことを象徴する最大の問題は来月14、15日に行われる「大嘗祭」だ。祭の名が示すと通り即位を先祖即ち天下に宣言する大切な宗教行事なんだろう。

従って秋篠宮殿下の言われたことは実に筋が通っている。そのことを受け政府が「いや私共にお任せ願いたい」と申し出ることは反対しないが、そのへんは国民の前でもっと正々堂々の議論をしないと却って国民と皇室の間に溝を生みかねない。実際に政府は来月の「大嘗祭」のために皇居東御苑内に「大嘗宮」建設を進めている。ここに投入されている税金は数十億円と言われ、メインは清水建設が請け負っているようだ。イージス・アショアとかF35戦闘機とか数兆円規模の無駄遣いを屁とも思わない我が政府だから、金目は問題ないのだろう。

政府に如何なる存念があるか知る由もないが、皇室に対する敬意に基づいた善意であったにしろ贔屓の引き倒しになりかねない。昭和天皇から憲法遵守を引き継がれた新天皇に逆らっているとしたら論外だ。歴史を見れば昭和天皇は京都御所で、平成天皇は皇居内豊明殿で挙行された祭を、なんで新天皇のために大金を投じて仮設の宮殿を作る必要があったのか。恐らく新天皇も弟の宮と同意見であったに違いない。

2019年10月20日日曜日

読後感「官邸官僚」森功著

久しぶりに会った友人が貸してくれた。友人は元キャリア官僚だから興味があったのだと思う。こちらも現役時代に様々な中央官庁に出入りして仕事を貰っていた。当時から比べると今は官庁の名前も変わり、換骨奪胎もあったので今の官僚の有り様も大きく変わっていそうだ。特に現役時代には、官邸なる建物はあったが内閣府なる役所は無かった。本書が指摘するところは、その内閣府に巣食う官僚が政府の動きに大きな影響を与え好き勝手に国益を毀損していることを炙り出している。

興味を持って読ませてもらったが、読むほどに疑問が大きくなった。歴代総理大臣に知り合いはいないが、内閣官房長官には直接面会して陳情に及んだ経験が1回だけある。その前には筆頭秘書官と何度も接触した。知識がその程度なので、現在の行政府トップ内閣総理大臣と内閣府なる役所の構造は想像もつかない。日頃の報道を通して想像するのは、内閣府なる役所が全省庁の中で抜きん出た権限を持ち、それを利用して総理大臣が一強と言われる強大な権限を行使している現実である。

昔役所に出入りしていた時代にも総理府と言う似たような役所はあった。中級以下のプロパーの職員に対し課長級以上は各省庁から出向した役人で構成されていた点は今の内閣府と同じだろう。異なるのは他省庁に対し桁外れな権限など無かったと素人にさえはっきり言える。プロパーの職員と仲が良かったので当時の首相官邸を案内してもらったり、首相の日程表管理などを見せてもらったことがある。

それが本書に詳しく紹介されたように、内閣府の官僚が化け物みたい権限を振るえるのは何故か?大きな疑問でもある。読後感から逸れるが、友人は小沢一郎氏が次官会議を無くしてしまったことが最大の要因だという。そうかも知れぬ、昔から省庁間に若干のランクはあったかも知れぬ。されど次官ともなれ背中に省を背負っているので、そう簡単に他省庁に妥協はできない。チェックアンドバランスが働いたはずだ。当時巷では大蔵省が筆頭官庁のように言われもしたが、旧内務省の自治省官僚からすればたかが金庫番とせせら笑っていた。

この次官会議は全会一致が原則で、ここを通過しないと如何なる案件も閣議に上げられない仕組みがなっていた。これが壊れたものだから内閣の横暴が始まったとする説には説得力がある。読後の感想に話戻して、本書で感心したのは法務官僚が内閣に籠絡され堕落している現状。ちょっと寒気が走った。現在官邸官僚として辣腕を奮っている連中は、経産省や国土交通省、或いは警察庁から来た一昔前で言えば二流以下の人物ばかり。政治家もそうだがトップになりそこねた人物は仕事ができる人間だけに、コンプレックスは恐ろしい結果を生むと思った。

2019年10月19日土曜日

お天道様

連休明けの15日、年金を引き出すために9時半ころ郵便局に行くと既に長蛇の列。しばらくしてやっと引き出したが、今月の支給額は10月より約4万円も減っている。予めの通知で承知はしていたが再びショックが襲ってきた。兎に角年金の範囲内の生活を心がけ、例え数千円でも残すよう務めてきたが、今後はかなり難しくなるだろう。何時も冗談を言い合う昼飯屋の親父じゃないが、愈々戸棚に隠れていた福沢諭吉様にお出まし願うことになりそうだ。

今月は体調を崩したりした個人的な問題に限らず、日本全体で見ても碌でもない月だったかもしれぬ。個人的台風被害は免れているので善しとしても、影響は余りに大きい。先ず天皇陛下即位の祝賀パレードの中止が今週決定したが、台風が来る前に母校長野高校の120周年祝賀の関連行事が全部取りやめになった。新幹線が止まる前に中止を決定したので、東京から出席を予定していた仲間はホッとしているだろう。中止と言えば池袋のふくろ祭りで評判高い「第20回東京よさこい」も前日になって中止の決定。この祭りは土日に亘るビックイベントで遠方からの参加者も多いので、既に池袋入をしていた人も多い筈。

かと思うと、来年のオリンピックのマラソン会場が東京から札幌に変更になりそうだと報道されている。日本の総責任者森喜朗氏がオリンピックマフィアの総本山ローザンヌ滞在中の国際オリンピック委員会の見解だからほぼ確定的だろう。今回のオリンピックは日本オリンピック委員会の竹田会長が今年辞任する以前からシンボルマークや国立競技場設計変更など碌でもない事件が相次いでいる。その上に政府の外交下手の影響で韓国から食い物の放射線調査とか因縁をつけられているし、水上競技会場問題だってスッキリ片がついてはいない。

東京オリンピックが決まったのは遥か昔になるが、あの時からスッキリしなかったし、前回のリオデジャネイロオリンピックの最終日、安倍首相異様な格好で登場した時も不吉な予感がした。天災は自然現象だから人間の社会活動とは何も関連性は無い、と言うものの古代中国では天が地上に代替わりを命じたとして、本来皇帝が変わるべきところ、元号を改めたりしたそうだ。日本は既に昭和から令和へと革命をしているにも関わらず、お天道様はなにかお気に召さぬことがあるのかも知れぬ。

2019年10月18日金曜日

友達

80歳を目前にした今では、付き合いをする友人が少なくなってしまった。亡くなった人は仕方ないが、互いに生きてはいても似た年頃ともなれば疎遠になるのが当たり前なのだろう。そんな中で相変わらず元気な友人の一人が昨日電話で長野の台風被害に関して見舞いをくれた。幸い我が家の関係者は直接の被害がなかったので礼を言いながらよもやま話をして時間を潰した。彼は学校関係では全く異なるが高校時代からの親友でもある。

性格や趣味的には似ているところもあるが、政治思想的には全く異なり、ゴリゴリの自民党支持者。こちらが自民党を嫌いなように彼は民主党政権が日本を悪くしたと思っている。台風見舞いでもあったので、当然長野市の被害が話の中心。彼曰く「今度の被害拡大は全て民主党政権のコンクリートから人への所為だよ。あの政策で地方の土建屋が多く潰されてしまった。だからいざとなった今回、重機にしても働き手にしても十分に集まらないから復旧がままならない。テレビを観ているとよく分かる。」

民主党政権による地方産業の変換についてはなんの知見も無いし、折角の見舞いをくれた友人に反論はせずご高説を大人しく拝聴した。考えてみると我がご同輩は殆どが保守主義者だから自民党支持者が多いのは当たり前で、兄弟も皆自民党を支持していたかも知れぬ。多分自分も最初は政治にあまり関心がなかったこともあり、保守的な環境で育っていたので自民党支持が当たり前と思っていた。それがいつの間にか反自民になってしまった。これは区会議員選挙に深く関わった亡き家内の影響が大きいと思う。

己の政治信条なんか行使するのはたまの選挙の投票だけだから、その違いだけで友達との付き合いに不都合や不便は一切無い。中にはこのブログをたまに読む友人もいるだろうが、あいつはまた馬鹿なこと言っているぐらいな受け止めで許容し、有り難いことに長年の付き合いが変わることは無さそうだ。互いに少なくなりつつあると友達との付き合いをこれからも大切にしていきたい。

2019年10月17日木曜日

神輿とシャッポ

良く言えば「まとまりが良い」かも知れぬが、昔から日本は羊羹型社会と言われてきた。先の大戦直後から半世紀以上、国民が一丸となってに同じ方向に向かって努力をした結果、人口が1億人を超える時代になっても貧富の格差が少ない社会を実現してきた。誰の知恵か知らぬが、終戦直後に少し芽が出かけた共産主義革命の危険はあっさり排除され、民主主義の名目のもと、多数政党が実現して、これも良く言えば互いに切磋琢磨した結果、今日の安定した平和な社会があるのだろう。

終戦直後、世界で最も平和で安全な国と聞かされたスイスと言う国家を夢見た少年からすれば、それは結構なことだったとも言える。ある意味で現在の日本は、困難な状況が続く外国の少年たちから見れば、70数年前に小生が夢見たスイスのように見えるかも知れない。昔、小沢一郎氏が自民党幹事長時代に海部俊樹氏を総理に担いだ時「神輿とシャッポは軽いほうが良い」と嘯いて物議を醸したことがあった。30年も昔の話だからご記憶のある方は少ないだろう。

確かに、国民を纏めていくには能力が高かったり個性的な人間よりは、言っちゃ悪いが少々〇〇のほうが良いのかも知れない。国家という組織が安定するのだろう。似たようなことは昔付き合った官僚からも聞いたことがある。当時の中央官庁は毎年最高学府出身の同じように優秀な新人が10~20人採用されていた。彼らは入省当時からどの役所でも「特権さん」と呼ばれて同じようなコースを歩み、55歳から60歳頃までに差がついてしまう。

入省当時能力に差がなかった集団が30年間程度でどのようにレースが運ばれるかについて複数省庁の中堅の「特権さん」から聞いた言葉が今も印象に残っている。「次官になるのは結局何もしなかった奴よ。」要するに「特権さん」は仕事を懸命にすると結局何処かで傷がつく。日本と言えど人間は多様性があるので、万人を満足させることは出来ない。

社会で大きな仕事すれば、組織内部ではそれなりの反動もあることは覚悟しなければならない。「だから30年以上を無事勤め上げるためには組織内の動向に目配りして、対外的には何もしないのが一番なのさ。」当時官僚の多くは分かっていたが、それでも役目が巡ってくれば、事に臨んで積極果敢に仕事に邁進したのだろう。嘗ての小沢氏の名言と嘗ての官僚が持ち合わせ、今失われているように見える特権としての矜持、この二つが相まって現代日本は見事に纏まり、そして軽い国になった。

2019年10月16日水曜日

国会議論のテーマ

自分で視聴してはいないが、昨日と今日の参議院予算委員会、噂に聞く限り殆どの質疑が台風被害とその対応に費やされたとのこと。台風被害が甚大であったのは言うまでもないが、国会審議の大半が目先のことに終始して良いものだろうか?首相の施政方針を踏まえ内外には質すべき問題が山積している筈である。

遅くなったので多弁は弄しないが、政治家諸氏には国家の将来を睨んで勉強してほしいものだ。

2019年10月15日火曜日

複雑すぎても無縁ではなかろう

ことの善悪は別として世界には様々な権力者が存在しているらしい。超大国とされるアメリカ・中国・ロシアの大統領を筆頭にヨーロッパ連合のフランス大統領・ドイツの首相・連合を抜けようとしているイギリスの首相、逆に連合に加盟したいと言っているトルコの大統領。アメリカの属国東洋の果の日本の一市民としては、それぞれの権力者が何を考えているのか分かりにくいが、彼らに共通しているのは、休む暇なくよく動いていることだ。

引き換えて思うのは、我が国の権力者が余りにに暇そうにしていることである。台風被害が発生した19日の土曜日、早々に私邸に引き上げてラグビー観戦をしていたことがネット上では大分糾弾されているが、そんなことを指摘したいわけではない。アジアの隣国のことさえよく分からないのに中東やアフリカの事などはめくら同然だが、最近はイランやイスラエルだけでなくシリア北部が大きな紛争の種になりかねない緊張状態にあるよだ。

それこそ日本は3連休中でもあり、詳しい情報が報道されていないが、シリア北部地帯は元々IS(イスラミックステート)発祥の地帯らしく、その一帯の住民は民族的にも極めて複雑、特にクルド人は国を持たないが居住者3000万にを超すと言われ、アメリカが彼らを対IS戦闘で長年調子よく傭兵のように扱ってきていた。それを先月末に例のトランプ節で「永遠に終わること無いこの地帯の紛争からは手を引かせてもらうよ、グッド・バイね」と兵力を引き上げ始めたわけだ。

それを見込んでか予め手を握っていたのか、相当に怪しいが、トルコがクルド人をテロリストとして排除、トルコとシリアの国境地帯に非武装地帯を作って、現在トルコ国内に収容されているシリア系難民(200万人近いそうだ)の居住地帯を作ると言い出した。トルコは元来アメリカ軍に基地を提供するアメリカ友好国のはず。これが最近になってロシアのプーチン氏と仲良くし始めているのも不思議。ロシアはシリア政府と前から盟友関係でアメリカからは敵視されていた。

僅かこれだけの文章でも「お前の頭が混乱しているのではないか?」と言われそうだ。確かに現在の中東情勢一端を取り出してなにか書こうとするのは、相当勇気のいることで、シリアとトルコん関係で、これまでのシリアとクルドの関係が180度転換したらしい。数行前にトルコとアメリカの関には密約めいたものがと書いたが、アメリカはトルコに対し関税の大幅引き上げの経済制裁は発動している。欧州議会もトルコ政府に自重を促したりしているが、トルコ大統領は自重する姿勢を見せていない。

ロシアの大統領はなぜかサウディアラビアを訪問して国賓待遇を受けたりしている。これらのピースが収まるところに収まる時どんな絵が見えてくるか?総理大臣以上に暇している老耄には分かろうはずもないが、兎に角世界は激しく動いていることだけは確かだ。

2019年10月14日月曜日

政権とマスコミの関係

ネットで囲碁を打っていて負けが込んだので、久しぶりに碁会所に行って帰りが遅くなってしまった。ブログも休もうかと思ったりしたが月曜からサボるのも気が引けるので遅まきながら。
先週は全国的な台風被害とラグビー・ワールドカップの予選最終戦などで報道が持ちきりになり、折角国会が開会され衆議院の予算委員会も始まったなのに殆どニュースにならなかった。国会質疑そのものは少し前に書いた通り下らないかもしれぬ。

しかし、やり取りでなく取り上げられているテーマはには国民生活にとって重要な案件が多々あるはず。マスコミ報道はそこに注目して取り上げてほしいが、その見方は無いようだ。政権側にとってはもっけの幸いだろう。現役時代に電力会社の側に立って原子力発電のお先棒を担いでいたので、日本のエネルギー供給構造について普通の人より少しばかり知っているつもりだ。「環境負荷を考えると再生可能エネルギー比率を増やす必要がある。」と政治家も官僚も口を揃えるが、その方向への動きの実態は極めて低調で、政府も電力会社もむしろその動きにブレーキを掛ける事しか考えていない。

大手電力企業は10社に分割されているが、実態は昔の電力供給公社と一緒で喩えて言えば巨大カルテルであろう。そのヘッドは経産省の資源エネルギー庁が握り、電事連が各事業者へのクーリエ、即ち連絡役を担っている。その電事連の会長を努めていたのが関西電力の八木会長で、野党が国会で質問したいと言ったのを与党があっさり退けた。仮に野党の意見が通り、参考人質疑が成立しても電力の深い闇は何も明らかに出来ないだろう。狭い日本に原発が52基も存在する事実はその歴史から見直さなければならぬが、それは簡単なことではない。

重要なポイントが一つある。原発はアメリカの方針に従い政官業が一体となって推進してきたものであるのは勿論だが、それだけではない。そこにマスコミも大きくコミットしてきたことはなかなか表面化しない。昭和30年代から40年代の初めにかけて全国新聞の中で最下位であった読売新聞がいつの間にかトップに君臨するようになった。これも国の原子力政策と極めて密接な関係があると見えるのだ。

2019年10月13日日曜日

台風19号

昨日は昼間から雨戸を引いて電灯をつけ、結局家から一歩も出ずに居た。普段は雨戸を引いていないので真っ暗闇の中に居たせいか、今朝は珍しく5時を回ってから目が覚めた。夢うつつではあるが昨夜は風雨がすごく、時折雷の音が聞こえたり地震のように家が揺さぶられるのを感じていたものだ。ところが気がつくと妙に静かで、暗闇の中、枕元に置いてある携帯を開くと5:15。確か、予報では明け方が一番風雨が激しいように言っていたような気がしたが、台風のコース変更があったのか?なんて思いながら身支度をして、6時にテレビをつける。

台風は予想通りのコースを進みつつあって、現在は既に中心が三陸沖に接近しているとのこと。関東地方は予定通り直撃に近かったようで、真夜中にこの辺りも相当な風雨だったようだ。昨夜就寝前の9:30頃、携帯に変な音が鳴って、東京に「特別警報発表:警戒レベル5」既に災害が発生しています、命を守る最善の行動をしてください。と連絡が来た。と言われても、雨戸を引くぐらいしかやることがなかったの実情。

ただ、沿岸に接近してからのスピードが時速60キロと近くになったので夜のうちに通り去ってくれたらしい。家の周りは台風15号と同じで、駐車場の鉄の扉が開いてしまっていた。北に面した建屋なので時計と逆周りの東からの風が簡単に引き開けてしまったのだろう。一番心配したのは洗面所の上に乗っている明かり取りの天窓であった。

家内が亡くなってからリフォームをして、以前屋根の平面に切ってあった窓が風の吹きようで雨漏りがしたので、屋根に台を組み、そこに丸い天窓を乗せるように変更していた。前より明るく、雨漏りも全く無かったので良かったと思っていたが、これが台ごと吹き飛ばされはしないかと心配していたが、昨夜はどうやら持ち堪えてくれた。

雨戸を開け放ち空気を入れてからテレビを観て驚いた。全国で予想されたように大きな被害が出ている。特に我が故郷の長野市の千曲川氾濫はその被害の中でもトップの扱い。東海から関東の被害は予想の範囲だが、周囲を山に囲まれた信州での被害は予想外。多分友人知人にも被害者がいるだろう。自治体が避難を呼びかけても実際に避難す人は少ない筈。我が身も同じ、したくても出来ない高齢者、たかが1人、されど一人かもしれない。

2019年10月11日金曜日

話し上手と話し下手

人を見かけで判断してはいけないとも言われるが、一方40歳過ぎたら人相も自己責任と言うこともある。どちらが正しいか分からないが、嘘をつくことが習い性となっている政治家や高級官僚の顔を見ていると、後者の考えが正しいように思えてくる。予算委員会で居並ぶ現内閣の顔を見ていると、なにか一様に暗い。昔、家内が娘のことを指してよく言っていた<便所の100ワット>のように不必要に明るいのも考えものだろうが、よくもこれだけ暗い顔を揃えたものだと思う。

国会は言論の府と言いながら、表では与野党の駆け引きがあるので、本音も言いづらく甘い顔も出来ないだろう。では裏ではどうなっているのか、これが問題だが我々下々には殆ど分からない。分かっているのは質問者の質問は前日までに回答する当事者に届けられ、質問の際に提示する資料も総て事前に理事会と言う場での了解を得なければならない決まりがあることだ。これで面白みを期待できるわけはない。それを思うと今は議席を無くしている山本太郎氏はよく頑張ったと言える。

議会という場は日本に相当あるし、外国にも多数あるはず。これが総て似たような規則で運営されているとは限らないだろう。少なくとも最近良く見かける英国議会のやり取りは全く異なり、丁々発止で双方必死の攻防をよく見ることができる。アメリカ議会の公聴会なんかも出来レースとはいかなようで、近頃はトランプ政権側が公聴会出席自体を拒否して問題になったりしている。しかし日本の場合は田舎の小さな自治体議会であっても、概ね国会に似た運営がされているようなのが少し残念。これが社会全体の閉塞感に繋がる一要因かもしれぬ。

欧米の教育には「ディベート」があり、幼い時から議論について勉強するらしい。どんな教育か知らぬが勝手な思いを言う。議論で最も大事にしなければならぬことは、相手の言わんとする所を十分理解することの筈。「朝、ご飯は食べてこなかったけれど、パンを食べてきた。」この手の質疑応答は議論以前の問題だろう。今日から日韓の貿易問題に関して実務者(局長級)協議が始まるとされている。外交協議にしても同様で、相手の言うことを聞かず声高に己の理屈を並べて正当性を主張するのは協議に値しない。

2019年10月10日木曜日

身勝手な輩

関東地方も明日から大荒れの天気と予報が出ているが今日までは秋晴れが続いて結構なことだ。夏風邪も大分良くなってきたので今月末には近くの山に紅葉を見に行くのが楽しみになってきた。国内では国会が招集され衆議院の予算委員会が開かれているようだが見る気にならない。むしろ海外の事情のほうが気になることが多い。特にアメリカのトランプさん、野党に大分押し込まれているようだし、シリアのクルド人対策も支離滅裂で、野党のみならず与党共和党内からの非難も相当激しいものらしい。

そりゃそうだろう、昨日まで味方として一緒に戦ってきた民族を急に「バカバカしいからもう戦争に協力はやめた。あとは勝手にしてよ。」はいくらなんでも酷すぎる。日本政府が杖とも柱とも頼るアメリカ大統領の身勝手な振る舞い友言えるが、彼に限らずアメリカという国家そのものが、同盟国を裏切ってきた歴史はイランにせよイラクにせよベトナムやフィリピンにせよ数え上げれば相当な数だろう。韓国なんかもその辺の事は心得ている風情が垣間見えるが、我が国だけは身も心も捧げている様子がだんだんいじらしく思えてくる。

日本は外交と言えば何でもアメリカ様が仰る通りで困ったものだ。まさか先月フランスのシラク元大統領の国葬に然るべき高官を派遣しなかったのもアメリカの指示ではなかろうが、アメリカばかり見習っていると日本の振る舞いが支離滅裂になりかねない。そのために他国からバカにされているのは知ってか知らずかとしても、貿易交渉なんかをみている限りTPPに参加した10カ国から馬鹿にされるだけでなく、相当国益を損じているようだ。野党が国会で何処まで追求できるか分からぬが、結局泣きを見るのは関係する畜産農家や自動車など輸出大手のサプライを担当している中小企業になってしまう。

与党の中にもそういった中小企業から献金をもらっている議員は少なくないはずだが、なんの役に立っていない。東電の事故から既に8年以上、再び原子力政策が問題になっている。これとてもアメリカの政策を真似したか真似させられているか知らぬが、エネルギー政策全般が真に国民全体を見ていないことだけは確かのように思える。

2019年10月9日水曜日

長野高校東京同窓会

昨日の夕方、高校の東京同窓会幹事会があって出席した。母校は今年120周年の名門校であり、首都圏在住の同窓生は多数居ると思うが、年に2回開催される同窓会の集まりは往年(約半世紀前)に比べると寂しい限り。近年は100人を超える出席者がいれば善しとせねばならない。同窓会では同窓生の中から我々幹事が選んだ著名人の講演がある。その講師を選定するのが幹事会の主な仕事。

各年代の幹事全員が出席すれば、幹事会だけでも50人近い出席者数になっても不思議はないが、昨夜も集合したのは約20名程度。しかも年代に依って偏りがあるので歯抜けになっている年代が年々増えているのが実態。120周年とは高校の前身長野県立長野中学が設立された明治32年(1899年)創立ということらしいが、昭和34年(1959年)卒業だから創立から勘定すると丁度真ん中に当たる60回生かもしれぬ。昔初めて同窓会に参加した頃は長野中学出身者も居たが、今や恐らく1人も居まい。

しかも戦後長野高校誕生までも些か複雑で、長野北高と称された時代があったため我が世代は高校11回生となっている。最近の同窓会では北高時代の先輩も殆ど見かけなくなった。従って79歳の高校11回生は貫禄は無いがもう長老の部類。母校の故事来歴を書いたのには理由がある。幹事会では出席幹事一人ひとりが近況を申し述べることになっている。そこで昨夜は思い切ってこのブログのことを披露させてもらった。出席者の中で最も若い人は51歳の若い青年。

幹事会を仕切ってくれている人たちでさえ未だ還暦前だ。年寄りが近況と言っても面白くもおかしくもないが、若い人たちの話からは時代の息吹が感じられて楽しい。その息吹をこれからも時に応じて伝えてもらえることを期待してのカミングアウトだ。同窓生の同窓会に対する意識が時代とともに変化していることは否定できない。しかし世代を超えたコミュニケーションの可能性が残る数少ない場であることも事実。願わくば昨夜をきっかけに新しい読者が増え、更に欲を言えば、何らかの反応を期して待ちたい。

2019年10月8日火曜日

北朝鮮関連報道

夕方出かけるので大分早いがアップする。

昨日の朝、日本海の排他的経済水域で違法操業していた北朝鮮のイカ釣り漁船が、監視活動していた水産庁の漁業取締船「おおくに」と衝突したとのこと。報道に寄ると、どうも偶発的ではなく警告している最中にぶつけられたようだ。結果的に漁船は沈没して、乗組員全員が海中に放り出された。この数が20名という報道と60名との報道もあり真相は不明。更に、全員が水産庁船の救助活動で助けられるも、近所にいた北朝鮮船が駆けつけたので引き渡したとのこと。

もし違法操業なら、せめて責任者くらいは日本に連行して取り調べるべきだと思うが、この点を指摘する報道は未だ見当たらない。大和堆と言われる現場一帯はスルメイカの絶好の漁場で、これからシーズンになるのでやって来る北朝鮮の漁船は数千台のオーダーになるとも言われている。勿論日本の漁船も操業しているだろうし、水産庁や海上保安庁も警戒をしているようではある。昨夜のテレビニュースには水産庁の官僚がコメントしていたが、新聞報道には海上保安庁からの報告とある。

一見すると丁寧に報道されているようにも見えるが、漁場荒らしが国家的規模で行われているならば、実態をもっと明確にして何故強く抗議しないのか、対応が中途半端でどうも腑に落ちない。ミサイルの試射については「どこそこの大使館ルートを通して強く抗議をした」が決り文句ではないか。強い抗議が実際に行われているかどうかも怪しいもので、北朝鮮問題になると拉致問題のみならず政府の発表が如何にいい加減であるかが伺える。同時に問題視しないマスコミ側にも大きな責任がある。

似たような意味で、先週ストックホルムで行われた米朝実務者協議の報道も、報道だけでは何を意味するのか全くわからない。北朝鮮は記者会見までして交渉決裂と発表するも、直後にアメリカは交渉は近く再開されるはずと発表している。事前にアメリカ側が一定の譲歩をして、首脳会談に向け前向きに進むとされていただけに、期待を裏切られた気持ちだ。しかし協議が丸8時間以上費やされたとも言われ、北側もアメリカ次第で再協議もあるかもしれないとしたとも言われる。

政府の腰が定まらないのは昔からにしても、マスコミにはもう少しシャンとしてほしいものだ。

2019年10月7日月曜日

急に秋風

急に涼しくなった。夏風邪が抜けきっていないので、大事を取って少し厚着をした。土曜日に孫と買い物に行って話をすると「風邪はおとなしく寝ているに限ると思うよ」とのこと。仰る通りかもしれぬが、残念ながら単身生活者は1日中大人しくしていることが不可能。昨日孫に言われた通り引き篭もりをしてみたが、症状に大差はみらっれないし、雑用が溜まってしまう。

今日は引き篭もりの反動で有楽町まで足を伸ばして映画を見たが、上映前にトイレで咳と痰を十分吐いたら2時間半むせること無く収まった。しかし遅い昼飯を食いに行った店で咳が止まらず往生した。喉の痛みがないのに不思議でならぬが、ちょっと動くとすぐ咳き込んでしまう。とってもじゃないが山歩きは未だ出来そうにない。

帰宅すると既に4時、朝からメールも確認せず外を歩き回っていたので世の中の動きが殆ど分からないのでブログに書くべきことが思いつかない。唯一の収穫は秋風の中、久しぶりに1万2千歩以上歩いたことだ。少しずつ運動をしているうちに咳と痰が何とか収まってくることを期待したい。

2019年10月5日土曜日

官僚から聞いていること

大臣に限らず政務三役ともなるとテレビ出演の機会が増える。昨夜もBS-TBS「報道1930」に防衛副大臣の山本ともひろ氏が出演していた。放送局側が如何なる存念で出演を依頼したか分かりかねるが、彼のコメントを聞いているうちに、これまで似たような立場の政府関係者のコメントを聞く度に感じていた違和感の根拠がやっと分かった気がした。

山本氏は発足したばかりの防衛副大臣だが、二度めの防衛副大臣でもあり自民党内では国防部会長や安全保障調査会事務局長など防衛問題に関しては既にベテランに属する1人だろう。年齢は44歳、関西学院から京都大学の大学院法学研究科を経てアメリカ留学の経験もして松下政経塾を出ているのでキャリアとしては立派なもの。見るからに賢そうで好感を持てるような顔つきの好青年である。

番組のテーマが東アジアの安全保障問題だったと思うが、北朝鮮のミサイル発射や、中国国慶節の軍事パレードや香港の市民デモと多岐にわたったが、司会者からコメントを求められると、「北朝鮮問題に関しては強く非難はするが、日本はアメリカの同盟国であるので米朝首脳会談が行われることを期待する。」とか「中国の軍事力強化は注目してはいるが、我が国も負けないような強化策を図りつつある。」とか誰に聞いてもそう答えるであろうことしか返事は返ってこない。

彼に限ったことではないが、政府関係者の場合は聞かれたことに関して「報道以上のことは知っているけど、対応策などについては立場上コメントを控えさせてもらう。」或いは「対策等はあらゆる段階で十分に講じている。しかし具体的にはお話できない。」が常套句。要するに俺のところにはあらゆる情報が遅滞なく上げられて、対策は迅速に行われている。具体的に言うことが出来ないだけとの意味。1次情報が届かない視聴者は知らぬが仏ということか。

ならば放送局も政府関係者なんかをゲストに呼ぶ意味が無かろう。昨夜の番組でも外務省OB元中国特命全権大使の宮本雄二氏の方が、余程明快に中国やメリカの今後の見通しとあるべき日本の対応を語っていた。現役の副大臣がそこまで言えないにしろ、政治家は己が知っている(官僚から聞いている)ことより知らない(官僚に教えられていない)ことについて、予測の難しさを語ることが出来なくてはならぬと思うが、それを語る現役の政治家にはお目にかかったことがない。

2019年10月4日金曜日

増税の影響

半月以上続いている夏風邪がどうしても止まらない。今日はついに呼吸器科の病院に出向いて診てもらった。レントゲン撮影やらで半日仕事になったが、気管支に特に問題はなく結局夏風邪との診断。一安心ではあるが、咳と痰のしつこさには往生する。安静にいしていると良いのだが起きていると何かと雑用が重なり、途端に咳き込んでしまう。変更してもらった薬の効果を期待するしか無い。

医者の帰り、今日も行きつけの飯屋で昼飯にしたが12時半近くなのに驚くほど空いていた。先月までを考えると満席で断られるかと思って入ると、カウンターを入れて25席ほどの店に3人しか客がいない。昨日もやはり空いていたので、月が変わって増税の影響は目に見えて出始めている。内税なのでビール中瓶が550円から580円へ、料理も30円から50円ずつ値上げをしたそうだ。売上の変化は聞かなかったが、例え落ちていなくても客数が落ちているのは間違いないだろう。

予てあと2年で店を閉める予定と言っていた夫婦だが、店じまいを早めることになりかねないと些か自嘲的だった。「今はコンビニ弁当に流れた客も結局は戻ってくるさ。」と景気づけを言ってみたものの、女将さんが言った。「食事はしないわけにいかないから、毎回の30円50円の差は1日100円とすればやはり大きい。昼の定食料金だけでももどそうかしら?」メニューは日曜日に切り貼りをして修正したが、定食は毎日黒板に書くだけだから何とかなるのだそうだ。

1着50万円するするスーツの仕立て券をやり取りする連中には想像がつかない世界の話だろう。幸いこちらは独り者、食費が最大の物入りだが1日は100円とすれば1年でも36,500円。たまたま今日年金の支払い通知が来た。下期10,12,2月は321,800円ずつ。上期は357,000円ずつだったのになんだ?と区役所に文句を言ったばかり。健康保険の計算が9月で切り変わるのを了解してくれとの返事。

何もしないのに1年に230万円も頂戴できるのだから有り難く思うべきで、36,500円ごときでぶちぶち言うな。かもしれぬ。しかし子どもたちの家族は食費が無条件で4倍以上、値上がりは馬鹿にできぬことだろう。

2019年10月3日木曜日

へそ曲がり

昨日は香港の学生デモに関して、「無意味なこと」と少しへそが曲がったようなことを書いてしまった。今日も似たような話になるが、地球温暖化に警鐘を鳴らしてついにこ国連総会にまで招待されることになったスウェーデンの16歳の少女のことである。彼女の行動や国連での演説は非常に多くの人を感動させている。中には今年のノーベル平和賞候補の筆頭だという人さえいる。現代を生きる者の1人としとしてなにか対策めいた事を考えてことがあるか、と聞かれると実は何もない。

誠に忸怩たるものだ。と思っていたら、今朝の報道でロシアのプーチン大統領が彼女の意見に異を唱えていた。曰く、温暖化対策と気安く言ってくれるな。文化的生活を営むことができるスウェーデンとは異なり、人口が増え続けているアフリカ諸国では樹木を燃やすか化石燃料に頼らず生活することは出来ない。土地がいくらでもあるから太陽光発電をとでも言うのか、そのコストがどのくらい必要か、誰か彼女に教えてやってほしい。大雑把に言うとこんな論理だったような気がする。

ロシアは天然ガスなどのエネルギーをヨーロッパなどに輸出している国だから、エネルギー問題についてスウェーデンの少女の主張を単純には受け入れられないのだろう。小生ごときと違い、反論するにはそれなりの科学的根拠もありそうだ。我が国の環境大臣さまを始め各国の首脳がそれって褒めそやす外国の少女を自らの信念に基づいて批判するとは、流石ロシアの大統領。会場まで来て演説途中で席を立ったアメリカ大統領に比べると、役者が1枚上のように感じた。

2019年10月2日水曜日

香港・若気の至り

連日香港のデモ騒動が報じられている。香港は一度も行ったこともないし、特段の想い入れは無い。ただ多くの学生がこのデモの先頭に立つ姿を見ていると、無意味なことをしてもったいないと同情を禁じえない。国家権力に逆らって国の、或いは自治区の有り様を変えようと言っても土台無理に決まっている。日本も嘗て、学生が知識人とともに、国家の姿を変えようとデモの先頭に立った時代があった。最たるものが大学2年生時代の60年安保騒動だ。その後約10年学生運動が続き様々な事件があった。それで日本の何が変わったのだろう?日米安保関係に大きな変化があったとはとても思えない。

結局学生同士に深い溝が生まれてセクトが生じて醜い仲間争いが延々と続き、最終的に運動は権力に抑え込まれて先細りしていった。はしこい人間はそれでも生き延び、学生右翼化したりして現在に至った者もいるが、これはは極わずかで、あたら多くの学生が社会に出る前に履歴に傷を残し不幸な人生を送ることになったに違いない。学生運動の成果は成田空港の開港が少々延期されたり東京大学の入試が取りやめになった年があった程度で、日本の官僚主義の根本は殆ど変わらず、当時運動に熱を上げた青年は悔しい思いが強いだろう。

中国本土の天安門事件を思い出しても、結局学生の蜂起が殆ど無意味に終わったとも言える。あの時日本に逃亡してきた学生もいたようだが、殆どはアメリカとカナダに行ったようだ。日本の甘い権力でも学生の反乱は成功しないのだから、共産党1党支配で権力機構をがっちり固めている中国の一角にあって、民主化を求める事自体が間違っていると思う。アメリカに訴え、イギリスに訴え世界各国に訴えようが、訴えられた国にとしても支援のしようが無いだろう。

何処かがスケベ根性で内政干渉して、ウクライナの革命めいたことをして香港が独立したとしよう。結果は火を見るより明らか、経済的にも人権的にも香港市民は現状より悪くなるに決まっている。大人たちはそれが分かっているが、子どもたちにはどんなに言って聞かせても理解されないのだろう。厄介な話だ。

2019年10月1日火曜日

消費増税の日

ついに10月、それでも陽だまりを避けて歩きたいからやはり異常気象と言うべきか、それともこれからずっと毎年覚悟を決める必要があるのだろうか。どちらかと言えば後者の可能性が高そうだ。ヨーロッパアルプスのスキー場や千軒近い山小屋は永久凍土の上に建設されているらしい。この永久凍土が溶け始めていて基礎が傾き莫大なコストを要する補強工事があちこちで始まっている話や、グリーランドの氷が溶け始めてエスキモーの生活が変化始めていることなど、地球温暖化の影響はあちこちから聞こえてくるが、一方ではシベリアやアメリカのモンタナでは季節外れの豪雪被害が出たりしている。

何事も変化が始まる時は一直線にはいかず、斑現象から始まるとはよく言ったものだ。今日から日本は消費税が2%上がって10%となる。細かな買い物をせざるを得ない身にとって、小銭入れに1円玉が多くなる煩わしさから少し開放されるが、長い目で考えれば結局出銭が多くなるということで余り歓迎できる話ではない。どちらかと言えば消費税は下がるほうが有り難いのが正直なところ。前の参議院選挙でれいわ新選組の山本太郎氏を応援したのもそのためだ。

昨日その山本氏が出演したテレビを観ていたら、朝日新聞の編集委員原さんという方が山本氏の理論に対して真っ向から異を唱え、消費税を仮にゼロにしても庶民の暮らしに貢献するところは殆ど無いに等しいと反論していた。消費税は名前からして、如何にも庶民の懐に手を突っ込んで徴収する税のように聞こえるが、実際は形を変えた法人税と同じで、消費性を無くしても企業が製品を値上げして庶民の懐を襲うので結果は同じとの理屈。

経済学的知識が皆無なので判断の仕様はないが、もしそうなら山本氏や共産党が言うように思い切って消費税を全廃するのもありではないか、なんておもったりしたが、そんなこと思うのはどうも少数のようだ。それも我が同世代は特にその傾向が多く、消費税は増えて当たり前と思っている人が多いらしい。我が世代は年金も早くから貰い、既に逃げ切りの人生最終局面だから現状肯定からの発想はやむを得ないのかも知らぬが、頭から山本氏を馬鹿にして掛かるのは少しずるくはないだろうか?少なくとも消費税のことについては、も少し勉強してまた書きたいと思っている。

2019年9月30日月曜日

9月の雑感

9月は今日が最終日。個人的には2度も耳鼻科に行くことになり散々な月だったも言えるが、一方墓参りをしたり山歩きも出来たし悪いことばかりでもなかった。人生山あり谷ありで様々なことが起きるが、先週後半の夏風邪はきつかった。土曜日に処方してもらった薬を飲み始めてっもう3日目、大分良くなってきているが、未だ咳と痰は完全には収まっていない。朝の起き抜けは大分良くなったように感じても、少し汗をかくくらい動くと途端にぶり返す。発汗作用と喉が関係する理屈は理解しかねるが、人体は諸機関が微妙に作用しあっていることが分かる。

兎に角今月後半は体調不良のお陰で、普段スポーツ観戦など全くしないのに俄ラグビーファンとなって、ワールドカップ日露戦と日アイルランド戦の両方を自宅でゆっくりテレビ観戦した。ルールを知らなくても試合の流れは十分わかるので、結構興奮して楽しかった。今日久しぶりに接骨院の先生に言われてそう言えばそうだと思ったのは、これだけ国民が湧いているのに花形スターとも言える森喜朗元首相がテレビ画面に全く出てこないこと。そう言えば安倍首相は開会式だったかで見たように思うが、森さんは見なかったような気がする。体の調子が余程悪いのかもしれぬ。ともあれ折角ここまで来たのだから日本の決勝リーグ進出を祈ろう。

世の中は細かいことに拘る人もお多い。明日から消費税が2%上がるのでと買いだめをした人もあるだろう。結果的になにがしかの利益になったかは本人の感性だろうが、正直よく分からない。これも接骨院の先生のお話で、掃除機の調子が悪くて、奥さんから増税前に新品の購入を指示されて家電量販店に赴いてびっくりしたそうだ。掃除機てこんなにするの?と思うような高級品しか並んでいなかったらしい。結局買わずに帰って2%余計払っても廉価品が出るのを待つことにしたとのこと。賢い選択だと思った。

先の森元首相とも少し関係するが、来年のオリンピック・パラリンピックのこと。気になって仕方ないのが開催日程。今日の報道によると、東京都中央区が公立小中学校・幼稚園の来年の夏休みをオリンピックのために8日間前倒しすることを決めた、とある。そもそも真夏に開催すること自体が間違っているのに本末転倒も甚だしい。何度も書いているが、今回のオリンピックは最初からインチキ臭くて賛成できない。例えば炎天に寄る事故と生活排水と糞便が随時流れ込む港湾内でのオープンエアスイミング競技参加者の健康問題発生の可能性は小手先の弥縫策で解決出来ない事は明らか。

世界に恥をさらすより中止するほうが賢明だろう。

2019年9月28日土曜日

バカは死ななきゃ治らない

インフルエンザ予防ワクチン接種の案内が送付されてきたが、今年はインフルエンザが既に大分流行り初めたとの報道もある。ワクチンは有効になるまで1ヵ月近くかかると聞いているので来週中には接種をしようと思っている。これは内科の話だが、今日は先日の山での無理が祟って夏風邪がぶり返してしまった。致し方なく今月12日に行ったばかりの耳鼻咽喉科に行って前回と同じ薬を処方してもらった。

前回は5日分だったが今日は7日分処方してくれた。実は前回の5日分も3日服用して止めてしまったので、昨日一昨日はその余りを飲んで少し良くなっては来たような感じはあるが、一旦咳き込み始めると痰が切れずに苦しくて仕方ない。先生も鼻から喉に挿入した画像を見ながら、不思議そうな顔をしている。そりゃそうだ、薬を5回分服用したから大分良くなってきているはずだ。薬の効き目はあるが、身体の回復はまた別物であることを改めて知った。

「この処方で治らなければ呼吸器科の専門医の診察を受けてください。気管支がやられている可能性があります。」実は昨日は苦しくて歩くことすらお休みしていた。要は1ヶ月に2回も山にでかけたことが間違いのもと、足腰に筋肉痛は出ないが、喉の痛みは結構辛い。昨日は歩行数が僅かに2000歩弱、今日も未だ5千歩強程度。兎も角今日も明日もあまり無理をしないように過ごすとしよう。

2019年9月27日金曜日

またやってしまった

昨日は予告した通り奥多摩の棒ノ嶺に出かけた。天気は少し曇りがちではあったが、却って暑すぎずハイキングには最適だった。しかし出だしから行き違いが多くてとんでもない事になってしまった。先ず交通機関のこと、飯能駅には8:10間には着いたものの、8:52までバスがない。已む無く新聞を読みながら時間を潰したのだが、このバスは棒ノ嶺登山口のさわらびの湯には立ち寄らない。大分先の終点まで行ってそれを知ることになった。

終点名郷の近くにも棒ノ嶺と似たような山あるが、バスが10分ほどで折り返すとのことだったので、再び名栗湖近くの停車場まで引き返した。ウィークデイは客が少ないから仕方ないのだろう。登山口に着いたのは大凡9:30、標高は969mと決して高くないが、地図上のコースすタイムは2時間10分。前半は白谷沢と言う沢登りでこれが結構きつい。特に昨日は前後に人影が無いので相当慎重にならざるを得ない。

この沢を登りきると今度は急登が待っている。結局2時間45分かけてやっと山頂に到着。山頂で地元飯能市のハイカーと写真を撮りあったりして仲良くなり、帰り道について相談に乗ってもらった。彼がアドバイスしてくれたのは、渓谷を降らず、途中から脇道に降りて林道を行けば危険は少ないと思いますよ、とのこと。このアイディアに飛びついて林道に出たのは良いが、これが曲者。右にウロウロ左にウロウロ、電話が繋がる場所を見つけて日帰り入浴を予約していた旅館に電話をしても要領を得ない。

こんなところに降るバカはいないのだろう。消防の電話番号を教えてもらったので電話をすると、最初歩き始めた右方向が正解らしい。しかも旅館まではここから約6キロもあるとのこと。がっくり来たが歩くしか無い。秋の日は短く何やら夕闇が迫ってきた。一応ヘッドランプはあるのでそろそろ取り出そうかと思ったら、まさにその時1台のトラックが降りてきた。慌てて手を上げてヒッチハイクの申込み。運転していたのはこの先で道路工事をしていた建設会社の社員1名。

ややこしいことは言わずに引き受けてくれたのは正にに地獄で仏の思いだった。
6キロと言えば、どんなに急いでも1時間以上の距離。工事会社の青年は消防団にも所属しているので遭難事件の度に招集が来るらしい。「最近結構ありますよ。あまり甘く考えないほうが良いですよ。」と説教されて、仰ることが身にしみた。日帰り入浴料は1600円と高いが、大松閣なるこの旅館なかなかなものだった。

2019年9月25日水曜日

腐臭紛々

正直なところ法律とか政治についてまともに勉強したことが無いくせに、時々知ったかぶりで政権批判をしているのは汗顔の至りではある。昨今の世界情勢を見ていると英国では政権トップのジョンソン首相が最高裁判所から「女王に嘘を言って議会を休会させたことは違法」と断じられた。アメリカのトランプ大統領は野党民主党から「ウクライナ大統領に次期大統領選民主党候補者の息子が関与している企業の調査をするよう圧力をかけたことは違法」として弾劾手続きに進むと言われている。

韓国政治制度の違いは分かりにくいが、兎に角行政を支配する大統領府と司法の絶対的権力を握っていると言われる検察庁が司法大臣の就任を巡って何やらきな臭い争いをしている。韓国に限らず外国の事情は断片的な情報だけで今後の成り行きなど即断はできかねる。しかし、この3カ国だけ見ても民主主義の原則は権力の集中を排除する仕組みにあり、それが一応機能しているように思える。日本も憲法で三権分立が保証されているので権力は一箇所に集中しないはずである。

しかし実態は大分異なり、司法が内閣に依って恣意的に差配されているのはご承知の通りで、民主主義国と言えない状態が続いている。勢いに乗じた安倍政権はつい怖いもの知らず、恥も外聞も投げ捨ててネトウヨ内閣を編成。マスコミも手を拱いている中、憲法改正工作に乗り出しているそうだ。腐臭紛々たるこの内閣の動きを止めることは誰にも出来ないのだろうか?今週は国連総会の週で各国の首脳がニューヨークに集まっている。

中で最も注目を浴びているのは、フランスの若き大統領のマクロン氏と身体もかなり弱り所属政党が弱体化して引退を目前にしているドイツのメルケル首相の二人だろう。彼らの中東和平に関する努力に対する一般的評価はいざ知らず、その真剣さには頭が下がる。比較して我が国の政治家共、さも活躍しているかのように日本マスコミは提灯持ちをしているが、その無意味さ、役得でタダ旅行をして税金を無駄遣いしているに過ぎない。

こんなことばかり書き綴っていると、バカバカしいと言うより虚しく思えてくる。秋晴れが明日も続くらしいので近くの里山にでも出かけ、腐臭を落としてきれいな空気を吸うことにしたい。

2019年9月24日火曜日

無料健康診断

自宅には樹木が1本も無いにも関わらず、不思議なことに我が家の玄関先はゴミの吹き溜まりになる。一昨日、昨日にかけて襲った台風17号の影響の雨と強風で、毎度のことで仕方がないが今朝も家の前がなんとも汚らしい。已む無く朝飯前の5時台に箒をもって掃除、チョチョイとしたつもりが15分以上掛かってしまった。単身ゆえにこのように雑用があるのも健康上悪いことではないかもしれぬ。

朝食の後で3ヶ月に一度通っている掛りつけ医に行ってきた。先日の健康診断結果の判定と痛風予防の薬を処方してもらうためである。健康診断結果は既に郵送されてきているので改めて聞くほどのものではないが、これも町医者の営業補助のようなものだから毎年几帳面に聞くことにしている。開業時刻9時ジャストに行ったが、待合室は満席状態。3分診療を済ませるの丁度1時間を要し、更に薬局を経て帰宅すると10時半、思うのは医者に行くことは運動にもなるので健康的だが、医者の言うことは健康維持にあまり有効とは言えない。

掛かりつけの先生はいつも「もう少し数値が上がれば透析ですよ」とか脅し文句がお得意だ。薬局の薬剤師は新顔の青年で「尿酸値が高いのですか?」と聞いてくる。「いや、全く安定していますよ。前立腺がんの関係で通っている日大病院の医師からは、もう服用の必要は無いと思います、と言われているくらいです。」と答えると、「そうですか、それならあと暫くで先生もそう仰るかもしれませんね。」と複雑な表情を浮かべていた。医療費と薬代合わせて730円、1年に4回行くことになるので年間では2920円。後期高齢者補助は9割なので、税金が2万7千円程負担している勘定だ。

今日の医者でもそうだったが、客の大部分は高齢者、日本の高齢者人口は既に3500万人を超えている。医療費負担の割合に少しの違いはあるだろうが、何十兆円の単位になることだけは確かだ。これを税金の無駄遣いと考えるか、或いは医療を通した経済活性化のための財政支援と考え方もあるかもしれぬ。勿論老人を粗末にしたほうが良いなんて思っている訳ではない。しかし、税金の医療費負担の増大を漫然と見過ごすのも芸が無さ過ぎはしないだろうか?

政府は高齢者の医療費負担率を上げること検討中のようだが、その前に医師連や薬業界は反対するだろうが、高齢者の無料健康診断は廃して、有料化するとか、5年10年に1回にするとかのほうが先のように思った。健康診断を一切受けない友人もいることだし。

2019年9月22日日曜日

なんとなく生きている

先週久しぶりに会った友人に薦められた映画でも観ようかと、昨日の昼これまた久しぶりに池袋の映画館に行ってみると映画館が閉まっている。こりゃ不思議とは思ったが仕方無しに日比谷まで行くと、今度は上映が17時とのこと、年寄りには遅すぎる。結局映画は諦めて書店で「月刊文藝春秋」10月号を購入して帰ってきた。いつも立ち読みで済ませていたこの雑誌を買うのも久しぶり。改めて落ち着いて読んだが結構面白い。

一番面白く感じたのは巻頭随筆に掲載されていたあるタイ人のもの。この人物IT系の技術者らしい。正確に書き写すとカラーヌワット・タリン氏(人文学オープンデータ共同利用センター特任研究員)とある。この方が書いているのが「AIでくずし字を読む」である。タイ人が日本の漢字を読むだけでも大変だと思うが、態々昔の毛筆で書かれたくずし字に挑戦したか実に不思議だ。
ご本人は早稲田大学での大学院で源氏物語など日本の古文専攻されていたらしい。

天は二物はおろか何処かの誰かのように一物も与えられない者もいるのに、この方はきっと才能が豊かで、外国である日本に留学、結果的にIT系に進まれて、嘗ての苦労を思い出し、科学技術と文学双方を見事に融合されたのだろう。しかもその成果はご本人によれば完璧とは言えないようだが、既にアルゴリズム(計算手順)は完成して、ウェブ上でのサービス開始が迫っているそうだ。天から一物も与えられなかった口なので「AI」と聞いてもお化けのような存在に等しいが、囲碁でさえ既にプロ棋士の才能を凌ぐとさえ言われる昨今である。

俄に信じがたいが、きっとまともな話だろう。と言うのはもう大分前になる、中学時代の友人を思い出した。彼も仕事をリタイアしてから現役時代とは全く関係のない学習院大学文学部に通い始めた。その話を聞いた時は一体何を考えているのか不思議に思ったものだ。しかし、やがて4年生大学を卒業後、「君の曽祖父の事跡を記録した文書が在ったので。」と江戸末期に松代藩に在籍した曽祖父の事跡を発見して活字に訳して持参してくれたことがあった。

彼は老後の趣味として、郷里北信濃の塩の道を研究したかったとのこと。そう言えば昨日寄った書店に、誰が書いたか知らぬが「無駄に生きるな」と言う本が平積みされていたのを思い出した。昨日は意味が分からなかったが、毎日をなんとなく過ごす老人への警告であったかもしれぬ。

2019年9月20日金曜日

藪の中

「藪の中」なる言葉がある。長野の田舎での筍狩りや志賀高原の横手山や上信国境の四阿山からの降り道で身の丈を超す藪くぐりをしたことがあるが、藪の中は気をつけていても方向感覚が狂ってしまう。普通は藪の中になんぞ入らぬものだが、大体筍狩りとか道探しのような目的を持って入るので、思い込みが先立ってしまうからだろう。山での遭難もどきは辛うじて脱出できて今がある。

今朝の新聞記事を見て思った「藪の中」を書きたい。

各紙が取り上げている「東電会長ら旧経営陣3人に無罪判決 原発事故で強制起訴」これってどういうことだろうう?事故発生はご承知の通り8年も前の3月のこと。東電の原発が壊れて福島県界隈に甚大な損害を及ぼし、未だに被害が収束していないのはご案内の通り。この事故の責任者として東電の経営トップ3人が槍玉に上がったのは知っている。しかし、この事故の責任を僅か3人に押し付けて済む問題だろうか。

10数年に亘った先の戦争責任を、それこそ数百人か千人のオーダーになったか知らぬが、戦争犯罪者として敵国の裁判に任せて殺した。このことに似ているような気がしてならぬ。今回無罪宣告でホッとしているであろう元東電の最高経営責任者たち。重なって見えるのは、罪は明白だったがある日突然無罪釈放され巣鴨の拘置所からから開放された戦前の満州経営者だった岸信介氏や大蔵大臣の賀屋興宣氏達のこと。

強制起訴とか検察審査会と言う司法の仕組みも難しすぎて理解できない。丁度極東裁判の仕組みを理解できないのと似たようなことだ。日本人が過去の戦争を一向に反省しないように、責任者不在のまま原発そのものに対する反省が行われないのも似たようなことだろう。

2019年9月19日木曜日

ライフライン

何を思いついたの知らないが、先程から宣伝カーが「みなさんこんにちは~、衆議院議員の鈴木隼人です。みなさんの生活の改善と実績には自信があります。」を大音量で繰り返しうるさくて仕方がない。党名は言わないが当選2回めの自民党議員の広報車である。この先生郵便受けへの投げ込みも激しい。年内の総選挙は遠のいたと言われているのに何故だろう?

ところで、現代生活では電気があって当たり前、我が家も半世紀上停電の経験が無い。15号台風は千葉県に相当な被害をもたらしているが、停電が未だ続いている地域が未だ相当あるらしい。千葉県中央部のレポートを昨日観たが、一番不自由されているのが水道の断水。特に井戸水に頼っていた家庭は断水にカウントされていないとのこと。我が家も結婚まもなく子供が生まれる頃まで井戸水だったので苦労が思いやられる。これに対する東電の対応、更には自治体や政府の対応は傍目に見ていてももどかしいものがある。

幸い豊島区は大した被害がなかったが、停電は自然災害だけとは限らない。先日光熱費の節約を娘夫婦や孫たちに自慢したばかりだが、電気が止まれば水道やガスなどのライフライン全般に被害が及ぶだろう。自宅のライフラインの仕掛けを一度見直す必要がありそうだ。

2019年9月18日水曜日

知らぬ間に

昨夜十分すぎるほど寝たのに未だに眠い。明後日の金曜日が彼岸の入り「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったものだ。今日は予報通り雨が降り、凌ぎやすい1日となった。墓参りは前倒しで15日に済ませたので、あとは大好きなおはぎでも買って食べることにする。未だ若干残暑は残るかも知らぬが、夏バテした身体を鍛え直すのはどうしたものかだ。取り敢えずは先ず十分な休養をとることぐらいしか思いつかない。(笑)

そんなことより、アメリカのトランプ大統領が日米貿易協定に署名すると米議会に通報した。これを受けて日本の新聞は「数週間以内に」と期日をぼやかして報道をしている。しかしこれを発表したホワイトハウスのクドロー米国家経済会議委員長は「トランプ大統領と安倍晋三首相が今月25日にニューヨークの国連総会に合わせて1対1で会談を行う予定」で、そこで合意に達する予定と明確に言っている。

即ち、日本ではいかに安倍政権が強引でも、国会審議を経ずに「日米貿易協定に署名」は不可能。従って形の上では政府間取り決めとか覚え書きとか、共同声明とか、二国間協定の下に来る文書になる筈らしい。しかし実質は2国間協定と何も変わらない。これを要するに、今回署名される日米貿易協定は完全な密約になるということだ。それでも相手はアメリカ、野党も国会でこれを叩き潰すほどの根性は無く、結局はなし崩しとなるらしい。毎度のことではあるが、国民は舐められたものだ。

台風にやられ、豚コレラにやられ、その上安い輸入品が増えて割を食う農家の人たちはどんな思いだろうか。毎日スーパーで買い物をしているが、少なくとも輸入肉や野菜は買わない。米の輸入量も増えるだろうし、国産自動車の競争力がヘタってくるのは何もニッサン車だけではあるまい。問題は中国市場だろうが、久しく行ったことがないので実態は分からないが、なんとなく欧州車やアジアの他国車に押され始めているような気がしてならない。

少なくとも今年の3月、隣国ネパールで見た風景はインド車が圧倒していた。日本では政権が安定してるが、国力が低下の一途を辿っているようだ。

2019年9月17日火曜日

舞浜アンフィシアター

今日はひたすら眠く思考力ゼロに近い。昨夜娘への付き合いで、娘の通っているフラスクールの公演見学のため千葉県浦安市の舞浜まで行き、帰宅したのが10時半過ぎ。それからアレヤコレヤで結局就寝が12時になってしまった。普通は9時半か遅くも10時には寝ているので頭がボーとしている。就寝が遅い分だけ起床をゆっくり出来れば良いのだが、貧乏性故だろうがいつもの時間には目が覚めてしまう。

大阪勤務をしていた30年ぐらい前、東京でディズニーランドがオープンした。これに松下電器も大手スポンサーとなった。松下は当時勤務先の最重要顧客だったこともあり、オープンの際に宣伝担当者に同行して見学に行ったことがある。当時はロスにある本物に比べ少しスケールが小さいな感じた覚えがある。昨夜行った公演の劇場(舞浜アンフィシアター)がディズニーランドを含むディズニーリゾートの一角にあるのだ。

千葉県は先の台風15号の被害甚大で、未だにライフラインが復旧していない地域があるにもかかわらず、舞浜地区は殆ど被害がなかったようで3連休の最終日と合って結構な賑わい。5時開演とあったので舞浜駅に4時半ころ到着したが、先ずディズニーリゾートなる施設の規模にびっくり仰天。思い起こすと、我が家は二人の娘がいたにもかかわらず何故かディズニーランドとは無縁であった。従ってオープン当初のイメージしか無いので、行きがけの車窓からの風景や、駅から劇場(舞浜アンフィシアター)まで歩きながら見た施設の一部から類推して30年前のイメージは完全に払拭上書きされてしまった。

会場施設も立派ではあるが、賃料は1日180万円と出ている。娘も1万円近いチケットを何枚押し付けられたことやらだ。5時会場で公演が終わったのが9時半を回っていた。娘は2回出演すると聞いていたが、結局こちらからは発見できなかった。後で聞くと娘の方からこちらは楽に確認できたとのこと。それでも内容は面白かったので善しとしよう。ただ公演後に施設内にも駅周辺にもレストランは皆無なので空き腹を抱えて帰宅となった。この辺が如何にも日本的だ。

2019年9月16日月曜日

季節の変わりめ

日本は老人の日とやらの連休でお休み気分だが、お天気も世界の政治情勢も雲行きに厳しいものがある。5日ほどブログを休んでいる間に日本では内閣改造があった。政権が代わるなら意味があるだろうが、全く意味不明、スーパーの夏物クリアランスセールに並べられた商品のような大臣が誕生するだけの話で、新大臣の顔を覚える気もしない。一昔前までは内閣改造となれば、官邸前にはマスコミのテント村が出来て、呼び込まれる新大臣の一挙手一投足が詳しく報道されたものだ。

それほど大臣の職責は重く、なる方もそれなりの心構えを持った人物が指名されたのだろう。然るに今や大臣指名を受ける人物が何日も前からマスコミにさえ知れ渡っている。当然ながら役所にも通達が行われて初会見の準備が数日かけて行われるのだろうが、どの大臣の会見を見ても所管する役所とその政策に対する志を述べる様子が見当たらない。役人が用意した原稿を慌ただしくめくる姿が実に情けない。ハンコ議連会長がIT担当大臣を拝命して何かと話題を振りまいたが、そもそもIT担当大臣なんてポストがある事自体おかしいのかもしれぬ。

間の悪いことに当日は関東地方を台風が直撃、千葉茨城地方で思わぬ被害が出てしまったものだから、内閣改造なんかやっている場合かと被災者の怒りは相当だった。役所や電力会社にとっては政府3役の交代は家のリフォーム同様の一大事、災害対応に遅れが出るのも仕方あるまい。昨日の首相動向を見る限り、閣下は山梨県のご別荘で静養中とのこと、目出度いことだ。日本は目出度いかもしれぬが、世界はそうはいかない。

昨日世界最大の産油国とされるサウディアラビア原油積出港がドローンによる爆撃で炎上して大騒ぎになっている。イエメンの反政府派が犯行声明を出しているが、これを裏付ける証拠が無いらしい。アメリカなどはイランが裏で糸を引いていると非難しているが、これも確たる根拠は示されていない。アメリカのナバロ安全保障担当大統領補佐官が首になったので少しホッとしていたが、中東情勢はそんなに甘くなさそうだ。

現地時間の明日からニューヨークで開催される国連総会が、差し迫った外交諸案件を巡る首脳外交の場になると思う。我が国はここで如何なるメッセージを発信しうるのか、首相は別荘でお考えになっているか知らんが、外務大臣は就任したばかり。役人が振り付けを考えようにもまともな知恵は浮かぶまい。国際的には勿論鳴かず飛ばずで済むだろうが、国内的には日米間の貿易問題などそろそろボロが出始めることだろう。

今日はこれから舞浜で娘のフラの発表会、出かけるので早めに上げる。

2019年9月15日日曜日

信濃路にて

裏の工事も一段落して古アパートがなくなり、きれいに整地されてしまった。何れ新築工事が始まるのだろうが、暫くは清々した気分だ。工事の煩さや、夏風邪で喉の調子がおかしく、気分が優れなかったので5日間ほどブログも中断した。そのうちの3日間12日から昨日までは信濃路を旅してきた。中央線で茅野まで行って蓼科高原の横谷温泉に1泊、翌朝の天気は曇りであったが、旅館から前を流れる渓流を遡ってハイキング、午後になって茅野から塩尻経由で長野市へ。

夕方市内在住の古い友人と再会、夕食を御馳走になった。標高1200メートルの横谷温泉で寒かったのは当然だが、長野市内も結構な涼しさで半袖シャツ1枚では寒いくらい。友人が心配して、すき焼きをごちそうしてくれた、長野在住の頃は無かったように思うが、今はかなりの有名店らしい(すき亭)。なんでもりんごで育てた信州牛とのこと。確かに美味かった。翌日、即ち昨日は長野市内も朝から抜けるような快晴、東京から早朝に車で迎えに来てくれた次女の家族と墓参りに。段取りが良くて総てが9時半ころには終わってしまう。

娘家族は早朝4時40分ころ出発したとのことで、全員相当に眠そう。特に大学3年生の孫は昨夜寝たのが2時過ぎらしいので殆ど寝ていないに等しい。ずっと運転してきた旦那だって相当眠気と疲労が溜まっているはず。帰りは孫にも運転させればいいだろうが、このまま帰したのでは危険でもあるし、折角東京から早朝駆けつけてくれたのだから昼飯をご馳走することにした。昼飯について一番に思い浮かぶのは、戸隠に行ってそばを食うことだが、生憎娘がそばアレルギー、おまけに歯の治療中とのこと。

そこで思い出したのが、数年前山ノ内在住の弟の家でご馳走になった飯山の店から取り寄せた(飯山まで一緒に買いに行った)うなぎ。これを奢ることにした。早速弟に電話して店の名前(本多)を問い合わせると、今日は連休の最初だから予約したほうが良いよとのアドバイス。運転の旦那がナビの設定をしている間に予約を入れると、なる程繁盛の様子。昼までにはかなり時間があったので飯山に行く前に志賀高原の横手山までドライブ。

紅葉にはまだ早すぎたが、それでも標高2000メートルの空気と眺望は都会人に取って最大の贈り物だ。更に昼飯のうなぎが鄙には稀な絶品で、一同大喜び。女房や我が両親たちにも良い供養ができたし、風邪も大分良くなったみたいで素晴らしい小旅行になった。

ブログお休みの間に内外ともに色々大きな変化が起きている、明日以降少しずつ感想を書きたい。

2019年9月10日火曜日

暫し休みます

先月末から我が家の裏にあった無人のアパート(2階建てで底地は60坪くらいかな)の取り壊しが始まっている。これまでは風よけになって好都合なんて思っていたが、取り壊しが始まると騒がしくて相当迷惑。しかし事前にご近所の大家さんからタオルと曙せんべい一折をもらってしまったので、今更文句も言えない。特に昨日からは重機が入って廃材の運び出しと整地が始まっている。これの音と振動が只者ではない。午前中には外からの地響きとともに、後ろでガシャーンと物凄い音、何事ならんと隣の部屋をに行くと木枠の鏡が床に落下、釣っていた紐が振動で切れた。幸いガラスが割れなかったし、木枠も何とか使えそう。

普段静かな住宅街の生活に馴染んでしまっているので、終日この騒音と振動に付き合うのは何をするにも不都合がある。そのせいばかりでなく、明日の夜は友人との飲み会、明後日からは同期生の集まりで諏訪方面、序に長野で盆にサボった墓参りをしてこようとも思っているところ、何れにせよ今日以降少なくとも今週いっぱいはブログを休む事にします。

2019年9月9日月曜日

変わりそうで変わらない

昨日は氏神様の秋祭り、神輿の担ぎても減って年々寂しくなってきているが、それでも台風が来る前にお神輿が町内を一通りねってくれた。近くに設けられた仮の社務所に詰めているお婆さんたちも、台風が来る前に神輿が出せてよかったとホッともしていたが、こころなしか寂しそう。盆踊りなど夜の行事は一切中止して、明るいうちに仮社務所も早々に片付けての打ち上げとなった。こちらも習って明るいうちに寝間の雨戸を引いて準備したまでは良かったが、寝間が暗すぎていつもより小一時間寝坊してしまった。

就寝したのが昨夜10時前で未だ雨も風もなかったが、3時ころ一度起きた時の風雨は凄かった。なんと言っても町内随一の陋屋である。家ごと吹き飛ばされるのでは心配になったが、壁のペンキが吹き飛ばされたりする程度で済んだのは幸いだった。東京では観測史上最大の風速が記録されたとのこと。今朝9時過ぎには台風は完全に抜け青空が見え始めたが、台風一過の秋空とはならず気温35度を上回る真夏日だから、江戸に涼風を期待するには未だしばらく掛かりそうだ。

国民のためになることは何一つ無い安倍政権が、最近またマスコミにネタを提供し始めている。なんの事はない、内閣改造とのこと。何も出来ないことを反省してなら兎も角、見出しが笑える。骨格は変えないそうだ。骨格を変えずに端パイを変えるだけなら、端の大臣の存在が如何に形骸化したものか、今まで指名されていたり、今後指名される議員諸氏も少しは根性を見せて怒ってはどうかと思う。が皆嬉しそうだから、国民も官僚もバカにされた者だ。

変わりそうで変わらないのは季節だけではなさそうだ。

2019年9月8日日曜日

報道過多

今や連日国を上げて、韓国と韓国人を信用できないとの非難を繰り返しているような感じさえする。報道の量が多すぎて頭が混乱している。今日は少し整理をしてみたい。原因は言うまでもなく、日本が信用できない国(韓国)は貿易相手国としての評価を下げざるを得ない。戦略物資になりうる品目については輸出審査を少し厳しくするよ、と突如発表したことに端を発した。すると韓国がその報復として、信用されていないなら「日韓秘密軍事情報保護協定(Gsomia)」なんて協定を結ぶ意味が無いから協定を破棄すると言い出した。

この協定は3年前かに日本が拝む頼むと申し出て締結されたものらしい。にも拘らずマスコミでは自衛隊OBたちが、この協定でのメリットは韓国のほうが日本より遥かに大きいなんて言うので何がなんだか分からなくなる。兎に角アメリカはこの協定破棄に相当困惑しているか怒っているのは事実で、両国になんとかしろと迫っているようでもある。日本の政治家は気が小さいからすぐに何人も動き出し、韓国まで行って打開策を持ち帰っている。その代表的なのが自民党の河村建夫元官房長官。

もっともらしい案をひねり出して持ち帰ったが、安倍首相から徴用工問題が全ての基本だから、この根本が崩れるような案では飲めない、とすげなく断られてしまった。徴用工問題なんて言葉も普通の市民には分からない。簡単に言えば、戦時中日本の軍需工場の作業員となることを強制された韓国人(或いは子孫たち?)がその軍需工場(今も立派な上場企業)に対して補償を求めた。これに対して日本側は、1965年に締結した日韓基本条約に日韓請求権協定というものが付随していて、そこで日本が韓国に賠償金5億ドル支払うことで両国及び国民の間での請求権を完全かつ最終的に解決したとの立場。

一方の韓国はこの基本条約では個人の民間企業に対する請求権までは放棄されていない、と大法院(最高裁判所)が判決を打ち出した。これに日本政府は大反発、そんなことは韓国の国内問題だから国内で解決しろとしたところに総ての出発点がある。まあ普通の人には分かり難くて当たり前、好きなキャラではないが大阪の橋下徹元市長(一応弁護士)なんかも大法院判決をよく読むと一理あるから、余程日本も法理論を装備した戦略を立てるべきだなんて言った。

そのテレビ放送の直後に経産省が輸出審査強化を突如打ち出したのだから、しっかりした戦略があった筈もない。兎に角日本側の言うことがメチャクチャ、国際公約を守れないような国は世界中から相手にされないと力説するが、国際公約破り常習犯筆頭筆頭はアメリカだろう。韓国政府はそうとは言わないが、国内にはそもそも日韓基本条約がインチキだとする意見も多いようだ。その典型例が次のレポート。暇のある方は先ずはご覧ください。

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