2021年4月30日金曜日

他国のことではあるが

 アメリカのバイデン大統領が国会で、就任後100日にして初めてとなる施政方針演説を行ったそうだ。国が異なるから当たり前だろうが、日本の首相国会演説とは様相が随分違うと思いながらニュースを観た。約1時間の演説だったそうなので、長さでは日本首相演説と大きな差はないかも知れない。しかし説得力に於いては大分違うように思う。記憶力が悪いせいもあるが、菅首相の施政方針で記憶に残っていることは何もないが、昨日のバイデン氏の演説はかなり分かり易かったように思う。

何でもバイデン大統領が最も信頼していると言われる首席補佐官のサリバン氏が、選挙期間中から全米を細かく回って現代社会の問題点を洗い出したレポートをベースに政策が練られたとの事。内容を簡潔に要約しているキーワードは「中間層」。「ウォール街がこの国をつくったのではなく、中間層がこの国を築いたのだ」今後はこの層の人たちを大事にして政策を推進して行くことを表明し、総じて評判は悪くないらしい。世論調査での支持率は57%とそんなに高くはないが、前任のトランプ氏は一度も50%に達したことがないそうだ。

他国のリーダーだからどうでもいいとも言えるが、新大統領年齢的にはほぼ同世代。当初認知症なんかが噂されたりして、確かに随分年寄りに見えたし、選挙活動はコロナ政策一本槍で、国家運営の大役を果たせるかと老婆心に思ったりしていたものだ。ところが、この爺さん就任するや突然人が変わったように元気になったらしい。少なくとも昨日の報道を見る限り、ボケの印象は全く感じない。しかもこの100日間に実行したり宣言している諸政策は相当意欲的で、既に今後6年間に600兆円を超える財政支出を公約している。

いくらアメリカと言えども、大統領の口約束が議会の賛同を得ずに実行には移せないようだが、意欲満々であることだけは事実だろう。現在様々な意味で少し遅れを取り始めた対立する中国・ロシア・イランなどについても競争心を明確に打ち出して世界のリーダーの一を簡単には譲らない姿勢も相当明確に示している。日本政府はアメリカの忠犬ハチ公みたいものだから、この姿勢には大拍手喝采を送るかも知れぬが、今後アメリカから突きつけられる要求は益々厳しくなるだろうし、一方の中国からも経済面での踏み絵を突きつけられることになるのだろう。

2021年4月29日木曜日

笑ってしまう

 今日から始まるゴールデンウイークとか大型連休と言った言葉と縁が切れてから久しい。4月29日は晴れの日が多くて、家内とさすが皇室の御威光なんて会話をしていたことを思い出すが、今や休日の名称も変わり朝からパットしない雨模様だ。数日前から3度めの緊急事態宣言が発せられたこともあり、今週は池袋まで食事に行ったのは2回だけ。正に連休が今日で3日目になる。

26日の月曜日は確認のために出向いたようなものだが、なるほど普段出入りしていた飯屋の半数くらいは閉店となっていた。デパートやルミネのような大型商業施設はまるごと閉店なので、アルコール類を販売していなくてもトバッチリをことになっている。店にも同情するが、選択肢が半減(以上かな)の独居老人にとっても大きな痛手だ。火曜日も一応健康のため歩くことだけはと思い、行くことは行ったが、街がなんとなくゴーストタウン化して人通りもかなり減っている。

火曜日に次女から就職が決まったとの電話があって、ついでに「今度の変異ウイルスはヤバそうだから少し気をつけてよ。」と注意されたこともあり、少し気持ちが悪くなってきた。そこで昨日から趣旨を変えて、外出時のマスク着用とともに行動範囲を千川周辺にすることにした。当然ながら歩行数や歩行時間は半減せざるを得ない。しかし長女の一家を考えれば、既に1年以上巣ごもりで我慢しているのだから、半月ぐらい少し運動量が減るぐらいは何でも無いだろうと思うことにした。

これまで1年以上お上の宣言を無視してきたのに、身内から説得されると簡単に翻意する意志の弱さに我ながら笑ってしまう。他にも笑ってしまったことがある。一つは原子力規制委員会が発した原子力発電所の安全基準の見直し。これまで原発は40年で廃炉にすると決められていたことを20年延長できるとした。これを受けて昨日福井県知事が県内の40年以上経過した原発の運転に同意した。これは精密な科学的検査で内部を調べた結果、大丈夫との報告を受けてのことだそうだ。

嘗て戦艦大和と戦艦武蔵は浮沈戦艦と言われ、どんな攻撃にも耐えるはずだった。これがあっけなく沈んでしまったことを今の世代の人は殆ど知らないのだろう。デジタル化の世の中なので、数字とか計算上の結果が重要視されているが、どちらか言えばアナログ系なので事実以外は余り信用したくない。3ヶ月足らずに迫ったオリンピック問題も、目の前にある事実を脇に置いての議論が続いている。

自民党ワクチン対策プロジェクトチーム座長を務める医者の鴨下一郎氏が昨夜のテレビでオリンピック開催について次のように語っていた。「オリンピックの開催方法についてはと様な方法を論議しているが、開催中止は検討の対象になっていない。」或いは「ワクチン接種は8万箇所と言われる市中のクリニックの協力で、近い将来1日80万人への接種が可能になる。」

これらを聞いて笑わずに居ることが出来る人が果たして何人いるかだ。

2021年4月28日水曜日

ややこしい

 アップル社がスマホの新製品に<個人情報の流出を制限する機能を搭載>との報道がある。アップル製品を使用していないので直接関係ないが、他の携帯電話にしてもパソコンにしても、何らかの形で個人情報がダダ漏れになっていることは改めて驚くほどのことではあるまい。むしろ日本ではこの個人情報を、政府なり政党なりが吸い上げる技術を持っていないことの方が、逆に心配かもしれない。

むしろITプラットホーム企業が、課税などの締め付けで収益現象に嫌気が差して、これを加工して特定の組織なり企業に売るような不心得心を起こすことのほうがよほど心配すべきかも知れない。広告の掲載は個人情報を活用したビジネスだろうが、この程度であれば今更規制の仕様も無いし目をつぶるしか無い。従ってアップル社の今回の発表は、悪意で観ると情報の独占を強化する<おためごかし>に見えなくもない。

スマホが一般化しはじめて何年経つか知らないが、今や国も自治体も企業も、大多数の市民がスマホを活用していることを前提にしているようだ。しかしスマホの活用ができない老人は多い筈。かく言う小生もその一人、確かに持ってはいるが普段は使用しないで放ってある。似たようなことで、持ってはいても「メールてなんですか?」的な人も少なくないだろう。スマホにせよパソコンでも、機能がたくさんあって便利だという人も多いだろうが、反面ややこしすぎて煩わしく思っている。

広報活動をネット環境に依存しがちな国や自治体は、そこをもう一度よく考えてもらいたい。特にワクチン接種に関しては全国民が対象の広報である。一時リテラシーなる言葉はやったことがある。既に2%の国民が接種を済ませたそうだ。ウイルスの流行を抑えるには国民の約7割がワクチンに依る免疫を持つことが必要らしい。これが達成されるにはあと何日必要なことやらだ。考えるだけでもややこしい。

2021年4月27日火曜日

勘違い

 誰にでもあることかも知れぬが、長い人生を歩んできたにも関わらず余りにも多くの勘違いをしてきたたことに改めて驚くばかりだ。最初から知らない自然科学のことなら気にはしないが、人に関わる社会のことだからある意味で罪深いかも知れぬ。昔からどちらかと言えば社会科は好きな教科で、得意とも思っていたし、大学でも社会学を専攻していたくらいだ。これも大きな勘違いだったかもしれない。

先ず今年開催が期待されているオリンピックに因んで、世界の国々についての勘違い。最近ニュースが多いミャンマー。この国は昔ビルマと呼ばれていた。何故国名が変更されたか知らぬが、隣のタイと並んで、古くから日本との関係が深く、仏教国であり温和な国民性と思っていた。先の大戦では日本が大きな損害を与えたにも拘らず、終戦後に日本人捕虜に対して親切を施してくれたビルマ人を描いた「ビルマの竪琴」なんて小説が小学生時代に流行ったせいもあろう。

最近の報道で同国のまるで内戦のような混乱を観るにつけ思うことがある。それはミャンマーだけに限らないが、そもそも世界で多民族でない国家がどのくらいあるのかという疑問。かなり大きくなるまで多民族国家というのは南米ブラジルぐらいかと思っていたものだ。最近になると、単独或いは少数民族で構成されている国家の方が遥かに少なく、大陸に存在する国家の殆どは昔考えていた多民族国家じゃないかと思い始めている。

我が日本も島国だから、単独或いは少数で温和な性格な民族の口かと思っていたが、これもよく考えれば大きな勘違いかもしれぬ。アイヌ人にしろ琉球人にしても、ミャンマーに関して報道されるロヒンギャ族やアメリカの先住民族のインディアンと呼ばれる人たちと同じように、大和民族が大量虐殺をしてきた事実があるに違いないと思い始めている。己の先祖も父は口癖のように「先祖は天照大神だ」と言っていたが、これは冗談だったろう。本気で調べれば朝鮮民族のDNAが発見されても不思議は無い。

並べ立てれば勘違いは数限りが無いが、もう一点だけ少し科学分野とも関係あるかも知れぬが。アジアの中で我が国は科学先進国と思っていたが、これもどうやら大きな勘違いだったみたいだ。たしかにノーベル賞受賞者数などでは多いほうかも知れぬが、最近のコロナ関連報道での医療対応の状況やワクチン接種状況からすると、そう言えるかどうか大分怪しくなってくる。少なくとも後進国或いは発展途上国として考えていた中国には遥かに及ばない。

ワクチンを開発、既に生産して実用化に踏み切っているインドの悲惨な医療実態報道を観るにつけ、先進国と発展途上国の線引をどのように考えるべきか頭が混乱してしまっているのが正直なところだ。

2021年4月25日日曜日

医療従事者

 昨日、高校同窓会の学年幹事会がネット上で行われ参加した。我が学年からは2名の参加だったが、最古参の学年だった。決められたのは、年度内の同窓会は全てリモートで行うこと、従って今年度は会費を集めないことが主だが、時節柄やむを得ないことだと思う。参加した幹事も少なかったが、中に現役の歯科医の先生がいた。22年後輩に当たるが未だ現役だ。その先生に質問が飛んだ。「先生、これからワクチンの接種をするのですか?」

先生応えて曰く「先日接種は受けたが、他人への接種なんかしません。我々歯科医は歯茎に注射を打つことだけで、筋肉注射なんかしたことがありません。医療行為は経験のないことなどしないに限ります。注射に手慣れているのは昔から看護師と決まっているじゃありませんか。」政府はワクチン確保が思い通りにならず、あちこちでテンヤワンヤの大騒動だが、何を思ったか歯科医でもワクチン接種を行うと発表している。歯科医のボランティアを募集するのかどうか?何れにせよ豊島区在住の高齢者には未だに案内すら来ていない。

一昨日の新聞(確か朝日新聞だったと思う)に渡航医学が専門の浜田篤郎・東京医大病院渡航者医療センター特任教授の発表した記事が興味深い。オリンピックを開催するための条件を4項目上げている。

1.海外から来る選手、スタッフ、報道関係者らが少なくとも数万人に対する検疫体制の確立。政府はまだ何も示していない。検疫の混乱は必至。

2.政府は選手を毎日検査することを検討している。海外からの数万人に加え、日本人の選手・スタッフに対して、誰が、どこで検査するのか。医療関係者には大きな負荷となる。

3.大会後のこと。日本で感染した海外選手らがそのまま帰国し、五輪をきっかけに日本から世界に感染を広げれば、大きな国際問題となる。

4.開催するには医療関係者といった人材、病院や検査機関といった施設など、相当な医療資源を投入が必要。しかし医療資源は本来、まず国内の感染流行への対応であるべき。

以上4項目をクリアでないなら中止するしかないだろう。医療従事者の厳しい立場テレビでもしきりに放送されているが、政府関係者は何も感じないらしい。鈍感では済まぬだろう。

2021年4月24日土曜日

就活シーズン

 昨日は先日筑波山ハイキングに付き合ってくれた次女とデート。先ず先日のお礼に約束していたトレッキング・シューズをプレゼント。新宿のモンベルと言う店で待ち合わせをした。この店は通りを挟んで反対側にあった碁会所に通ったことがあり、それで偶然知った。池袋にも山やスキーのショップは何軒かあるが、品物はこの店が一番いいように思って、最近は専らここを利用している。学生時代には無かったと思ってネットで確認すると1975年創業とのことだから知らないはずだ。

ともあれ、一昨年同じ店で孫にも1足プレゼントしたが、今回のブーツは孫の物より進化しているような気がする。物質は何事も日進月歩の世の中、を実感。12時の約束が少し遅れて来たので、飯を食う時間が無いかと心配したら、勤務先を20日に辞めて、実は面接の帰りなので時間の心配は不要のこと。それじゃゆっくりしようということで、近くにある取っておきの店に案内。基本的に酒類は無い店かと思っていたが、娘がしっかり発見。

娘だけ飲ませてこちらが全く付き合わないのも可哀想なので、フルーツカクテル的なサングリアを注文。娘はビールに白ワインですっかりご機嫌、こっちも普段飲みつけないので帰りは少し足元が頼りなかった。娘の転職はもう驚かないが、4回会社を変わったこちら以上であるのは確かだ。今回の辞職の原因もどうやら上司との反りが合わなかったようだ。チビのくせに喧嘩早いことは困ったものだが父譲りかも知れぬ。面接の結果を聞くと、明後日もう一度行ってうまく行けば決まるだろうとのこと。

面接にしては、花柄のブラウスにタイトなジーンズ、赤いショルダーバッグと言う装束に少し違和感を覚えたが、これで落とされるなら仕方ない。また別を探すだけだそうだ。孫たちのことも少し聞くと、大学院1年生と大学3年生の二人共ボチボチと就職活動に入っているらしい。現代の就職活動がどのようなものか想像つかないが「コロナ禍の影響がどれほどか分からないが、親子3人で就活は大変だな。ま、頑張ってくれや。」と激励するに止めた。

娘が心配しているのは子供の就職より、次男の彼女。次男は未だ大学3年生だが、彼女は既4年制大学を卒業して就職しているらしい。娘は次男に「あんた振られても泣くなよ。」と常に警報を発しているらしい。昨年丹沢山系の大山ハイキングに付き合ってくれた孫だが、先日の筑波山に来なかったのはこの彼女とのデートが有ったためらしい。仕方ないことだ。

2021年4月23日金曜日

虚と実

 既に81歳、随分長生きできたものだ。この世に残された日数が何日あるか分からないが、2030年となると、この世にいない可能性のほうが高いだろう。しかし人類や国家といったものは一老いぼれとは関係なく、生存し続けなくてはならない。依って世界のリーダーがこぞってリモート会議を開いて話し合いをしたそうだ。音頭を取ったのが齢い70を超えたアメリカの大統領、偉いものだ。

ご本人は生きてるつもりなのかも知れぬが、強調したのが温室効果ガスとされる炭酸ガスの排出規制についてとのこと。炭酸ガスの排出量をどのように測定や計算するのか知らぬが、これが大気の温度を上昇させる原因で、世界中に異常気象をもたらしているとのこと。今や半ば常識化しているが、学者の中には異論を唱え人も少しはいる。物理学者で中部大学教授の武田邦彦氏はその典型で、地球は徐々に寒冷化に進みつつある、との説をとなえている。

ただ、この先生が自説に沿って毎日ネット上に上げていたYouTubeは、前アメリカ大統領トランプ氏のツイッターと同様で、運営者から掲載拒否されてしまったようだ。内容があまりにも事実に反しているとの理由らしい。明日のことも分からぬ年寄からすると、皆さんどうすれば一年はおろか数年先、武田先生に至れば数万年以上先のことを言ってるだけに、その真贋をどのように見極めたか疑問を禁じえない。

臍が背中に着いているので余計な半畳を入れたくなるが、2030年はこの先10年にもならない。長いようでも短い期間だ。日本の政府や菅首相この短期間のことを何日考えたか知らぬが、アメリカ大統領の求めた会議に出席するにあたり、日本の炭酸ガス排出削減目標をいきなり倍以上に引き上げたとのこと。意味はよく分からないが、新聞の見出しには「政府は2030年に向け温室効果ガスを13年度比で46%削減する目標を固めた」と特筆大書されている。

小生も子供の頃からよく嘘をついてきた。今でも痛恨の極みは(これも嘘)義務教育時代はほぼ毎日のようにあった宿題と言う代物。これをまともにしたことが無い。提出が必要な宿題については「忘れました。」と嘘をついては怒られ、夏休みによくあった宿題帳なんぞ、1冊まるまる近所の人に代わって書いてもらって、余りの綺麗さに戸惑いながら提出したこともあったくらいだ。だから政治家が嘘を付くことを責める資格には些か欠けるが、この9年後の約束は、どう考えても空約束或いは絵空事にしか思えない。

日本政府の実際的な危機はコロナ対策問題。3回目の緊急事態宣言を発出して、それで事が足りるものではない事が分かっているのか、いないのか。昨夜のテレビに出演していた元外務官僚の田中均氏が「首相にしても都知事にしても、コロナ対策に対する真剣味が感じられない。」と言っていたがその通りだ。

2021年4月22日木曜日

世界は動いている

 つい2年くらい前には囲碁を教えていた後輩が電話をくれた。囲碁が上達して日本棋院で既に3段になったらしい。暫く会っていないが、コロナ禍で一度だけネットで囲碁をしたことがあり、その時も未だこちらが上位だった。今日聞くと彼は既に小生を完全に追い越している。若いと言っても彼は既に50歳、だがこちらの年齢には未だ30年もある。こちらの棋力は言うも悲しいが下がる一方。

ところで、アメリカ新政権の振る舞いが目まぐるしい。政権発足から100日を過ぎたばかりだが、日本では米中の競争関係が発展して台湾有事が想定されることが強調されるばかりだ。確かに日本的にはそのような見方も可能かもしれない。日本の首相を就任後初の対面会談相手としてワシントンに招待したことからすれば、対中競争関係を重視していることも間違いないだろう。

しかし実際はどうだろう?アメリカは国内ではコロナ対策が依然として満足できる状況ではないし、国家を分裂に導きかねない人種、人権問題にも手を焼いている。国際的にも対中国や対ロシアに留まらず、国務長官が就任早々から世界を飛び回ったように色んな国との間で一筋縄では解決が難しい問題を抱えている。例えばイランの核合意復活問題などは、今後の世界を占う意味で日本人の想像以上に重要な意味があると思う。

バイデン大統領は、これら内外の問題の最大公約数を環境問題として捉えているのだろう。そのために世界のリーダーたちに気候変動サミットを呼びかけ、明日開幕される。3日間にわたりオンラインで開催される会議の初日の首脳会議には懸案となっていた中国習近平国家主席の参加も決まって、ロシア、インドなど世界各国・地域の首脳40人が参加するそうだ。これでどうやら格好は着いたと言えるだろう。

しかしつい先日2年ぶりに海南島で開催されたボアオ・アジアフォーラム(アジア版ダボス会議)に、コロナ禍中で世界から4000人もの参加者が出席したこととどうしても比較されてしまうのは否めない。どちらにせよ、会議の内容を詳細に解説する報道が少ないのは残念なことだ。前者は明らかに気候変動を明確なテーマに定めているが、後者には今年明確なテーマがあったかどうかは知らない。

環境問題が主要なテーマであったかどうかも分からないが、この会議は世界の先進技術を披露しあうあことがアメリカからもアップルやテスラの経営者や政府高官も参加したことは報道されているが、日本からの参加者については残念ながら報道が無いので分からない。コロナ禍ではあるが世界が回り始めていることを感じさせてくれる昨今だ。

2021年4月21日水曜日

硬直化人生

 自分ではそんなふうに思いたくないが、どうも頭が少し硬すぎるのではないか?なるべく頭を柔らかく柔軟に生きてみたいのだが、あまりにも生活に豊かさが感じられない。豊かさとは人によって異なるだろうが、何者(物も)にも束縛されない自由さだと思っている。なのに、先ず時間、時刻が気になって仕方ない。古い友人に起床や就寝時刻を一切期にしないで、「俺は眠くなったら寝るが、その気になったら二晩くらいの徹夜は何とも無い。飯にしても食いたい時に食う。」と公言して実行している人が居て、一緒に旅行したがこちらに合わせるのが辛そうだった。

長野の友人なので久しく会っていないが、今でも元気だと思う。東京にも似たような友人がいるが、思うと二人ともどちらかと言えば、いわゆる夜型で、就寝は深夜0時前は無いと思う。こちらは典型的な朝型で、どうしても朝早くに目覚めてしまう。1日の中で、起床から朝食までの行動が何故か極めて厳密にパターン化されていて、体操-洗面-朝食準備-朝食-後片付け-排便-歯磨き-ゴミ出しで約3時間掛かってしまう。これは人間の生理現象と密接な関わりがあるので、このパターンを崩すのが難しいのだ。

夜型の友人を思うと、彼らはサラリーマン経験が無いに等しい。朝型が習慣化したのは恐らくサリーマン時代の名残の可能性が高い。父も官僚だったのでサラリーマンだったから、高校時代までは家庭が朝型だったせいもある。長年かけて習慣化したことがサンデー毎日になっても続くのはある意味で悲しい。コロナ禍の影響で、この1年間に定時出社の必要が無くなった人も多いと思う。現役時代から既に出勤フレックスタイムは聞いていた。

当時はあまり羨む気持ちはなかったが、今になると、暮らし方にもっとフレキシビリティーが必要と思ったりし始めている。年齢とともに筋肉が少なくなると同時に固くなり、動きが鈍くなる。目はカスミ、耳が遠くなるとしたものだ。脳みそだって同じだろう。普段適当な刺激がなければ、動きが悪くなるのは当たり前。なんとか新しい刺激を求めたいが、人間同士の会話がほとんど期待できない昨今だ、暇な昼間にすべきは読書だろうが、これも遅々として進まない。

ブログも毎日似たようなことしか書いていないし、どうしようもなくつまらない。脳梗塞にはなりたくないが。

2021年4月20日火曜日

明るい話題

 たまには明るい話題に接することもある。今朝の海外報道によると、アメリカの航空宇宙局(NASA)の火星探査衛星が火星表面近くでドローンを発射して火星の表面上空約3メートルを40秒間飛行させることに成功とある。ドローンは上部の回転翼の推力で飛行可能と理解しているが、かき回す空気のようななものが火星にもあるらしい。少なくてもカメラと太陽光パネルは搭載しているだろうから、軽量化には相当な苦心があったに違いない。火星の表面を知ったからと言っても年寄りには何の関係も無いが、人類の知恵とか科学の進歩発展は恐ろしいものだ。

一方では、兵器の開発競争をして戦争の準備をしているている人類が居ることが不思議でならない。しかもこれは、国ぐるみの争いと来ている。叡智を絞って平和を希求してもらいたいものだ。日本は間違ってもその中の一員であってほしくない。

2021年4月19日月曜日

対中感情

 一昨夜も高校同期生5 と1時間半ほどのリモートミーティングを行った。やはりコロナ関係と菅首相の訪米についての話題が多かった。コロナ関係では諏訪近くに住む友人が、ワクチン接種の予約ができたと喜んでいた。申込書が届いていたことは、既に先々週の時点で聞いていたが、八王子市のことが報道で知られていたこともあり、当日早くから夫婦で準備して9時の時報と同時に電話を入れたが繋がらず。結局インターネットに切り替え1時間ほどで予約が取れたとのこと。たしか来月の半ばに1回目の接種になるらしい。

他に神奈川県在住者が2人、群馬県と埼玉県と東京在住者がこのミーティングには一人ずつ参加しているが、埼玉県在住者に予約案内の予定の案内が届いているだけで具体的見通しはつかない状態だ。我々は高齢者だから働き盛りの人に比べれば比較的早く恩恵に与れると言ってもこんな状態、ワクチン後進国とはよく言ったものだ。

首相訪米に関しては、予想通りアメリカの言い分を飲まされただけとの評価は共通していたと思うが、その結果が齎す日本への影響では、友人たちの多くは小生とは大分異なっていたように思う。小生が「結局日本もアメリカの言いなりで、ミサイルをか買わされることになるだろう。」とやや否定的にな言い方をしたところ。彼らの多くは「日本は自ら積極的にミサイルを購入して全国的に配置すべきだ。」とか「早く憲法を改正して、国軍の創設を明確にすべきだ。」と言った元気な声に消されてしまった。

北信地区のどちらかと言えば進学校だった我が母校ではあるが、当時は男子校の色彩が濃く、400人強の同期生中女子が10名に満たなかったせいもあるのか、校訓の第1が「質実剛健」の通り元気な校風であったのも事実。年老いてなお元気なことは良いが、未だに中国を若干見下す傾向は、彼らの現役時代における在中経験に依るところも大きそうだ。小生も現役時代ほんの僅かだが、中国とのビジネスに携わったことがある。

既に55歳を過ぎ、2度めの転職を経て3つ目の会社いた頃だから、彼らの現役時代からは10年以上遅れていたのだろう。しかも彼らは、ものづくりのための工場建設や労働者教育で苦労して、市場開拓に当たった当事者だ。小生はそのずっと後、天安門事件も過ぎて中国が市場経済発展のスタート切った頃だから見方が変わるのも当然だ。しかも、こちらが接したのはマスコミ関係者や社会科学院の学者なんかだったせいもある。

中国の一党独裁がどこまで続くかも分からないし、政策の進め方には人権侵害とか問題点も多々あるだろう。しかし、日本がアメリカの属国であることを、ここまで明確にする必要があったかについては大いに疑問に思っている。

2021年4月17日土曜日

首相外交Ⅱ

 14日水曜日に日米首脳会談について懸念を書いたが、今朝早朝その首脳会談の運びとなった。日本時間の6時からの約1時間は朝食の準備で最も忙しい時間、しかもテレビは隣の居間で、こちらは調理台に向かっているから背面になる。気を散らすと包丁で指でも切りかねない。仕方無しにいつもとかなり異なる方法で、記者会見を通しで観ることにした。会見は予定調和そのもので、予想されていた事項に関して意見の一致を見ることが出来たと、めでたしめでたしのように見えた。

しかし昨夜から報道された一連の動きはかなり異例づくしで、アメリカの思惑が成功したかどうかは疑わしい。バイデン政権は太平洋方面に於ける中国の進出にかなり神経質になっていて、バイデン陣営としては対中政策が厄介な問題となっていることは認めざるを得ない。現実的には何かと遅れを取りがちな対中問題で唯一頼りになりそうな国は日本しかない。日本であればアメリカの言い分に100%従うはずとの上から目線で日本の首相を呼びつけたのは明らかだ。

先ず驚いたのは、菅首相のワシントン到着シーン。政府専用機がワシントンの空軍基地に到着したのは悪天候の暗闇の中、出迎えたのは専用の車両1台だけで要人の出迎えは一切無し。外交知識が無いので間違っているかも知れぬが、仮初にも主権国家の首相の出迎えとして相当異様だと思う。外務大臣の同行を拒否したこともそうだ。今朝行われた諸脳会談はアメリカ側は国務大臣、防衛大臣、財務大臣(他は名前も顔も知らない)が同席してたが日本側は首相だけ。普通は両国の員数を合わせると思うが、今回の不揃いの理由はなんだろう?

今日は10時半には出かけるので10時前に書いているが、この時点で共同声明は外務省を含め未だネット上のどこにも上がっていない。台湾が明記されるだろうとの予想記事のみだ。記者会見を注意深く聞いたが、首相発言の限りでは「台湾や新疆ウィグル地区問題も共通の問題として話し合いはした。」に留まっている。首相はオリンピックに関してバイデン大統領の協力を約束してもらったとするが、4人しか質問を許されなかった記者の一人が「選手団派遣の約束が得られたのか?」に対してどちらからも回答が無かった。

アメリカ大統領の記者会見としては、米日2名の記者にしか質問させないスタイルも非常に珍しいと思う。アメリカ側の記者の質問で「アジェンダの設定がおかしいのではないか、イラン問題はどうしたのか?」に対してバイデン氏「その問題は現在進行中で、結論w出すまでには未だ時間が必要」とのこと。兎も角、両者の一致点を見出すのは相当難しそうだが、呼びつけられた日本側は、結局アメリカに押し切られることが目に見えたようだった。

2021年4月16日金曜日

思い出の断片

 年をとってくると記憶が曖昧になるのは仕方ないが、独り身になると一寸厄介だ。昔から身内の誕生日や結婚記念日を忘れて「今日はどういう日か知ってる?」とよく注意されたが、家内がいなくなってしまったので、そんなことも無くなった。結婚記念日が4月の十何日かであった事は知っているので、ひょっとしたら17日でなかったかなと思い、確認したくなったが、これがまた一苦労。

やっとの思いで、アルバムをしまっている箱の底から婚礼当日の近親者の寄せ書きを見つけた。そこに昭和44年4月19日と書いてあったのではっきりしてホッとしている。確認したからどうということはないが、52年の歳月は長い。断片的にいろんなことを思い出したが、当日の夕方になって雪が降り出したことが印象的だ。東京から来てもらった大学の同級生と母の友人と我々の4人で、東京行きの普通列車の硬いシートに向かい合いに座ってなにか喋っていたシーンが記憶に残っている。確か誰もコートを着てなかったような気がするが、記憶違いかも知れない。

我々にとっては文字通りの新婚旅行で、当日は自宅で1泊して、翌日から2晩、当時の勤務先の目の前にあったホテル・ニュー・ジャパンに連泊した。最初の日は昼間になにか映画を観に行ったはずだが、何を観たか思い出せない。2日目は家内の希望に沿って帝国劇場で「ラマンチャの男」を観劇した。こちらはよく覚えている。市川染五郎と草笛光子主演だった。染五郎は今や役者としては大物の松本白鸚で草笛光子はすっかり白髪のお婆さんになってしまった。

初日の夕食はホテル・ニュー・ジャパンで摂ったが二日目はホテル・オークラに出かけた。記憶がここでも曖昧になるが、どちらかでピアノ演奏があり我々が「白い恋人達」をリクエストしたことが覚えている。二日目の朝、会社の後輩が花束を持ってきてくれたことも思いだした。それから数十年、夫婦にはいろんな事が起こったが、金婚式を翌年に控え家内が突然逝ってしまったのは不思議といえば不思議。彼女がどう思っていたか分からないが、金婚式代わりに二人で旅行をとい言うことは無かったに違いない。

両親が金婚旅行としてアメリカに行ったことを二人でよく話題にしてた。家内の口癖がは「お祖母ちゃんが、お父さんとの旅行なんてちっとも面白くないそうよ。」夫婦での旅行はほんとに少なかったが、今は代わりに次女が付き添ってくれるようになった。有り難いことだ。

*余談:福一原発汚染水の海洋放出について2日連続で書いたが、この問題に関するマスコミ報道は正反対。汚染水とは韓国や中国が使う政治的表現であって、政府の決断は世界水準からしても妥当で「処理水」としか言わない。日本のマスコミ全体に失望を禁じえない。

2021年4月15日木曜日

日刊ゲンダイの記事から

 自民党衆議院議員に山本拓氏なる御仁がいる。今回始めて知った次第だが嘗て高市早苗元郵政相との結婚歴があるとのこと。ご本人も福井県で既に当選8回とのことだから、どこかで大臣になっていても不思議は無いが、未だご指名が無いようだ。氏は現在二階派に所属しているようだが、経歴を見ると自民党を一時離脱したりしているので、党内的には厳しい現状にあるのだろう。

なんで知ったかと言うと、自民党員ながら昨日も取り上げた福島第一原発の汚染水の海洋放出に異を唱え、その理由を明白にする文書をマスコミに送りつけたからだ。原発王国福井県が地盤の議員だから党の総合エネルギー戦略調査会で会長代理になっている。彼が今月2日に「廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議の議長の加藤勝信内閣官房長官に、以下とおり、質問を送付しました。」として質問状送ったとのこと。内容的には「何故、東京電力は2022年夏頃にタンクが満杯になると主張をしているのでしょうか?」国民に明らかにしてください。となっている。

この質問に対する官房長官の回答は明らかでないが、政権が2022年にはタンクが満杯になるとして、汚染水の海洋放出を決定した事実が公表された。それで彼はマスコミに対して次のような文書を送付したわけだ。公開された日刊ゲンダイの記事を少し長くなるが引用したい。

以下「日刊ゲンダイ(4月15日)」からの引用:

自民党の「処理水等政策勉強会」の代表世話人・山本拓衆院議員がこう言う。

「断っておきますが、自分は原発推進派です。菅首相も支持しています。ただ、原発処理水に関する報道は、事実と異なることが多いので、国民に事実を伝えるべきだと思っています。東京電力が2020年12月24日に公表した資料によると、処理水を2次処理してもトリチウム以外に12の核種を除去できないことがわかっています。2次処理後も残る核種には、半減期が長いものも多く、ヨウ素129は約1570万年、セシウム135は約230万年、炭素14は約5700年です」

 さらに「通常の原発でも海に流している」という報道も、誤解を招くという。

「ALPS処理水と、通常の原発排水は、まったく違うものです。ALPSでも処理できない核種のうち、11核種は通常の原発排水には含まれない核種です。通常の原発は、燃料棒は被膜に覆われ、冷却水が直接、燃料棒に触れることはありません。でも、福島第1原発は、むき出しの燃料棒に直接触れた水が発生している。処理水に含まれるのは、“事故由来の核種”です」

 一度、海に捨てたら取り返しがつかない。:引用終わり


2021年4月14日水曜日

首相外交

 アメリカの新大統領バイデン氏はアメリカを嘗てのアメリカ、即ち世界の警察とまではいかなくても、前大統領トランプ氏が、アメリカファーストを標榜して失った世界の尊敬を再び得るために立ち上がった感があるように思う。しかしコロナで国内に優先すべき課題が多く、これまで得意とする外交に割く余裕も少なかったのだろう。今でもバイデン大統領が国外に出たとの話は聞いていない。しかし部下の国務長官や国防長官は世界各地に派遣してるし、自身でも電話などで中国やロシアにはプレッシャーを掛け始めた。

そんな折から日本の菅首相が今週末ワシントンを訪問して、世界で最初の首脳会談を行うことが決まっている。この会談は日本の外務省が強く希望したものと報じられているが、このご時世で態々首脳がワシントンを訪問するなんて酔狂な国は日本だけだったのだろう。アメリカ国務省にすれば、それだけ熱望されるなら何も断る理由はない。しかし国内事情もこれあり、7日と一旦決めたが16日に変更してくれ、で最終確定した。外務省にすれば、前首相が前大統領の就任前にニューヨークの私宅にゴルフクラブの土産を持参できたことに次ぐ快挙と思っているのかも知れない。

しかし、素人的に考えればいかにも姑息な考えで、よりもよってこの時期に外遊かよ、と思わざるを得ない。日本側は就任祝いのつもりかも知れぬが、アメリカ側は祝なんかは要らないが、新大統領の海外戦略は十分頭に入れて来てくれたのだろうね、と待ち受けていると見るのが専門家共通の見方らしい。ところが読みの甘さで定評のある日本外務省らしく、訪米を控えた首相に対しての予習が十分行われた気配がないらしい。土産は福島第一原発の汚染水の海洋放出らしいが、アメリカ以外にこれを評価する国は無いのに、何故アメリカが評価するのか理解出来ない。ブリンケン国務長官は「日本政府が透明性を担保したことを!」なんて言うが、日本政府の発表に嘘がないと信じているとすれば、アメリカの情報当局は相当お目出度い。

それにしても今回の首脳会談は異例ずくめのようだ。発表が日米同時でなかったこと。茂木大臣は相当頭にきたようだが、外相同行が認められず首相単独行になったこと。共同記者会見は行われるが、これは日本政府は避けたかったらしい。そりゃそうだ、記者の質問に日米がチグハグな答えはできないし、菅首相がバイデン大統領の発言をなぞる結果になればどんな落し穴にハマるか分かったものじゃない。アメリカ側との晩餐会とか昼食会も無しで、会談終了後大統領は地元デラウェアに直行の予定とのこと。

外交交渉のサポートスタッフをシェルパと言うそうだが、今回の首相外交は、小生がいきなりアルプス高峰に単独で登山をすることに似ていると思う。

2021年4月13日火曜日

スポーツと五輪

 ゴルフのマスターズ・トーナメントで日本の松山英樹選手が優勝を果たした。日本人としてもアジア人としても初めてのことでお目出度い限りだ。ゴルフ人口が減ってきたとして道具メーカーなどが嘆いていたようだが、これで少しは元気づけられることだろう。最近の事情は知らぬが、ひところ小学生などのアンケートで将来なりたい職業を尋ねると、プロ野球やプロサッカーの選手が上位にランクされていた時期があった。

プロスポーツの選手で世界一流になればとてつもないお金が稼げる時代だから、それは当然かも知れぬ。ただ古い時代の感覚しか持ち合わせない年寄からすると、大した勉強もしない多くの子供がノーベル賞に憧れを持つような気がしないでもない。それはともかく、子供の頃を思うとオリンピック競技ではアマチュア資格が厳しく問われていた時があったはずだ。それがいつの間にかプロ選手も参加できるようになって、一層興味深く感じる人もいるだろうし、そうでない人もいるはず。

もともと運動神経に欠け、スポーツ観戦にも大した興味がないので偉そうには言えないが、オリンピック精神なるものがあるとすれば、現在のそれは創始者クーベルタン男爵の描いたものと大分違うものになっているように思う。平たく言ってしまえば、現在のオリンピックは世界的興行師が主催する壮大なサーカスに過ぎない。今度の東京オリンピックに関して言えば、昔から国を上げてのドーピング問題で有名なロシアが、出場禁止になったことが極めて皮肉。

今や、どこの国でもオリンピック選手養成は国家事業。禁止薬物は使わないまでも、金を注ぎ込んで国家的プロ選手を育て上げているのが現状だろう。要するにアマチュア精神には程遠いことだけは間違いない。プロスポーツ選手の活躍だからと言って、好プレーや劇的入賞で観客の感動が薄まるものではない。今回の松山選手のマスターズ優勝も水泳の池江璃花子選手のリバイバルも全国紙の1面を飾る時代だ。そのことを非難する必要は無かろうが、今年のオリンピック開催だけは頂けない。

平和の祭典であるから、世界各国から大勢の人が集まってこそ意味がある。現在選手派遣をしないと表明しているのは北朝鮮だけだ。追随する国が無いとは断言しにくいだろう。外国からの観客はお断りで、開催の意味が分からなくなった。「オリンピック・パラリンピック開催を断念して、予定したお金は全てコロナ対策に回します。」この一言が言えれば、がっかりする人も多いかも知れぬが、よくぞ決断した、と褒める人も多かろうに。

2021年4月12日月曜日

娘とのハイキング

 昨日はブログ書きを休み、早起きして筑波山のハイキングに出かけた。早朝は少し寒いくらいだったが、幸い終日快晴に恵まれた。実はこの山行は昨年10月の高尾山以来半年ぶりのことになるが、当時も同行してくれた次女との約束だった。次女も週5日の勤めがあって、休日は月によって変わるらしい。たまたま今月は11日が休日になったので行くことにしてあった。つい最近までは毎月山歩きをしていたような気がするが、気がつくと半年ぶりのことになってしまった。

高尾山の次に筑波山に決めた理由の一つに次女の長男、小生からすると孫が筑波大の大学院在学中なので、登山口まで送ってもらえるだろうとの目算があったからだ。予定通り彼が筑波駅まで迎えに出てくれて、すぐ登山口の筑波神社まで送ってくれた。車中半時間ほどだったが、彼に近況を聞くことが出来た。何でも学部時代以上に忙しいらしい。授業もさることながら、研究室では夜中の2時過ぎまで居ることも珍しくないそうだ。

何の研究か知らぬが、指導教官も同じように深夜まで居ることが少なくないとのこと。筑波山には登ったことはないが神社には3回位行ったことがあるとか、年末からは就職活動も始めなきゃならんので気が休まらないとか、等々。就職先は当然IT系の企業を目指しているようだが、未だ明確な社名が出てくる段階ではないようだった。何れにせよ帰りは迎えにいけないのでごめんね、ということで終わった。

東京で娘と同居しているもう一人の孫もいるのだが、娘が誘ったら、どうも彼女とデートの約束があったようで断られてしまったらしい。何れにせよ孫たちも見かけは大人になったが、未だ親が心配せず見守るには至ってないようで、娘はもう暫く頑張って働く必要があるらしい。彼女の折角の休日に同行を求めたのは全くこちらの事情。コロナ以前の一昨年までは、友人や他人が山は危険もあるので独り歩きは避けましょう、と言っても独り歩きの方が気が楽だなんて思っていた。

しかし80歳を超えると、家で寝ていても何が起きるか知れたものではない。そこで見守り人の必要を感じ娘に助けを求めている。昨日も娘がついてきてくれたので無事下山できたが、想像以上にしんどかった。筑波山は4度目になるが、登りも降りも2時間はたっぷり掛かる。時間的には覚悟してたつもりだが、その2時間がこんなに長く感じたのは初めてかも知れぬ。娘にすれば保育園の保母さんか介護士のような気分だったと思う。この先どのくらいハイキングを楽しめるか分からないが、別れ際に昨日履いていた薄っぺらで滑りやすいスニーカーに代わるトレッキングシューズをプレゼントする約束をした。

2021年4月10日土曜日

なげき節

 何も今に始まったことではないが、これほど国民を馬鹿にした話はあるまい。先ず福島第一原発汚染水の海洋放出。これは日本市民はおろか全世界に対する反社会的行為でもある。何故か、汚染水問題は10年以上前からの問題で海洋放出の問題は当初からくすぶっていた。毒性の強いH3Oを7倍のH2Oで薄めて流す装置を作るのに2~3年掛かるそうだが、来週にも正式決定をするとのこと。悪いことをするのを躊躇っていたが結局決行することにしたと宣言しているに等しい。

次も昨日のことだ。ワクチン担当の河野大臣発言「6月中には国民全体のワクチン接種が完了するようになりました。」現在4月10日、6月末までは2ヶ月と20日しか無い。ワクチン接種が開始されたのが丁度2ヶ月前のことだが、今進行しているのは医療従事者への接種がメインで、高齢者への接種がスタートしたとは形ばかりのこと。現在のところ2度めの接種が完了した人数は約45万人と言われている。「盗っ人猛々しい」とか「よくもしらじらと」との表現があるが、どうしてテレビカメラの前でこれを言う必要があったのか、どうしても理解できない。オリンピック参加選手のワクチン接種を優先するとの報道に対し、丸川オリンピック担当相は「そんな事全く検討していません。」全否定しているが、ならば何故この話が持ち上がったのか。

だいぶ前に亡くなった岳父のことだが、大酒飲みの面白い人で、冗談の口癖が「東芝が潰れるようなことがあれば日本も潰れる時だ。」だった。岳父は戦前からの東芝社員で、戦後は土光敏夫社長の全期間を勤め上げた。しかし東芝が実質潰れた2015年には既に亡くなっていた。東芝は国策会社とは言えないかもしらぬが、2011年に一旦潰れて未だに生き延びている東京電力と大差無い。しかし遂に東芝も海外の投資ファンドに身売りすることを真剣に考え始めたようだ。昔のお姫様が女郎になるようなことかもしれない。

きっかけになったのはウェスティングハウス買収で躓いた原発問題だから国策に殉じたとも言える。政府は防衛省関連の発注案件や原発関連情報の保全を如何にするか検討しているようだが、今更そんな事してもしなくても同じこと。もう日本は落ちるところまで落ちている。いくら身繕いしようとホームレスと同じだ。日本は国内的にはお上が国民に対して隠し事を懸命にするが、国際的には透明のトランプを持たされてババ抜きゲームを強要されているかのようだ。

北朝鮮がオリンピックに選手派遣を取りやめたのは彼の国独特の政治判断として日本は気にしない風情だが、同様の意思決定をする国が出現しないと判断するのは難しい。来週の首相訪米でアメリカが来年の北京冬季オリンピックのボイコットについて日本に同調を求めない保証はない。何もかもお先真っ暗じゃないか。

2021年4月9日金曜日

官僚よ、誇りを持て

 国の行政組織は複雑で、霞が関に置かれている省庁の他に一般からは分かりにくい様々な機関が存在して行政の実務を担っていることは、長いこと役所の仕事に関わってきたので知っている。その一つに独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA;Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)があることを初めて知った。余談になるが、日本は公務員数の人口比が世界水準と比較して少ないと言われるが、このような準公務員扱いとなっている組織の要員をカウントすると膨大な人数を税金で養っていることが分かる。霞が関の高級官僚はこのような組織で終身雇用が保証されている。

PMDAを知ったわけは、今回のワクチン騒動からである。外国で使用が許可されている薬品や治療法であっても、国内で改めて製造方法を確認したり治験を実施しないと使用が承認されないそうだ。これに特に異を唱えるつもりはないが、多くの国で使用許可されている薬品なんかが許可されない理由については少し疑問を感じているところも無いわけではない。兎も角、その審査を担うのがこのPMDAだった。

この組織の大きさのほどは知らぬが、専門委員だけで千人を越しているから、相当な組織なんだろう。ここが先程、現下世界で問題化しているアストゼネカ製ワクチンの反応問題(脳血栓症誘発の可能性)について、「日本ですでに承認済みのワクチンの開発企業が、それと同じか類似した製造、管理方法で、変異株にも対応できるワクチンを製造する場合を想定している。外国の臨床試験(治験)のデータなどがあれば国内治験は必要としない。」

少し分かりにくいかもしれぬが、コロナワクチンは粗製乱造とは言わぬが、どこの国でもここ1年以内に開発されたもので、いわゆる治験も1年以上行われたものはないと思う。ましてや対抗するウィルスは千変万化の厄介者だから、どこまで効果があるのか誰にも分からない。製薬メーカー側も連日必死に対応を変えているだろう。日頃愛用している風邪薬の「改元」みたいに親の代から飲み続けているが大差無いなんて代物とは大違いの筈だ。

政府も今更勿体ぶって日本独自の審査なんて言っていられなくなった訳だ。このようにチョット恥ずかしいことを表明するには独立行政法人なんて一般には意味不明な組織は都合が良い。水面下に隠れた部分を持つ巨大官僚組織についての賛否は小生には難しすぎる。現役時代に随分世話にもなったし、父も元官僚だ。言いたいのは官僚は本来そうだった筈で、誇りを持つべきだ。ところが最近は、馬鹿な政治家に優秀な官僚が取り込まれてしまっている。これが情けない。いっとき上に居ても馬鹿は馬鹿。元文科省次官の前川氏のように面従腹背でやり過ごせば良いだけで、一部の官僚に見られるよう自ら奴隷化する必要はなかろう。

2021年4月8日木曜日

価値判断の基準

 ワクチン後進国の日本では関係ないかも知らぬが、アストラゼネカ社製ワクチンに脳血栓を誘発するとの副反応が発見され、世界各国で一時使用が保留されていた。ところが今週になって欧米の専門家が、コロナウィルス感染症を防ぐメリットに比較すると、この副反応の発症は20万人に一人と比較ならないほど低い。従ってこの使用を止める理由にはなりえない、と発表。それぞれの国が再び使用を開始している。

世の中でアドバンテージの裏にリスクが存在する物事は多い。従って欧米の専門家の判断は正しいと思う。このワクチンの問題は欧米の専門家の判断が一致しているが、他のことで考えると物事の利害得失、軽重に関する判断は非常に難しいものがある。個人的には囲碁のことが真っ先に思い浮かぶ。囲碁は白と黒の碁石を交互に好きなところに置いて結果的に囲った地の大きさで勝負が決まる。好きなところと言っても縦横に引かれた線の交差点で、碁盤上には縦19本、横1本の線が引かれているので合計361地点となっている。

どう考えても極めて単純な話で、相手より少しだけ大きそうな場所を見つけるだけなのに、不思議なことにこれがなかなか見つからない。ある時点で大きそうだ確信して石を置いても、次に相手に置かれた予想図で見直すと、こちらのほうが小さくなってしまっていることが頻繁に起きる。対局相手とたった二人で同じ碁盤を上から睨んでいるだけなのに何故だ?この不思議さがどうしても分からない。

囲碁を習い始めた頃指導してくれたプロの先生がよく口にしていた言葉「ここは銀座4丁目の1等地、ここは大事にしなさい」なんてことも、最近は通用しないようなので忘れるようにしているが、一旦刷り込まれたことは忘れようにもなかなか忘れられるものではない。ダイヤモンドや金塊にしても同じだと思う。ある日気がついたら、ただの石ころと何の価値も感じない金物じゃないかなんてことにもなりかねない。昔ジム通いしていた頃、女房にさんざ笑われたのが「命より健康重視ね」だ。

人それぞれで価値判断の基準は異なるが、多くの人間を指導する立場の人は、判断の基準線を明確にして、今何が一番重要か、大小の判断を間違えず重要なことことから順序良くこなしてもらいたいが、問題が多すぎるからだろうか、どうもそこがはっきりしない。内閣府なる役所は国の重要課題を優先的に処理する役所のようだが、この役所が大きくなりすぎていることが心配だ。宝石箱の筈が子供のビー玉入れに思えてくる。

2021年4月7日水曜日

一致と不一致

 3月末に全国の桜が狂い咲きするほど暖かかったのに、4月に入って結構寒い日が続いたりしたが、やっと普通の春らしくなってきた。日本は少し乗り遅れの感もあるが、それでも世界的に見ればワクチが急速に普及し始めたのに、コロナウイルスの抵抗も強かでなかなか収束の気配が見えない。オリンピック開催に拘った日本政府だが、昨日北朝鮮が不参加を表明したりして、天気もさることながら世界の政治情勢に翻弄されて容易ではなさそうだ。

本来であれば菅首相は今日渡米して、明日にはアメリカバイデン新大統領と世界最初の対面首脳会談の筈だった。それが何故か先方の都合で10日ほど延期されたが、その理由がはっきりしないのも悩ましい。事務方からどんな報告が上がっているか分からないが、アメリカがはっきり敵に見立てている中国との関係、間合いの取り方が難しいところだろう。日本は五分五分を認めて欲しいと思っているだろうが、アメリカはそれほど甘くない。

もともとアメリカ軍の占領状態を脱しきれない日本政府を呼びつけるからには、それなりの宿題が課せられるだろうが、その影響が日中関係にどう跳ね返るのか、大いに気になるところだ。年寄りの心配を他所に、国内にはアメリカの対中牽制路線をむしろ歓迎する政治勢力があって、勢いづいている風情も垣間見える。戦争を知らない子供たちが増えているのだから仕方ない、と言ってしまえばそれまでだ。つい先日亡くなった橋田壽賀子さんのテレビドラマは観たことがないが、彼女が心配していた日本が貧乏だった時代は嫌になるほど知っている。

これも全て日本が2大同盟の一翼を担い世界大戦に参加した結果だと思っているが、若い政治家にはそこが分からないようだ。大きな2大同盟はどこかで衝突が起きる。上手に立ち回って目立たなければ良いが、親分から最初に呼び出されるとなれば、目立つなと言っても無理なことだ。米中対立の最前線に立たされる不幸は回避しがたいことなのだろうか?

仮初にも日本はれっきとした主権国家だ。先の大戦で敗戦国になったのは何も日本だけではない。ドイツにしてもイタリアにしても、大戦中に負った反省すべき点は未だに認めつつも、現在の問題では戦勝国に対する卑屈さはなにも感じない。政府要人にはそこのところをも一度よく考えて欲しい。呼びつけられて赴く前から、報道は両者の合意点を流している。簡単に合意できるなら何も高いコストを掛けてまで対面する必要もあるまい。

日本人は値切りとか交渉事は不得意とされている。特に菅首相は空手が得意だそうだから、一発で決めるのが得意かもしれぬ。しかし難しい問題であれば交渉が大切。時に会談して意見の不一致がある方が望ましい。

2021年4月6日火曜日

抽象と具体的事実

 日本でもやっとコロナワクチンの接種が始まったようだ。昨夜テレビで都内八王子市のお年寄りが接種を希望して、指定されたコールセンターに何度電話しても繋がらない様子が放送されていた。なんでも八王子市の高齢者は約15万人、対して市に届いたワクチンは1900人分とのこと。受付は電話かインターネットで先着順とのこと。まるでNTTの電話代稼ぎに協力するつもりかと言いたくなるような漫画みたい話だ。

政府は勝手にワクチンの配分数量を決めて、あとの実施は全て自治体にお任せらしい。居住地豊島区のホームページには接種会場7箇所が表示されるのみで申し込み方法すら表示されない。豊島区は未だだが八王子市に何故先に届いたかは分からない。政府官僚が行うこの杜撰さは何も今に始まったことではないが、ブログのネタで少し考えてみた。政策立案者に必要なことは何事によらず具体的な事実だ。国会論争で「立法事実」がよく質疑の材料となるがその通りだ。

しかし霞が関の官僚や政府要人にそれを確認している暇がないのが緊急事態ということになる。そこであらゆる手を尽くして情報を収集して、それを基に立法を進めることになる。ところがこの収集された情報は謂わば抽象画のようなもので、普通の人にはなかなか想像が難しい。凡人にピカソが描いた美人画を提示してモデルを想像せよと言うに等しい。

世間の動向を示す数字は全て抽象であり、現実は見つけにくい。具体的例をも一つ上げよう。ワクチン接種の再優先順位は医療関係者と聞いている。最初はこれが約300万人と発表されたが、暫くしてから430万人に変更された。どちらも杜撰な計算でいい加減あるのは同じこと。経験を踏まえて言えば、前立腺がおかしくなって最初に通った池袋の泌尿器科はドクター一人で受付嬢一人。受付嬢は日に依って代わっていたので二人居たと思う。ひょっとしたら女将さんと娘さんだったかもしれぬ。

そこから紹介されて転院した日大板橋は大病院、ここの関係者は何千人か知らぬが、派遣されている医学生はもちろんのこと、ガードマンや食堂、売店の社員から清掃業者の人たちまで含めれば相当な人数となる。要するに数字として抽象化された者や物は具体的な状況は何も示していない。にも関わらず判断すれば当然生身の人間からすると信じがたい結果を生じかねない。官僚ばかりではない、コロナ関係の専門家集団でも実際の診療行為に関わっている医師は果たして何人居るかだ。

分科会長として首相が杖とも柱とも頼る尾見氏なんか、コロナに関してはとても医者とは言えない。これでワクチンに限らずあらゆる政策判断がまともになる事を期待する事自体間違っている。政策立案者には、方針決定前に現場を知ることを切に望みたい。

2021年4月5日月曜日

漠たる恐怖心

 日本女子水泳界で屈指の強豪だった池江璃花子選手の復活劇が報道を賑わしている。詳しいことは知らぬが、白血病の判明で一線からの離脱したのが少し前のこと記憶してたが、僅か2年でのことらしい。我が身で思うに、前立腺がんが発見されて、一通りの治療が終わってから既に5年を経過しているが、未だに定期的に病院通いでおっかなびっくりの生活だ。池江選手はどう考えても驚異的と言うしか無いだろう。

翻って日本のコロナ患者数の累計は既に45万人を突破して50万人に迫っている。この中には重篤な後遺症に悩む人も少なくはないとのこと。白血病がどんな病気か知らぬが、画期的な治療法や薬があるとは聞いたことがない。後遺症の悩みを抱える人々が池江選手の復活をどんな気持ちで聞くだろうか?中には「よし、私も頑張るぞ」と勇気を貰う人もいるだろうし、「病気の克服は、やはり容易なことでなさそうだ」と落ち込む人が居ても不思議は無い。

こちらも後者の口だが、病の克服は先ず本人の意識、即ち強靭な精神力に加え、周囲の様々な環境があってのことだろうと思い浮かんでしまう。とにかく風邪やぎっくり腰程度でも、掛かったらもうおしまいとばかり要心を重ねる毎日だ。特にコロナに関しては、最近まで永田町の政治家同様で少し甘く甘く考えていた。なんと言っても24時間のうち大部分は独居で外出している時間は精々3時間程度。うち半分近くは往来を只管無言で歩くだけ、人混みの中に入る時は一応マスクをするが、外出時も基本的にはポケットに入れているだけ。

昨今、食事の時もマスク着用を!なんて馬鹿みたいスローガンが言われ始めているが、それだったら食事の時は会話せず食べましょう!という方が現実的だろう。と思ったりするが、これはやはり非現実的だ。殆どの人は会話をするために食事に行くので、小生のようにバカみたいに一人で飯を食っている奴は圧倒的に少数だった。そして今朝の朝日新聞に更に恐怖感を募らせる記事が掲載されている。

神戸大学の岩田健太郎教授が新型コロナの変異株について「めったに起こらないことが起こりうる」と言っている。要するに感染力が強くて重症化リスクも格段に高くなっているとのこと。テレビに出演していた感染症専門の学者(名前は失念)は同じような趣旨の発言後にこう締め括った。「マスク着用は下着と同じように思って、外出に際しては玄関を出た瞬間から外さないようにしましょう。」随分脅してくれると思うが、少し考えを変える必要がありそうだ。

しかし、何かを喋ることでもの覚えることがあると思うので、その機会が益々減っていくと、小中学生のみならず大学生だって学習に影響が出そうで心配だ。


2021年4月4日日曜日

伝承の課題

 今日は誕生日、目出度く満81歳になったということで、早朝から長女一家3人が揃って祝いに来てくれた。孫も先日小学校を卒業して今週から中学生、卒業式や中学校制服姿の写真なども持参して色んな話を聞かせて貰った。子供や孫の話を聞くのは楽しいが、彼らにこちらから果たして何を伝えられるかが少し心配にもなる。80年以上の長い人生を通じて、両親や祖父母を凌ぐようなことは何一つ果たせていないが、ある種の精神、言い換えれば哲学的なものは相当引き継いでいるつもりだ。

孫たちの人生がどんなものになるかは想像できないが、自分が先祖から引き継いだと思っている良いところを一分でも継承してくれるならば最高の喜びとすべきだろう。話が少し飛躍する。大分前になるが偶然観ることなったBSテレビの番組で昭和中期の3代首相、岸信介氏、池田勇人氏、佐藤栄作氏の逸話を編集したドキュメンタリーを観た。途中からだったので岸信介氏については残念ながら内容の全ては観ていない。

兎も角、岸氏の首相就任が1956年(昭和31年)の3月で佐藤氏の退陣が1972年(昭和47年)の7月だから、こちらが高校生になった頃から実社会に出て約10年かなり活躍した時代だから、人生で最も重要かつ充実した時代に相当する。当時を振り返ると、番組で紹介されたシーンはそれぞ明確な記憶はある。しかし如何せんよくもこれほどと思うくらい政治に対して無関心だったのも事実。従って番組を観て改めて当時の政治家が終戦以来の重い宿題を引き継ぎ、一人一テーマのような形でこなしていった道筋を知り、改めて当時の政治家を見直した。

三人の首相が成し遂げた宿題は岸氏については日米安全保障条約の改正、未だ片務性は残っているが、吉田氏がサンフランシスコ条約締結式に出席した際に、一人だけ別室の呼び込まれてサインさせられたものからはかなり進歩したものだったらしい。池田氏は貧困からの脱出、所得倍増の10年計画(実際は5年で成功している)。佐藤氏は沖縄返還、これ無くして戦争終結とは言えないと当時言われた。

3人共この重い課題を成し遂げて自ら首相の座を去っている。この3人の後から田中内閣、福田内閣、大平内閣と続くことになるが、田中氏は日中国交回復をしとげ、福田氏や大平氏も現代の政治家とは比較にならない国家の重い課題を背負ったものの先に上げた3人と比較すると課題が大分小さくなったように思う。佐藤氏までは歴史を踏まえた国家的課題に対する個人的な信念を感じるが、田中氏以降は歴史より未来を探り、与野党が対立する中で国民が喜びそうなことを模索し始めたように思う。

2021年4月3日土曜日

人権問題

 今日思いがけない長野の友人が「お前のブログを毎日読んでいる。」と言ってくれて非常に嬉しかった。学生時代はただ遊び呆けて、社会人としての経験も大したものはなく、海外の渡航経験はほんの数回、ただ想像に任せたホラ話のような内容であることは十分承知している。書き始めた頃は一生懸命宣伝しまくったが、1日のアクセスが50を上回ることが稀だった。それも良くしたもので、最近は100を上回るようになっている。本当に有り難く、読者の皆様に改めてお礼申し上げる。

幸いテレビやインターネットの発達で、毎日のように国内はもちろん世界中から届く情報に接している。数秒間に切り取られている映像から想像を逞しくするのが常で、識見の少なさゆえだと思うが、最近どうしても想像が出来ないことが多い。その一つが最近流行りの国ごとの人権問題だ。所謂民主主義国家では法の支配と基本的人権の尊重が大原則とのことだが、<中国のような>専制主義国家にはこれが無い、との主張が政府要人の口から気安く飛び出すようになっている。

隣国中国が政治的に共産党に依る1党支配が続いて久しいことは万人の認めるところだ。しかしこのトップの習近平氏を専制君主とよんで憚らない風潮には如何ものだろう。今上天皇が即位された頃は習近平氏の国賓招待が既成事実だったと記憶するが、アメリカのトランプ大統領と大の仲良しだった安倍首相の差配で、習近平氏を後回しにしてトランプ氏を令和時代最初の国賓に迎えることなった。それは善しとして、次は貴方ですよ、と先方に伝えていたのかどうかは知らない。昨年辺りまではそんな雰囲気が残っていたように思うが、最近の雰囲気は全く異なる。

アメリカのトランプ政権が民主党のバイデン政権に変わると、日本の与党政治家の思想が一変したように見える。即ち、今後世界は米中の対立が厳しくなるので、日本はアメリカ寄りの姿勢を明確にする必要がある。と勝手に決めたようだ。当然習近平氏の国賓招待なんて話は吹っ飛んでしまっている。アメリカの外交部門は喜んでいるかもしれぬが、あまりの豹変ぶりに戸惑う国もあって不思議は無い。

昨夜もテレビBSフジ(プライムニュース)をチラチラ見てると、元防衛相中谷元氏と国民民主党の山尾志桜里議員が二人の在日中国人大学教授(凌星光 氏と朱建榮 氏)を相手に相当厳しい調子で中国の【人権問題】に対して非難の声を浴びせ、日本は資産凍結や出入国制限など具体的な「制裁措置」の法制化の準備をすべきと力説強調していた。その論旨で少し気になったのは、中国政府が新疆ウイグル自治区でイスラム教徒を百万人も捕らえて強制収容所に囚監していることを事実として声高に発信していたこと。

事実であれば問題かも知らぬが、誰がその事実を確認しているのだろう?

2021年4月2日金曜日

理解不能

 一昨日「アルケゴス」と言う聞き慣れない会社の倒産が報じられたが、意味が分からないまま今日に至っている。何が分からないかだが、当初報道されたのが日本の野村證券が約2千億円と三菱UFJ銀行が約3百億円の損害を被っているだろうとの推測記事。普通の企業にとっては重大な損失で、報道でもっと大騒ぎになっても良いように思ったが、その割には騒ぎになっていないのが不思議だった。

今朝になると、みずほ銀行でも約百億円規模の損害らしいと後追いで報道が出てきている。何れの金融機関とは縁が無いので個人的には余り心配していないが、取引のある人は相当な人数になるはずで、社会的にもっと騒ぎになっても不思議は無いと思う。それともこういった大手の金融機関にとって、指摘を受けている損害が事実だとしても、経営を揺るがすような問題には程遠いということなのだろうか?

聞くところでは「アルケゴス」と同様の企業は世界中にゴマンとあるとのこと、どんな人が経営して如何なる人或いは企業が顧客になるのか想像も出来ない。何れにせよ貧乏暮らしに慣れている独居老人には大手金融機関が数百億円単位の損害に平然としていることも理解できないし、報道関係も騒がないのが不思議でならない。関係のない年寄りは余計な心配をするなという事か。

2021年4月1日木曜日

センサー機能

新たな年度の初日と言うのに腰を痛めてしまった。ぎっくり腰とまではいかないが、朝から腰の違和感が治らない。寝ている時に首の筋をおかしくした経験はあるが、腰の寝違いなんてことがあるのかもしれぬ。何れにしても整形外科に駆け込むほどのことではなさそうだが、11日に筑波山行きが決まっているので、それまでにはなんとかしなければいけない。と言っても毎日のコースをいつものように歩くだけのことだ。

最近ソニーやアップルが自動車の試作品を発表している。どこまで本気か分からないが、彼らが目指すところは躯体の開発より監視機能(センサー)の高度利用にあるらしい。これが発展して、腰の痛みの原因何かが分かるようになれば良いと思うが、そこに至るには未だ相当掛かることだろう。

最近飯屋に行くと、入り口に自動体温計が設置されている店が多くなった。これも感心するが、空席に案内されると今度はタブレットのタッチパネルでの注文となる。これでは入り口でアルコール消毒しても無意味のように思う。テレビコマーシャルではエレベーターのボタンにタッチせずに済むセンサーが宣伝されているが、飯屋メニュータブレットでは未だお目にかからない。

何れにせよ、我々の生活が四六時中監視されるようになると、便利かもしれぬが、自由が束縛されると感じる人も多くなるだろう。先日家の修繕で日頃世話になっている近くのおじさんが、インターフォンをつけたら如何ですか、と勧めてくれた。お勧めに従いお任せすると、1万5千円でこれまでの呼び鈴の隣に早速設置してくれた。これも一種のセンサーだろうが、画像は常時見られるものではない。

しかし中国の新疆ウイグル地区なんかでは市民が常時監視下にあるようだ。やはり便利さも程々が良いのかもしれぬ。