2013年2月28日木曜日

ハッピーな月末

昨夜は珍しく赤坂で遅くまで遊んで、帰宅が0時を回ってしまった。久しぶりに飲んだので、地下鉄の下車駅を寝過ごしてしまったのである。婆さんに笑われてしまった。「元不良もだらし無くなったものね。」婆さんも怪我が一応治ったので、このところ何をしても機嫌がいい。今朝はまた一段と明るい声で態々事務所に電話が掛けてきた。孫が都立高校の受験にパスしたとのことである。

2年生まではバスケ部のレギュラーで勉強とは無縁だったし、通信簿もかなり悪かったと聞いていた。何を思ったか3年生なる直前に退部して、推薦入学の道を自ら閉じて勉強を始めたようだ。今月初めに日大桜ヶ丘が決まった時は、それだけでもびっくりして、我々祖父母から伯母にあたる長女一家でも大喜びしていた。

東京は広いので高校も沢山ある。普段散歩する範囲内だけでも4校もある。どの高校が良いのかと言ったことも分かり難い。昔のように都立が格上で、私立が格下なんてことも勿論無さそうである。都立も学校群が廃止になって名門校が復活しているとも聞くが、どれが名門かなんて関心がなかったのでまるで知らない。

長女は家庭教師のアルバイト経験があるので、その辺の事情通である。日大桜ヶ丘が決まったと聞いて、びっくりしたらしい。「良かった」と「哲ちゃんを見直した」を連発していた。都立については受かることは考えず、運動後の整理体操みたいものと思えとのご託宣だった由。「通過は無理だろうし、日大桜ヶ丘で十分。」と聞いていた。我々夫婦も先日新聞に掲載された問題を見て、長女の言う通りと納得していたものだ。

当然長女にも連絡は言っているだろうが、彼女のコメントはまだ聞こえてこない。小生もびっくりして、早速ネットで孫が4月から通うことになる高校を検索してみた。都立三田高校と聞いている。検索して提示された1頁目の項目に「偏差値65」とか「三田高校は都立3番手校に属する高校」とのコメントが目につく。古い人間なので偏差値が何を顕すか分からないし、なんだ3番手か、やはり大騒ぎするほどのことは無さそうだと先ず思った。

ところがページを開いてよく見ると、この3番手の下に上位校が書いてある。えぇ、と思って上を見ると、2番手校は9校、トップ校に至っては3校しか書いてない。下にスクロールすると上位校に続いて中堅上位、中堅、中堅下位、下位校と連なっている。都立高校は調べてみると200校近くあるらしい。孫が決めた三田校は、どうも我々傍のものが考えたレベルをはるかに超えたところに位置していることが分かった。

長女ならずとも本当にびっくりしたし、嬉しくなってくる。考えてみるともう1年以上顔を合わせていない。早く顔見て祝いを言ってやりたい。

2013年2月27日水曜日

昨日に続いて 226事件

今朝、婆さんが唐突に変な事を言いだした。「鈴木貫太郎さんて偉かったわね、何よりも奥方が偉い。」「え、鈴木て誰のこと?」思わず聞き返すと、やはり海軍大将で終戦時の総理大臣であった氏のことであった。昨夜は21時のニュースに特段興味がなかったので、21時半前に自室に閉じこもってテレビ東京の「お宝鑑定団」を観てしまったが、その後で、226事件当時のことを鈴木大将夫人が証言しているテープの発見が有ったことを流したらしい。

昨日226についてブログに書いたとは一言も言っていなかったのだが、長年連れ添っただけのことはある。あの半藤一利さんでさえ衝撃的な記録ですねと言っていたわよとのことだ。いつもいい加減な事ばかり書いているが、昨日もまた決定的な間違いを犯しているのではと心配になり、今朝早速にその番組をNHKオンディマンドで視聴した。確かに非常に興味深いドキュメントで、エジプトの気球墜落や補正予算より先にこれを放送しろと言いたくなる。

確かに婆さんが感激して視聴を薦めるだけの価値があった。鈴木貫太郎大将は長いこと昭和天皇の侍従長を務め天皇の信任が厚かったこと、77歳の高齢にも拘らず1945年の4月に総理を引き受け、我が国を終戦に導いて救った人であることぐらい知っていた。でも奥方については何も知らない。終戦当時の軍人の奥方で知っているのは杉山元陸軍大将の奥が有名だ。終戦後の9月のある日、夫人は主人に「まだぐずぐずしているのですか、さっさと自決しなさい。」と促し、大将がピストルで自決して息が切れたのを見届けてから、自身衣装を変え両膝を縛って短剣で喉を突いて自決したこと。

いつの世も女性は強く偉いものだ。鈴木夫人のインタビューの一部が流れたのであるが、録音メディアがテープになっていた。勿論226事件当時にテープが存在することはあり得ないだろう。テープでの録音はソニーの開発と理解してるので、戦後も数年経ってのことだろう。事件当時のことを非常に生々しく語っておられる。大将が寝ている隣の部屋で銃を突きつけられて襲撃の一部始終を見守っていたとのこと。

大将が40数発の弾丸を浴びて血まみれで倒れ伏し、襲撃した兵(10数人いた模様)が引率していた将校の安藤大尉に向かい「隊長、とどめを!」と叫んだ時に、夫人が「とどめだけはやめてください!」と叫び、聞いた安藤大尉が思い止まったとのこと。安藤大尉は鈴木大将と面識もあったらしいが、この一言で大将は九死に一生を拾い、九年後に日本を救うことになった訳だ。
この番組の後で、21日に放送された「BS歴史館 徹底検証 二・二六事件~日本をどう変えたのか?」まで観てしまった。

ここでも知らなかった事実を沢山学んだ。ひとつには当時軍人には選挙権も被選挙権も付与されていなかったこと。故に大正末期から昭和の初めにかけて、徐々に暴力がのさばり初め、226事件で陸軍の下剋上が始まり、老人の知恵が断ち切られ軍部の暴走が決定的になったとされる。それでも尚、疑問は沢山残る。書き始めるときりがない。昨日と同じテーマになってしまったが、これからの政治を考えるためには研究に値する事件テーマだろう。

蛇足ではあるが、鈴木大将の遺訓が母校前橋市立桃井小学校に残っている。
校歌になったり碑が碑が建てられたり、夫人の立派な書もある。
「正直に腹を立てずに撓まず励め 鈴木孝子(たか)」

2013年2月26日火曜日

226事件の日だ

大分昔のことになるが落語家の柳家小さん(5代目)師匠と仕事をしたことがあった。その折に直接226事件当時の思い出を直接伺った。師匠は1915年生まれだから25歳も年上で、当時すでに好々爺の雰囲気を持っていらした。剣道の師範とか怖いイメージは全くなく、あの大雪の早朝非常呼集で整列させられて、なにがなんだか全く分からないまま警視庁前にまで出動して、気がついたら反乱軍になっていたと笑顔で話してくれた。

正面玄関に機関銃を設置したりして非常線を張って警戒にあたったのだが、2等兵の師匠には事情がよく呑み込めなかったらしい。確か3晩ほど駐屯が続いたはずだが、野営の合間に落語をやれと言われたりしたそうだ。正反対の立場にいたのが我が父で、当時は警視庁の巡査さん。新婚ほやほやで長兄が生まれたばかりの時で、非番で家に居たらしい。こちらにも非常呼集が掛かったらしい。大学時代若林に下宿していた時、当時の家を母と一緒に見に行った事がある。三軒茶屋だったのですぐ近くだった。

1962年頃だから1936年からすると既に26年も後のことである。しかし、その家が戦災の被害もなかったようで、両親の新婚家庭の佇まいのまま残っていた。2軒長屋の1軒で母が涙を浮かべんばかりに感激して、住人に事情を説明して許可をもらい、玄関先から中を覗かせてもらったのを記憶している。確か玄関の奥に座敷らしきものは二間しかなかった。今時は無いだろうが、木造平屋の長屋はその頃まで新婚さんの定番住居だったに違いない。

そんな長屋に電話が引かれていたとも思えないが、兎に角呼び出されて、勤務先の警視庁に駆け付けると、小さん師匠たちが非常線を張っているので入れない。已む無く皇宮警察の宿舎に行って、着の身着のまま数日過ごしたように聞いている。黒い警察の外套を着た大勢の同僚とごろ寝している写真を見たような気がする。

事件から77年後の首都の今日、天気は晴れて雪の欠片も見当たらない。小さん師匠たちは反乱軍とされて説得に応じ4日か後には兵営に戻るが、事件を首謀したと断ぜられた現役又は元将校17人は軍法会議で死刑を宣告されて7月には刑が執行されている。この他に自決した現役将校2名がいるので、政府にとっても軍部にとっても大変な大事件である。日本の歴史上大きな意味を持っていたに違いない。

何故ならその翌年には今次大戦の前哨戦であるシナ事変が始まり5年後には本格的対米英戦に入っていく。事件そのものについては、小生を含めてであるが、若手将校たちが政界の腐敗に腹を立てて反乱を起こしたが、天皇の叡慮によって鎮圧された程度の認識だろう。果たしてそれでいいのだろうか?一説には賊軍とされた若手将校は、当時の日本が非常に好戦的な政策に傾斜して柄行くのを憂いていたとも言われている。何か今の世相に似ていないか?

以下は「正しい情報を探すブログ」から引用
http://ameblo.jp/kennkou1/entry-11478602396.html
「蹶起趣意書のベールをかけた腹話的な言い方で、反乱者たちは天皇に請うてこれ以上の外征上の紛争の危険から手を引き、彼の勢力を内政改革と日本の伝統的な大和魂の保持に傾けるように求めていた。」
以下は蹶起文の一部を孫引き
「露支英米との間、一触即発して祖宗遺垂のこの神洲を一擲(いってき)破滅に堕せしむるは火を睹(み)るよりも明かなり。」

2013年2月25日月曜日

古希過ぎて切符取るのも一苦労

上野から池袋までの山手線内で聞こえてきた会話「東京も今日は気温が上がりませんと聞いてきたが。何だこの暑さは!海水浴でもしたくなるじゃねえか、なぁ婆さん。」真冬日が続く東北からのお出ましなんだろう。当方と同世代のご夫婦である。お父さんは手拭いで汗を拭われていた。昼頃の車内だったので確かに気温は少し上がていたが、それでも週末から今日まで凍える寒さである。ところ変われば品替わるだろうが、体感の感じ方も随分異なることが分かって笑い出しそうになった。

寒さにか負けていたが、やっと来週の半ばから志賀高原にスキーに行く決心がついた。電車の時刻を調べてネットで指定席を予約し、切符を受け取りに行く段になって、3割引きの恩恵に与れるジパング倶楽部会員手帳を取り出すと、何と昨年末で期限切れになっている。慌てて電話で問い合わせると、12月に失効していると、新規発行になり、手続きもが面倒くさく、日にちも数日かかるらしい。更に新規会員様なので当初3回目までは2割引きとさせていただくことをご了承くださいと来た。

ご了解いただければ、郵便局で先ず会費を振り込み、その領収書をファックスしてもらえば、会員証を郵送させて頂きます。こんな紋切り型のお姉さんに付き合っても仕方がないので、散歩がてら上野駅の事務局まで足を運んでみた。窓口が3つあって、番号札を引いて待つこと15分ほどだったか、出てきたのがJR東日本を退職したててな感じの初老の小父さん。こちらの話を聞いて「一応古い会員手帳はお持ちでしょうか?一寸拝見させてください。」と対応が先程の電話サポートのお姉さんとは大違いだった。

これは望みが持てそうだと早速提示すると、直ぐに端末をはじいて「成程もう6回も更新いただいていますね。これで初回の赤い表紙の手帳では申し訳ありませんので、有効期限12月で宜しければ普通の更新手帳を発行させて頂きます。」と有難い仰せ。電車賃を使って上野まで来たかいが有った。長野往復を3回、2割引きと3割引きでは4,5千円は違ってくるだろう。新しい手帳持参で喜び勇んで上野駅のチケットオフィスに行ってみたら、何時もの池袋駅とはこれまた大違い。

格段に広くて窓口の数が全然多い。余り待つこともなく順番が来たので、早速新しいジパング会員手帳を取り出して切符の注文に及んだ。ところが、ここでまた新たな失敗。家を出る前に時ネット上から指定席を確保してあったのだが、スケベ根性から1割引きの指定をしてあった。購入確定ボタンの前に赤い字でよく読んでくださいとの注意書きがあった記憶はあるが、いつもの悪い癖で読み飛ばしてしまったのだ。そこに「この割引はジパング会員には適用されない」旨明記されていたらしい。

勿論こちらに非があるのだから、割引は無しで普通に発行してもらえないかと依頼。これがまたコンピュータの難しいところで、ネット上の購入手続きはネット上からしか操作不可能である。勿論その事は十分理解できるので、今日の購入は諦めて帰宅した次第。

2013年2月24日日曜日

家族の話題 ホッとした気分

一昨日の金曜日、婆さんが2週間ぶりに医者でレントゲンを撮ってもらった結果、骨折していた手首がどうやら引っ付いたみたいだ。少しずつ手先を動かすようにと言われたとのこと。肘から手の平まで固定するギブスも外していいらしい。お陰でこちらの主夫業も卒業させてもらうことになった。ご心配頂いた方にはご報告して、改めてお礼を申し上げます。

昨日は都立高校の入学試験日だったそうで、夕刊に試験問題が掲載されていた。毎年のことだろうが今までは見たこともなかったが、婆さんが見ろというので、見る、読むというよりざっと眺めてみた。とてもじゃないが、恐ろしくて読む気にもならないくらいの量である。小さな活字で4ページか5ページにわたっていたと思う。最初は国語だったが、先ず相当な長文を読まなければ始まらない。

限られた時間内に読むだけでも大変そうだ。我が孫がこれらの試験に挑んで問題をこなせるとはとても思えない。月曜日には学校の先生が正解を教えてくれる筈で、本人は正解率の見当がつくだろうとのことだが、祖父母からすると、この問題を見ただけで諦めがついてよかった。既に受かっている私立の日大桜ヶ丘で十分だろうと意見が一致した。普段めったに意見が合わない二人の意見が一致しただけでも目出度いかぎりだ。

序でにこの試験を国会の先生全員に解いてもらい、点数を発表する制度を確立したら面白いだろうな。インチキ臭い資産公開より為になるのではと大笑いをした。新聞やテレビは安倍総理の言動を「選挙前と異なり、総理就任後は非常に慎重に使い分けている。民主党の先生にも見習ってほしいし、アメリカも評価しているだろう。」と言っている。もし国語の試験に「二枚舌の意味を簡略に記せ」と出たら、「安倍総理のこと」と答えを書くだろう。
恐らく正解の筈だろうが、他がまるで駄目でやっぱり落第だろう。

2013年2月23日土曜日

今日という日を何となぞらえよう?

今日は皇太子殿下の52歳の誕生日である。次の天皇陛下であるから国民の祝日ではないが、こぞってお祝い申し上げるべきかもしれない。アメリカも知らない筈はないだろうが、この日に日米首脳会談をセットさせて、我が国の総理に昼飯まで振舞ってくれたそうだ。会談を終えた我が総理は、単独で記者会見を開き、声高らかに「過去3年半失われた日米の絆が復活した。」と胸を張ってくれた。

早朝からテレビでこのニュースを見た小生は、生まれて初めて敗戦国の悲哀をしみじみと感じた。同時に自分には総理の態度について今更怒る資格が無いことにも気づいた。1945年8月15日終戦の詔勅が出た日はまだ幼稚園生。勿論何の感慨も無かった。しかし今日改めて思うのは、戦に敗れた日本人の大部分は、戦に負けただけで、魂を敵国に売り渡すつもりはなかったのだろう。それが証拠には6年間に亘る占領の苦しい時期を耐え忍び、文化伝統を守りながら、僅か20年くらいで世界からも注目されるような復興を遂げたことでも明らかだろう。

大人は皆頑張ったのに、無責任であったのは我々子供たちである。我々が言い過ぎだとすれば個人で結構だ。終戦約20年後大学を卒業するが、この間にあらゆる面でしっかりアメリカ流の考えに洗脳され、英語なんか勉強したのかさせられたのかは別として、知らず知らずのうちに日本の文化から遠のき、嘗て大半の日本人が持っていたと思われる民族の誇りをすっかり忘れてしまった。小生が卒業する前後から、アメリカの大学に留学することが一種の流行になっていく。

その頃は既に20代の若者に敵国感情なんか全く存在せず、正に坂の上を仰ぎ見る気分になっていた者が殆どかもしれない。アメリカに限らず中国なんかも同じかもしれぬが、彼らは我が国と異なり、国家戦略上からの外国との付き合いを、非常に長いスパンで計画している感じがする。戦った敵国を完全に骨抜きにするためには、教育や文化をもって根っこから掛かるやり方。特に中心ターゲットを若年層に定めたすれば天晴である。

こちらは間違いなく大和魂なんてものは忘れ去った。占領時代マッカーサー達は吉田茂とか重光葵とか清瀬一郎とか、何れも軍人ではないが錚々たる文人達の根強い抵抗に会って往生したことだろう。代わりに若者が飴やチョコレートで取り込まれ、すっかり骨を抜かれてしまった。彼等も腹の中では「いくら抵抗しても無駄よ。そのうちにお前の子供たちが我々の靴を舐めるようになる。」と思っていたに違いなく、今日は本当にその事が完成した記念日みたいものだろう。

死に損ないの爺としては「鳩山元総理みたいに馬鹿呼ばわりされてもいけないにしても、そこまで卑屈にならなくてもいいだろう」との思いがある。それにしても靴を舐めさせる儀式を皇太子誕生日にぶつけたことには恐れ入った。先の戦争でのA級戦犯とされた7名の死刑執行日が当時の皇太子、今上天皇の誕生日12月23日であったことと、不自然な巡りあわせを感じてならない。2月23日は2度目の無条件降伏の日として記憶に値する。

とは言っても安倍氏は我々が選んだ総理でもある。宗主国アメリカの機嫌いや信頼を取り戻せたなら素直に喜ぶべきかもしれない。日本は小なりとも未だ名目的には独立国ではある。しかし、地球上には大国が幾つか存在し、覇権争いは益々激化していくことだろう。いっそここまで属国化したなら、アメリカの日本州として加えてもらったほうが分かりやすいかもしれない。憲法改正より簡単かも。

2013年2月22日金曜日

勝てば官軍はいいけれど

中国では人類の生存を脅かしかねないヤバイ物質が空気中に蔓延しているらしい。日本への影響も多大で、純白に見える雪も溶かしてみると、水底に得体のしれない黒い滓が沈殿するらしい。困ったものだが、空気の話は最近専らこのPM2.5に集中している感がある。一時話題を浚っていた、地球温暖化現象の原因とされた炭酸ガスは何処に行ってしまったのだろう?中国の映像を見ている限り、彼国における炭酸ガス排出は増加の一方ではなかろうか。

地球全体でのそれがどんな傾向にあるか?鳩山元総理が国連で高らかに発表したように、日本がどんなに削減努力をしようが、残念ながら地球全体の排出量は、少しも改善されていないのではないかと心配になってくる。本当のところは知らないのだが、未だ増加傾向にあるとすると、近年の冬の寒さは一体どう説明されるのだろう。ヒマラヤやヨーロッパアルプスの氷河が縮小している話はよく聞く。だからこそ、地球規模のことは個人的判断で断ずることが出来ない。

今年日本が異常に寒いのは偏西風の流れが平年と異なり、大きく蛇行しているとも言っている。そもそも偏西風が何故今年大きく蛇行するのか、そこを教えてほしいものだ。でも、これも意地悪な質問で、偉い気象学専門家にも答えは簡単に見つけられないのだろう。どこかでアメリカの学者だったか、雲の出来る原因すら厳密には解明できていないようなことを言っていた。

マスメディアには結果を見てから後付の解説を偉そうに述べる傾向がある。メディアの無責任さについては、受け手の我々は承知して気を付けるべきだ。地球温暖化問題についてメディアが沈静化している原因の一つにエネルギー事情もある可能性が高そうだ。原子力発電は当分見込めず、輸入に頼るガスや石油火力もコスト上昇で芳しくない。必然的に石炭火力見直しもある。それで意識的に地球温暖化問題に対して目を背けているとしたら、余りにもご都合主義に過ぎる。

どうでもいいことかもしれないが、メディアのご都合主義に関連してもう少し批判すると、スタートしたばかりの新政権を特別けなす必要もないが、ベンチャラが過ぎるのは余り感心できない。経済面で新政権への期待から円安株高になっているのは事実で、このことについては、新政権の政策の一環として評価する論調が主流を占めても当然かも。まだ何も見えない外交に関しても、新政権の意欲を積極的に取り上げるのを善しとしよう。

但し、政治報道の際、与党の先生方が慣用句にしている「民主党政権が滅茶苦茶にした日本経済立て直し」とか「民主党政権が壊した日米の信頼関係回復」を報道の枕詞に使っている。芸能番組ならいざ知らず、どんな検証や証拠を見出してのことだろうか。確かに民主党の政策には大きな瑕疵が沢山あっただろう。政治家は勝てば官軍だから何言ってもいいが、報道関係者が無責任に使うべき言葉ではなかろう。重傷を負って生命の危機に瀕している者に対してそこまで言うかである。

たまたま一昨日の新聞に「オバマ氏は野田前総理をとても信頼していた」との控えめな記事を見つけたので、少しホッとした気分になっていた今朝、又安倍訪米に関してお定まりの枕詞を聞いて残念である。日露交渉にしても森特使派遣の道筋を誰が付けたかはメディアは何も言わない。これも新党大地と民主党政権がつけた道を、新政権が引き継いで進んでいるに過ぎないことは明らかなのに、一言あっても罰は当たるまい。

2013年2月21日木曜日

春よ来い、早く来い

今朝の気象予報では「現在の気温は0.8℃、1か月前の大寒時期と同じような、1級の寒波が関東地方にまで張り出しているので、今日は気温も上がらず1日中寒いのでお気を付け下さい。」と言っていた。確かに朝は相当ひんやりしていたが、昼になると流石2月ももう下旬である。気温は低いかもしれないが、陽当りで感じる光の強さと太陽熱の暖かさは1か月前とは全く違う。天然自然の歩みは誰がなんと言おうと確かなものだ。

各地で遅れている梅祭りもそろそろ活気づいてくるだろう。これまで全く縁がなかったので分からないが、労働組合の皆さんも元気を出して、経営者側からベースアップを引き出してもらいたい。なんて言っても政府、しかも総理が直々にその旨を財界に伝えているのだから。孫が高校に進学すると、結構な費用が必要になるらしい。

「弟と部屋を別にするらしいし、本棚が必要らしいし、背が伸びすぎて机も新しいのが必要みたい。」「携帯電話も持つことにしているみたい。」「それでお祝いをいくらにしたら良いかしら?」毎日のようにこんな話を聞かされているが、「それがどうした、勝手にすりゃいいだろう。」と答える訳にもいかない。婿殿のためにも、労組幹部の皆さんには是非頑張って頂きたいものだ。でも婿殿から直接聞くと、あまり期待できず結構厳しいようだ。

政府の何たら会議のメンバーになっているローソンの社長さんが、先日社員のお給料かボーナスを3%だったか上げるようなこと仰って、総理もテレビも、それを繰り返し言っている。大いに結構な話で、多くの企業せめて経団連に所属しているような企業は、皆見倣えばいいだろう。ローソンてたしかスーパーダイエーの子会社だったような記憶があるし、その割に随分景気良い話なので調べてみると、今やダイエーとは全く関係なく、三菱商事が引き取っていました。

親会社がよたよたしていたのでは、とても総理の発言に提灯付ける訳にはいきませんが、三菱商事であれば当然かもしれません。因みに昨年度売上は1兆8500億円、店舗数は10,457店舗、従業員数は最低でも店舗数を上回るかと思いましたら6,475人と公表されています。小泉構造改革以降はどの企業でも同じようですが、公表する際にカウントされない非正規社員が1店舗当たり何人いるのでしょうか?

24時間営業している店舗では3~4グループのシフトは必要でしょう。恐らく最低でも5人や6人は居るはずです。こういった方も社長発言のおこぼれにありつけばハッピーです。5千~6千万人と言われる総労働人口の中でローソン関係者が10万人とすれば2%。皆ハッピーになることを祈ります。

2013年2月20日水曜日

俺が悩んでも仕方がないが

円が安くなり、株価が上がりさえすれば世の中すべての問題が解決しそうな勢いで、政府関係者、特に安倍総理の経済政策に関する発言のはしゃぎぶりは目に余る。しかし多くの市民も同じ思いなのか、マスメディアだけかもしれないが、円安・株高が永遠に続くと思っているかのようだ。消費税アップとの交換条件とされている社会保障国民会議や国会定数是正についての議論の動向は全く聞こえてこない。

昨日の参議院予算委員会での子育て支援政策に関する発言のそっけなさに至っては、質問者の相手をする気さえ無いようだ。自分に子供がいない、前政権の子供手当て等の支援策に反対し続けてきたからとて、そこまでそっけなくていいものか?孫に「将来のことを少しは考えろ」と言ってみたところで、目先のお遊びと勉強で頭が一杯なのだから無理である。将来のことを心配するのは大人たちの責任だろう。

国の指導者が子孫への借金を膨らませて、一時のバブルを発生させることは出来ても、彼等も我々もあの世行った今世紀末に、人口が5千万人になっていましたでは洒落にもならない。人口減少を食い止めるため、政府による政策支援で果たして出生率が改善向上するものかは、小生も大いに疑問は感じている。であるが、これが象徴的な事であるのも事実だろう。目先も結構だが、国家百年とまで行かずともせめて30年50年程度の国家観を持ってほしいものだ。

40歳代後半ぐらいでローンを組もうと考える人以外の庶民にそんな大それた考えはを持てと言っても無理である。きっと婿殿たちは安倍さんよりも真剣に将来を考えているだろう。娘の方は二人とも余り真剣に考えたり、子供たちの代わりに考えてやる風情が見当たらないな。こちらも代わりに心配してやりたいが、何となく生きてきたので経験に照らしてもいい知恵が出ないのは残念である。

一つ言えるのは、小生は時代に恵まれていたが、今後は過去50年のような時代でなくなることだけははっきりしていそうだ。自分のことは何の参考にもならないが、幼い頃の親や大人たちについて憶えている事がある。我々世代は直接コミットしていない人の方が多いかもしれないが、ほとんど全ての国民が何らかの形で食料を採集したり栽培していた。

誰もが草木を採ったり鳥を捕まえたり魚を獲る術、食物を栽培する術の何かを身につけていたものだし、学校でも真剣に教えていたものである。今更こんなことを言うと笑われそうだが、現代では食料が無くなるなんて事態は想像だに出来ないだろう。津波が来るのは千年に一度、それさえ二日三日耐えれば、お金さえあれば何でも買えるのだから。日本の農業がどうなるかなんて関係ない。グローバルに考えようが世の流れである。

確かに、孫たちには外国語の一つぐらい喋れるようになったほうがいい、とアドバイスしたい気持ちも無いではないが、もっと大事なことが何かありそうなので、将来に関するアドバイスは結局何も言わない。

2013年2月19日火曜日

殺人予告なりすまし犯人

先日、真犯人逮捕と報道された遠隔操作ウィルスでのなりすまし犯人の件。江の島で猫に媒体入りの首輪を巻き付けているところをばっちり監視カメラに写されて、あっさり御用になってしまった。30歳独身でIT関連企業勤務に勤務しているし、8年前に同様の事件での逮捕歴もあるようだ。逮捕時の写真も何枚も公開されているし、テレビには逮捕前の映像すら公開されている。

かなりお宅っぽい青年だから、如何にも真犯人みたいだ。しかし、逮捕された時不思議に思った事がある。前科があるなら、警察は彼をマークして徹底捜査をしなかったのだろう?事件が愛知・三重とか神奈川とか福岡県のことで警視庁は取り敢えず関係しなかったのか。そんなことはあるまい、今度は警視庁が逮捕したようだ。もう一つは逮捕直前の映像が大量に流れ出ていること。警視庁が懲らしめの意味でリークしたかと勝手に解釈していた。

ところが今日読んだネット情報によると大分事情が違うらしい。彼が真犯人かどうか警視庁も確信が持てずにいた時に、何かの拍子でテレビ局が嗅ぎつけて取材を始めたので、逆に警視庁が慌てて逮捕に踏み切らざるを得なかったようだ。このところ他に大きな事件が相次いでいるので、すっかり忘れられた形になっているが、取り調べはあまり順調に進んでいないようだ。

容疑者は取り調べの録音・録画を要求したりして、起訴可能になりそうな供述はまだ何もないらしい。ついた弁護士がまた有名な人で足利事件の担当弁護士だったとのこと。もちろん自宅や勤務先からPCを押収して物的証拠の洗い出しを急いでいるようだが、こちらの方もはかばかしい結果は何も見つかっていないようだ。逆にまた誤認逮捕ではないかとの疑いさえ出てきているとのこと。

理由をこう述べている。「そしてプログラミング言語です。彼が、C#言語で書かれた遠隔操作ウイルス iesys.exe (アイシス・エグゼ)は使えないという事実。 もちろん、彼はC言語やC+などは使えますから、同系列のC#がまったくわからないわけではない。でも、まったくわからないわけではなく、チェックぐらいはできるというのと、それでプログラムが書けるかというのは別問題です。」面白いと言っては不謹慎だろうが、ネットの世界はわけが分からない。誤認逮捕だったら、全都道府県の警察で合同捜査本部を作った上のことだから、警察の面目丸つぶれになるだろう。

最後には以下のコメントが書かれていた。
「検察の取調べが、いままで、一切なかったというのも、検察はもはや逃げ腰モードに入ったのでしょうか。逮捕状出しちゃったんですから、いまさら知らん顔もできないと思いますが。 そんなわけで、弁護団側は、取り調べの可視化を要求するとともに、冤罪であることを確信しておられるようです。」
捜査側も発想の転換が必要だろう。

2013年2月18日月曜日

孫に代わって

昨日の日曜日は珍しくユニークな1日になった。普段であれば午前中はプールで運動して午後はぐったりしてだらだら過ごすのだが、昨日は下の娘から昼頃までに六本木の新国立美術館まで行く用事を頼まれてしまった。依頼の話は先月の終り頃あったもので、「中学2年生の孫が習っている習字の塾か何かで何かに入選したが、当日はバスケの試合があるので本人も親も行くことが出来ない。

代理人が出席と連絡しておくので、代わりに行って表彰状を受け取ってきてほしい。場所は美術館3階の講堂、時刻は13時からだから12時半頃行って展示を見てから受付に行けば丁度いい筈。私も一度行った事があるが、表彰式なんか町の公民館でやる程度のもので、すぐ終わる筈。」「お前、 そんなこと言っても新国立日美術館て広いぞ。先ずなんと言う会なんだ?」「えーと、あそうそう、あきつ会て言うのよ。」

いつものことで、てんでいい加減な話だが、可愛い孫のことなので昼飯を後にしようと思い、12時過ぎに美術館に行ってみた。丁度美術展の季節外れと見えて習字の展覧会が多かったが、あきつ会の展示場は2階で直ぐ分った。当然無料なので1号室に入ると、大きく立派な書が何点も掛かっている。町の公民館レベルとは大分話が違う。30分そこそこで孫の展示を見つけなくてはいけないので、とても鑑賞なんて言えないスピードで展示物を確認していくうちに出口に到達してしまった。

どう見ても中学生のお習字レベルの掛物が見当たらない。仕方なく3階の講堂に行って受付をしてもらう。結構混雑しているので「受賞作の展示は?」と聞きそびれ、「展示は2階ですか?」と聞いてしまった。勿論返事は「はい、そうです。」表彰式に座る椅子を指定を頂いて、再度2階の展示場を廻るが目指す作品は見当たらない。そうこうするうちに13時直前になってしまったので、講堂に戻って指定された席に着席。1列4×5で20人が5列100人分が席に名札が張ってある。

更に後ろに名札の無い席が5列以上あり、そこまでは既に満席で立ち見まで出て相当な人数になっている。表彰される児童一人に付添が倍以上来ている勘定だろう。13時きっかりに表彰式が始まったが、壇上に並ぶ会の幹部も受賞者も圧倒的に女性が多い。会の幹部は全員女性で事務局に数人男性がいたくらい。会はきっかり1時間で終わって、事務局の説明を聞いていると、下に展示されているのは受賞作品中特選になった7点だけらしい。

我が孫の作品は見当たらなくて当然だった。同じ列に座っていた他の3人は皆中学3年か2年生だったのだろう。3人とも可愛い顔の女の子で、賞状の受け取り方は前の生徒さんのやり方をすっかり真似させてもらった。なんたって賞状を受け取るのは初めてで、卒業式は中学が最後だったのだから仕方ない。同じ表彰の20人位が壇上で賞状と盾を手に記念写真撮影があった。
孫に手渡されるかどうか分からないが、見たいし、見たら孫は笑うだろうな。

2013年2月16日土曜日

不吉な予感

昨日は久しぶりに昼から出かけて事務所に戻らなかったのでブログを書かなかった。平日のブログをさぼるのは久しぶりなので、仕事をさぼったような感じがしてしまう。最近唯一の仕事がブログ書きみたいものだから仕方ないのかもしれぬ。だから今日はと思うが、書きたいほどのことは何もない。昨日夕方まで友人の事務所にいたので、夕食を外で済ませて8時過ぎに帰宅した。

早速婆さんが聞いてきた。「今日のニュースを見た?」昼前から外出していたので、勿論今日の出来事は何も知らない。ロシアに隕石が落下して大勢の負傷者が出ているとのこと。9時からのニュースでしっかり見たが、成程凄いものだ。死者は出なかったようだが、負傷者が昨夜の200人以上が今朝になると1200人に増えている。YouTubeにアップされている映像が沢山あるのでテレビ制作者にとっては有難いことだろう。

首都モスコワから1300キロ離れた辺境の街とのことで、見るからに人気のない田舎にも見えるが、英語を話す住民も出てくるし、これだけ大量の映像が即座にネット上にアップされることにむしろ感心してしまった。毎日見たり読んだりするニュースの殆どは直ぐに忘れてしまうが、今年は嫌な事件が多いような気がする。グアム島で起きた訳の分からない事件に隠れて、アルジェリアの人質事件は忘れられているが、今朝の新聞を見ると首謀者の生死が判明していないらしい。

ロシアの隕石落下地点の数近くに原発があったらしいが、日本に隕石が落下しないなんて誰も保証しえない。今日地球に接近と予測された天体は、幸いにも昨夜中に地球からは離れつつあるらしい。夫婦でそんな話をしていると、箱根山と富士山が近い将来同時に爆発するという人もいるみたいよとのこと。天変地異だけでも戦々恐々としなきゃならないのに、やれ北朝鮮の核実験だことの中国軍部が尖閣を巡って暴発しかねないだの、心配しだせばきりがない。これ以上何も起こらなけりゃいいが。

スポーツだけは若手の選手たち(特に女子)が頑張って明るい話題を提供しているのに、レスリングがオリンピック競技から外されるかもしれないとは
水を差すもいいとこだ。只でさえ東京は放射能汚染問題があるのに柔道指導部の問題、高校バスケ部指導者の不祥事問題が上乗せされれば、東京オリンピック招致なんかとても無理ではないか。

今からロビー活動を強化なんて言ってもツーレイトに決まってるだろう。元々オリンピックになんか来てほしくないと思っているので丁度いい。日本はその前にやるべきことが沢山ある筈だ。分相応にいこうよ。

2013年2月14日木曜日

読後感『荻生徂徠「政談」』尾藤正英 抄訳

大分前に書店をうろついていた時、タイトルの「政談」が現代風だったのでつい買ってしまった。読み始めると、余りに古臭い話なので中途半端で措いていたが、やはり気になって最後まで読み終わると結構面白かった。勿論荻生徂徠なる人物のことも殆ど知らなかった。

本書の4分の3が徂徠「政談」の現代語訳で残りが徂徠についての解説になっている。抄訳となっているように、原本に記載されている余りに細かい部分を端折っているようだが全体の構成骨格は失わず、言わんとするところはよく理解できる。元々本書は徂徠が晩年になって仕えた8代将軍徳川吉宗に対して、国家の安定統治の為にと建白した書とのこと。殿お一人が読まれた後に破棄してくれ、最後に態々書いている。

巻、現代風には項目建が4巻構成になっている。1.が社会に対する全般的な統制の方法。2.が経済政策。3.が幕府の職制と人事について。4.がその他の諸問題。徳川氏が治めた江戸時代が250年の命脈を保ったことは、1300年前の奈良時代以降の日本史の中でも驚異的な事とされている。徂徠が最初に幕府に登用されたのは1700年代の初め、5代将軍綱吉の時代、側近の側近で幕府側用人・川越藩主の柳沢吉保に抜擢されたことに始まる。

ところが綱吉が1709年に死去、吉保も失脚と共に市井私塾(蘐園塾ケイケン塾)の儒学者として過ごすが、3代後の吉宗の時代になって再び幕府に登用される。実はこの間、6代家宣、7代家継は僅か7年。しかし彼が失脚している間に幕府の御用を勤めた儒学者が新井白石で、この二人の間には感情的にも論理的にも大分確執があったようで、具体的には後半の解説に述べられている。しかしその程度の解説では、素人の小生には論理的差異など殆ど理解できない。

そんなことより、先ず儒学なるものすら理解できていなかったのだから何をか況やである。孔子の教えを学ぶとか、経書を学ぶと言われても、孔子も経書も分からないのだから仕方がない。鎌倉時代から輸入され始めた中国の古い歴史書に書かれた、伝説的為政者の業績を学んだとでも解釈しておこう。
辞書も無い時代に、大量の小難しい外国の本を読みこなすのが当時の知識人であり、為政者の方もそのような人の言うことを真面目に聴いたということにも感心してしまう。

この書の要約を抜き書きするとこうなる。人間社会においては「道」が最も大事な概念である。為政者に於いては「天下を安寧にするという目標を実現するための方法、具体的には政治の方法」であり、万民にとっては「その安寧なる天下の秩序を維持していくために従わねばならない生活のルール」である。そして徂徠はこれを具体的に分かりやすく説いたつもりであろう。

その際、原文がそのようになっていたかどうか確かめようはないのだろうが、
個人と社会の関係を私vs公として、個人は組織の一構成要素に過ぎずと断定。更に人間は天命を知る事も必要とし、常に分を弁えること強調している。これが極めて日本的で、徳川時代はおろか先の大戦が終結するまで、日本人の精神的規範になってきたようだ。徳川や維新後であっても政権を維持するためには好都合であったに違いない。

因って徂徠が頑迷固陋と断ずる訳にいかない。個性を器と言い、人はそれぞれ異なる器に恵まれているとして、人材の登用などについては全く現代にも通じる説を述べている。何よりも社会の安定のためには、先ず為政者の哲学と実践を強調しているのだ。この辺が今の為政者や周辺に巣食う学者と大分違うような気がする。

2013年2月13日水曜日

東電 盗人猛々し

311の大震災からもうすぐ2年も経つ。政治家のパフォーマンスばかりが目立つが、東北の被災地の復興や福島の原発災害の補償や復旧は一向に捗らない。特に放射能汚染地区の問題は深刻である。関係しているNPOが除染に少しでも役立ちたいと、具体的提案を初めて既に1年以上になる。4か月前に環境省のやっと実証試験までこぎつけてはいるが、自治体から国に至る役所の連携の悪さもある上に政権交代があったりしたので、余計に反応が鈍いのかもしれない。話が一向に捗らない。

何事につけレスポンスの悪さは酷いものだ。先日その事について話している時に元役所にいた人からとんでもないことを聞いた。「東電は破綻処理していませんね。だから原発被災地の復旧復興についての費用は将来全額東電につけ回しをすることになっている。従って、経産省にしても環境省にしてもやたらに決済が出来ず、全て東電にお伺いを立てているのですよ。」これってとんでもない主客逆転現象ではないか。

只でさえ腹立たしく思っていたら、今度は国会事故調に対する虚偽申告というか、調査を妨害するためにとんでもない嘘をついたことが発覚した。昨日の予算委員会に質屋のオヤジみたい風貌の社長が出てきて「担当者の勘違いでご迷惑をかけた。今後は真面目にご協力申し上げたい。」みたいことをしゃあしゃあと喋っていた。国会議員もマスメディアもそれをそのまま聞き流すのだから恥を知れと言いたい。

おまけに我が事務所の12月からの電気料金が前年度に比べると15%程度高くなっている。自宅の方は未だ聞いていないが同じことになっているのだろう。これがアベノミクスだとしたらとんでもない話だ。昨日は爽やかで目出度いことを書いたのに、東京電力で今日は正反対のことになってしまった。
安倍政権ではなくて民主党菅政権のせいだろうが、枝野氏にしろ海江田氏にしろ東電を潰さなかったも大失政で、この責任だけでも民主党消滅に値する。

2013年2月12日火曜日

嬉しきこと

一昨日久しぶりに少し山を歩いたお陰だろう。この二晩の睡眠が近年まれに見る深さで起き抜けの気分が実に爽快である。起き抜けが良いと朝から何事もスムーズに回転するようで、朝から今日は何か良い事がありそうな予感があった。大体小生は健康法の一つと思っているのだが、生活時間を几帳面に守っている。特に起床時間、手洗いと洗面、朝食、家を出る時刻、事務所に入って先ず行う軽い清掃、事務所を出る時刻、入浴、夕食、就寝(ここだけは日によって大分異なるが、遅くとも10時半には眠りに入ることが多い)。

就寝以外の起動時刻について毎日殆ど同時刻にしている。起床は最近まで6時半にしていたが、婆さんの怪我以降は15分早めて現在は6:15分である。就寝時刻がかなり変動するので、目覚めについてはばらつきがあるが、起床時刻まで布団の中でテレビを見ている。これが長い時は1時間以上になるのだが、この二晩、就寝が非常に早かったにも拘らず6時頃まで目覚めなかった。しかも夜手洗いに起きたのも1回だけだったので、たまに身体をいじめて疲れさすのは良い事だとしみじみ思った。

起床前に布団の上で軽いストレッチを15分ほどして、その間にパソコンを起動してインターネットに接続、家を出る時にシャットダウンする。普段全く使用しないパソコンなので、起動だけしてセキュリティーソフト更新の時間を作るためである。この作業をしない人が多いと思うが、必要になったときパソコンを立ち上げてもサクサクいかないのではないだろうか?一寸したことだが、これをするのとしないのではパソコンの反応が大分違うと思う。

似たようなことで、高校同期の友人が昨日メールで母校恩師の逸話を寄せていた。この先生の記憶は全くないのだが、当時の教師像を髣髴して大変興味深い。
>化学のO先生、先生のご自宅は学校から3里の松代。先生が毎日通勤に使っていた自転車についての話である。「先生によれば、ゴムは膨張していると劣化しやすいというのです。ですから登校後は毎目、タイヤの空気を抜いて自転車を逆さまにして置くのです。そして帰宅の際に再び空気を入れて自転車をこいで行くわけです。」<
本題から逸れるが面白いので紹介した。昔の人の几帳面さはここまで徹底している。

兎に角今朝は何をしても、サクサクことが捗り、懸案事項が片付いていく。たまにはこんな日があるのもいいなと思っているうちにハッと気が付いた。今日は婆さんの誕生日だった。いつもだったら、毎度のことだからま、いいかで放っておくのだが、直ぐに電話で「ごめん、忘れていたよ。」と言った。
相手は笑っていたが、こんなことを素直にできるのも精神状態が安定しているからだろう。良きことは重なるようで、孫が受験していた高校にパスしたとのこと。

これも嬉しいニュースだ。「俺、勉強のしすぎで癌になりそうだ。」なんて言っていたと聞いていたが、1発目の滑り止めが引っ掛れば後は気が楽だろう。

2013年2月11日月曜日

初山歩き


連休中日の昨日、久し振りに早起きして今年の足慣らしのため丹沢の塔ノ岳に行ってきた。家を6時丁度に出発して100メートル程のところで、「待てよ、アイゼンとサングラスを忘れているぞ。」と気が付いた。引き換えす時間の余裕は十分あったのだが、「ま、いいか。1400メートルしかない里山だ。先週水曜の雪は残っていまい。」でそのままにした。今年初のことなので、荷物はできるだけ少なく、ザックも25リットルの最小のものである。

新宿からの小田急ロマンスカーも快適であったが、秦野に近づくにつれて見えてきた丹沢の山頂付近はうっすらと白くなっている。不吉な予感がしてきたが、今更戻れない。秦野の次の渋沢から駅大倉登山口方面のバスはもう満員である。これだけ大勢いれば踏み跡もしっかりするだろうし、何とかなるだろう。登山する人間にとっては最悪の思考パターンになってしまった。

初めてのコースであるが前後に登山客が大勢いるので安心できる。8時半から歩き始めたが、風もなく穏やかなハイキング日和なので、家を出る時被っていた毛糸のキャップは夏の登山帽に替え、上着も脱いで普通に家で着ている長袖のポロシャツになった。コースは途中まで安定した歩きやすいコースであったが、中ほどから上は行きは凍って固く、帰りは泥んこで往生した。
しかし天気が最高で、富士山もよく見えたし、初歩きとしては文句のつけようがないほど楽しいものになった。

山歩きの詳しい情報はこちらをご参照ください。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-268246.html

2013年2月9日土曜日

早春賦

http://www.youtube.com/watch?v=n_vWpnYv2FA
春は名のみの 風の寒さや
谷のうぐいす 歌は思えど
時にあらずと 声もたてず
時にあらずと 声もたてず

氷融け去り 葦はつのぐむ
さては時ぞと 思うあやにく
今日も昨日も 雪の空
今日も昨日も 雪の空

春と聞かねば 知らでありしを
聞けばせかるる 胸の思いを
いかにせよと この頃か
いかにせよと この頃か

インターネットで検索して聴くと、いい歌だなあとしみじみ思う。

このタイトル通りの昨日の寒さだった。夕べはブログ友達のSさんに鳥越でご馳走になり、10時近くに帰宅したが寒さが半端ではなかった。でも立春を過ぎているのだから早春であることは間違いない。現代の小学校でもこの曲が教材になっていればいいと思うが果たしてどうだろう。本当に昔の先生は子供の為に良い曲を沢山作ってくれている。大正時代に東京音楽学校(今の芸大)の教授が作詞したものらしいが、信州安曇野の雪解け風景に感動して作詞されたと伝えられている。気持ちがよく分かる。

昔の先生方は子供たちの情操を育むことをとても重視していたに違いない。婆さんが歌が好きなのでテレビの歌謡番組はよく見るが、聞いて気持ちのいい曲も沢山あるが、歌い手さんにもよるのだろうが、聴いていて只騒がしいだけとか、何となく耳障りだとしか思えないようなこともたまにある。AKBの曲で育まれた青年の感性が将来どんな形で現れるのか?爺が心配しても始まらないだろうが、我が孫連中の将来像が、何かすごくお目出度い人間になりそうで心配である。笑い

谷はおろか街場でさえ鶯の声は聞こえてこないが、年寄りは段々せっかちになる。明日は今年初めての山行きを決断。丹沢の塔ノ岳に行くことにする。標高は低いが、高低差が12000mあるらしい。足慣らしにはもってこいかもしれない。何故ならば、連休の中日の明日はプールの定休日。ネット囲碁とブログだけで過ごすのも健康によくなさそうだ。今日プールで体重を測定するとこの1週間で1キロも体重が増えてしまった。今週は飲む機会が多かったうえに、2日連荘でロースカツにビフテキを食べてしまった。

ネットの登山ガイドを見ると全行程歩行時間6時間とある。マイペースで行くと多分8時間くらいは歩くことになるだろう。少し体重が減ってくれないものか。

2013年2月8日金曜日

日中関係 外交音痴では困る

日本では政権が交代しても、中国との関係がどうもしっくりこない。民主党の菅総理、野田総理の時も殆ど相手にされていない感じがあったが、だからと言って前政権は少なくとも喧嘩腰で中国に向き合ってはいなかった。むしろひたすら先方の機嫌を損ねまいと、やや卑屈になり過ぎたが故に、中国から舐められたのかもしれない。今度の安倍政権は日中関係の改善を重要視するようなことを言っているが、そのための積極的なアクションは何も見えてこない。

先日も書いたが、高村正彦副総理の発言では「前政権のせいで関係が悪化しているが、先ず中国が、条件を整えて来て下さいと言うのが先で、こちらから出向くつもりない。」と凄く上から目線の発言をしていた。こんな事から見ても、関係改善に向けての具体策を持っていないと想像する。そのうえ尖閣周辺で発生している中国艦艇の行動についての因縁のつけ方見ていると、全くの外交音痴なのか、意図的に防衛省の言い分を前面に押し出して喧嘩を売っているのか分からなくなってきた。

現役の外務省でさえ、相手側に何の事前連絡も無しでいきなり新聞報道はないだろう、とあからさまに防衛省と官邸を非難している。相手に恥をかかせる前に、外務省の然るべき人間がすっ飛んで行って「この事実をどのように認識しているのでしょうか?」と問い合わせるのが当然。第一中国政府だって軍は指揮下に無いので、軍が勝手にやっている公算が大なのは常識。政府が意図的にさせてことだったら、公表しますよと言えばいいのだそうだ。日本の外務省も新聞報道があって知ったらしい。

双方の外務省が大恥をかいている。今朝の報道では攻撃用レーダーの照射なんてことは随分昔からあったことらしい。如何に現内閣が幼稚かと思われかねない。これも昔から言われているが、防衛外務の両省が犬猿の仲であることは政権が代わっても何も変わっていないようだ。そこに持ってきて両省の大臣閣下の小野寺氏に岸田氏のお二方、失礼ながら余りに軽すぎないか?官僚に好いようにされているのが見えすぎる。これで戦略的互恵関係が築くが聞いて呆れる。

政権が代わったと言うことは、少なくとも3年か4年はこの自公政権で国を運営してもらわねばならない。国家運営なんて急旋回が出来ないこともよく分かっているのし、前政権が目指した方向と基本的な相違は、低所得層への配慮ぐらいのことで、外交戦略に大差があるべき筈も無いことは誰もが認めるところだろう。何処の国に対してもに対しても余り弱腰は善くないだろうが、かと言って宗主国アメリカにゴマする心算で中国に対して居丈高になるのはもっと悪い。アメリカで裏目に出ることだってあるかもよ。

2013年2月7日木曜日

日本の将来と営業のお仕事

今日は昔お世話になった方から食事をご馳走になりながら、非常に有益な話を伺った。こちらがお金を払っても聞きたいような話で、主なテーマはこれからの日本がどうなるかについてだった。曰く、日本の人口減少に伴う産業構造の変化を考えると、余り明るい見通しは立ち難いとのこと。株高や円安で浮かれている人々に聞かせたいような話である。

TPP問題についても、国内の議論はそれぞれの立場の人が我が田に水を引くような議論ばかりで情けない。米一つとっても、10年程度の移行期間が置かれたにしても、関税を撤廃して開放したらどうなるか。多分その時が来たら、お米を作っている人は趣味でやっている人だけということにもなりかねない。ではTPPに参加せずに10年後に何が起きているか。米以外の分野での不都合がごまんと生じているだろう。

要するに非常に難しい問題には違いないが、日本と世界の趨勢を俯瞰的かつ長期の見通しに立っての議論が全く不足している。今世紀末には100億人と予想されているように、地球の人口が増えても作物の耕作面積はもう殆ど開発の余地が無いわけである。今世紀末の日本人口が5000万人を切っていたとしても、果たして食料を確保できるだけの経済力が残っているか否か。
今世紀末と言えば、我々はこの世に居ないが、孫は確実に生きている。世紀末を考えなくても、まだ我々が生きているかもしれない10年後、子供たちの世代の30年後なんてあっという間にやってくる。

官僚にしろ政治家にしろ議論がいつも近視眼的で、己の理屈に不都合な事実には、目を背けてだんまりを決め込んでいる。結局政策議論がピント外れとなり、嘗てのGATT交渉の時と同様、食糧問題の解決策でゼネコンだけが潤ったりする結果に又なりかねない出来ないことを非常に残念がっていた。

将来の見通しが厳しいなら、国を挙げて節約志向はできないのですか?との質問をぶつけると、一旦豊かな生活を享受してしまった現代人には無理だろうとのこと。日本人全体の極楽とんぼ的な生活の話から飛んで、若い人の対人関係の話になった。若い人だけでないかも知らぬが、最近は他人の話を聞くことに関して手抜きをする人が多いこと。営業マンは御用聞きと言われるように、営業先を回って得意の意向を掴むのが仕事の基本だが、仕事があれば先方が何か言ってくるだろう、が今や当たり前になってきているそうだ。

最近は技術立国が強調され、パソコンが幅を利かす世の中なので、人間関係を円滑化する営業の意味が軽んじらている可能性はありそうだ。営業を専門として過ごしてきたので、成程ねと思った。

2013年2月6日水曜日

尖閣周辺の報道

我々の一世代上の先輩は戦後アプレゲール(戦後派)と呼ばれ、戦争を知らない連中には困ったものだ、と更に上の先輩たちから非難されるのが常だった。当時の我々は当然人間の勘定に入っていない丸きりの子供である。それでも戦後10年くらいの間に親たちが舐めていた苦しみは、子供心にも深く刻み込まれている。同世代の人間全てではないだろうが、個人的には何があろうと戦争はいけないとの確信を持っている。

少し前までは勝てる戦争ならしてもいいか、ぐらいに能天気なことを言ったりしてたが、勝負の世界で絶対勝てるなんてことはあり得ない。戦争を経験した人が口を揃えて仰るとおり、どんな事があっても戦争はいけない。昔から平和ボケと言われるほど、日本人の大多数は戦争=絶対悪に近い思想で戦後半世紀を過ごしてきたと思う。個人的にも戦争とか闘いという言葉に近づかないようにしていたといっても過言ではない。

しかし、東西冷戦構造が終焉を迎え、バブルの頂点を極めて21世紀に入った頃から、どうも雲行きが少しずつおかしくなっている。思い返すと、21世紀初頭(2001年9月11日)に発生したアメリカ同時多発テロ事件をきっかけに、当時のブッシュ大統領が始めた大義のない戦争に、我が国では小泉政権が無批判にものこのこついて行ったあたりから始まり、最近では戦争とか闘いましょうといった言葉がやたらに多くなってきたような気がする。
「喉元過ぎれば熱さ忘れる」喩え通りではないか。

世代が入れ替わってしまっているのだから熱さは最初から知らない訳だ。仕方ないと言ってしまえばそれまでだが、国民をリードする立場の人間は、歴史を真面目に勉強して、先輩が諸外国とどのように向き合い、後世の何を憂い、何をしてきたかを先ず知るべきである。これがまるで分っていないような発言が多いのでゾッとする。その意味で外務省、外務大臣の役割は大変重い筈。ところが最近の外務大臣は小者と言ったら失礼かも知らぬが、殆どアメリカのメッセンジャーにしか見えないのは小生だけか?

防衛庁が内閣から分離して防衛省に昇格したことに文句を言うつもりもないが、これが戦う自衛隊になるための第一歩だとしたら大問題だ。少し前までは、自衛隊が話題になる時は「専守防衛」が必ずセットになっていた。これが最近はあまり聞こえてこない。東シナ海の問題でも、勇ましい発言がコメンテーターの口から出てきたりしている。大衆受けはするだろうが、外交は国内の大衆から喝采を浴びて気分を高揚してもらったのでは、危なくて見ていられない。

最近年寄りの効用について何回か触れているが、同じ年寄りでも石原慎太郎氏みたい方もおられるので、内心ハラハラしている。

2013年2月5日火曜日

ウーマンパワー

先日、大学を卒業して最初に入った広告会社の後輩の話を聞く機会があった。彼女も大分前に会社を辞め、起業している。栄養学校の出身ながら会社では企画部門から営業部門に移り大活躍したらしい。残念なことに、彼女が正社員になった年にこちらは大阪支店に飛ばされてしまったので、殆ど一緒に仕事をしたことはない。しかし小生が担当していた顧客を大分引き継いでもらったので話がよく噛み合った。

それよりなにより彼女の新規顧客に関する話が大変興味深く、もっぱら聞き役に回った。我々が30歳代から40歳代にかけては、女性のクリエーターや企画担当は存在したが、営業担当なんて想像すらできなかった。40歳代半ばを過ぎ、東京に戻って再就職した会社で見た女性営業担当が初めてだった。その時に会社の専務から「アメリカの広告会社では女性役員が男性よりも多いそうだ。」と聞いて「そんな時代か」と思った事を記憶している。

今回彼女の話をいろいろ聞くと、成程半端な男より余程上だなと思った。半端な男は言葉の綾で、営業はむしろ女性の方が適しているかもしれない。女性は先ず基本的に人当たりが優しいだろう。今回話を聞かせてもらった彼女もそうだが、何よりも小生なんかより腹が据わっていると言うか根性があるような気がする。女子柔道選手と協会の駆け引きを見ても男勝りなんてものじゃない。女子が強くなったのは最近の傾向かと思ったら、我が家と同様で、昔から本質的に男は駄目なんだそうだ。

それに男は生活感に乏しいせいか、以外に物を知らない。小生なんかを引き合いに出すのは男性諸氏に失礼なので控えるべきだが、友人知己を見渡しても一般的にそう思う。営業担当は兎に角どんな相手が来ても、取り敢えずは話を合わすことが出来なくては勤まらない。彼女は栄養学を専門に学んできたことでもあるので、食品関係の顧客にはさぞもてたことだろう。辞任話を持ち出された時の会社の慌てようが目に浮かぶ。小生の時とは雲泥の相違だ。

諸々の調整の末、前の会社も手助けしながら目出度く独立起業の運びになったとのこと。今やその経験と女性の特徴を生かして、いろいろな事業に挑戦している。中で面白いと思った一つを紹介しておきたい。たまたま話題が考えていたことに合致してびっくりしたのだ。これも彼女の営業力だろう。

実はつい最近パソコンの中を整理して画像のバックアップを取ったとき、何百枚もある写真の中に自分の葬式に使えそうなものが1枚も無いことに気付いた。何時か機会を見つけて、スーツ姿できちんとしたバストアップを1枚撮ろうと思っている、てな話になった。すると彼女曰く「遺影は何もそんな写真である必要はありませんよ。」とのことで様々な事例を話してくれた。昨年亡くなられた髭の殿下の寛仁親王はスキーを履いた写真でしたしetc.

更にびっくりしたのは、同様な思いは世代を超えて多く人が抱いているのだそうだ。そこで彼女は早速一つのビジネスモデルを開発して、商標登録までしているとのこと。端的に言えば遺影を準備しましょうとのこと。普通の写真屋さんとは一味違うテイストがあるので、介護をしているお子さんたちが親のためにとか、結構ニーズもあるようだ。小生も自分用に一度客になろうかと思っている。詳しくは下記サイトをご参照ください。
http://www.travessia-i-face.jp/

2013年2月4日月曜日

買い物考

70年余を生きているが、世の中は知らないことだらけだ。最近毎日のようにお買い物のお使いをしているので、スーパーの食品売り場に関して少しずつ知識がついてきた。とは言っても未だ々々売り場の構造が頭に入っていない。毎日のように、商品を並べて忙しそうにしている店員さんを掴まえて「○○は何処にありますか?」と聞く始末。皆親切で、この爺さんには口で説明するより連れて行った方が早いと判断してくれる。

昨日は日曜日のせいか非常に混んでいた。恵方巻きの前には黒山の人だかり。レジで並びながら見ていると、恵方巻きのパックを買っている人が圧倒的に多い。全くそんな習慣がなかった東京でのことだから、何十年も前から宣伝努力を積み重ねた海苔業界の人には敬服したい。小生もその昔、海苔の宣伝の一翼を担わせて頂いたので、懐かしくも思う。仕事はやはり継続が力なのだろうか?

ならば結構なことだが、思うに最近は何事もスピードアップの時代で、事業にしても商品にしてもライフサイクルが短いのが一般的なようだ。特に家電、中でもテレビは更に新しい方式が生み出されると噂されている。もう本当にいい加減にしてくれだ。婆さんじゃないが、「これ以上タレントの顔の皺がはっきり見えてどうするの。」である。もう新しいテレビが出ても買うまいと話し合っている。

消費が増えなければ日本の景気が良くならないそうだ。何とか協力しなければとも思うが、買いたいものが無い。せめて外食くらい贅沢にと思うが、夕食を外で食べる機会が少ないうえに、昼食はそんなにカロリーを摂る訳にいかないので、勢い安目の定食が中心になってしまう。テレビの宣伝を見ている限り、車と携帯端末と健康食品がメインに見えるが、その何れとも縁が無いのが日本経済にとって不幸なことだ。

話が飛躍するが、中国では空気の缶詰なる商品があるらしい。それ程空気の汚染が深刻なのだろう。北京に限らず多くの大都市で「PM2.5」と呼ばれる微小粒子状物質の大気中濃度が1立方メートルあたり500を超えることが常態化し、世界保健機関のガイドラインでは、一日の平均値25以下が健康に害のない水準。中国の主要都市でこれをクリアしているところはほとんどないと言われる。経済の急速な発展の代償に国民の命を賭けているようで同情してしまう。

しかし空気ばかりは幾ら権力者でも、国民と同じ空気を吸わなければならぬだから可哀そうなものだ。日本の空気は売り物にしたいほど綺麗に思うが、外国人から見ると放射性物質に汚染されていると見えるのだろうか?買い物メモを見ながらとりとめ無きことを思った。

2013年2月3日日曜日

年寄りの存在意義

大学を出て最初に勤務した会社に白髪の経理部長さんがいた。父よりは少し若そうだったが、それでも60歳近くになっていたと思う。当時はもうリタイアの年齢だが、社長との友人関係があって勤めさせてもらっているとのことだった。大学の先輩でもあり、優しい小父さんだったのでよく昼飯やお茶に連れて行ってもらった。昭和も未だ30年代の末から40年代初頭の古き良き時代で、新人は朝の掃除が終わると、ゆっくりお茶を飲んだり、煙草をふかしながら新聞を読んだりして過ごす日が多かったので、よその部の仕事であれ、お使いに行ってくれとか、一緒に来てくれと言われると喜んで出掛けたものだ。

お供で出掛けると、必ず食堂や喫茶店で長時間にわったてだべるのが常だった。小さな会社で、多分無借金経営だったので、銀行にもぺこぺこせず済み、経理部長も優雅だったろう。脇から見ていただけだが、主な仕事は営業マンの要請で請求書を書いたり、集金にあたって領収書を発行したりして、受け取った手形小切手を銀行に運ぶのが主な仕事だったに違いない。全社員が30人とちょっとしかいない上に、何故か残業なんて概念が無かったので、給与計算にしても、日々の出金処理にしても大したことではなかったともう。

現代であれば会計ソフトを使って社長一人がこなせる仕事を、部下に男性一人と女子二人置いていた。昔気質の人だから字がとても上手で「辞令 営業部員を命ず。 月給一万七千円」なんて仰々しく毛筆で書いてくれたものが手元に残っている。給与明細は残っていないが、確かこれは部長が全員の分をペンで書いていた。給与の封筒は勿論毛筆で、○月分給料と書いてあった。大分経ってからのことになるが、この給料袋を家に持ち帰り、家人を畳に座らせ恭しく下げ渡す儀式が懐かしい。

この部長が口癖のように言っていた言葉が記憶に残っている「我々(年寄り)はもう仕事の役に立たないけれど、存在していることに価値があるのかもしれない。」慶応の出身だったのでいろんな会社にお友達がいて、駆け出し営業マンを紹介がてら同行してくれた思い出が沢山ある。その時はこんなことで利用できることを指して言っているのかなぁ、とばかり思っていた。しかし今になってみると、部長の言っていたことにはもっと深い意味があったように思えてくる。即ち若い社員を「見守る」仕事、これが意外に大きな意味があるのではなかろうか。

現代は全て合理化の時代だから、会社の部長と若い社員がさぼりながら会社の経費で飯を食ったり、お茶するのはいけないとされるのだろう。経理部長は酒の方が全くいけなかったので、昼間豪勢な飯を奢ってくれていた。一見無駄かもしれないこのような事が、社員教育にもなるし、管理職からすれば現場の問題を感知する重要な機会でもあったろう。その存在の価値は凄く大きいものだあると思う。今朝テレビで自民党副総裁高村正彦氏と元自民党自治大臣の野中野中広務氏の対談を見た。

高村氏は野中氏より18歳年下だが、よくこの二人を並べたと思う程話が全く噛み合わない。高村氏は野中氏を頭から馬鹿にしているのが見え見え。善い悪いは別にしても、年寄りの意見はもう少し真面目に聞いた方がいいと思う。

2013年2月2日土曜日

孫が塾通い?

明日は立春だからでもないだろうが、3月の陽気だそうだ。いよいよ次女のところで孫の受験が始まる月になった。

と言うのに受験生の弟がインフルエンザに罹ったらしい。一つ違いで受験に追い込みの兄と部屋を共有している筈なので、困ったものだ。この兄弟、正月はノロウィルスとかで顔を合わせることが出来なかった。もう1年以上顔を見ていないので会ってみたいのだが、どうもタイミングが合わない。受験勉強をしていると聞く兄の方について、昨日婆さんから面白い話を聞いた。婆さんもどこを受験するつもりか知らないらしいが、兎に角高校に入ったら、更に上を目指して学習塾に通うと言っているらしい。

我が家には新聞の折り込み広告で、パチンコ屋と塾の宣伝が季節を問わず大量に配達されるが、どちらともほぼ無縁、長女が一時アルバイトにどこかの塾の講師をしてたくらいしか縁が無い。子も孫も小学校の4年生か精々5年生頃までは通信簿を貰うと見せに来たが、中学生になると何故か通信簿が話題にならなくなってしまう。それでも娘は一人が4年制大学、もう一人は短大に進学できたので、塾通いしてまで勉強をすることについては、常に考えの外にあった。次女にしても同じだと思うが、孫が何故がそんな気持ちになっているのか是非聞いてみたい。

2年生まで熱心にしていたバスケ部を退部してしまったのも不思議だが、ひょっとして、婿さんの指導宜しきを得て、勉強に興味が湧いてきたとしたら我が家では画期的な出来事である。赤飯でも炊いて祝ってやりたい。スポーツであれ何であれ、本人が興味を持ったり楽しくなることが上達の早道に決まっている。小生の子供時代には残念ながら勉強以外に楽しく面白いことが多すぎた。現代はテレビとゲームぐらいしか楽しみが無いから、ちょっと勉強したら点数が良くなったなんて事があったのかもしれない。

2013年2月1日金曜日

俺は名コーチ

昨日に引き続き今日も日中かなり温かい。当たり前のことだが、日暮れも少しずつ遅くなってきている。そろそろハイキングのことも考え始めたくなる。毎年シーズン初めは3月で、高尾山とか奥多摩方面が多いが、今年は丹沢方面しようかと考慮中。まだ具体的検討には至らないが、今年はスキーに行く元気が出ないので、婆さんの怪我がある程度直ってギブスが取れたら、今月からハイキングも悪くなさそうと考えたりしているところだ。

このところ体育授業や運動部活での指導者による体罰事件が幾つも表面化してニュースを賑わしている。昨日は全日本女子柔道の強化コーチが槍玉に挙がって、辞任表明の記者会見があった。ニュースになったらどうにもならないのだから、このように当事者がカメラの前で謝罪するのが当たり前だと思うが、何故か当事者が会見に臨まないことが多い。記者の方もよくそんなことで引っ込むものだ。

当事者を誰が隠ぺいするのか分からないが、学校など教育機関の場合は当事者が姿を現したのを殆ど見たことがない。やれ教頭、校長から始まり、教育委員会だことの市長だ知事だの出てきて、頭を下げてみせるが白々しくて正視に耐えかねる。先ず直接の当事者が出て謝り、その後順に監督責任を持つ人間が謝るのが当然だろう。謝った人間は、当然ながらその場で責任の取り方を質問されるに決まっているから、辞任に追い込まれる筈だ。

「ごめんで済めば警察は要らぬ」と言うが、テレビに出てくる手合いは皆「ごめん」だけが役割で、職を辞したり逮捕されるのは当事者だから俺は無関係と顔にありあり書かれている。女子柔道の38歳男性コーチは警察官だそうだ。柔道連盟の中でどのような位置付けになっているか知らぬが、昨年秋選手の訴えがあった時に昨日のような会見を開いて「おかしくてやっていられないから、やーめた。」と言っていたら少しは世論とやらの方向も違っていたろうに。

格闘技の全日本級と言えばもうプロに近い存在。素人の能書きが通用する世界ではないだろう。まして対象が女子ともなれば真面目な指導者であればあるほど悩みを多いと思う。暴言も吐かず平手打ちも封印して本当に気合を入れることが出来るのだろうか。たまたま報道が重なる形になったが、何処かの大学か高校の柔道コーチで、教え子と肉体関係を持って弄んだとして告訴されたオリンピック金メダリストと同一に論じていいのかどうか?

運動は決して嫌いではないが、人に何かを強制されるのも、するのも嫌いなので、運動部に所属した経験が無いので間違っているかもしれない。スポーツは自己流では決して大成しない。マラソンの藤原新を見れば明らかである。指導者即ち名伯楽に恵まれて初めて超一流の選手になれる。何事も指導者次第であることだけは確かそうだ。名選手必ずしも名コーチではないそうだ。
「俺は何しても名コーチ」と密かに自負している。^^笑い