2024年3月18日月曜日

前歯の復活

 昨日までの2日間は<暑さ寒さも彼岸まで>でよかったが、今日はまた冬に逆戻り。三寒四温ともならずで北風が強く、春がまだ遠い感じだ。自然は天からの授かりものだから文句を言ってはいけないと思っている。先週志賀高原でスキーをしてきた友人によれば、絶好のパウダースノーで快適だったが、残念なことに昼飯があまりに不味いとのこと。如何にもそうだろうと思う。奥信濃の信州人に美味いものを求めることが土台無理な話。彼が言うように志賀高原は今後日本のスキー場ランクではずっと後退せざるを得ないだろう。

残念な気持ちもあるが、それで良いのかもと思ったりだ。最近貧乏暮らしが身についてきてるので、日本全体が少し贅沢になりすぎてるのではなんて思ったりもする。

閑話休題:今日の午前中は寒かったが、朝一番10時に予約していた歯医者に行った。いつも11時台の予約なので店が閉まっている池袋の街なかを歩くのもまた一興。ただ風が強いので道路脇に集められたゴミ袋が散乱しそうで心配にもなった。ドクターが先週型を取ってくれたが、帰りしな受け付け嬢がお金について何も言わなかったので(高額の支払いが予想される時は必ず前もって言ってくれる)、今日は最終ではないと思っていったところ、案に相違して今日で終わりとのこと。

受付嬢に「今日は特別にお金は用意してないよ。」と言うと「今日はこのカウンターでお支払い願いますが、多分大丈夫だと思います。」結果的には3866円だから持ち合わせで間に合った。帰宅して過去の支払いを合計してみると2月14日から7回通院して合計8266円。過去の入れ歯、ブリッジ、インプラントと比較すると激安。完全に保険治療だったのだろう。歯医者と言えばすぐ保険外治療の想像が浮かび、次女からも覚悟を求められていたので、なにか儲かったような思いだ。仮歯の期間に言われていたように、今後も前歯に負担をかけずに物を噛む習慣を身につける必要はありそうだ。

2024年3月17日日曜日

つまらぬ話

 来週から少し寒さが戻るとは言われているが、大分春めいてきたのは確かだ。良い香りを街中に放ってくれてた沈丁花や河津桜も大分散り、桜の蕾が出始めている。しかし歳のせいかあまり浮かれた気分になれないのも仕方あるまい。昨夜のリモート懇では、いつになるか分からない日本の総選挙に代わってアメリカの大統領選が話題になった。こちらは既に候補者が二人に絞られているが、結果を予測することが難しそうだ。

小生は二人共人格的に相容れないところがあるので困るが、年齢が少しだけので若いトランプ氏の方がましかなんて思うこともある程度の話。どちらにしても日本にとっては重い課題を押し付けられるだけのことだろう。そんな話題の中で、先の大戦で日本に無条件降伏を押し付けたトルーマン大統領について友人が解説してくれた。聞いて驚いたのはトルーマン氏は大学を出ていなかったとのこと。日本も田中角栄元首相は大学を出ていない。スポーツ選手に大学の勉強が不要のように権力者にも大学の勉強以外に必要な何かがあるのかもしれぬ。

因みにバイデン大統領にしてもトランプ元大統領にしても出身大学は聞いたことが無い。バイデン大統領は弁護士の資格を持っているので、アイビー・リーグには属さないどこぞの大学で博士号は取得されているようだ。日本でも明治時代以降の首相の学歴を調べれば面白いかもしれぬ。これまでにあまり考えたことは無いが、権力者に必要なもの中で学歴は特筆すべきことでは無さそうだ。いや権力者でなくても学歴は人生で大きな意味を持った人、持たない人がいて当然だろう。

2024年3月16日土曜日

理屈と膏薬

 昔からよく言われる「理屈と膏薬」は全くそう思う。年度末で大きなニュースが多く飛び交う中、公明党が自民党に説得されて外国(英・伊)と共同開発する戦闘機の外国への輸出を承認したとのこと。公明党は少なくとも平和の党を自認してきた。年のために申し添えれば、小生は全く信用していないが。このことは党の看板政策と大きな矛盾があるので色々理屈を並べている。宗教法人、それも日蓮宗の流れを汲むを背負う政党として恥ずかしくないのかと聞きたいが、恥ずかしくないから自民党の補完をしているのだろう。

理屈と言えば科学的理論とか哲学的論理を思い浮かべる人も多いだろうが、どこにでくっつく(貼れる)として膏薬と一緒にされている「理屈」は全く別で、本来「言い訳」とか「弁解」とでもすべきだっただろう。このチャンピオンは自民党、現在開催されている臨時国会は飽きもせずに裏金に関する理屈を延々と並べ立てているのはご承知の通り。国民もマスコミも余程暇か辛抱強いものと感心せざるを得ない。日本も来月には幾つかの補欠選挙あるようだが、世界はロシア、アメリカ、韓国、EUなどの選挙年と言うことで注目されているし、小生も深い関心を持っている。

特に、アメリカだ。爺さん同士の一騎打ちが決まっているが、実際の投票日11月までは未だ相当の日数がある。報道からは接戦と聞こえてくるが、もし共和党トランプ氏が勝ったら日本や世界はどうなるのだろう?あまり変わらないと言う人もいるが、米中関係が悪化して世界経済はより悪くなると言う人もいる。小生ごときボケ老人が心配しても始まらぬが、良いことはあまり無さそうなので少し心配でもある。

2024年3月15日金曜日

隔世の感

 現役時代はマスコミにどっぷり浸かった生活だったのに、年金暮らしになってからは全く縁が切れたしまった。それでも残っているのがテレビ、これは毎日最低でも3時間ぐらいは視聴している。新聞記事は一応ネットで見出し程度は読むが、中身を読むことは本当に少ない。雑誌は月刊文藝春秋を毎号買うが通して読むとは言い難い。同じく週刊文春を毎号飯屋で目を通すが、記事を読むのは精々20%程度のものだ。現在その中心は西﨑伸彦氏なる作家(未だ記者かな)が書いている「バブル兄弟“五輪を喰った兄”高橋治之と“長銀を潰した弟”高橋治則」が実に面白い。広告代理店電通が絡んだ物語だ。

マスコミが社会に及ぼす影響は、これも功罪半ばするかもしれぬ。それは兎も角として、それぞれの人には好みのマスコミが有るだろう。近年はこれにインターネット情報を加えなければいけない。これこそ当に好みで選ぶものだから、他人がネット情報を如何にしてるか聞けばその人の生活や思想が大分推測できる筈だ。と言っても、最近問題になっている<Tik Tok>なるサイトは1度も見たことが無いのでなんとも言いようがない。アメリカのバイデン大統領は選挙のためにユーザーになったそうだが、理由は勿論分からない。

なんと言っても現代人は生まれた時から多種多様なメディアと接触するので形成される想像力も自分の想像とは相当に異なることになる筈だ。先日驚いたのが広告費の伸び。昨年の日本の広告費はなんと7兆3千億円を超えてるらしい。しかもその中でマスコミ4媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ:あえて古いもの順にした)が占めるのは2兆3千億円。インターネット関係広告費が3兆3千億円。記憶がはっきりしないが、小生が広告業界に入った1960年代は未だ新聞がトップで業界全体でも4千億円前後だったと思う。確かビール業界と似たようなものと聞いた気がする。

広告営業している時は後輩にこう言っていたことを思い出す。「広告営業なんて神社のお守りを売るような商売だ。ご利益のほどは証明しようがない。」しかし現在は、特にインターネット関連に於いてはだが、ご利益が証明されつつあるようだ。もう何の関係も未練も無い業界だが、隔世の感とは当にこのことだろう。

2024年3月14日木曜日

セコい考え

 北風が止み、やっと春らしい暖かさがやってきた。日中は外にいても屋内でも暖房要らずで有り難い。自然の恵は時間が経てばやって来るが、政府が言うところの経済の好循環は本当に6、7月頃には来るのだろうか?日本株価の値上がりや期待以上の賃上げで喜ぶ大手企業の皆さんは信じているかもしれぬが、年金頼りの年寄にはどうもピンとこないし、同じように俄に信じ難い人は喜ぶ人より多い筈だ。年がら年中街をほっつき歩いているので、その重苦しい雰囲気が何となく分かる。

自分としても生活防衛は大きなテーマだ。首相は昨年の年頭記者会見でやたらに「挑戦」を連発し、今年の年頭には「昨年に引き続き、本年も覚悟を持って、先送りできない問題への挑戦を続けてまいります。特に2つの課題、第1に、日本経済の長年の課題に終止符を打ち、新しい好循環の基盤を起動する。」と述べている。22ヶ月も実質賃金が下がり続ける経済状況からすれば、当然のことながら小生はじめ多数の人は、個人が生活防衛を考えるしかあるまい。

国の経済には更なるマイナスであることは承知だが、生活費の切り詰めだ。我が暮らしを顧みれば、生活防衛のため余計なものはかなり省いてきた。ガザのパレスティナ人民を思えば3度の飯を2度にするとか方法は未だ多く残されているだろうが、個人的には頑張って切り詰めているつもりだ。兎に角目標は年金の範囲で生活することにある。国民年金と企業年金併せて月に20万円弱。インフレがどう動くか分からぬが、当面は1日5千円以内で生活していれば何とかなるだろう。

年金暮らしを始めた頃、友人と「これから1日1万円暮らせるから楽なものだ。」と話し合った記憶がある。当時は家内と二人暮らしだったから独身の今、1日5千円なら御の字かな?何れにせよセコい話だ。

2024年3月13日水曜日

仮初めの国

 余命も大分短くなってきたように思うが、日本のアメリカ化、謂わば半属国化は我が生命より長引きそうだ。アメリカも占領当初は日本を属国化して自国防衛に足しにしたい程度の軽い気持ちだったかもしれぬが、最近のように世界が分断されパックス・アメリカーナが崩れ始めると、軍事力の足しよりも嘗て中曽根氏が唱えた通り太平洋西岸に置かれた不沈空母としての戦略的価値が益々増大、日本がユウラシア大陸に惹きつけられることだけはなんとしても防がなくてはの意識が高まる一方に違いない。

78年前に連合軍の代表としてのマッカーサー将軍に対し、連合軍の提示条件即ち無条件降伏と続く米軍の占領に応じたのだから仕方ない。と言えば身も蓋もないが、将来のため若い人には少し考えてもらいたい。

戦争とは独立主権国家同士で行われる一種の政治行為。ここが肝心で、アメリカもその辺は心得ていて、日本と終戦後7年目の9月サンフランシスコ平和条約を結んで日本の独立と主権を認める形を取っている。しかしこれがとんでもない偽物で、言えば日本と言う国家のショーウインドウ飾られたもので、実態の占領は今に至るも継続しているのだ。余談になるが、日本は蝋細工のメニューが陳列されている国。国民でさえ正味の料理が食べられずにいる国だ。

国民が選ぶ政府も機能する立派な国民国家と思う人も多いだろうが、少なくとも小生はそうは思わない。アメリカが唯一の同盟国なんて真っ赤な嘘だ。この論の基礎になっている日米安保条約では何回か国民の反対運動があって、騒動のさなかに国民の分断があったり、死者が出たりもした。その騒動は大抵は先ず若い人から起こされたものだが、ここ数十年その傾向は見られない。むしろその運動に参加していた大人たちが年令を重ねて、アメリカ様々に様変わりして、安逸な暮らしを楽しんでいる。

当事者はそれで良いだろう。しかし国家は金持ちだけで構成されるなら問題ないがそうはいかない。貧しい労働者の存在が不可欠であるのは言うまでもない。日本も欧米と同じように移民を受け入れて下層労働者の手当をしようとしているが、国民的合意を形成できるほど社会整備は行われていない状況にある。原因は国家存立に先述の矛盾があるからだと思う。占領時代は国民の大半が貧乏だったので上流社会人が持つべき社会哲学を持たぬまま金持ちになった人、なりつつある人で構成されてる日本。楠木正成を気取るようだが、行く先がどうなることやら。

2024年3月12日火曜日

互いを尊重

 マーシャル諸島と言ってもピンとこない人が多いと思う。一寸年配の人なら<私のラバさん酋長の娘~>で南洋ののんびりした島国程度の認識だろう。しかしここはアメリカの水爆実験場に使用されて放射能汚染に晒された。謂わば日本と同じような厳しい現実がある。ここの大統領が今来日している。折からハリウッドで行われたアカデミー賞の授与式で最高の栄誉が与えられたのが原子爆弾開発の責任者をテーマとした「オッペンハイマー」。日本では未公開なのでどこまで描かれているかは分からないが、氏は原爆実験を成功させるが、その使用と続く水爆開発に強く反対したとされている。

しかし実際はアメリカは開発を継続し、ネバタ州にあった原爆実験場をマーシャル諸島に移して南洋諸島に放射能を撒き散らしたのだ。被害は日本にも及び第五福竜丸事件とか、ストロンチュームの雨なんかを記憶されている方もいるだろう。アメリカの独善主義には辟易するが、今日はそれを措いて日本政府の無神経さを追求するために書いている。日本政府は大統領の訪日を受け、岸田首相を始めとする要人が対談を行う予定で、そのための要領を外務省は次のように発表している。

曰く「政府は8日、マーシャル諸島のハイネ大統領が10~14日の日程で来日すると発表した。滞在中、岸田文雄首相と会談する予定。2国間関係の強化や「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携について議論する。」ところが、当のハイネ大統領が記者団に語った内容にはもっと深い将来への懸念が含まれていた。そのことは誰かのメルマガで読んだ気もするが、残念ながらマスコミではあまり大きく取り上げられていない。いつものことだから仕方ないが、代わりに書いておく。

ハイネ大統領は同じく死の灰を浴びた国の代表として、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出について「放出計画を延期し、安全性や環境への影響について、より詳細な調査を行うよう」注文をつけていたのだ。詳しくは書かぬが、科学的透明性の問題とかいろいろあるが、注目したいのは処理水放出に「互いを尊重して」 という言葉が使われていたことにある。自分がしたいことに反対する人はいつもいる。政府はそのことに関してはいつも無視して掛かるくせがある。どこの国の権力者も同じと言えばそれまでだが。