昨日観たテレビ番組で感心したことがある。囲碁トーナメントに続いた番組で「日本の話芸」何気なく観てしまった。宝井琴桜 講談「与謝野晶子」主人公晶子の名前を知る人は多いだろうが、彼女の生涯を本当に知る人は少なくなりつつあるだろう。我々の両親くらいの年配者であれば相当詳しく知っていることだろう。我々くらいでも「柔肌の熱き血潮に触れもみで 悲しからずや 道を説く君」とか「君死にたもうことなかれ」と一部分を知る人は多いと思う。
AIの時代だからネットで簡単に参照できるが、敢えて全文を書きたい。「ああ、弟よ、君を泣く、 君死にたまふことなかれ。 末に生れし君なれば 親のなさけは勝りしも、 親は刄をにぎらせて 人を殺せと教へしや、 人を殺して死ねよとて 廿四までを育てしや。」何と情と熱に溢れた詩だろうか。最近の流行り歌では期待すべくもなく心に響く。晶子の亭主鉄幹もまた詩人で文学者。慶應義塾の教授も務め北原白秋など多くの門人を育てている。
晶子は鉄幹との間に10人以上の子供をもうけて育て上げ、その孫の一人が自民党の幹部にまでなった与謝野馨氏であることは有名だ。晶子は兎に角、口八丁手八丁の才人で、床上手今風に言えばセックスも抜群に上手だったに違いない。知識欲も旺盛だったと思うが、外国語が堪能だったとはどこにも書いてない。しかし夫をフランスに洋行させて自分もその後を追って一時はフランスにまで行っている。信じ難いほどの行動力だ。
特に政治家や評論家には薄っぺらな人間が多い世の中、こういう人物がいれば面白いだろうに。