極めて個人的見解だが、日本人の最も想像力に欠けるものに<戦争>があると思う。日本は幸いなことに先の大戦終結以来今日まで、本格的戦争には参加しなかった。しかしもう何十年も軍隊とは言わないが、自衛隊なる戦争専門家の集団を抱えてもいる。実際の人数は分かりにくいが、定員ベースで言えば約26万人。所謂制服組は約24万人。しかし実際には定員が満たされたことは無いと思う。三食昼寝付とは言わぬが、若い諸君にとって自衛隊員程有益な就職先は無いと思うが、何故か常に定員割れが実情のようだ。
何れにせよ、自衛隊では日夜厳しい訓練で鍛えられるので心身ともに健全な社会人が誕生して当然。小生の知り合いにも予備役登録しているかいないかは別として、何人かいるが付き合いの良い人間が多い。今日も世田谷区内で警察官の自殺事件が発生しているが、警察官の場合は自衛隊員と異なり、目的がいろいろあるので、虐めなど問題が発生する確率は多いようだ。
戦前の軍隊は所謂士官と兵卒の溝が大きく、真空地帯と小説や映画にもなった陰湿な虐めや派手な鉄拳制裁や精神注入棒事件は絶えなかったようだが、近代自衛隊ではそういった陰湿なことは少なくなっている筈だ。しかし戦争は国家間で発生する非対称の暴力行為、それも主たることは殺人行為、即ち殺すか殺されるかに他ならない。インパール作戦の撤退から奇跡的に帰国した先輩、ベトナムで実践に参加した中国軍の将校や、非公式に参加した日本の暴力団員から少し話を聞いたことがある。しかし伝聞ではイメージが湧かないのも事実。
人殺しの現場もそうだが、後方で指揮を執る将校クラスの話でも経験者でなければ分からないことだらけだ。話だけで理解できるなら戦争なんか起きない筈。テレビで毎日のようにあちこちの戦争が取り上げられ、専門家が解説してくれる。更にご丁寧なことに解説を裏付けるつもりかトンチンカンな映像も提供されるが、これの意図するところは実に不透明。例えばアメリカは現在ペルシャ湾近海に5万人近い兵力を多数の艦船と航空機で集結待機させていると聞く。だが彼らが如何なる戦争に投入されるかは誰も言わない。当然だ、想像できる筈はない。テレビ局も無理はしないで、夜は歌謡曲でも流している方が無難だ。