2020年2月29日土曜日

読後感「ザ・ボーダー(上下)」
ドン ウィンズロウ 著, 田口 俊樹 翻訳

凄い読み応えだった。上下巻合わせて1563頁に及ぶ大長編小説。ジャンルは探偵とかミステリーとは言い難いが、主人公はアメリカ麻薬取締局の局長のメキシコ系アメリカ人。対する悪漢はメキシコ麻薬組織(複数)とそれに寄生するアメリカ人。舞台はメキシコが中心で隣国アメリカやグアテマラ迄広がる。当然のことだが登場人物が非常に多い。巻頭に主な登場人物が紹介されているが、数えてみると、それだけで32人に上る。

カタカナで表記される名前は馴染みが薄いので、どっちが苗字でどっちが名前か混乱するのは毎度のことで、男女も時々分からなくなる。そういった苦労を乗り越えて大凡1ヶ月近くかかったと思うが、読破できたのは内容が面白かったからと言える。

アメリカでマリファナが合法化された州はあっても基本的に非合法製品。そしてこの麻薬の種類が想像以上に多く、これが国中に広く蔓延しているのが実態なのかもしれぬ。だからアメリカ麻薬取締局なんて役所があり、職員は1万人を超えている。日本にも捜査権や逮捕権を持つ同様な組織はあるが、規模には大きな違いがあるのだろう。何れにせよ捜査側の規模が大きいということは対象の犯罪者側の規模も大きいことに他ならない。

麻薬の主原料は芥子であり、これは殆ど中米の山岳地帯で違法栽培・加工されて国境を超えてアメリカに運ばれて(密輸されて)来る。もうこれは一大産業であり、アメリカ人が麻薬に支払う金額は一年に6兆円とも言われるそうだ。生産者から末端の売人までカウント可能であれば、従事者の数も半端ではあるまい。メキシコはその中心にあり、その麻薬組織を動かしているグループが複数あって、それぞれ別の州に拠点を構えてしのぎを削ると言えば上品だが、流血の覇権争いをしている。

更に事が複雑になるのは、この非合法組織は金があるので、軍人や警察官を多数抱き込んでいることだ。こういったことはアメリカでも似たようなものらしい。この小説ではアメリカの大統領候補までが麻薬組織に加担することが出現する。日本でも時折麻薬に溺れた芸能人のことがニュースになったりするが、アメリカでの蔓延状況は想像を超えているのかもしれぬ。何れにせよ、どこまでが著者の想像かは分からぬが、まるきり根も葉もない事では無いかもしれない。

アメリカは日本と異なり警察権をもつ司法組織も複数あるし、囮捜査は日本と比較できないほど常態化している筈。何事によらずアメリカの社会的病巣を抉った小説として興味深いものがあった。

2020年2月28日金曜日

化けの皮

数日前の夜、就寝時間が過ぎているにも関わらず面白くてNHKEテレ(2チャンネル)の狂言『居杭』を観てしまった。姿が隠れてしまう隠れ頭巾を仏から授かった子供が姿を隠して大人をあざ笑う筋書きだ。能狂言は全く興味が無いはずなのに不思議でもある。昔から純粋な子供の目から見れば、世の中には不条理が多いということに違いない。

子供ではない年寄りの目にも、日本政府の最近の振る舞いについては当事者がどの様に考えているか知らぬが、ごまかしが効かないところに至ってしまった感が強い。今朝、他の用事があって来てくれた娘に言わせると「子供も作れないような奴が総理じゃどうしようもない。」と嘆くことしきりだ。今年50歳だが、同級生には子持ちで働いている友人が多いので、昨夜からラインがひっきりなしだそうだ。友人同士で嘆きあってもどうにもならぬと思うが、憤懣のぶつけ所が無いからだろう。それでもメールがやり取りできる世の中になっているので学校も大分助かっているらしい。

娘は板橋、他区に住む友人との会話で、都内でも区によって休校の仕方、日数も変わっているらしい。当然といえば当然、小中学校は区立が多いからそうなる。これが全国規模に拡大すると、対象児童の数が千万人単位だから混乱の程度は想像を絶する。政府は要請に答えた結果生じた損害は全責任を持って補償するみたいこと言うが、事後になってその約束が守られた験しがない。ああでもないこうでもないとの理屈がついて泣きを見るのがいつものこと。

今朝のテレビで紹介されたなんとか言うロックバンドのお兄さんが余程マシなことを言っていた。「我々は職業としてやっているので、1万人以上のコンサートを急に止めれば、会場その他に支払う補償額は1千万円以上になる。結果倒産せざるを得ないかもしれないが、国民の健康のためなら、それも已むを得ない。政府にはそのことをきちんと知ってほしい。」シンガポールや韓国では5千億とか兆単位の特別予算を編成、、非常事態で損害を被りそうなところには予め一定の金額を振り込み、余った場合は事後精算としているそうだ。

今日来年度予算が衆議院で可決されると言うことで与党は喜んでいるが、来年度予算にもコビット19対策費用は1円も盛られていない。今年度の予備費で150億円かを計上しているのみ。数日前に書いたばかりだが、日本問題を取り上げてこなかったように見えた外国の報道も、今朝になると一斉に態度が変わり、問題国として中国の次に日本を持ってきているし、アメリカの保健省かなにかの長官クラスが「パンデミックは時間の問題」と言っている。IOCの意思決定も近いのではないか。

2020年2月27日木曜日

世代間の相違

娘が二人いて、一人は専業主婦、も一人は共稼ぎ。余り外をフラフラしないほうが良いみたいなので二人に電話をしてみた。昨夜は仕事をしている方に電話。彼女は現在新宿にあるNTTのビルに設けられた一室、東京ガスのコールセンターで働いている。その部屋には約200人ぐらいがいるそうだ。コールセンターであれば、それこそテレワークが出来るようにも思うがそうは行かないらしい。
「200人の大部屋なら感染症対策が難しいのでは?」と聞くと「昨日全員にマスクが支給されたが、明日以降は自分で用意してくださいとのこと。帰りに数件店を訪ねたがマスクを売っている店なんか1軒も無かった。」

「明日マスク無しで行って、売ってないのだから仕方無いだろうと言うつもり。私は、職場の全員がウィルス保持者だと思っているから、そのうち私も感染すると思うよ。」と笑っていた。何故なら古い同僚に聞いて、昨年は全員がインフルエンザになったからだそうだ。専業主婦の方は先程話したのだが、こちらもすこぶる元気。「小学5年生の息子が今日「リスーピア」(https://www.panasonic.com/jp/corporate/center-tokyo.html)の社会科見学予定で、すごく楽しみにしていたのに突然中止が決まった。息子も残念がるし、私も弁当を作らなくてはならないので大変よ。」

二人共家族全員何事もなく脳天気なようだ。むしろこちらのことや横浜や長野在住の年寄のことが話題になって、そっちを心配していた。確かに二人共未だ50歳にはなっていないが殆ど50歳だ。それにしても年代が違うとコロナウィルス騒動も受け止めがこんなに違うか、感心するほどアッケラカンとしている。インフルエンザより致死率が低いこともあるのだろう。確かに二人共インフルエンザは経験しているはずだ。にも関わらず二人共予防ワクチン接種はしていないらしい。と言う事はこちらが心配し過ぎかもしれぬ。

今日は快晴だが久しぶりに冬らしい北風が冷たい日となった。冒頭に書いたように昼のお散歩も早々に終わってしまった。1万歩に数百歩足りないのでこれを上げてからまた少し歩いたほうが良さそうだ。

2020年2月26日水曜日

管理能力

「こんな時に厳に慎むべきは政府批判」と言う人もいるが、これを批判せずにどうすれば良いのか。

毎朝6時から8時までNHK BSの「ワールドニュース」を見る習慣になっている。当然ながらここ数日は、殆どの国が新型コロナウィルス関連報道、即ち世界に蔓延し始めていることと、それに対する各国の対応が大きく取り上げられている。そこで不思議に思うのが全ての放送局が日本のことを報道しないことである。今回の騒動の発生地が中国であるから、これがトップに来て、次に来るのが韓国。日本はスキップしてイタリアとかイランとかに跳んでしまう。

諸外国が日本をどう見ているかは分からない。ひょっとすると日本政府は実情を正確に把握していない、或いは日本政府の発表は信頼するに足らないなんてことになっていないことを祈りたい。しかし、どう考えても日本の被害は韓国より大きな筈だ。当局が発表している感染者の数だけ見ていれば、このところ韓国の方が日本より多いのは事実。しかし韓国の検査数は既に日本の20倍以上である。昨日までの検査実績は2000件弱だったが、今日の予算委員会でいきなり6300件に跳ね上がった。

現在、政府はこの重大事に関して混乱を極めているのはもはや隠しきれない。安倍政権になって以来、政府は官邸に権限の集中を図ったことで危機管理能力を高めたつもりかもしれない。しかし今回全世界に露呈してしまったのは我が国の危機管理能力の決定的欠如だ。諸外国は流石にそんなことはメディアに言わせない。だからスキップしているとしか思えない。オリンピックのことが諸外国でどのように取り沙汰されているか、日本では余り報道されない。しかしスイスのIOCでは相当真剣に検討されている筈。

今日昼に会った友人が言っていた。「日本という国が、このような非常時にオリンピックに向け諸案件を管理していく能力があるかが問題になっているだろう。」確かにその通りだ。まともな人が日本の現状を突きつけられたら恐ろしくなるだろう。感染者の数の問題ではない。現在は訳の解らない問題が突如発生するのが世界の常識、その時日本では誰が管理責任を担うのか、当然ながら現状を鑑みれば全く分からないだろう。予定された開会日には未だ5ヶ月もあると見るか、5ヶ月しか無いと見るか。IOCとしては決断の時期を相談していることだろう。

そんなことはどうでも良いが、年に一度のスキー仲間の集まりが長野の志賀高原で行われることになっていた。決めたのは昨年のこと。今朝のニュースで長野県にもコビット19の感染者発生を知り、ヤバいなと思っていたら昨夜のうちに幹事から中止のメールが入っていた。

2020年2月25日火曜日

テレビ番組を応援

日頃テレビ番組の悪口ばかり言い募っているが、コロナウィルス事件発生後は朝晩テレビの情報番組をしっかり観るようになった。朝はテレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」夜はBS・TBS「報道1930」この二つの番組はコロナウィルス問題に連日力を入れて報道していて、しかも政府に対して相当はっきり物を言っている。両番組に共通しているのは感染症に関する専門家として紹介された医学博士の岡田晴恵さんを連日起用していること。岡田さんは他の番組にも多く出演されているので今やちょっとした芸能人より知名度は高いかもしれぬ。

現職は白鴎大学なる聞き慣れない大学の特任教授だが、本業をしている暇が無いのではと他人事ながら心配になる程だ。「報道1930」はゲストが多いので司会は余り過激にならないよう務めているが、「羽鳥慎一モーニングショー」は放送局員でレギュラー解説者になっている玉川徹氏が昔から何事によらず過激発言であったが、このところ連日本領発揮で政府批判を強めている。この手の番組は最初から30分も観れば、大体主張したいことは分かるので、その辺で切り上げることが多かったが、ここ数日はしっかり1時間位観てしまうことが多い。

夜は他にすることもないので比較する気分でBS・フジ「プライム・ニュース」を9時半くらいまで観ることもあるが、こちらはゲストが政府応援団に偏りすぎることと司会者自身が政府応援団丸出しなので本気になって観る気がしない。それでも昨夜は、野党応援が明白な山口二郎氏が出演していたので驚いたくらいのものだ。政府関係者に言わせれば多分、テレビなんか無責任だから良い気なもので、好き勝手言っている、だろう。確かのその通り、だからこれまでのテレビは余り断定的な解説をせず、ましてや政府批判をあからさまにしてこなかった。

しかしここ数日、この二つの番組は「昨今の状況を考えると、日本も非常事態宣言をしてもっと明確な政治対処をすべき」との意見をはっきり言い始めている。政府与党や安倍首相にすれば緊急事態法を憲法に加えたかったくらいだからもっけの幸いと思うが、自体が悪化していることを認めることのほうがヤバいと思うのか、その意見に悪乗りする気配は無い。

2020年2月24日月曜日

希望的観測

夢も希望も持てなくなった年寄りの戯言だが、希望的観測ほど儚いものはない。乏しい経験からすると希望的観測が実現するのは十に一つもあれば良いほうだろう。我が国は先の戦争で嫌なほど経験している筈。官僚は経験則を大事にすると聞くが、最近の有り様を見るとどうも怪しいものだ。国の予算編成を見ても数十年前までは「昭和の三大馬鹿査定」なんて称して戦前の大艦巨砲主義政策を引き合いに出す官僚がいたが、今や「たいかんきょほう」なんて打ち込んでも変換すら出てこない時代だ。

大正や昭和時代の軍部と同じような無駄遣い予算が罷り通ることいついて、経験を踏まえて考え直せなんて言っても詮無いことかもしれぬ。今の官僚諸氏がいかなる知識や情報をベースに政策づくりに勤しんでおられるかは定かではない。言えることは、彼らが新しい事態に直面して新たな政策立案せざる得なくなった際に先ず考えるのは何かである。数日前にもチョット書いた気がするが、官僚無謬の神話に基づき、失敗が許されない事のように思う。前例が無いので無理くり政策を打ち出すが、失敗しないことが大前提にある訳だ。

従って、大臣の口から発表されたが最後、どこまでもその方針を曲げずに突っ走ることが習慣化しているのだろう。走り始めてまた新たな事態に直面すると、基本的方向性を変えずに微修正で誤魔化す。こんなことは第2次世界大戦時の大本営発表の歴史を少し知っただけで誰にも分かること。微修正というのは結局戦力の逐次投入に他ならず、結局大負けに繋がったが、大本営はその間国民に嘘を言い続けなければならなかった苦い経験がある。

嘘を発表する方も辛かったろうし、毎日寝ずに微修正を重ね、結果的に敗戦が決まった日に自決した大本営の参謀(多分いたと思うがいなかったかもしれぬ)も辛かっただろうと思う。国民は後になって当事者を責めることで鬱憤を晴らすが、払った代償が大なるものであったのも事実。比較的冷静でいてほしいのはマスコミだが、戦時中のマスコミが軍部に協力したのも現在とよく似ている。

新しい事態にどう対処するかはお役人にも難しい問題だから失敗は致し方ない。更にどさくさの事態になると、これに乗じて大儲けする人間が必ず出現するのも已むを得ないかもしれぬ。予防関連品の会社や薬屋が儲けるのも仕方なかろうが、政府がお先棒担ぎにならぬよう注意されたい。もう一つ付け加えると、こんな時こそ省庁間の連絡協調が大事だと思うが、それがどう機能しているか、官邸官僚の能力を疑るわけでもないが、次官会議が無い現在大いに心配だ。

2020年2月22日土曜日

自己防衛

長野の友人からのメールに「今月末に都内の病院で白内障の手術を予定していましたが、家内が嫌がるのでキャンセルしました。」要するに、奥方としては旦那を公共交通機関に乗せるのが心配なのだろう。奥方の心配はよく理解できる。実は小生自身そろそろやばいと思い始めている。もし家内が存命であれば、彼女は喘息持ちの傾向があったので、もっと早めに注意を促されていたと思う。亡くなってからの整理で大量のマスクを捨てたことを記憶しているので、生きていればとっくにマスク買いに走らされていたと思う。

それはさておき、テレビの関連報道を観ているといろんな人が出演してそれぞれ少しずつ異なることを仰っている。中には医療関係者も大勢いるが、指摘されるところが微妙に異なる。当然のことだ。何方にせよ、現状については自身が体験している範囲のことしか言えないし、今後のことに関しては何も断定できないのだから仕方がない。少なくとも昨夜までに得た情報で分かったと言えば語弊があるかもしれぬので、感じたことにしたいが、二つある。一つは、政府が発表しているCOVID-19の国内感染者情報は極めて控えめであること。

もう一つは、このところ韓国の感染者が爆発的に増えているが、どうも検査体制が整い出した故らしいこと。もし日本も民間事業者の協力を得て検査体制を確立すれば日本も同様になるのではないか。厚労省のホームページでは昨日18:30の段階で都内の患者数は28名、うち豊島区内の患者数を相談センターに電話して聞いてみたが教えてもらえなかった。と言うよりセンターの受付嬢自身分からないようだ。

不安なので検査を希望したらどうなるかも聞いた。武漢に滞在経験があったり、37.5℃以上の発熱が4日以上続いているようなら、先ずこちらにお電話頂いて相談窓口を案内してくれるとのこと。テレビで何度も紹介されている厚労省のチラシ以上の情報は得られない。取り敢えずはお近くの医師に診察して頂きたいのが本音の様子。誰が37.5度の熱を4日も我慢するというのか?

要するに、官民協力による国を上げての検査体制は全く未整備であり、潜在的患者を発見する意志は無いようだ。テレビに出演していた豊島区の呼吸器専門医大谷義夫氏が言っていた民間の協力体制は依然手つかずのようだ。行政が頼りにならないのは分かりきったこととは言え残念だ。ウィルスの感染経路を特定できない段階に来ているので、自衛するしかあるまい。と言っても手洗いとウガイをまめにすること、後はなるべく人混みに出ないことくらいしか思いつかぬが、しないよりは益しだろう。

2020年2月21日金曜日

単細胞

思考回路が元来単純に出来ているようで、物事を白とか黒とか即断する癖があり、日頃反省はするものの、どうも治らなくて困ったものだ。同じように感じるのが今回のコロナウィルス騒動に関する政府の対応。分からないことだらけの訳だから、何事も決めつけず1歩1歩慎重に事を運べばよかったと思うが、どうも何らかの示唆を与えられると、それに基づく判断基準を即座に作り、その尺度での判断に頼り切りになる。

兎に角このウィルス、電子顕微鏡でも確認できぬほど小さい物らしい。どのくらい悪いのか、強いのかもはっきりしていないのが現状のようだ。厚労相の記者会見や国会答弁を聞くと如何にも自信満々だが、所詮は役人の書いた原稿をただ読んでいるだけ。自分の言っている意味が分かっているかも疑わしい。試行錯誤は名誉に関わるとでも思っているようだ。今朝の報道に寄ると案の定、オーストラリアではダイヤモンド・プリンセス号から下船した乗客約160人の中から陽性反応者が2人出たとのこと。

同じく下船を許可された日本人乗客は500人を超えると記憶するが、全員自宅に帰る許可が出ている。全員おとなしく自宅待機をしてくれたとしても、帰宅を待ち望んだ同居家族がいれば濃厚接触者になるのは自明のこと。結果何が起きるか分からないが、これ以上世界から非難されることが無いよう祈りたい。

この問題は兎も角、政治の世界は非常に複雑だということを今日のEU首脳会議報道を観て思った。イギリスがは今までEU予算の1割近くを負担していたらしい。今後これが抜けるのだからEU財政は相当厳しくなるようだ。そこで残る主要国(独仏を筆頭に10ヶ国未満のように見えた)の首脳が会議をを開いてその負担をどうするか話合ったようだ。これから相当長丁場の話し合いになるのだろうが、昨日のところはそれぞれが我が田に水を引くばかりで何もまとまっていない。オランダの首相は「ショパンの自伝を持ってきたので、帰路はそれを読むことしか考えていない。」と記者を煙に巻いている。

しかし彼らは、これをどこかで妥協点を見つけるのが己の仕事と弁えているフシがある。そうでなければEUが瓦解するのだから当然と言えば当然だろう。これが外交交渉であり政治家の役目だろうと思う。この会議報道もさることながら、敵か味方か分からないロシアのプーチン大統領とトルコのエルドラン大統領の関係、中国の習近平氏が各国首脳に電話して中国の事情に理解を求めていること(残念ながら日本は含まれていない)、或いはロシアの警察か軍隊がアメリカFBIの情報協力でモスクワのIS根拠地を急襲してテロを未然に防止した、等々。外国の政治家はどこで手を握り、どこでで蹴り合っているか分かったものじゃない。日本の政治は小生程でなくても単純に過ぎる。

2020年2月20日木曜日

普通の暮らし

昨日新宿の東京医大病院に友人の見舞いに行った。行ったのは午後1時半、午前中に念の為病院に電話を入れて面会時間を確認した上である。受付の脇にある面会申し込み票を記入していると受付から女性職員が出てきて「申し訳ありませんが、先程指示が出まして、本日は特別の許可の無い一般の方の面会ができなくなりましたのでご了解願います。」要するにお引取りくださいとのこと。コロナウィルスの影響はこんなところにも出ている。都内或いは全国の大学病院始め大病院が共通の対応をしているとすれば影響は大きいと思う。

小生も友人の見舞いに行って感染症になんかなりたくないのは当然のだから、ある意味では仕方ないのかもしれぬし、なるべく気にしないよう務めているが、住みにくい世の中になったものだ。電車の吊り革を握るのも心配しなければならないとまで言われるこの不便さが、解消するのがいつになるか分からないのも日本中を苛つかせている。昨夜は池袋で後輩と比較的遅い時間まで飲んだがなんとなく人出が少ない。普段混んで席を取るのに苦労する店でも簡単に座れることや、サービスが多少丁寧になるので、客としてのメリットはあるが世間から活気が失われつつあるのも事実。

今年はもうすぐ2ヶ月経つことを思うと何となく余りハッピーな年にならない予感がする。昼飯の時に飯屋のオヤジも言っていた「今度の日曜日は天皇誕生日ですが、一般参賀は中止だそうですね。皇位継承の祝賀パレードの延期と言いお可哀そうに陛下もついていませんね。」陛下も国民生活の苦楽を共にされておられるが、政府は国民生活の苦楽なんか知っちゃいないようだ。

チョット話が飛躍するが、先日ロシアのプーチン大統領が内閣改造と共に憲法改正を打ち出した。安倍首相からすれば羨ましいことだろう。毎朝のようにロシア国営テレビ放送を観ているが、ここ1ヶ月近く憲法改正委員会関連報道が多い。中には領土の割譲を禁止する条項の検討なんてものあって、プーチン氏がニンマリする場面なんかが報道されている。一連の報道でプーチン大統領が必ず力説するしているのが「新憲法はどの条項に措いても国民生活の向上に資するものでなくてはならない」である。

ロシアの憲法改正はプーチン大統領の権力基盤強化策との評価が一般的ではあるが、たとえ嘘でも「国民生活の向上」力説している。比べて現在開催中の日本の国会、政府が提出している予算案のどこが庶民の暮らしを重要視しているのだろうか?

2020年2月19日水曜日

ここまで来ると

誰にも経験があると思うが、いつ何時でも正直である必要はない。嘘も時と場合では意外に良い結果を生むことがある。お世辞が典型だろう。これを使いこなせぬのは馬鹿な証拠。小生もどちらかと言えばこれに近い。幼い頃から正直に本音を口にして人間関係を壊したり、親に叱られた経験は数しれずだ。しかし他人に迷惑を掛ける嘘がいけないのは明白なこと。悪意を持った嘘は泥棒の始まりとなる。

一昨日の予算委員会での安倍首相発言が、昨日の委員会で「虚偽」であったことがホテル側の回答で発覚したことに関して、小沢一郎氏(懐かしい名前だ)の事務所が次のようなツイートをしている。「民間企業まで巻き添えにして、自分の嘘で迷惑をかけても平然としている。もはやそれぞれの企業の名誉に関わる問題であるということを全くわかっていない。恥ずかしくないのか。権力を玩具か何かと思っている証拠であり、法治国家のトップにだけはしてはならない人物である。」

これは多数ある政府対野党の争いに巻き込まれたANAホテルに対する同情ツイートの一つであるので、あの小沢一郎氏かどうかは分からない。彼の事務所にしては少し幼稚な発言のようでもあるが、彼が言っても不思議は無い。しかし与党側ががどう思っているか知らぬが、ここまで来るとマスコミを含め些細な問題では済まなくなる可能性が大きくなってきた。それでも政府側にしてみれば、それこそここまで来てしまったから「恐れ入りました」とは言えない筈。今更事務所を切り捨てても済む筈もなく知恵の出しどころと頭を撚るに違いない。

しかしそれは結局嘘の上塗りしか方法が見つからない筈。強弁も結構だが、普通はどこかで破綻する。しかし首相は嘘をつき通さざるを得ないから、必死にいろんな事を考えている。検察を抱き込んで司法を支配する、新聞社の幹部を抱き込んで追求が些細なこととの世論を形成する、何とか選挙に持ち込んで勝利する。何でも良いから好きなだけ足掻けばいい、そのうちに天罰が下るだろう。

2020年2月18日火曜日

テレビの罪

テレビ番組は下らないと多くの人が指摘するが、娯楽であれば下らないのは仕方がないかもしれぬ。しかしテレビには報道もあり、社会情報系と称する尤もらしいと言うか、真面目を装う番組もある。この手の番組は小生もよく観るし、観ている人は多いと思う。下らないと言われる番組は、視聴者に対するインパクがあっても後々まで大きな影響を与えることが少ないように思う。しかし後者の場合、知らず識らずにここから影響受けるところ大になりかねない。何故なら視聴者側も半ば真面目に受け止めると思うからだ。

地方局ではどうか知らぬが元を質せば新聞社から発生したテレビ局、何れにしても国から電波の割当を受けている免許事業であるのは言うまでもない。親会社は国から土地を貰ったり税金をまけてもらったり様々な特恵受けているのも公然のこと。依って国家や時の政権に批判的な態度を取ることが出来ないのは半分分かる。しかし一方でその来歴を尋ねれば、社会の木鐸として高い志を持って発足したではないか。

新聞には未だに社説が残り、木鐸としての誇りを捨てきってはいないことを誇示しようとしている。しかし残念ながらテレビ局にはその片鱗も残っていない。活字より大きなインパクトをもつことを自覚しながら、報道とも解説ともつかぬ手法を通してできるだけ意味するところを曖昧にすることに腐心しているようにしか見えぬのが実態だ。テレビ局には編成部員は居るが、新聞社のような編集委員とか論説委員は居ない。

外部の人間を起用したりして番組を審議することはあるようだが、殆どが事後の審議ではないかと思う。新聞社と同じように政治記者も社会部記者も経済部記者もいて、一見両者とも同じような活動をしているようにも見える。しかし結果的にはテレビ局の主張は全く放送には反映されない。当然である、会社が新聞社以上に政府に対して弱いのだ。民法全体が形の上で株式会社であっても、実態としてはNHKと変わらない。

全体として考えると、現代社会に対する反対とか疑問を生じさせるような見解は一切封殺して、現状を已む得ないとか、我慢したほうが良いと誘導することに専念している。一見総理の態度はいけないみたいことを言う人間がいたとしても、後に必ずそれと正反対の意見を本人が言うか、誰かに言わせるようにしている。昨夜前者の典型として橋本徹氏出演の番組を見てしみじみ分かった。

新聞はその点未だマシだ。朝日は今朝の社説で「首相の主張をうのみにはできない。」とはっきり言い切っている。何も特別な見解でなく多く一般人が思っていることだろう。テレビによる国民ミスリードの罪は大きい。

2020年2月17日月曜日

チョット不自由

単調な暮らしぶりだが独り身は何かと不便でもある。子供の頃から掃除や母のお勝手の手伝いを積極的にする方だったので、炊事、掃除、洗濯など生活する上で最低限のことは何とかこなせるが、どうにもならない事が裁縫だ。今の小学教育課程にどのように位置づけられているか知らぬが、我々の時代小学高学年になると「家庭科」の時間があった。料理は当然だが畳敷きの教室で針仕事も練習させられたものだ。

運針トレーニングでハチマキや雑巾を縫ったり、ボタンの付け方を習ったことを記憶している。また我が家にはミシンもあったので、高校に入ってマンボズボンが流行り始めると、ミシンを使って学生服のズボンの裾を細くしたりしたこともあった。高校時代はズボンを毎晩寝押ししていたし、アイロン掛けも子供にしては上手い方だったかもしれぬ。兄弟5人全員男の家族構成だったが、母親のすることに関心を持って手伝いを良くする子だった。

家内も短大を卒業してから静岡で和裁教室に通ったそうで、針仕事は得意だったのだろう。オヤジが上京してきた時には浴衣を一晩で縫い上げたくらいだった。裾の上がっていないズボンや袖の長いシャツを買ってくると文句を言わず、その夜のうちに調整してくれた。ただ、時々ズボンの裾を絡げてある糸を内側から切ってしまうと、これはけっこう大変なんだからと聞いたような気がする。家内の持ち物は葬式の後あらかた捨ててしまったが、裁縫箱だけは一つ残しておいた。

ボタンが取れた時ぐらい必要かと思った次第だ。先日、暮に普段履きのつもりで買ったズボンの裾がほつれて全部外れてしまったので、自分で縫い直そうかと思って針箱を取り出し、挑戦しようかと糸が外れていない方を見ながらを見ているうちに、こりゃとても無理だと断念してしまった。我が指には家内が使っていた指貫はとてもはまらない。指貫無しで裾を一周する作業なんて出来よう筈がない。池袋に行く途中に洋服修理の店はあるので聞いてみた。すると2000円で買ったズボンが修理に1500円程度は取られることになるとのこと。

それも悔しいので暫くほっておいたが、先日ネットで検索して布を張り合わせるテープがあることを発見した。行きつけのスーパーに問い合わせると手芸コーナーにありますとのこと。早速購入して目出度く裾上げを修理。娘に自慢したら「そんなことは今や常識よ。」と軽くいなさてしまった。

2020年2月16日日曜日

嬉しかったこと

昨日、高校同期生の会に誘われ参加してきた。参加者は9人と小さな集まりだったが、既に亡くなった同期生の話が多くなったような気がする。当たり前といえば当たり前だ。参加者全員と言わないまでも殆どが今年は80歳、何らかの形で医者や薬のお世話になっているだろう。昨日は循環器系で救急搬送された経験者が3人もいたが皆至極元気そうだった。彼ら友人の話を聞きながら、家内がもし目の前で倒れて救急搬送が迅速に行われたら或いは・・・と思ったりしたが、これも運命というものだろう。

家内が逝ってから既にまる2年も過ぎた。寂しさも徐々に薄れつつあり、独居生活に慣れつつあるのも事実。しかしこの状態はいつまで続くのだろうか?先のことを心配しても始まらぬかもしれぬが、単調な生活の中で頭が回転していない時間が長くなってきたように思う。できるだけ頭を使うために毎日ブログを書くように努めているが、昨日も今日も何を書いたら良いか分からない状態が続いている。さして面白いことも無いし、政治なんか考えると腹も立つが、一年寄がブログに何を書こうと彼らには無縁のこと。

仮にこのブログが馬鹿な連中の目に止まっても、彼らが「恐れ入りました」なんて言う筈もない。バカバカしいとはこの事を言うのだろう。昨日はアカデミー賞や何やら映画の話も大分あった。元日から「アイリッシュ マン」を観に行った話をしたら「あれは素晴らしい映画だ。」と同調してくれた友人がいて嬉しかった。実はいま読みかけの小説「ザ・ボーダー」上下巻で両方とも800ページあるが、これもギャングの話で結構面白い。やっと下巻に入ったので今月中には読み終わるだろう。

2020年2月15日土曜日

昼酒が過ぎて

今日は昼から西麻布の友人が経営する高級料理屋で高校同期生10人ほどの集まりがあり、3年ぶりに参加。少し飲み過ぎの感があるのでまともなことを書けそうにない。シャンペンに始まりワイン、日本酒、仕上げにまた貴腐ワインとすっかりいい気分で帰宅。皆元気そうではあったが、今年80歳は間違いがない。話し出せば切りがないが、それぞれ来し方には満足しているようで目出度い限りだ。

縁起でもないが、この集まりが後何回出来るか、何回参加できるかが気になるところだが、先のことを心配しても始まらない。実に楽しかったことだけは確かだ。

2020年2月14日金曜日

東京オリパラ

コビット19騒ぎで習近平氏の国賓来日と東京オリンピック・パラリンピック開催が予定通り行えるかが話題にのぼり始めた。騒ぎが後1ヶ月程度で収束に向かえば両方とも予定通り運ぶことが出来るだろう。しかし収束に向けた動きは未だはっきりしない、むしろ日本はウィルスの拡散傾向がよりはっきりして、次なる手の打ちように悩みが膨らんでいる。

習近平氏の訪日は日本が招待している立場だから、日本からあれこれ言えない。一方のオリパラに関しては、組織委員会が1週間前にコロナウィルス対策本部設置を決めると同時に開催日程の変更はしないことを明言している。一昨日だったか組織委員長の森元総理が同じ趣旨を重ねて強調して日程の変更は検討しないと言っていた。別にオリンピックが中止になればいいと思っている訳ではないが、万が一に備え日程の変更を検討くらいはしても良いのではなかろうか?

しかし冷静に考えて、日程の変更なんか検討したくても出来ないと気がついた。予定通り開催できなければ中止しかないだろう。そうなると今回のオリンピックはロシアが参加できないだけでなく、他にも参加できない国が出る可能性が出てきそうだ。選手だけの問題ではなく、観客動員にも大きな影響が出かねない。安倍政権の経済政策の中で唯一成功しているとされているのが「インバウンド」(外国人観光客)の増加であるが、韓国に要らざる喧嘩をふっかけて減り、今度のウィルス騒ぎがそれに輪をかけている。

ついていないと言わざるを得ないが、元々オリンピック招致にはあまり気が進まなかったことを思い出し、7年前のブログを読み直してみた。招致が正式に決まったのは2013年の9月だったようだが、これはその直前8月24日のブログ。全文は下記からご参照願いたいが、締めくくりは次のように書いている。「放射能で汚染されている東京に身体細胞活動が活発なアスリートを大勢招くのは遠慮した方が良いような気がしてならない。」

https://takaga.blogspot.com/2013/08/blog-post_24.html

2020年2月13日木曜日

官僚国家の硬直的発想

サイバー空間にもウィルスなるものがうじゃうじゃしているようだが、民間企業の研究が進み、ウィルスの日進月歩進化に対応して対策も日夜更新されている。一方空気中のウィルス、特に今話題の新型コロナウィルス(コヴィット19)に関しては各国の政府が先頭に立って対策を立てている。特にその発生源とされる中国では初期対応の遅れがあったようだが、国家プロジェクト規模で対策が講じられているようだ。もともと独裁国家だから官も民も無いのだろうが、日本的感覚で言えば官民挙げであらゆる資源をその対策に当てる努力を続けているようだ。

日本はそうはいかない、先ず担当する霞が関の厚労省の役人が親しい医者に相談して対策を考える。このウィルスは新型で詳細は何も分からないが発生源が中国湖北省武漢市とされている。だから、そことの人の往来を止め、ウィルスが国内に侵入するのを水際で撃退すべきだ。一見誰にも思いつく妥当な対策だ。これを政治レベルに上げてオーソライズしてもらったまでは良い。しかし時期が悪いことに中国の春節、民族大移動と重なった。しかも中国での初期対応が遅れていた事情も後に分かる。今回初めて知ったが、このコロナウィルスなる物体小さすぎて顕微鏡では確認できないらしい。

結果的にウィルスは日本に持ち込まれ患者が発生する。その患者さんが既に完治して退院と報道されたから、水際作戦が破綻、あるいは失敗(と認識してないかもしれない)されてから少なくとも3週間近くにはなるのだろう。この間マスコミ報道はヒートアップし、折良く開かれている国会でも、政府は先手先手と手を打って対策に遺憾無きようにする意志を何回も表明してきた。しかし手を打った対策は何かと言えば、当初の水際対策の域を殆ど出ていないのが実態。

やっと昨日辺りから政府も民間の協力を検討中なんて言い始めている。お役人は「知りません」とか、「分かりません」と言うのは沽券に関わるのだろう。知らないことは存在しないことにする悪い文化が表面化している。今必要なことは水際云々ではなく、次のステージ。未だウィルスの侵入は少ないのだから、今のうちに検疫体制を確立して心配ある人にはどんどん検査して安心させることの筈。

一寸調べた限りではこの検査装置を使用している医療機関は多いらしい。問題は試薬らしいがこれはスイスの大手製薬メーカーのロッシュが既に開発大量生産をしていて中国政府には無償で提供しているとのこと。知っている人は多いだろうに。

2020年2月12日水曜日

何をしたいの?

桜は蕾も確認できないが梅は満開、歩いていると汗が出てくる。やはり春がすぐそこまで来ている。しかし季節は変われど人間社会の春は程遠い感が否めない。世界的にはあちこちで発生している紛争に加え、年初来のコロナウィルスの蔓延騒ぎで市民のみならず指導者たちも心安らかにはいられぬことだろう。目を国内に転じれば更に悲惨だ。庶民の暮らしが一向に改善されず家計が苦しくなるばかり、

庶民の暮らしが苦しくなれば国も指導者も困ると思うが、我が国の指導者連中、換言すれば政権幹部は一向に困った様子を見せない。先月国会が招集され冒頭には首相の施政方針演説があった筈だが、彼が何を喋ったか何も記憶が無い。どうせまた各省のお役人の作文の継ぎ接ぎに終止していたのだろう。あまりに情けなさ過ぎる。自分が成し遂げたいことを一つでも明確にしてはどうかと思うが、役人の作文だけでは無理だ。

少なくとも7年前かだったか、第2次安倍政権発足当初、彼は日本経済の行き詰まりを解消するために「アベノミクス3本の矢」なる新造語を大々的に宣伝した。これで日本のデフレを終焉させて経済を成長軌道に乗せることを公約したようなものだ。当初は目標達成まで必要な時間は2年と言っていた。しかし2年が3年、結局7年経ってもその目標、即ち年率2%の経済成長でデフレを脱却する、は達成されていない。勿論GDP600兆円の目標も夢物語。

今「アベノミクス」なんて言葉自体話題にもならないし、首相自身も使う場面は無い。彼は事ある度に失業率が下がり雇用環境が改善していることを力説強調するが、政府統計画が示す事実はデフレからの脱却も無く、家庭消費の落ち込み傾向が続き、国際的に産業競争力が低下していることを明確に示すのみ。安倍氏が日本と日本国民を導く先を見失っていることは多くの人の目にはっきり写っていると思う。

そこで不思議に思うのは、安倍氏自身総理大臣という絶対に近い権力の座にいて何をしたいのか分からないことだ。来年で辞めるとか辞めないとか周りで騒ぐが、本人もやれるものならやりたいような顔をしている。国を分断したアメリカのトランプ大統領は、「アメリカ・ファースト」なんて馬鹿なことを言うが、少なくてもやりたいことは多くの人に分かると思う。安倍氏も出来るかどうかは措いても見習うべきだ。

2020年2月11日火曜日

祝日

サンデー毎日だから祝日は無関係だが、今日は建国記念日でお休み。子供たちは意味が分からなくても嬉しいだろう。大人たちが国旗掲揚する家がどのくらいあるか分からないが多分ごく少数だと思う。世界に沢山ある国家で建国を記念する日が無い国は存在しないと思うので、日本にもあって良かったと思う一方、祝い方が少し寂しいような気がしないでもない。年を取りすぎると誕生日もあまり目出度くなくなるということかな?

しかし国家は人間とは違う。2600何年何て言う必要もないし、皇室がこの日をどのように認識されているか知らないが、政府が音頭を取る国民的行事があっても良いように思う。極論すれば記念日自体を別の角度から再検討することも一案かもしれぬ。

閑話休題。昨日早朝から前立腺癌の定期検診で日大板橋病院に行った。病院は暖かいから居心地が良い。昨日は放射線科なので検査は何も無しで先生と雑談しに行ったようなものだ。留意点は手洗いにうがい、腎臓が弱いのでできるだけ水を飲むようにしてください、次回診察は8月17日と決めて診察料は74円。歩いて20分足らずの場所に大学病院があるのは都会住まいの有り難いところ。

「病院内は暖かくて良いですね。」と言ったら「その代わり乾燥しすぎるのが問題。」なんだそうだ。コロナウィルスの感染経路が日を追って増えていくが、病院内には雑菌ウィルスのたぐいが蔓延しているはず、病院に通って病気になったのでは洒落にもならない。ドクターも居心地が良いなんて言ってる場合ではないかもしれぬ。空気は透明に見えても空中に漂う物質の数は想像を絶するものがあるのだろう。

広くて大きいと言っても所詮は船、この空間を細かに区切った1室に閉じ込められ軟禁状態に置かれたクルーズ客。不運としか言いようがないが、海に面した客はまだしも、外部に窓のない部屋も多くあるはず。1000人に上る乗組員の殆どがそうであろう。彼らは毒の培養器の中に閉じ込められているようなものと思う。厚労省のお役人や政府関係者は何を思うか知らぬが、毒の培養器から人間を救出するということはイメージできないようだ。

2020年2月10日月曜日

許されざるやりたい放題

昔から寒明け10日が寒さの底と聞いているが、先週の立春以降寒い日が続いている。今日明日あたりがピークで今週末になるとぐっと暖かくなると天気予報は言っている。兎も角後1週間足らずの辛抱だなんて思っても、東京は春先に大雪が降るので油断はできない。

コロナウィルス騒ぎが続いているので、他の報道がどうしても薄くなる。国会では様々なスキャンダルを抱え、追求されぱなしの政権にとっては幸いかもしれない。攻める野党側は絶好のチャンスに直面しながら、相変わらず共闘体制が構築出来ず、国民の支持を得ることが出来ずにいる。馬鹿なことだと思うが、国民民主党が連合(電力総連など電力労組が大きな支持母体)の支持をバックにしている限り、原発廃止の旗を掲げられないので永遠に無理との説になるほどと思わざるを得ない。

野党がこの体たらくだから政権はやりたい放題が目に余る。特にやりすぎと思うのは検察の取り込み。東京高検検事長黒川氏の定年を閣議決定で先月末に延長し、2月8日で退職すべき人材を検事総長に据える段取り整えたこと。これを閣議決定でやったのだが、一般人には無いが問題か解らない筈。検察庁も行政組織の一環である以上やむを得ないかと思っていた。ところが、ネットで反政府側の意見を聞くと、検察官には職務の特殊性に基づき国家公務員法でなくて検察庁法別の規範がある。

そしてその検察庁法は「検事総長以外の検察官が63歳を超えて勤務することを禁じる」規定をしている。先月31日かの衆議院予算委員会でこの件で突っ込まれた森法務大臣の答弁は論理破綻していることを元検事の郷原信郎氏がダイヤモンド・オン・ラインで解説しているが、話が難しくなるので引用は控える。何れにしてサブキャッチにある<露骨な介入で脅かされる検察の政治的中立性
>が実態を表す適切な表現だろう。

検察庁にだって正義漢はいるだろうが、トップを抑えておけば未だまだ違法なことが許されると思っているようだ。

2020年2月9日日曜日

到る所青山

今朝、食事が終わりテレビを観ながらお茶を飲んでいたら長女から電話「お母さんの誕生日(12日)が近いからお線香を上げに行きたいが、行ってもいいか?」問い合わせてきた。勿論こんな寒い日に朝から家をあける用事なんか何も無い。30分も経たずに親子3人でやってきて線香を上げてくれた。この後どうするのかを聞くと、越谷だったかどこかの交通公園に遊びに行くとのこと。娘夫婦はもう50歳、さすがに旦那は眠そうな顔をしているが子供に好きなことをさせる姿勢は偉いものだ。

数日前、同じ小学5年生の孫をもつ昔のクライアントと話した折に聞いた中学受験のことなど全く気にしていないようだ。孫本人も今通っている区立小学校の隣りにある区立中学に行く気になっているらしい。旦那は旦那で、「博打につぎ込んで、自分自身と会社をおかしくしたなんとか製紙の元会長さんは子供の時から真面目で優秀、ストレートで東大を卒業したくらいなのに、長じて博打の味を覚えたため、のめり込んで人生を棒に振っています。私は子供には好きなこと先ずさせたほうが良いように思います。」

聞けば尤もだ。勉強が好きな子もいるだろうが、DNAを思えば勉強が好きな筈はない。電車の運転がしたいというのはちょっと珍しくも思うが、それはそれで良いかもしれぬ。しかし娘に言わせると、鉄道の専門高校は東京に2校しかなくて、入学は大変難しいらしい。本人が何を考えているか聞いたことはないが、小学生に聞いても始まらない。己のことを思えば、大学卒業する時になっても、どんな会社に行きたいなんて考えたこともなかった。月給が貰えるなら職種なんかどうでも良かったので、広告代理店なんて何をする会社かも分からず試験を受けたらたまたま入ってしまっただけのこと。

「人生到る所青山あり」と聞かされて育ったが、正しくは「人間到る所青山あり」らしい。骨を埋めるのは何も故郷だけではないでしょう、が本来の意味のようだ。しかし小生は、多分娘たちが故郷の長野市に骨を持っていってくれるだろう。一昨日孫の話をした古いクライアントと言うより今やすっかり友人となった同輩とそんなことで3時間も飲んでしまった。この娘と孫の話は前にも書いたようで恥ずかしいが、年寄りの同じ話の繰り返しとご容赦を願う。

2020年2月8日土曜日

報道姿勢

新型ウィルス騒ぎが始まったのは先月半ばか、その少し後のような気がするがなかなか落ち着きそうにない。中国の世界経済に対する影響力は馬鹿にできないものがあると思うので、この騒ぎが1ヶ月以上になると世界経済への影響は相当になるだろう。となれば、株価も将来不安から下がり気味になって当たり前と思うが、少なくともアメリカと日本の株価は小生が思うほど影響を受けないように見えるのが不思議でならない。

アメリカは兎も角、日本の観光業は大変だろうし、今朝は日本製鐵の工場閉鎖に伴うリストラ話が報道されている。これがウィルス騒ぎと関係あるかどうかは分からないし、製鉄業が日本産業界でどんな地位にあるのかも定かではないが、景気が良い話ではないことだけは確かだ。ニュースを追いかけていると、国内は政府がコロナウィルス問題に関して頑張って次々と手を打っているような報道が多い。代わって外国のことになると、どこの国にせよ政府の対策が後手々々に回り何かと大変だとの印象となる。

メディアも印象操作を意識しているのではないと思うが、結果的にそうなっているように感じてしまう。1週間か10日くらい前だったろうか、安倍首相がいつもの如く修飾語満載で「国民の健康第一で迅速に先手々々と対策を講じ、万全を期したい。」と仰るのを聴いて、思わずテレビの前で一人笑いをしてしまった。結果どうなっているかは分からないが、今朝の報道では横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号の乗客が自室のベランダに日章旗を掲げて<薬をなんとかしてくれ>とSOSを発信していた。

予定を2週間も延期されたので、乗客のお年寄りが手持ちの薬が切れて騒いでいるのか思いきや、そうではなくて約2700名の客を診断するために送り込んだ医師団(どうも5名程度らしい)が診察してくれたものの、処方する薬の準備が足りないことでの騒ぎのようだ。先手々々で万全の対策には程遠いように思うが、同胞の誼でメディアはあまり問題視しない。しかし中国のことになると態度が打って変わり、政府の初期対応のご粗末さを未だに断罪するし、最近はSNSにアップされ、当局に寄って削除された映像を拾って徹底的に叩いている。

他国の事情は知る由もないが、現在新型ウィルス対策に頭を悩ましている国は30ヶ国近いと聞く。各国とも悩みは多かろうが、代表的メディアが発信地である中国政府の対応を連日自国民に非難し続けるのは各国共通だろうか?今朝の日経は、昨日習近平氏がトランプ氏と電話協議したことを報じている。習近平氏が「米国は冷静に感染症を評価し、合理的に対応してほしい」と訴え、トランプ氏が「さまざまな方法で中国に援助したい」と応えたらしい。

2020年2月7日金曜日

夢の中で

今朝のニュースで知って驚いた、ハリウッドスターのカーク・ダグラス氏が亡くなったとのこと。お釈迦様でもないが、生きていたとは知らなかったし思わなかった。1916年生まれの103歳とのこと。何本もの映画を見た記憶があるが何と言っても「OK牧場の決闘」と「スパルタカス」だけは未だに機会があれば1200円払っても観に行くだろう。息子のマイケル・ダグラスとは比べ物にならないニヒルな感じが何と言えず魅力的で、女性の方から寄ってくるタイプには不良少年として大いに憧れたものだ。いまの日本芸能界ではあまり流行らないタイプかも知れない。

亡くなった人のはなし繋がりで恐縮ながら、明日は母の誕生日で来週の水曜日は家内の誕生日。昨夜不思議なことに母の夢を観た。母があることについて珍しいくらい優しい口調でアドバイスと言うか注意をしてくれた。あることとは私の友人関係についてで、母が生前から小生の硬軟取り混ぜた友人関係を心配していたのはよく分かっている。家内からは同じ問題をきつい口調で何度も叱られていたような気がするが、昨夜の夢ではないが愛情のなせる技であったと今更にして思う。これも不思議だが今朝話題の友人が電話をしてきて長話に及んでしまった。彼は母や家内が心配していた一人だが、このところ病気続きで大変苦労している。

その後で再び思ったのが母の面影と若い時の言葉。普通のご家庭であれば両親の遺影はどこかに飾ってないまでもしまってはある筈だと思う。ところが、我が家では家内の遺品整理の際、彼女が管理していた写真の全てを処分してしまったので家内の遺影以外両親の写真も無いことに改めて気がついてた。家内の遺影は仏壇の上に置いてあるので毎朝見るが、日によって見え方が異なる。ま、こっちが勝手に想像しているわけだが、山に出かけるときは「気をつけてね」と言っているようであり、その翌日は本当にホッとしているように見える。体調が悪いと心配しているように暗い表情に見えたりするものだ。

両親や可愛がってもらった祖母の写真は近くに無いので、そのような一人芝居は出来ない。逆の見方になるのかもしれないが、夢に出てくるご先祖は昔から友人関係を心配してくれていたが、ここまで来ると優しく見守ってくれていると思う。

2020年2月6日木曜日

アメリカ下院議長

都心にも寒が明けてからやっと冬らしい寒さがやってきた。今朝は会う人がまっ先に「今日は寒いですね」と言うのが定番だが、それでも最低気温が零下にならない、やはり暖冬だ。とは言え、すっかり春の暖かさに慣れているので、頬に当たる北風がすごく冷たく感じる。今日は最高気温が6℃以上にならないらしいし、都会には珍しい強い風が吹いている。昨日と今日は接骨院に行くのが予定外だったので、歩行数が1万3千歩を超えた。おかげで昨日は顔も洗えないほど痛んだ左手から痛みが大分取れた。

トランプ大統領の弾劾裁判は予想通り無罪判決が出て、ご本人は満足しているだろう。日本の総理大臣もお祝いでも持って駆けつけたい気分だろうが、11月の大統領選の結果がどう出るかが先のお楽しみとなった。下馬評では民主党内がどんぐりの背比べでもたついているので、トランプ氏の再選とする件のほうが多そうではある。しかしアメリカは上院は共和党が多数派と言っても52:48とか言った程度、下院は数字は覚えていないが逆に民主党が多数派。ここで下院議長を務めるペロシさんなる女性、この人の昨日の振る舞いが何とも秀逸。

昨日、大統領の一般教書演説会なるものが下院議会で行われた。NHKが生放送するくらいだから結構な意味を持つものに違いない。大統領府の幹部を始め上下両院の議長以下議員全員、最高裁裁判長始め司法関係の高官、軍部高官など国家の指導部全員が居並ぶ中での大演説会。大統領は1時間45分に亘る大演説を打ったらしい。ところがこの演説の中身内容が余程でき悪だったと見え、属国日本の政権寄りの評論家でさえ大変な悪評、アメリカの未来を謳う格調に欠ける選挙演説同然だったそうだ。

英語を解しないからそんなことはどうでもいいが、演説開始前に原稿を手渡されたペロシさんが握手を求めたのに大統領はこれを拒否、その恨みかどうか、演説が終了するとペロシさん、立ち上がってその原稿をカメラの前で破り捨てた。これには世界中のテレビカメラが飛びつき、今朝はそのニュースが世界を駆け巡っている。

残念ながら日本は衆参両院とも政権与党が過半数を締めているので、総理の施政方針で議長席に野党議員が座ることはない。仮に野党議員がその座にいたとしても、それだけの振る舞いできる議員はいないだろう。アメリカの大統領選は未だ10ヶ月もある。日本ではそう簡単に与党過半数割れは起きそうにないが、アメリカの大統領選に微かな望みを繋いでしまった。

2020年2月5日水曜日

初ハイキング 三頭山

       

昨日は立春、一昨日予告させていただいた通りハイキングに出かけた。都心は春うららな天気が続いているが、三頭山がある檜原村は東京で唯一つの村だけあって気候はだいぶ違う。聞くと先月末30センチも積もる大雪があり、今月に入っての雨で大分融けたそうだが、バス終点の数馬は700メートル地点で、未だ雪が残っていた。バスから降りた客は小生一人のみ。気温も10時の時点で5℃に届いていない。

数馬には何軒かの旅館があるが殆ど営業していないようだ。この集落を越して都民の森に向かう登山道があったと思うので、バスの運転士さんと一緒に地図を確認したがどうもはっきりしない。仕方なくシーズンが来ればシャトルバスが走る立派な道を辿って、都民の森管理事務所までテクる。歩いているのは奥多摩周遊導路だが地図上のそれとは全く別の新しい道のようだ。兎も角1時間15分ほどかかってやっと都民の森の森林館に到着。

管理人の説明に依ると、登山道は未だに健在で進入路の看板が無いだけ。帰りに辿るべき道を教わるが、この事務所から数馬のバス停より少し下の「数馬の湯」に連絡すれば迎えが来てくれるとのことで、帰りに再び寄ることにする。結局管理事務所を11:30出発、鞘口峠経由で東、中央、西の三峰を経由して大滝を巡るいつもコースに出発。雪が無ければ三時間あれば十分の筈が、雪と凍結した氷の影響で大苦戦、結局戻ってきたのは3:20。

数馬の湯からの迎えを頼み、温泉到着は4時半近い。5:16迄バスが来ないのでゆっくり湯に浸かり、そばを肴にビールを一杯、結局帰宅は夜6時になった。山頂で出会った客はアベック二組のみ。登山ルートが違うので歩いている間は誰とも合わず、まるで料理の上にメリケン粉を散らすように降る寒い道を兎に角こ転んではいけないので慎重に歩いたが、いつもの事で、最後の最後1100メートル地点で尻餅をついてしまった。

登りは1200メートルあたりから軽アイゼンを装着したが、降りは日当たりの良いところもあってアイゼンが却って邪魔になる。結局1300メートル付近で外してしまったのがいけなかったかも。その時も寝る時も何とも無かったのに真夜中に左手首に激痛が走り、起きると左手が全く使えず顔も満足に洗えない始末。このことだけはは少し残念だだが、初ハイキングとしては良かったとも言える。

ヤマレコは下記でご確認願います。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2207514.html


2020年2月3日月曜日

三頭山行きの準備

暖冬のせいで季節感が狂っているが今日で寒も終了、明日は立春。不思議なこ
とに11月9日以来約3ヶ月、全然その気にならなかった山歩きが急にしたくなった。虫の啓蟄と似たようなものだろう。

昨年秋から行こうと思っていた奥多摩三山に数えられている三頭山(標高1530メートル)行きを決意したまでは良いが、調べるとシーズン中(3月16日以降)であればバスが標高1000メートルにある「都民の森」迄行ってくれるが、現在は都民の森もバスも利用できない。標高で300メートル下から歩くことになる。大分前にこのルートを一人で歩いた記憶があるにはあるが、きつかったような気がする。しかし、一旦決心したので行くことにする。

先月27日には大分雪も降ったようだし、ヤマレコで昨日行った人のレポートにもアドバイスがあるので、念を入れて一応軽アイゼンなどの装備も持っていかねばならない。久しぶりのことでもあり、今日はその準備でバタバタしてしまったので、今日はこれくらいでご容赦願いたい。明日も帰宅は遅くなるのでお休みとし、明後日報告を書く予定。

2020年2月2日日曜日

新型肺炎騒ぎ

報道だけが加熱している訳でもなかろうが、コロナウィルスに依る新型肺炎が世界各地に拡散していることは事実。池袋もすっかり人混みが少なくなっているし、マスクをしている人も多い。人混みを好むと言うほどではないものの、日頃の習慣で人混みの中を毎日歩いているし、昨日も満員に近い電車な中で隣の女性が咳したりしていた。さすがにマスクを考えなくてはいけないか、と思ったが、マスクは昨年ネパール旅行前に買った残りの数枚しか無い。

もし買い増すとしたらどのくらい買えば良いのだろう、と思いながら少し考えた。この未知の疫病発生源が中国の武漢市で、更に絞り込むとこの街の市場で食用として生きたまま売られている動物のタケネズミやコウモリではないかと推察されているらしい。何れも想像だにできない小生からすればゲテモノである。しかし、彼の地では何年も前、ひょっとすると100年以上前かもしれないから食していたことだろう。

それが昨年末か今年早々に人類に仇なす疫病として姿を現したのは何故か、誰にも分からない。ただ仇なす正体は早々に特定されてコロナウィルスの一種と公認されている。正体が分かったので、近代科学でそれへの対処法は遠からず開発されるだろう。報道では正体が特定されたことを対処薬が開発されたように言っているが、とんでもないミスリードであるのは素人にも分かる。対処ワクチンなり薬が開発されるのは少なくとも10年単位の歳月が必要だろう。

だから、そんなことはどうでもいい。マスクを買うか買わずにおくかが問題なのだ。結論は買わないでおくことにする。疫病の正体がウィルスであれば、都内にも間もなく始まるスギ花粉の蔓延ほどでないにしても相当(言葉の綾でどの程度かは想像もつかない)漂っているに違いない。問題はそれを体内に吸い込んでからのことだ。運悪く発症すれば、体力の衰えている年寄から致死率が高いらしいから発病→入院→お寺さんにもなりかねない。

隣近所や行きつけの店あるいは親戚なんかも大迷惑だろうが、本人にすれば大した時間がかからぬならそれはそれで諦めもつく。要するに幼い頃から悪い空気をいっぱい吸い込み、いろんな病気にかかった。でも何とか乗り越え、80歳を目前にしている。ウィルスもバイキンも怖いが、自分の体調は自分が作り、管理するしかないだろう。食と睡眠と運動のバランスをどのように維持するかだけが問題の筈。マスク手洗いも大事だろうが、幼稚園の子供ではあるまいしマスメディアが報道すべきはもっと他にあるように思う。

2020年2月1日土曜日

天を恐れぬ時代

普段昼飯に週に3回か4回は通う近所の定食屋、オヤジの趣味はパチンコと休日条件が良ければ出掛ける海釣り。今日の昼に釣り仲間が来て釣り談義に花が咲いていた。客が東京湾の沖合水深250メートルほどの場所でクロムツを狙う楽しさをしきりに自慢している。オヤジは専らアジとかイカの店の営業に資する実益重視のようだ。クロムツを狙うにはリールの予備が必要らしい。サメがいたりする昨今、糸を切られたら1巻の終わり。半日を棒に振らねばならないらしい。

予備リールは4万円以上だったらしいが、クロムツを3尾も釣れば元は取れるのだそうだ。こんな会話を聞いている時ふと思い出したので、後でオヤジに聞いてみた。昔は焼き魚定食に銀鱈の西京焼きがあったと思うが、いま何故無いの?」この店は、どちらかと言えばトンカツ定食と生姜焼き定食が売りで、魚介類はエビフライやカキフライはあるが、焼き魚定食はさば、ホッケに鮭の3種類しかない。ハンバークなどがあるから牛肉が皆無とは言わないが、牛肉オンリーのメニューも無い。肉は鳥と豚だけと思ったほうが良い。

オヤジが答えて曰く「昔は確かに銀鱈もありました。しかし最近では高級魚になってしまい、定食の料金が千円(因みに焼き魚定食は750円)を超えてしまうのでメニューから外さざるを得なかったのです。メニューから外れたのがいつかはオヤジも思い出せないくらい昔のことだ。カウンターに5人、4人掛けテーブルが4つ、17,8人で満員となる定食屋の営業は厳しいものがあるのだろう。今日は客が少なかったので、女将がサービスでお茶をごちそうしてくれた。

昔はお茶だけでなくておしぼりが出た時代もあったような気もする。乏しい年金を少ないと言って嘆いたりしているが、考えてみれば極楽トンボだ。暖冬でありがたいなんて何度も書いているが、自然を相手とする農業や水産業の皆さんにすれば死活問題の方も多いだろう。普段魚なんぞ買うことが無いので魚の時価がどんなに変わっているかも全く関心が無かった。そこに持ってきて、政府は近々トリチュームを含む原発廃液を福島沖に投棄する腹らしい。自然を馬鹿にして、いつか天罰が下るのではと恐ろしくなる。