2020年2月17日月曜日

チョット不自由

単調な暮らしぶりだが独り身は何かと不便でもある。子供の頃から掃除や母のお勝手の手伝いを積極的にする方だったので、炊事、掃除、洗濯など生活する上で最低限のことは何とかこなせるが、どうにもならない事が裁縫だ。今の小学教育課程にどのように位置づけられているか知らぬが、我々の時代小学高学年になると「家庭科」の時間があった。料理は当然だが畳敷きの教室で針仕事も練習させられたものだ。

運針トレーニングでハチマキや雑巾を縫ったり、ボタンの付け方を習ったことを記憶している。また我が家にはミシンもあったので、高校に入ってマンボズボンが流行り始めると、ミシンを使って学生服のズボンの裾を細くしたりしたこともあった。高校時代はズボンを毎晩寝押ししていたし、アイロン掛けも子供にしては上手い方だったかもしれぬ。兄弟5人全員男の家族構成だったが、母親のすることに関心を持って手伝いを良くする子だった。

家内も短大を卒業してから静岡で和裁教室に通ったそうで、針仕事は得意だったのだろう。オヤジが上京してきた時には浴衣を一晩で縫い上げたくらいだった。裾の上がっていないズボンや袖の長いシャツを買ってくると文句を言わず、その夜のうちに調整してくれた。ただ、時々ズボンの裾を絡げてある糸を内側から切ってしまうと、これはけっこう大変なんだからと聞いたような気がする。家内の持ち物は葬式の後あらかた捨ててしまったが、裁縫箱だけは一つ残しておいた。

ボタンが取れた時ぐらい必要かと思った次第だ。先日、暮に普段履きのつもりで買ったズボンの裾がほつれて全部外れてしまったので、自分で縫い直そうかと思って針箱を取り出し、挑戦しようかと糸が外れていない方を見ながらを見ているうちに、こりゃとても無理だと断念してしまった。我が指には家内が使っていた指貫はとてもはまらない。指貫無しで裾を一周する作業なんて出来よう筈がない。池袋に行く途中に洋服修理の店はあるので聞いてみた。すると2000円で買ったズボンが修理に1500円程度は取られることになるとのこと。

それも悔しいので暫くほっておいたが、先日ネットで検索して布を張り合わせるテープがあることを発見した。行きつけのスーパーに問い合わせると手芸コーナーにありますとのこと。早速購入して目出度く裾上げを修理。娘に自慢したら「そんなことは今や常識よ。」と軽くいなさてしまった。

3 件のコメント:

村松 光 さんのコメント...

こんばんは。今日のブログ面白く読ませていただきました。
毎日地域のお仕事で出かけていて、家事もろくにしていません。
それに裁縫は一番苦手なので、避けて通っています。
せんかわさんは伯母様の良き助手でいらしたのですね。高校生の
せんかわさんがミシンをかけていたのを見ていた記憶があります。

今日の地域の会合で、一人暮らしの人が、家事をこなしていらっしゃる
体験をききました。女性も、そして女性に負けないくらいなんでも
こなしている男性もいました。みなさんたいしたものだと感心しました。
私が一番なまけものだと反省しきりです。

senkawa爺 さんのコメント...

村松光さん
いつもありがとうございます。
昔はいろいろしましたが、今はすっかりだめです。

tak さんのコメント...

私は長年身動きできない妻を介護していたので、たいていの家事はしてきましたが、裁縫だけは全くできませんでした。
必要な時は親しい女性に頼んでいました。
貴兄の気持ちはよくわかります。
裾上げテープの情報大変ありがとうございます。