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「倫敦塔・幻影の盾」 夏目 漱石 著

子供の頃よく遊びに行った祖母の家に橙色の漱石全集が揃っていた。講談本を読み飽きた頃から祖母の家に行ってはこれを読み始め、高校を終わる頃までには全てを読んでしまった筈だが、内容はとんと思い出せない。先週書店に行ったが 読みたいと思う本が見当たらないので、書名も記憶にないこの本を買って読んでみた。

タイトルの2編の他に5件の短編集(小説ばかりではない)である。昨近日本人の漢字力低下が指摘されているが、私もご多分に漏れず同様で、先ず漢字の勉強になった。併せて中には意識的に古美文調で書かれている散文詩があったりして、ボリュームは無いが読むのに大変難儀した。これを高校時代に読んでいたとしても記憶に残らないのは当たり前、字の数を勘定していたに過ぎぬ事だろう。その上意味の分からない単語が多く、巻末に注解が40頁にわたって付記されているからまだしも、これが無ければ途中で読むのを諦めたかも知れない。

書かれたのはデビュー作「吾輩は猫である」とほぼ同時期、明治38年ころである。漱石自身も慶応3年生まれだから我々から見れば江戸時代の人みたいものである。中に「薤露行」なる1篇がある。タイトルからしてルビが無ければ読むことが出来ない。「かいろこう」と読むらしい、意は「死出の旅」に近い。これが何とアーサー王円卓の騎士のトップスター”ランスロット”を主人公にした大ロマン散文なのだ。読んだ事はないが「源氏物語」も不倫小説だと言うから日本人は元来ロマンチックが好きなんだろう。最初に収められている「倫敦塔」はそうでもないが、表現は古めかしいが全編に異性への思いが香り高く漂っている。

母の頃は漱石と言えば大流行作家だったようだが、私からすると恥ずかしい限りだが既に古文に近い。漱石は英国に留学しても英語が通じないので神経衰弱になり下宿に引きこもっていたと言われている。しかしこの短編集を読む限り彼の英語力は生中ではなかった事が良く分かる。引き籠ったのはもっと他の理由があったに違いない。例えば余りに頭が良すぎる上に神経が非常に繊細で、女性なんかでも観念的には凄く純化と言うか美化してしまう傾向があったようだ。同様に西洋の事情に接した時、勉強して自ら構築してきた観念と現実をどう整理するべきか混乱したりしたとか。

素人が勝手に無責任な事を書いたが、明治時代の人の西洋に対する思いと勉強の凄さには敬服するばかりだ。明治38年…

スパコン

注目の行政刷新会議事業仕分けチームが先週文科省所管の(独)理化学研究所が推進しているスーパーコンピュータの開発に待ったをかけた。
曰く「スパコンの国家戦略を再構築すべきである。従来の検討者以外の新しい研究者を入れて、新しい議論を公開しながら行うべき。現状はスパコンの巨艦巨砲主義に陥っていないか。」である。今週同所理事長の野依氏以下ノーベル賞受賞の科学者が打ち揃って記者会見を開き、反対のキャンペーンを繰り広げている。

何と言っても我が国は総理と副総理が工科系のご出身で副総理は知らぬが総理は博士号まで持っておられるとの事、スパコン復活してしまうかも。メディアは何でもネガティブな話が好きだから、当然見直し反対の肩を持つに違いない。こちらは子供の頃から算数が大嫌いな劣等生なので「巨艦巨砲主義」と言う古臭い言葉に興味を持った。他にも野依氏が理事長である事は知らなかったが「理化学研究所」も昔から頭の片隅に有って少し引っ掛かる。確か先の大戦末期、後に原爆症で亡くなった仁科博士がここで核分裂の研究をしていて理論的には日本でも原子爆弾を製造する可能性があったと聞いていたからである。

そこで理化学研究所のホームページを瞥見した。ざっと言えば総勢3000人を超す大所帯で年間総予算は1000億円を超えている。組織自体が恐竜みたいものだ。独法になったのは極く最近だが歴史は古く大正7年から90年以上の歴史がある。故事来歴を少し見ると、戦前は成程小中学生時代に聞いた偉い科学者の多くが在籍していたことが分かった。仁科博士の研究は原爆とは無関係としているし、大好きな随筆作家で科学者の寺田寅彦さんまで在籍していたのは初めて知った。

問題になっているスパコンだが40ページある年度計画の33ページ目からが「最高水準の研究基盤の整備・共用・利用研究の推進」でその最後の方にちょこっと出てくる。チームのトップは理事長が本部長として兼務しているからもっと堂々と書けばいいのに。そして(3)次世代計算科学研究:①次世代スーパーコンピュータの整備・共用の推進とあって曰く「国家基幹技術として位置付けられた超高速電子計算機(次世代スーパーコンピュータ)の開発を推進するとともに特定高速電子計算機施設の整備を進める。」とある。正に官僚的な作文。

前後は省略した。私が言いたいのはこれが完成したら誰がどんな事をしようという利用目的は何も書…

落選議員を励ます会

昨日高校同期の友人から声が掛り、前回の衆議院選で郷里長野に於いて落選した自民党議員を励ます小規模な集会に顔を出した。どうして私に声が掛ったのか分からないし、同窓生でもない彼を何で選挙区でもない東京で励ます会を開催するに及んだかについても特に聞いては居ない。しかししばしばこの日記でも書いているように最近政治について興味を持っているので興味を持って出かけてきた。


年齢的には我々より6歳年下で前政権時代には大臣経験もあり、つい先ごろまではテレビで良く見かけた顔でもあるが、世襲議員なので代議士になるまではずっと東京で育ち東京でサラリーマンをしていたとの事。呼びかけ人の他に1名未だ経済界で活躍している同期生が居て、この二人は以前から何らかの繋がりがあるようだ。残る数名は私もそうだがこれまで何の面識もない。ついこの夏まではテレビで見ても偉そうにしていた人が少し年上と言うだけの我々に対して大変丁寧で気を遣っていたのが印象深い。6時半からの会であったが、私なんかより先に来たようで「先輩ばかりなので緊張します。」と言って寝むそうではあったが10時近くの最後まで付き合っていた。


彼は前々回を上回る約12万7千票余を獲得しながら落ちたのは余程悔やまれるようだ。彼によると今回の選挙はやはりタイミングが最悪であったらしい。当然昨年中には選挙があると言う前提で麻生政権が出来た直後から選挙区内を奥さんと手分けして10数万軒隈なく回って臨戦態勢を整えたらしい。尤もベルを押して「こんにちわ」と直接会えるのは約2割だそうだ。そしたら麻生総理が決断せずご案内の通りの状況になってしまった。「半年もたてばこの努力もすべて水の泡です。その上メディアに自民必敗と書き立てられれば元気も出なくなりますよ。」と唇を噛むような感じであった。


再起のためには長ければこれから4年近く運動をしなければならないが、つくづく考えてしまうそうだ。彼の場合は長野県では家柄が超1級なので親戚の会社に在籍する形を取ったりすることも可能らしいが、落選者は自民党の支部長になる事は出来ても兵糧の補給が極細になるらしい。ここら辺の話は具体的で言っちゃ失礼だが面白かった。そう言えば我々仲間の応援等も得ながらやっと政治家になったものの、落選した途端地元の仲間に挨拶もせず政治家をあっさり辞めて評論家になってテレビで稼ぎ、同期生の顰蹙を買った人もいる。今回…

小春日和

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本日は勤労感謝の日でお休み。朝から小春日和の素晴らしい天気で、天気予報は大外れ。昨日から小学5年生の孫が炬燵に入りたいために我が家に来ている。何でもテストの結果が悪くても残念には思わないそうだが、折角祖母ちゃんの家に来ても炬燵が無いのと非常に残念に思うそうで、先週末婆さんが慌てて用意していたものだ。昨夜からずっと薄着のまま炬燵にもぐり込んで大満足の態である。

今朝は天気がいいので朝飯の後、婆さんが片づけをする時邪魔にならぬよう孫を連れて小1時間のお散歩。その後散髪をしようと思ったが床屋さんは月曜日が定休日、すっかり忘れていました。仕方ないので事務所に来てPCを立ち上げ日記を書いています。

昨日は終日曇りでしたが棒の嶺にハイキングをしてきました。朝7時37分池袋発の予定でしたが、同行の整体師のお兄さんも早く来ていたので1本早い快速で飯能に向かいました。しかし飯能からバスに乗ると雨が降りだしてしまいました。もともと雨の確立が60%だったので覚悟していったのですが、終着さわらびの湯に着くと殆ど降っていない状態です。取りあえずラッキーてな感じで登山開始です。

棒の嶺965mはバスの終点から名栗湖を巡って登山口に掛り合計6kmと少し、標高差が約700mのところにあります。コースは短いのですが前半は有間川の渓谷に沿っての登りで渡河を繰り返しながら瀧脇の鎖場などがあり、後半は枯草に蔽われた快適なハイキングコースの後キツイ木段が400段ほど続くと言う変化に富む楽しいコースです。2時間10分程で山頂です、曇りのため残念ながら山頂からの見晴らしはだめでした。

東屋があって3組のグループがコンロ持参で暖かそうな昼食を楽しんでいました。我々むさくるしい男二人組は寒さに耐えて冷たいおにぎりで我慢です。しかし、これから最高でした。昼飯をそこそこに下山、帰りは相当ゆっくり歩いたつもりでしたがそれでも2時間弱でさわらびの湯に浸ります。まさに極楽気分でした。昨日は朝から乗り継ぎが全てスムーズで池袋に着いたのは未だ5時少し回っただけの時間でした。早速同行のお兄さんとかねて狙いをつけていた焼肉屋に飛び込み乾杯。ここが店の開店1周年という事でロースとカルビが半値の480円だったりして、私の体重の1.5倍近い巨漢のお兄さんと思いっきり飲み食いしました。

同行のお兄さんは富士山一辺倒でもう10回以上のキャリアだそうで…

本当に暖冬か

友人に地球温暖化現象説にかなり疑義を持っている人が居る。

数週間前になるだろうか、気象庁から出された長期予想ではこの冬は確か暖冬だろうと言っていたような気がする。まだ本格的な冬とは言えないので分からないが、立冬以降特にこの2,3日朝夕の冷え込みはとても暖冬とは思えない。前立腺肥大の爺に冷えるのは一番いけないのだそうだ。今朝婆さんに電気毛布を出すように頼んで来た。

民主党マニフェストにケチをつける野党とと同じで、冬に入ったばかりですぐいちゃもんをつけては気象庁に申し訳ないが・・・・・・

昨日今日あたり国会が面白いのだろうが、インターネットを見ている暇がなかった。
鬼に笑われそうだが今週急に、来年初から結構忙しくなりそうな雰囲気が出てきた。

来年はゆっくり山に行けると楽しみにしていたのに、、なんて事だ。

「政権崩壊」 武田一顕 著

ラジオを聞かない私にとっては聞いた事のない名前の政治ジャーナリストである。毎日購読しているテレビコメンテーターの勝谷誠彦氏のメルマガで絶賛されていたので早速読んでみた。著者はTBSラジオ10年キャリアの国会記者との事だから知る人は知る存在ではあるのだろう。確かに面白い。

テレビではよく毎度おなじみの元〇〇新聞記者の爺くさいコメンテータが、若手の政治家を相手に偉そうに「俺の方が余程物事を知っているのだ。」としたり顔で昔のことを引き合いに出しながら説教じみた解説をしている。いつもこんなシーンを見ながら「いい加減にしてくれ、もっと参考になる意見は無いのか?」と思っていたところだ。

今回この本を読んでこのフラストレーションの寄って来たるところが分かった。この本に惹きつけられるのは、内容の全てが著者即ち記者が現場で体験、体感している事実に則して記述されている事にあるのだろう。著者の考えを自分の言葉で表現しているので非常に読みやすく分かりやすい。書かれている事はわずかここ1年そこそこの間に起った事で、全てテレビ新聞等を通じて記憶に残っている事がらである。しかしそこで報道されない些細な事からいろいろな事が見えてくる。

著者は1966年生まれとあるので未だ40歳を少し超えているかとかなりお若いようでもある。報道されていない事を気負いもなく多分正直に坦々と書かれているだけだ。しかし読者であるこちらかからすると、自民党が帝国陸軍の末期のように自ら敗戦の原因を作り、終戦を迎え烏合の衆と化していく様(これは著者が小沢一郎と対談をした後に持った感想である)にいちいち初めて納得いく思いがするのである。

著者は歴史も勉強しているようだしかなりの中国通のようでもある。首相の中国訪問には必ず同行するようだが、旅費の関係があって首相と同じ飛行機に乗れない事があるらしい。こんなちょっとした事実関係が新鮮でもある。TBSも何故ラジオ局に配属しているか分からないが、取材費がふんだんにない場所にいる事が逆に読み応えのあるレポートを生んでいるのかも知れない。

テレビ局もこれからは現場を離れた死にそこない爺の無意味な解説を公共の電波で流すのではなく、この著者のような若い人の解説も重用すべきだろう。

昨日の続き

昨日天皇陛下在位20年式典について書いた。その後皇居前広場で同じ趣旨の国民参加イベントが行われたようだ。その事自体は結構だが、これを報道したNHKニュースの後「天皇」についてのアンケートが発表されたのには腰が抜けるほどびっくりした。内閣や総理大臣の人気を調査して発表するのはご愛嬌であるが、メディアが『「天皇」の存在についてあなたはどのように思いますか?身近になりましたか?』と何を考えて調査をしたのだろう。

あと10年経ったら又同じ調査でもしてみるのだろうか。「天皇」の存在を否定する意見が多くなったら天皇制廃止のキャンペーンでも始めるのだろうか。ただでさえ陛下ご自身「皇位継承については大変大きな問題」と悩んでいらっしゃると発表された翌日、非常識だと思うのは我だけだろうか。婆さんも、世が世であれば幹部全員首だろう、に賛成してうえで「この頃のNHKは少しおかしい、左翼が強い力を持っているのではないかしら?」と少し心配そうであった。

今日はオバマ大統領来日との事、ターミナルの警備は池袋あたりでも異常な位だ。約半世紀前の6月、60年安保改正反対の連日のデモでアイゼンハウアー米大統領の訪日が中止となった。以降何人もの大統領が来日されるようになり、今やデモのかけらも見られない(昨日陛下の式典にさえ反対デモがあった位だから、実際はあるのかも知れない)。昔を懐かしむわけだはないが、ポチか属国になってしまったなあという感慨も少しある。

天皇陛下在位20年記念式典

暇人の特権で昼間からテレビ中継を1時間20分丸々見てしまった。中学校の卒業式と高校の入学式以来式典らしきものに出席した事が無いので、このように改まった雰囲気は良いものだなあ、と感心した。

皇室の存在に対する思いは人さまざまだろうが、私は日本にとって欠くべからざるものと思っている。その存在は国土と同じで、理屈で説明は難しいが有って当たり前、無いと日本でなくなってしまうようにさえ思える。しかし我が子や孫の時代になるとどうなるのだろう?

子や孫くらいまでは自分は日本人と言う自覚を持って生きてくれるだろうが、来世紀になる頃日本という国家がどのようになっているかを考えるのは少し怖い。先ずこれから先々の天皇が千年と言うと嘘っぽくなるが、少なくとも明治初期から代々受け継いできた皇室の文化と精神をきちんと継承され、日本国家存続の礎となって頂きたいものだ。

皇室も今では憲法で規定された機関となって、陛下ご自身も規定されている事に忠実たらんとされていらっしゃるようだ。それはそれで致し方が無いが、実際に果たされている役割はそんな薄っぺらな筆舌で表せるようなものではないと思う。周りを取り巻く連中、中には当然国権の最高権威者共も含まれるが、己の責任も果たし得ずして陛下の宸襟を悩ませる事が無いように祈るばかりだ。

世の中には費用対効果で割り切れないものが沢山ある。国の予算は事業仕分けのようにすべて効率で割り切っても良いが、割り切れないものをどのように子供や孫に伝えていくのだろう?事業仕訳の中継も結構だが、暇な爺が見たこの式典を北朝鮮みたいに全チャンネルでゴールデンタイムに放送できれば良いのに。

互に好きな事

先日確か日曜日、我が家での会話。

休日の日課となっているプールから帰ると必ず鼻水がずるずると止まらなくなる。そこでこれ又定番の風邪薬「改源」1包の服用となる。話はここから始まった。

「プールから帰るたびに風邪薬を飲んでいたのでは仕方ないでしょう。何のために行っているの?」
「勿論健康で長生きするためさ。鼻水は消毒薬の塩素で鼻粘膜が荒れるのだろうから仕方がない。」

「実家の母は今度の連休で85歳になりますが頭はしっかりしているし大変元気よ。周りの婆さんや爺さんがやれウォーキングだ、ゲートボールだと騒いでも決して何もしない。家に居て好きな物を食べて好きなテレビを見て暮らしている。近所の一見元気そうなだった人はどんどん死んだりボケたりしているみたい。だから私も余計な事は何もしない。」

「そう言えば、楽天の野村監督も野球以外余計な事は何もしないらしい。デブも気にしないしゴルフなんかもしないようだ。長嶋さんや王さんの方が若いしアスリートらしく溌剌としていたのに病気になってしまい、年を取ってじっとしているだけの野村さんは極めて元気というか悪い所はないようだ。俺もどっちかと言えば、長嶋さんや王さんの口だなぁ。」

「ま、でも良いでしょう好きでやっているのだから。私の好きなサラリーマン川柳の傑作を教えてあげる。
”酒もたばこも 女もやらず 100まで生きた馬鹿が居る”よ。」

「成程。」と答えてみたが。我が生き方を非難しているのか、励ましているのか分からないな??

「序にもう一つ教えてあげる。”おだてりゃのぼせる 怒ればすねる 死ねば女は化けて出る”」だそうだ。

五七五の韻を踏んでいないのでどこまで本当か知らない。我が家の婆さん行動パターンは兎に角こちらと正反対、自宅に一人でいるのが大好き、運動はおろか温泉旅行さえ行く気にならないらしい。今度の連休、実家の婆さんの誕生日は、こちらは失礼して又ハイキングに行く事になった。

恐慌は日本の大チャンス 高橋洋一 著

著者は元大蔵官僚で、数理学と経済学を修めた学者でもあり、小泉竹中構造改革路線のブレーンとなって華々しく自公政権にデビューしてつい最近まで活躍していた。以前彼の著書を読んだ記憶がある。大蔵省の埋蔵金なるものを言いだしたのも彼である。

ところが、麻生内閣になって今年の春、なんとサウナ風呂の脱衣所で高級時計窃盗事件を起こして逮捕、世の中から抹殺されたと思っていた。余談になるが経済学者は手鏡事件で逮捕された植草一秀とか少し変わった人が多い様に思うが何故だろう。やはり自然科学とは異なり、少し手前勝手、牽強付会の傾向があるのだはなかろうか。特に経済学者が言う所のマクロ経済は誰の説を聞いても理解不能である。

本書に曰く「日本はリーマンショックの後麻生内閣の財政措置も中途半端な上に日銀の金融政策が間違っていたので、GDPギャップとやらが急速に拡大してデフレスパイラルで恐慌に向かっている。これを立て直すにはインフレ目標を設定して通貨の供給量を増やさなければならない。その方法論として政府発行通貨とか一人20万円相当の定額給付等のメニューが考えられる。」としている。

同じ経済学者の池田信夫氏のブログなども偶に読むが、池田氏はこんな説を一笑に付している。要するにマルクスにせよケインズにせよフリードマンにせよ世界に名だたる他の経済学者の誰を持ってきても1+1=2のようにすっきりした答えは無いのでは。だから読むだけ無駄かもしれないが、郵政改革を推進した当事者の弁明を改めて聞くのも悪くないと思って読んでみた。

この点については、郵政改革は日本経済に必要有効な改革であったが、小泉、竹中の構造改革全体を見ると極めて中途半端で、しかも裏腹に霞が関官僚にしてやられた面が多々あるとの事。特に麻生氏のブレーンになった与謝野氏が経済音痴であるような書きぶりである。

書くほうも書く方だが買って読む方も余り利口ではなさそうだ。時の政府の経済対策が常にこのような人種のご託宣で決められとすれば・・・如何なものかな?

理想と現実の狭間

民主党が政権の座についてもう50日が経った。国会も始まり総理の所信表明に続いて予算委員会のテレビ中継も始まった。見ていると面白くて結構いい暇つぶしになる。今日の参議院は余り見ていないが少し時間が出来たので川口順子の質問だけ見る事が出来た。相当な女傑とは聞いていたが、成程凄い。インド洋から補給艦撤退に関して「民生支援は昔からしているしているが代替案にはなりえない、燃料補給は民生支援とは別のテロとの戦いの後方支援なんです。総理は分かっていないのでは?」と舌鋒鋭く迫る。

聞いている此方はびっくりしてしまった。こうはっきりと何の衒いもなく、元来自衛隊が軍事にコミットしているのだから代替案も軍事支援でなくてはならぬ、と聞かされるとは。昨日イラク戦争の傭兵に関する本を読んで、テロとの戦いの空しさを痛感していた矢先だ。どうすればこの小母さんは日本が戦争の後方支援をする必要ありと考えるのだろう?彼女は大義があり、法律との辻褄があっていれば人殺しも仕方がないと考えているらしい。流石世界を股に掛ける超エリートは凡人と考えが違う。法律を知らない凡人の一人としては戦争からは出来るだけフェードアウトさせて頂きたいものだ。その結果世界から笑い物になってもいいではないか。

衆議院の予算委員会でも自民党のお歴々が閣僚に向かっていろいろな質問をする。もちろん野党だから、政府の痛い所ばかり突くのは仕方ないのだろうが、マニフェストとの不整合や総理の政治資金問題など自分たちの事は全て棚に上げ、上から目線の演説が多い。野党慣れしていないと言えばそれまでだが、何れ吐いた唾が我が身に降りかかる事も忘れているかのようだ。

片や民主党内閣の答弁、各閣僚とも相当に緊張して一生懸命務めているのは明らか。特に感じるのは代表が小沢一郎だったらこうはいかなかっただろう。代表を替っておいてよかったと思う。鳩山氏の識見能力については小沢氏より劣るかもしれないが、語り口は比較にならぬ程好感をもたれる筈だ。問題は政権与党として理想と現実の狭間でこれからどのように振る舞うのだろう。

必須の条件は役人との協力関係だが、この2カ月足らずでこれはどの程度構築出来たのだろう。多分多勢に無勢、面従腹背が相当にあって苦労しているのではなかろうか。結果的には日本郵政や人事院人事に象徴されるように、早くも役人の高笑いが聞こえてくるような気がしないでもない。…

戦場の掟 スティーブ・ファイナル著

<ワシントン・ポスト>紙特派員として長年イラクをリポートし続けてきた著者が2008年にピューリッツアー賞を受賞した作品。日本のメディアでは決して報道されない戦争を請け負っている民間企業とそこに働く人間、分かりやすく言えば傭兵の実態が赤裸々に書かれている。日本の陸自・空自も撤退し、米国も占領軍を撤退中かしてしまったかは知らぬが、街中でのテロなど相変わらず血なまぐさいニュースが時々報道されている。恐らく日本人の大半はイラク戦争に我が国がコミットした事すら忘れているだろう。

私自身もその一人だ。しかしこの本を読むと戦争が如何に酷いものかが段々分かってくる。国と国との戦争であれば、当事国の国民が悲惨な思いをするのも致し方ないかも知れない。しかしこの記者がレポートしているのは明らかに占領以降、新政権時代のテロとの戦いの話である。現在でも「テロとの戦い」は全世界の人がその責めを果たさなければいけないようにわが国でも喧伝されている。

しかしこの戦いの場となっているイラク国民から見たらとんでもない迷惑に違いない。なかでもその戦いのために生み出された新しい戦争請負産業、即ち正規の軍隊ではないが兵力の不足をカバーするために生み出された傭兵の集団の実態については米国内でも殆ど明らかにされないようである。又アメリカと言うのは不思議な国で、この機に乗じて戦争請負企業が幾つも興されて今や1000億ドル市場になっているらしい。

当然そこには命知らずと言うか馬鹿みたい人間が世界中からわんさと群がり(当然だが手にする金額は半端ではない)、企業がイラクに派遣している人数は公式発表はないが現在(2008年?)でも3万人から5万人と言われるそうだ。この本はそのうちの1人で陸軍をリタイアしてフロリダの大学で学んでいる時に気が変わり、ある民間警備会社の傭兵となって再びイラクに戻った青年と雇った会社とその同僚を核に話が展開する。

警備の対象はさまざまであるが殆どは国務省関係の人間と物資、時には軍隊そのものの護衛も引き受ける。彼らの頭にあるのはただ金による契約のみ、法律的にはイラク・米国どちらの法律も無視している。その代り、死んでもそれが公式に発表されることも無い。政府は彼らを重宝しているが、彼らとは無関係を装っている。彼らが引き起こしている無辜の民の虐殺は数知れないようだ。代わりにこのレポートの主役たちも悲惨な死に方…

都民の森で紅葉狩り

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先月31日の土曜日に東京都の西のはずれ奥多摩にある都民の森をハイキングして来た。ここはもう山梨県と境を接している遠方なので意外と都民に知名度が低いように思う。私自身も一昨年の春偶然に知った。今度で3回目の訪問になるが、来る度にいい場所だと思う。アクセスに少し時間がかかるが、武蔵五日市からバスでハイキングコースの中心にある都民の森のバス停に着く。新宿から約3時間掛る。
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しかしここに来ると山奥ながら突然、駐車場、森林館、木材工芸センターとびっくりするような立派な施設が整っている。ここを中心にハイキングコースが幾つも綺麗に整備されている。特に今回歩いたコースで感激したのは中心地から三頭大滝に至るコースで、ここには木材チップがびっしり敷き詰められていて歩きやすい。コースの最高地点は「三頭山山頂(1,532m)」になっている。山頂に峰が三つある事から名付けられたようだ。

今回は昔一緒に仕事をした同世代のハーフリタイアメントと久しぶりののんびりしたハイキング、天気も打ってつけの好天、標高1100mにある都民の森センターから上は秋たけなわで広葉樹の紅葉が秋のやや弱い陽ざしに映えていた。