2009年11月26日木曜日

スパコン

注目の行政刷新会議事業仕分けチームが先週文科省所管の(独)理化学研究所が推進しているスーパーコンピュータの開発に待ったをかけた。
曰く「スパコンの国家戦略を再構築すべきである。従来の検討者以外の新しい研究者を入れて、新しい議論を公開しながら行うべき。現状はスパコンの巨艦巨砲主義に陥っていないか。」である。今週同所理事長の野依氏以下ノーベル賞受賞の科学者が打ち揃って記者会見を開き、反対のキャンペーンを繰り広げている。

何と言っても我が国は総理と副総理が工科系のご出身で副総理は知らぬが総理は博士号まで持っておられるとの事、スパコン復活してしまうかも。メディアは何でもネガティブな話が好きだから、当然見直し反対の肩を持つに違いない。こちらは子供の頃から算数が大嫌いな劣等生なので「巨艦巨砲主義」と言う古臭い言葉に興味を持った。他にも野依氏が理事長である事は知らなかったが「理化学研究所」も昔から頭の片隅に有って少し引っ掛かる。確か先の大戦末期、後に原爆症で亡くなった仁科博士がここで核分裂の研究をしていて理論的には日本でも原子爆弾を製造する可能性があったと聞いていたからである。

そこで理化学研究所のホームページを瞥見した。ざっと言えば総勢3000人を超す大所帯で年間総予算は1000億円を超えている。組織自体が恐竜みたいものだ。独法になったのは極く最近だが歴史は古く大正7年から90年以上の歴史がある。故事来歴を少し見ると、戦前は成程小中学生時代に聞いた偉い科学者の多くが在籍していたことが分かった。仁科博士の研究は原爆とは無関係としているし、大好きな随筆作家で科学者の寺田寅彦さんまで在籍していたのは初めて知った。

問題になっているスパコンだが40ページある年度計画の33ページ目からが「最高水準の研究基盤の整備・共用・利用研究の推進」でその最後の方にちょこっと出てくる。チームのトップは理事長が本部長として兼務しているからもっと堂々と書けばいいのに。そして(3)次世代計算科学研究:①次世代スーパーコンピュータの整備・共用の推進とあって曰く「国家基幹技術として位置付けられた超高速電子計算機(次世代スーパーコンピュータ)の開発を推進するとともに特定高速電子計算機施設の整備を進める。」とある。正に官僚的な作文。

前後は省略した。私が言いたいのはこれが完成したら誰がどんな事をしようという利用目的は何も書いていないのである。報道によれば自動車の衝突実験を実物無しで出来るくらいのことしか聞いていない。自動車メーカーが衝突実験でいくら使っているか知らないが、これをスパコンに代える必要はないだろう。一寸聞くと孫が言う所のドラえもんの何とかポケットみたいで大変便利だそうだが、私がホームページを垣間見た限りは仕分けチームの結論の方が説得力を持っている。

歴史的に見れば大きな役割をはたしてきたに違いないし、多岐にわたる組織の活動の中には必要欠くべからざるものもあるのだろう。しかし組織が大きくなりすぎるとパーキンソンの法則に則り事務屋の数は否応なしに増えてしまうのである。そして彼らが事務屋が考えるのが正に戦艦大和ではなかろうか。おそらく世界最速のコンピュータを開発してもプロのトップ棋士と碁を打たせれば叶わないだろうと思う。私が知っている鈴木梅太郎博士、仁科芳雄博士、湯川秀樹博士たちはどのように研究を深めて成果を挙げ得たのだろう。恐らく自分の頭の中をフル回転させる事によって世界に冠たる大発見をした筈だ。計算道具は算盤かあっても計算尺程度しか無かった時代だ。

科学の発見に実験と検証は大事と言うのは分かるような気がする。その為にはスパコンに頼るより自動車の実物を何百台も壊す方が良いのではないだろうか。馬鹿な市民が言っては申し訳ないが、野依博士も勲章を貰ったりして官僚に利用されているようである。そういう意味では勲章なんてものも無用の長物かもしれない。

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