2019年1月31日木曜日

先憂後楽

今日で1月も終わり、江戸はカラカラの乾燥状態が続いていたが今日はやっと空から何か降ってきそうだ。日本人は乾燥を無味と呼ぶし、ウェットな冬の方が春を期待する気分が高まるとしたものだろう。もう間もなく訪れる春は今上陛下が退位され、平成が終わることとなる。平成を丸々この目で見た感想は春になってどう感じるのだろう?今のところは畏れ多くも陛下と同じ「平和でよかった」の一言に尽きるかもしれぬ。

少し気になるのは新しい時代に多くのつけを残した責任である。近いところで子や孫を見ている限り、自分と同じような安閑とした人生と言う訳に行かないのでは、との不安がある。今のところ彼等も屈託なく懸命に勉強したり働いたりしているが、一定の年代に達した時の報われ方が大分違ってくると思う。とは言っても我々の時代と現世代では望みも夢も大分異なるのも事実だろう。もっと端的に欲望を考えれば余計はっきりしそうだ。

我々の学生時代は未だ食欲最優先の感じが残っていた。上京するにあたり食料手帳が必携品だった時代だ。卒業して間もなくすると食欲はどうやら満たされ物欲が出てきた。欲しいものはいろいろあったが、代表的なものがマイカーだったような気がする。アメリカでは一家に1台と聞かされ、何れ所帯を持ってこれを何歳までにゲットできるかが一種の努力目標だった。しかしこの辺になると今の若い人とは大分感覚が違うと思う。

マイカーは勿論だがマイホームにしても今の人たちの感覚は大分違うだろう。特に東京住まいのヤングにとって、マイカーやマイホームがそんなに魅力的でないことは容易に理解できる。マイカーはいざ知らず日本は廃屋だらけ、年を取ればとる程手入れが面倒な戸建て住宅なんて欲しがる人の気が知れない。とやっと気づいたが若い人はとっくの昔にお見通しだ。もう何年にもわたって給料の手取りが増えない若人よ、乏しいお金を積み立てて何を夢見ているのか、確かに人生はお金が無くても楽しみは一杯ある。冥土の土産に是非教えてくれ。もし請われれば不肖の楽しみも話そうじゃないか。

2019年1月30日水曜日

人質司法

マスコミに登場する特捜検事出身者は多く、中には政治家になった人物もいる。この中で発言に共感を覚える数少ない人物が弁護士の郷原信郎氏だ。彼が最近発言したことにまた新たな興味を覚えた。一昨日ライブドアのネットに公開されたものだ。タイトルは『世耕大臣のダボス会議での「人質司法」擁護“失言”を、朝日はなぜ削除したのか』そもそもダボス会議なんてものは誰が呼びかけ、誰が発言資格を得るのかも定かではない。今年はトランプ大統領が欠席したことや、安倍総理がピント外れの発言をしたらしいが、殆どニュースにならなかったことぐらいしか記憶に無い。

郷原弁護士の記事は相当長文で、朝日新聞が世耕大臣の発言をいったん批判的に取り上げたのに、後にその部分を削除したことについて批判している。要するに政権への配慮があったのでは、との投げかけである。今日はそのことを問題とするのではなく、外国で盛んに言われ始めた我が国の「人質司法」について触れてみたい。江戸時代ならいざ知らず現代においても我が国の司法制度では、一旦警察や検察に逮捕されると例外なく即罪人扱いとなるのが当たり前となっている。

最近でこそマスコミ報道では「容疑者」と表現されるようになってはきたが、容疑者=犯罪者が常識化している。しかし他の近代国家では容疑者は推定無罪の概念が優先されるのが常識で、ここに大きなギャップがあるようだが、どうもそのことが理解されにくいようだ。これは必ずしも文明先進国だけのことでなく、前近代的と思われるロシア、中国、北朝鮮、ボリビア等の報道を観ていても、その建前を重んじる姿勢を示そうと努力しているように見える。

恐らくこれらの国においては、政権に不都合な人物は秘密警察が、秘密裏に身柄を拘束して社会から隔離し、拷問などに及んでいるに違いない。従って公然と逮捕した場合は法に則って起訴し、裁判で罪を確定させるよう振舞っている。日本の面白いところは公然と逮捕した場合でも、推定無罪の原則を適用せず、公開の裁判が行われる前から犯人とみなしていることだ。この認識のギャップを意識しなかったかどうか、現職の閣僚が世界中の有識者やメディアを前にして胸を張って次のように喋ったらしい。

『各国の司法制度は歴史上の成り立ちがそれぞれ違う。その一部を切り取ってその国の司法制度が正しいか間違っているかという議論はフェアではないと思う。』確かに仰るとおりだ。しかしこの法制度を恥ずかしく思う人もいればそうでない人もいることだろう。

2019年1月29日火曜日

統計不信

政府の基幹統計がいい加減だと言うことが分かり、政治問題化し始めている。時恰も昨日は日経新聞が最新世論調査結果を発表している。問題となってきた厚労省の「毎月勤労統計調査」については予てから一部専門家(経済学者)が調査結果に疑問を投げかけていたそうだ。尻馬に乗って世論調査結果について疑問を投げかけたい。

日経が発表した調査結果によると「安倍内閣の支持率が53%となった。2018年12月の前回調査より6ポイント増。2カ月ぶりに50%台になった。不支持率は7ポイント減って37%だった。厚生労働省による毎月勤労統計の不適切調査問題を受け、政府統計の信頼性を聞いたところ「信用できない」が79%で「信用できる」は14%だった。」となっている。

他に北方領土問題では安倍氏の対応を期待しない人が60%以上だし、何で内閣支持率だけが際立って上昇するのか分からない。強いて言えば韓国駆逐艦がレーダーを自衛隊機に照射した事件への対応は「もっと厳しい対応を」が62%だから、これが効いているとしか思えない。しかしこれが支持率を6ポイントも押し上げる要因となると首を傾げたくなる。

世論調査は多分電話によるサンプル調査であって、毎回調査件数や調査対象が異なると思うので時系列の比較がどこまで信用に足るか、学者じゃないので全く分からない。己の実感と世論調査結果のずれが大きいとて、その手法を疑うのは良くないことかもしれぬが、政府の統計不信が問題化し始めたので調子に乗ってしまった。

2019年1月28日月曜日

老人医療

今週で1月も終わる。立春が近づいて少し日が長くなったように感じるが、未だ極寒であることに変わりない。独居生活にもだいぶ慣れてきたと思っているが、何と言っても健康管理が大事な問題。だからと言うことでもないが今日は年寄り定番の医者の梯子で忙しかった。

先ず朝一が毎週通っている接骨院に9時ジャストに訪問、身体全体の筋肉をほぐしてもらう。これが45分ほど、次が内科で尿酸を排出する薬90日分と山に行くとき携行するツムラ 漢方 芍薬甘草湯 68を21包処方してもらう。インフルエンザで繁盛しているようで5分足らずの診察に約1時間。次に皮膚科、このところ乾燥が激しいので全身が痒くていけない。保湿剤やステロイド成分などの入ったクリームを背中に塗布してもらったり処方してもらったりして、これも小一時間。

背中が痒ければ毎日でも来なさい、と言ってもらうがそこまでは踏み切れない。
最後は歯科医、元来歯が著しく弱く自分の歯が何本あるかも定かではない。兎に角上の歯の一部2本が先々週突然抜けてしまった。どうやら差し歯になっていたらしいが、いつ治療したかも記憶に無い。前回は応急措置でその2本の仮歯を作ってもらって固定してもらった。今日から1か月半ほどかけて、もう大分ヘタっている隣の歯などを合わせ合計5本を一度に処理してしまいましようとの事。

今日のところは取り敢えず欠けた差し歯を差していた歯2本を一挙に抜いた。その後、それぞれの医者の処方箋3通を薬局に持参して薬を受け取って帰宅すると既に5時過ぎ。まだ麻酔が効いているので口の中がおかしい。入れている歯も応急のものらしく、本チャンを入れるには1か月半くらい掛かるかもしれぬとのこと。あと2週間は様子見で毎月曜日に通うことになりそうだ。他にすることもないので良い暇潰しになるだろう。

2019年1月27日日曜日

異国情緒


このところ寒い日が続いているが昨日は横浜在住の高校同期生二人の誘いで横浜に行ってきた。特に一人は現役時代に横浜税関勤務で、昨日はその古巣が普段一般に公開していないところを公開するから一見の価値があるとのお誘いでもあった。仕事から離れて暇になって以来健康のため山歩きは時々しているが、久しく潮の香を嗅いだこともない。横浜の港が随分変わったとは聞いて知ってはいたが、詳しい友人に案内してもらえたのは有難かった。

一つ予定通りに行かなかったことは練習船「日本丸」の内部見学が工事中でできなかったこと。でも嘗ての三菱重工ドックの大きさだけは十分実感できたし、次回のお楽しみが残されたのも良かったかもしれぬ。山歩きも浩然の気を養うことが出来るが、水平線の彼方を見渡しながら冷たい潮風に顔を曝したことも心身に好い影響があったことだろう。横浜港や税関内の見学で約半日、後はおきまりの昼間の宴会。

定番通りに中華街まで歩いて、とある1軒に繰り込み紹興酒の熱燗で体を温め、帰りにはお土産に頂いたソフトボール大の肉まんと餡まんを抱きしめて居眠りしながら帰宅した。

友人が記念写真を送ってくれました

2019年1月25日金曜日

北方四島

確か今週初めだったと思うがテレビで流れた情報で気になっていたことがある。25回目の日露首脳会談が行われると言うので、北方領土問題がどこのテレビ局でも大きく取り上げられていた頃である。その中で誰が言ったか忘れたが「北方四島が日本に復帰した時、そこに移り住もうと言う日本人は一人もいない。」これを聞いて一瞬耳を疑いたくなるほど驚いたものだ。領土領土と大騒ぎして領土が確定しても、そこに誰も住まないとはどういうことだろう?

現実に暮らしているロシア人が沢山いるのは周知の事実だが、この問題はさて置いても。日本は役所だけ作って、その職員だけ強制的に単身赴任をさせるのだろうか?と思ってみたがどう考えても現実的でない。他に考えようもなく解けない知恵の輪を手にして持て余す感覚でいるが、日ロ首脳会談当日は早寝して翌朝早朝から山に行ってしまったので、関連する報道は悉く見逃してしまった。

ニュースをチェックできる昨日になると、週の前半あれほど喧しく騒ぎ立てていた領土問題関連の報道は極小化され、新聞に小さく領土問題に関しては何も進展が無かったと書かれているのみである。先の大戦から27年ぶりに返還された沖縄には占領していたアメリカ人を遥かに上回る日本人が住んでいたのも周知の事実。当時の政府が彼らがアメリカ人になる前に、彼らが望んでいた本土復帰に真剣に取り組んだことにはそれなりの意味があったと思う。

沖縄の日本復帰が日本人全体から見れば経済的負担を増すことであったかもしれぬが、当時は銭金損得を超えるものがあることを万人が認めたであろう。引き換え今週初めのテレビで報じられたことをどう受け止めるべきだろうか。この報道はBS放送だったと思うので観た人はほんの僅かかもしれぬ。それは別として、現代の日本国民で北方四島の日本復帰を心底望む人は何人いるだろうか?

今週初めに聞いたテレビ報道からすれば一人もいないと言っていいのではないか。まるでアホみたい話と言わざるを得ない。偶々今朝の朝日新聞「声」欄に北海道漁業者の老人が投書を寄せている。それを読むと四島近海の漁業について日露間暗黙の了解のお目こぼし的なものがあるらしいが、この運用もロシアのさじ加減一つで緩んだり締まったりしているようだ。

出来もしない返還に血道を上げるより現実問題を解決する方を優先するのが為政者の務めの筈だ。

2019年1月24日木曜日

寒中の山旅

今日は朝から冷たい風が強く吹いている。昨日は前日からの予報通り無風状態で日中は気温もかなり上がったようだ。その予報を受けてハイキングに出かけた。目的地に選んだのが奥多摩の七ツ石山。一般的にはあまり有名ではないかもしれぬが、100名山の雲取山を目指す人にとってはメインルートの経由地になるので知らない人は無いだろう。

実は昨年真夏の7月20日にこの山を目指したが、途中で断念してしまったことがある。下記ページを参照願います。
https://takaga.blogspot.com/2018/07/blog-post_21.html
この時は本当にヘロヘロになり、もう山歩きは辞め時かと思ったのだが、ここに書いてある通り立ち寄った山小屋のご主人に励まされて、その後里山歩きを続けることになり、昨年はなんだかんだと12月27日までハイキングに励むことが出来た。

聞けば今年は暖冬で里山の雪も少ないうえ、昨日の天気だったので一昨日この山小屋「山の休憩所かゑる」に電話を入れて「明日行くのでお世話になりたい。」旨を連絡したところ、ご主人が覚えていてくれて明日川崎に行く予定だが、9時前後であれば寄ってくれとのこと。そんな訳で昨年と同じ6:03の新宿発中央線普通電車で向かい、9時過ぎに鮎沢の山小屋に立ち寄る。早速お茶をご馳走になって、暖かい場所でゆっくり山支度を整えさせてもらい、尚且つ歩けば40分以上係る小袖迄車で送ってもらう結果になった。

大昔初めて雲取りを目指した時小袖までタクシーを使った記憶があるが、料金的にも結構な金額だったのでお礼はと聞くが、受け取ってもらえない。その上登り降りの注意点など細かなガイドをして貰い登りに掛かった。兎に角大切なことは最初にピッチを上げ過ぎずゆっくり自分のペースを作ること。この教えを噛みしめながらゆっくり足を運ぶこと大凡2時間半で、昨年断念した山頂に立つことが出来た。

しかも今回は安定したリズムに乗っていたからだろうが、疲労感や発汗量が全く違う。最も水分の吸収も新宿から途中の七ツ石小屋までの間でホット柚子レモン200CCだけだ。更に今回はまた新しい山の出会いがあった。今回の山旅は人が殆どいなかったのだが、下山の終盤で追いついてきた人がいて、道を譲ったが忽ち姿が見えなくなったので、不思議なお人だと思っていた。下山してバスの待合室でまた会ったので聞くと、同じ電車で来て奥多摩の駅から歩き始め鷹ノ巣山、七ツ石山、雲取山を経由してこの鮎沢に降りてきたの訳だ。

その所要時間はこちらの七ツ石山往復と同じ5時間半、その上出身地が上田市の我が本籍地と言いうことで大いに盛り上がり、実に実り多い山旅であった。

詳細は下記ヤマレコをご参照願います。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1712581.html

2019年1月22日火曜日

友情ある説得

そばで常に注意を喚起してくれる人間がいないことは実に不便である。特に身の程を弁えない振る舞いに及んで恥をかくことが多くなることが切ない。ブログなんかもそうであるが「碌なことが無いから止めなさい。」と何度注意を受けたことだろうか。知り合いに迷惑を掛けたり、他人様から馬鹿にされることになりかねない等々の理由である。

過去はそれでもそういう人間が傍にいたから何とかなったが、今はそれが無いのでブレーキが壊れた自転車状態だから怖くて仕方ない。恥をかいてから後で気が付けばまだましで、気が付かずにすぎていることが多いに違いない。翻って現政権を思うと、何でもかんでも安倍首相の独り舞台だから正にブレーキの壊れた自転車状態とも言える。首相の周辺に然るべき人物は存在せず、幇間まがいの集まりだから仕方ないとして、問題は我が国の国際的立ち位置である。

官邸周辺は口を開けば「我が国は普遍的な価値観を共有する国々と協力して、国際的に存在感を示していきたい。」と言った趣旨の発言を繰り返している。現代の世界情勢で普遍的価値観とは何か?少なくとも小生には説明できない。ボケ老人が分からなくても良識ある外国人が理解してくれれば良い。しかし諸外国が我が国をどのように観ているか、外国語を知らないので直接確認はできない。

報道で知っているのは、先日韓国が国防白書から「韓日両国は自由民主主義と市場経済の基本的価値を共有している」との表現を削除したことくらいだ。韓国なんてどうでも良いと思っている人間も多いのかもしれぬ。でも中国やロシアは日本を一人前の主権国家と認めているのだろうか?少なくとも先日の日露外相会談では、4時間近く話し合ったと言うのに何故か日本は共同記者会見を断っている。

結果双方が別々に記者会見を行ったが、その内容たるや悲惨としか言いようが無い。大学生と幼稚園の生徒が一緒に学習したテーマについて意見の交換をした結果の発表である。それぞれの見解があるのは当然として、日本側は単独記者会見であっても見解を示さない。或いは示せないのかもしれぬ。別に国際的に指導的な役割を担ってくれとは言わないが、せめて命を賭けているアメリカからは立派な弟分だと評価され、相応しい助言や忠告があれば少しは雰囲気が変わるかもと願ってしまう。懐かしいゲーリー・クーパー主演名作のタイトルを思い出した。

*ブログをサボる日が続いていますが明日もまた休みます。

2019年1月21日月曜日

大寒の日本

昨日が大寒だったそうだが今朝は本当に寒かった。東京でも昨今は寒さを感じるので光熱費をケチらず朝晩はありったけの暖房器具を使用することにした。
思うにお寒いのは我が家だけではないらしい。

今月末には通常国会が召集されるが、安倍首相は今日から又もや海外出張らしい。年が明けてから別荘でゴルフをしていたことは聞いたような気がするが、既にイギリスとかヨーロッパには行ったように思う。何しに行って如何なる成果があったかは全く問題としない。国営放送局や準国営新聞社がさも何かしてきたように報道するらしいが、少なくとも国家のトップが自ら海外に赴くならば然るべき外交案件がある筈だが、誰に聞いてもそんな案件はありはしない。

特に今回で首相就任以来25回目と言われるロシア訪問は、次回の会談予定日を決めるためのようだ。今日の毎日新聞が「今回の首脳会談で、3月末ー4月ごろの再訪露をプーチン大統領に提案する模様。」書いているらしい。日露間の外交案件が首脳会談の回数で決まるなら結構だが、戦略の見直しもなく無駄な旅費を浪費している総理大臣を他の皆さんはどう見ているのだろう。激動する世界情勢はそんなに甘くないことを進言できる人間がいないとは日本にとって不幸なことだ。

経済学者で元慶応の名誉教授金子勝氏に言わせれば「安倍氏や麻生氏、即ちええしの3代目が首相になっていることが日本の悲劇の始まり、彼等が普通のサラリーマンであったら課長にもなれなかったろう。」とのこと。納得せざるを得ないが、彼等を首相に押し上げたのは他ならぬ我々であるのも事実。大勢の人が、彼らの能力が非常に低いと分かっていながら自己保全のために彼等にすり寄っていく浅ましさが問題だ。

沖縄の辺野古埋め立て問題では、政府は県が条例で決めた県民投票を妨害する工作に躍起となっている。そして仮に国民の意見が反対に集約されても工事は止めなことを早々と宣言している。これが民主国家と言えるかどうかはさて置いて、今年は大きな選挙が幾つかある。国民の判断が今までとは少し変わってくれれば善いのだが。果たしてどうなることやら。

2019年1月20日日曜日

意味不明乍ら「ブロックチェーン」

海外にお金を送る必要が無いので意味を正確に理解はできないが、昨夜テレビで聞いた「中国アリババのブロックチェーン」が気になっている。何でも中国の通販大手アリババが目下力を入れている分野で、銀行を通さずに海外送金できるシステムを独自に構築すべく動き始めているらしい。現代社会では世界中に通用する通貨(基軸がドル)があり、この存在で各国の経済が活性化し、その好不調もそれによって計測されているのではと思う。

その通貨の流通に介在して大きな役割を果たしているのが、各国にある金融機関で主なものが銀行だろう。友人に元銀行マンがいて先年スキーに同行した際に解説を聞いた記憶があるが、難しくて頭に入らなかった。個人的には関係が無いからどうでもいいが、発展途上国に於いて国家が稼ぎを資源に頼っている場合、銀行を介在させず輸入国が直接決済してくれることが可能になると大きな魅力らしい。

この場合決済通貨が何になるのか?その辺が理解できてないのだが、複数の銀行を経由した場合の手数料だけでも大きな金額なのかもしれぬ。アリババは通販会社と言っても今や世界有数の巨大企業であることも確かだし、我が国でも昔の金持ちは皆金貸し業で資産を膨らませたと聞くが、同じ発想かもしれぬ。とすれば世界に新たな金融機関(銀行)が一つ増えるだけだからそんなにびっくりするほどのことではないかもしれぬ。

しかし現代の情報技術最先端を行く企業の発想だからそんなに単純なことではなさそうでもある。かと言っても基軸通貨や世界中の銀行に影響を及ぼすようなことになればこれまた快挙と言わざるを得ない。何なんだか分からないが、情報化が進み、個人であれ企業にしても資産の隠しごと何ぞもうすぐ無意味になりそうな世の中ではないか。尤も我が日本では相変わらず日産会長の隠し財産とか、大手企業の人件費統計が不正確だと言って騒いでいるが。

スーパーコンピュータを駆使する優秀な技術者がいれば、今すぐにでもそんな問題は簡単に解決する筈だ。問題はデータの管理システムだと思うが、日本に限って言えば人口は僅か1億人そこそこ、企業数なんぞは高々500万強しか無い。既に庶民の懐は丸裸だが、企業の財務も含めるなんてことはお茶の子だろう。ここまで来ている情報化社会だ。少し発想を変えたら日本にだって、新たな産業が産み出される可能性は幾らでもあろう。

2019年1月19日土曜日

ファーエイ社製スマホ

いつまでも正月を言い訳にするのは良くないことだろうが、昨夜もまた新年会で飲んでしまった。ブログを上げなかった理由でもある。過去の記憶は曖昧だが、分不相応とも言える情報会社の真似事をする個人企業を60歳を大分超えてから立ち上げ、10年くらい経ってからやっと後継者を見つけホッとしたのもつかの間で彼が突然亡くなってしまった。あれから何年になるか定かではないが、兎に角昨年この死に体会社を引き受けてくれる青年が出現した。

彼は自分の立派な仕事場を両国に持っている。依って彼に相談があれば都営地下鉄大江戸線で蔵前か両国に行くことになる。昨日は今年初めて彼に挨拶と思って時間を取ってもらい、諸々の相談をした挙句に両国でちゃんこ鍋と熱燗で新年会に及んでしまった次第だ。

こちらはもう仕事を離れているので仕事の面で彼に相談する必要はないが、一昨日のブログでも書いたように、現代社会では携帯電話から始まり、テレビやパソコンに至るまでその方面の知識が無いと生活が真に不自由になる。自分で会社をやっているときはスタッフや亡くなった2代目社長がいたので何とかななったが、会社が休眠状態になってからはプレイベートな問題で困ることが屡々だった。

昨年3代目社長就任してもらえたお陰でその不安が大分軽減されている。テレビのように大きな機材については社長にこちらまで来てもらわないと問題の解決にはならないが、最近のパソコンや携帯の類は持ち運びが簡単なのでこちらから両国に行く方が健康的にも都合が良い。昨日も11月末に購入して少し試しに撮った写真を見せながら使い方についていろいろ指導してもらった。他人(特に高齢者)がどのように学習しているか知らぬが、ドコモショップ等でスマホのカメラ機能一つにこんなに丁寧な解説を期待できる筈はあるまい。

このファーエイ社スマホのカメラ、トランプ政権が目の敵にするのも分かるような気がする。3代目社長ががスマホを手にして保存されている画像を素早くチェックしていく。そして説明しながら次々と修正したり、使い方に関して設定変更をしたりしてくれたのだが、正直言ってとても2時間程度で覚えきれるもので無い。機械も凄いが、使いこなすには技術が要る。ならば使わせないようにするのが一番と考えるお馬鹿なアメリカ大統領。日本も同じことだ。

2019年1月17日木曜日

置いてけぼり

独居しているので世間から「置いてけぼりを食らっている」感は否めないが、昨日の日経電子版の記事「5Gの威力アピール、ベライゾンCEOの晴れ舞台」を読んでその感が一層強まった。そもそも、ここ10年か20年足らずで急成長した世界的IT(情報技術)企業を言う「GAFA」(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)なんて略語を知ったのも昨年半ば以降のこと。尤も最近はこのうちの最古参アップル社の苦戦が報道されるようになっている。

なんて思っていた所へこの記事である。「ベライゾン」なんて社名を初めて聞くがアメリカの大手携帯電話会社、日本で言えばドコモかAUみたい会社らしい。ここのトップが関連する見本市で「5G」開発に積極的に取り組んでいることをアッピールし、それを取材した日経記者のレポートである。スマホにさえ乗り遅れている身からすれば今更どうと言うことも無いのだが、気になるのはその前日公表されている日経ビジネスに載った安倍首相の単独インタビュー記事だ。

この中で首相は得意顔であったかどうかは分からないが次のように述べている。見出しは「日本が自由なデータ流通圏を主導する」以下に冒頭のみ引用する。
本誌編集長:「政府はあらゆる課題をデジタル化で解決する「ソサエティ5.0」の実現を掲げています。日本の競争力を再構築する狙いでしょうか。」
安倍首相:「その通りです。世界は第4次産業革命の真っただ中にあります。AI(人工知能)、ビッグデータ、ロボットなどのイノベーション(技術革新)には少子高齢化など社会課題を解決する大きな可能性があります。ソサエティ5.0を世界に先駆けて実現することが我が国の未来を開く成長戦略です。経済界と力を合わせて取り組んでいきます。」

市井の一ボケ老人が世の流れに遅れて疎外感を喞つのは仕方がないが、首相が胸を張るかのようにこのようなことを言うのは如何なものだろうか?恐らく世界中で日本がAI先進国と思っている技術者は一人もいないだろう。むしろ通信環境はガラパゴス状態にあると見るのが常識だ。こんなことをもしダボス会議なんかで首相が大真面目に演説した場合、世界中のIT技術者が「日本に行けば良い稼ぎになりそうだ」と雪崩を打って来るようになれば結構だろうが、失笑を買うだけであれば実に悲しい話ではないか。

2019年1月16日水曜日

読後感「新天皇と日本人」小山泰生著

著者の名前は初めて聞く。奥付から察すると、1959年生まれで学習院幼稚園時代から皇太子浩宮様のご学友となり高校まで同窓、大学は日大芸術学部の映画学科を出てスキー場などのリゾート開発を手掛けたりした一方で、社会学者・幼児教育課と名乗り、幼児教育を主な狙いとする家庭教師派遣業などをしているらしい。可成りユニークな性格の人のようだ。但し家柄は相当なようで、先祖は四国土佐のお侍、幕末に四賢人の一人であった山内容堂の直臣だったとのこと。

下々から見ると雲上人と友達付き合いが出来るほどの血筋だから、只者ではないだろうが、この手の人は日本オリンピック委員会の竹田会長のように何となく胡散臭くも思ってしまうのはお許し願うしかない。しかし読了すると著者に対して大いなる敬意を抱いてしまった。皇太子殿下と友達であるからでは無い。本書はタイトルの通り、我々が知らない皇太子殿下の性格や特にお考えを述べたりしている。その一端が巷間流布されて評判となり、それにつられて購入に至ったのも事実だが、そこについてはこれからマスコミやネットで嫌と言うほど出るだろうから割愛したい。

感心したのは著者が日本の歴史を非常に深く研究していることだ。特に皇室関連を含む近代史については下手な学者も及ばないところがあるのではと思ってしまった。兎に角、父親は一時電通社員であったが、著者が生まれた時には渋谷区代官山の実家の半分を宮様(当時すでに皇籍離脱して北白川初子様)にお貸しするほど家柄である。日本の上流社会を自分の目で見ながら育ってきた人だ。これまでに知らなかった話が山ほど紹介されているが、何れも自分が見聞するか、ごく身近の先祖から直接聞いた話だから迫力がある。

一つだけ紹介すると、著者の父はマッカーサー直属の通訳(戦後昭和天皇とマッカーサー元帥の対面時の通訳フォービアン・パワーズ少佐)とも親しかったようでこんなことが書かれている。「昭和12年、フィリピンのケソン大統領の副官として夫婦で来日して昭和天皇に会って非常に喜んでいた。」昭和45年9月27日以前に二人は既に顔見知りだったのだ。読者がこんな記述を面白がっているだけでは著者とすれば大いに不満だろう。

著者が本当に言いたいのは、同世代の或いは現代の日本人は本当に天皇を必要とするのかどうか、皇室は明治以降の近代において政権によって都合よく利用されてきた歴史がある。特に明治政府の利用が酷すぎたと断じている(当然自分の先祖も含むのだろう)。その反省からかもしれぬが、新憲法は天皇の人権をまるで無視することになってしまっている。本当にそれでいいのですか?と深く考えさせらる書と言える。


2019年1月15日火曜日

冬信濃路



サラリーマン並みに3連休としゃれ込んで、冬の信濃路を景色、お酒 温泉をたっぷり楽しんできた。上の写真は飯縄高原から見た13日朝の 北アルプス鹿島槍方面、下は志賀高原山麓にある野猿公苑。子供の頃は地獄谷温泉と言われ温泉の吹き出しが有名だったが、いつの間にかその湯溜まり目当てに猿が住み着き、お猿様専用の公衆浴場が設置されたりして、今やその生態が観光資源化している。12日の夜宴会が6時から6時間以上に亘って飲み過ぎたし、些か運動不足の恐れもあったので野猿公苑まで往復約4キロほど歩いてこれを解消して、近くに住居する弟の家に。

野猿公苑近くに住まいする弟宅の温泉で汗を流した後の夕食は酒は控えめにさせてもらい、家庭料理を腹いっぱいご馳走になって8時過ぎには就寝、たっぷり11時間ほど休むことが出来た。しかし昨日の朝起きると少し喉が痛くて鼻水が出るような気がする。休養の取り過ぎも緊張がゆるんで却ってまずいかもしれない。てっきり風邪ににやられたようだ。食後に持参の常備薬「改源」を服用して、早々に弟の車で長野電鉄の中野駅まで送ってもらい、午後1時過ぎには帰宅。旅の往復で読み切なかった本「新天皇と日本人」を読んで本当にゆっくりした休日となった。この読後感は明日にでも上げるつもりでいますが、実に面白いのでぜひ大勢の方に読んで頂きたい。

すこし関連するが、昨夜のBS・TBS「報道1930」が憲法改正問題がテーマで自民党の伊吹文明氏と憲法学者の木村草太氏が出演したのを興味深く観た。伊吹文明氏の発言は、改憲を急ぐ安倍総理擁護のためで仕方ないのかどうか、言うことが支離滅裂「憲法改正は法律として自民党が提案することは出来ない。しかし憲法改正に反対する政党は無いのだから、憲法調査委員会で各党が互いに何を考えているかをざっくばらんに話し合うことがあってもいいのではないか。」

てなことを言うかと思えば、(私見ではあるが、茶飲み話みたいことを立法府にてする必要は無いでしょうに)木村氏に安倍総理の「自衛隊を憲法に書き込む趣旨が全く意味不明。憲法学者の中に未だに自衛隊違憲論を唱える人がいるのを無くすためと仰るが、ならばその学者さんたちを呼んでじっくりその理由を問い質してみては如何ですか?」と突っ込まれると「憲法にしろ法律にしろ解釈は人さまざまで、そんなことしても議論にならんのですよ。」まるきり無責任極まる論法。これが議論の府にいる政治家の言葉かと唖然とするばかりだった。


2019年1月11日金曜日

私にとっての皇室

年末年始の長い休暇が終わったばかりで仕事もまともにできないと思うのだが、明日からまた3連休、のんびりした結構な国だ。こちらもそれに倣って明日から故郷信州にのんびりしに行くことにするのでブログも3連休にする。昨夜は久しぶりにゆっくりBSTBSの「報道1930」を観て過ごした。

ゲストの保阪正康氏が語る「明治」「大正」「昭和」「平成」そして次の時代には何が?がテーマであったが非常に興味深く観ることが出来た。実は明日からの旅の徒然に読む本を先週の金曜日に購入してあり、それを楽しみにしていた所でもある。タイトルが即ち「新天皇と日本人」。この本を知ったのは高野孟氏のメルマガだったが、今週書店を覘くと店頭に平積みされている。既に評判は高いようだ。

保阪氏は全くの同世代、我々世代にとっての皇室は少し複雑な存在である。昭和22年4月入学した小学校には未だ御真影の奉安跡殿が残っていて何か不思議だったが、先生方に聞いてもその意味はうやむやだった。その後は新学制に基づく民主教育一直線の恩恵を受け、実にのびのびした少年時代を送った。おかげでその直前に大負けで終わったした大戦を含め過去の歴史に余りこだわりを持たず、皇室についても特別な感慨もなく空気みたいに受け止めて育ったと思う。

社会に出てからも高度成長経済の波に乗っていたせいもあり、何となく前ばかり向いて無駄に人生を過ごしてきたようなものだ。ところが人生の終盤60歳を過ぎた頃から亡き妻の影響が多分にあったと思うが、現代日本の様々な仕組みに関心を持ち始め、日本の歴史なども少しは勉強してくればよかったと思い始めたものだ。しかし何と言っても脳みその海馬が委縮し始めてからのこと故勉強するには時期が遅すぎた。

家内の実家のカレンダーは皇室ご一家の写真集になっている。面白い趣味だと思っていた程度である。ところが昨夜改めて、先月天皇誕生日を前にしての陛下のお言葉を聞いて思わず涙が出てきた。年を取ると涙腺が緩くなるのかもしれぬが、保坂氏の解説は実に共感するところが多かった。

2019年1月10日木曜日

目覚めよマスコミ

世界の他の国は年が明けると同時に政治も動き出すが、神の国日本は何故か始動がゆっくりしている。政治の指導者である総理閣下が現在オランダに滞在中であると今朝初めて知った。この訪問に如何なる必然があるか理解できる人間はさぞ少ないことだろう。総理不在の国内では韓国とのぎすぎすした関係がもう数週間報道を賑わせているが一向に関係修復の動きが報じられない。日韓がどんな同盟関係にあるか知らぬが、我が国とって物理的にも縁にしても最も近い隣国との関係がこんなことで善い筈はない。

仄聞するに自衛隊機と韓国駆逐艦とのいざこざについては、総理自ら当事者間の話し合い以前にマスコミへの発表を指示したらしい。何を考えてのことか全く意味が理解できない。閣内に総理に判断に注意を促す人間が存在しないことは最早明らかではあるが、本来は第3者即ちマスコミ関係者がも少しましな忠告をすべきだ。昨日アメリカでは大統領が執務室に報道カメラを入れて予算編成の遅れについて直接国民に説明、説得をしている。これに対して立法府の上下両院の議長が揃って会見を行い反論したとのこと。

そのことはさて措いて、テレビ大手ネットワークのABCがトランプ演説の直後に大統領の発言内容についてすかさずファクト・チェック(事実と異なる点を指摘)を行ったと報じられている。これが正にメディアに求められる本質的機能の筈だ。その点日本のマスコミは本当に情けない。年が明けてからだけでも言いたことが山ほどある。

先ず元旦の経団連会長の記者会見、中西会長は日立製作所の会長でもあり、日立が日本の原子力発電機器の大手メーカーであるのことは言うまでもない。その人が年頭の辞で「お客さまが利益を上げられない商売でベンダー(提供企業)が利益を上げるのは難しい。どうするか真剣に一般公開の討論をするべきだと思う。全員が反対するものをエネルギー業者やベンダーが無理やりつくるということは、民主国家ではない。」と述べている。

この重大な発言を日本の大手マスコミは殆ど取り上げなかった。中西氏は政府に対して国民を説得しろと発破をかけたつもりのようだ。ならばそれとして堂々とマスコミも報道すればいい。それを変な忖度をするから益々マスコミも信用を無くすことになる。他にも内閣のフェイク報道発表や「統計マジック」を無批判に垂れ流すことが多すぎる。正月から苦言で申し訳ないが。

2019年1月9日水曜日

遊びこそ大切

昨日も趣味と言うか遊びと言うか、囲碁のことを書いたばかりだが今日も似たような話。スポーツの話題が明るい気持ちにさせてくれることが多いが、日本のスポーツの父とも言うべき人が講道館柔道の創始者加納治五郎氏だとは知らなかった。テレビを観ることが少なく、ましてドラマなどは全く関心が無かったが、今年幼馴染の友人から来た年賀状がいつもの字体とまるで違っていた。奥方が代筆で友人が暮れから体調を崩しているとのこと更に一言、今年のNHK大河ドラマ「いだてん」を観てくださいと書き添えられていた。何でも彼女の先祖の話が出てくるとのこと。

彼女は友人宅で会ったり、一緒にゴルフを何度もしているので無視するわけにいかず昨日録画してあったものを観た。彼女の祖先は加納治五郎氏と運命的な出会いをする三島弥彦と言う青年である。そのことはさて措き、ドラマの内容でスポーツ精神が日本に導入される縁起が非常に興味深かった。番組に登場した元オリンピック柔道日本男子代表監督井上康生元氏によれば現在でもその(スポーツ)精神を説いた加納治五郎氏直筆の書が講道館に掲げられているそうだ。

話が跳ぶが、もう大分前になってしまったがリオデジャネイロ・オリンピックので2020年の東京オリンピック招致が決まった時、顔を揃えた日本代表団の面々が気に入らなかったこともあるが、そんなに喜ぶ気持ちもなかったし、その後代々木のオリンピックスタジアムの取り壊しを含め、数々の無駄遣い報道に接するたび苦々しく思っているのが偽らざる気持ちでもある。オリンピックは開催される場所で大騒ぎする問題ではなく、参加することに意義がある筈だ。

その意味でテレビ番組「いだてん」の第1回放送は見応えがあった。友人への義理もあるしもう1回か2回目ぐらいまでは録画をするつもりだ。スポーツの良いところは遊びが基本であることだろう。だからしても面白いし観ても楽しい。昨日は女子レスリングの吉田沙保里選手の現役引退が報道された。改めて彼女が随分小柄なことに驚いた。何と言っても国民栄誉賞は既に受賞済みだし、「お疲れさんでした」と同時にこれからも日本人のため大いに貢献してくれるものと期待したい。

言いたいのは勉強も大事だろうが遊びこそ大事、年齢は関係ない。昔の人が言うことはよく聞くべきだ「よく遊びよく学べ」である。

2019年1月8日火曜日

趣味の囲碁

嘗ては七草粥を食べて正月も終わりとしたものだが、当然ながらそんな習慣からは程遠い日常になっている。しかし昨日は20年振りくらい久し振りにプロ棋士の指導碁を受けることが出来た。昨年暮れに若い友人に誘われて行った新宿の碁会所に昔よく指導してもらったプロ棋士が来ることを知ったので、一人で行ってみた。一時は毎週のようにプロ棋士に指導してもらっていたこともあったが、20年振りともなると非常に新鮮な気分。

何が新鮮かと言うなら、囲碁の欠点には己の性格の短所が反映されているからである。指摘されて急に変わるものでもあるまいが、意識するとしないでは意識した方が好いに決まっている。昨年暮れに自分の囲碁についてこのブログにも書いたばかりなので、今後の楽しみがまた増えそうだ。今日からはネット碁を打ち過ぎない(どんなにのめり込んでも1日3局まで)ようにしたい。料金が変わらないなら多く打った方が得じゃないかはさもしい考え。

囲碁は周囲の状況が互いに丸見えで嘘が全くない世界。なのに、互いの見えてる風景がまるで異なる不思議な世界。勝っても負けても反省するのを楽しみにしたいものだ。プロ棋士の話では東京の碁会所は減りつつあって、しかも来るのは老人が圧倒的で若い人の姿を見受けない。その話も十分分かる。将棋は藤井聡太氏の活躍で趣味する若い人も増えているようだが、昨年暮れに誘われた友人が若いと言っても既に50歳くらい。

囲碁はボケ防止には良いらしいが、若い人にとってのアドバンテージは何だろう?囲碁界の興隆を期待したいが方法論が分からない。

2019年1月7日月曜日

将来の楽しみ

10歳の孫がいて、年末に会った時は随分大人びてきたと感心したものだ。年が明けてからは残念ながら未だ会っていない。マスコミやネットに溢れる今年や未来の予想は読んだところで「だからどうした」に違いないので読みもしない。行きつけの昼飯屋もやっと今日から口開け、ご祝儀をはずむわけではないが1週間ぶりに顔を出した。店の親父に「ゆっくりできて良かったね。だけど休みボケしない?」と声を掛けると「仰る通りで、朝昼晩と毎日飲み続けた1週間を振り返って、店を畳んだら間違いなくアル中になることが分かりました。」だそうだ。

僅か10人足らずの客の会話を聞いても、嫁が全く働かず大晦日に「どんべい」が出てきた時は流石に腹が立って喧嘩になったとか、自分で材料を買ってきて作り直したなんて人がいた。テレビは昼のニュースで日経平均株価が2万円を回復とさも重大事件のように報じている。顔が見えている卑近なケースであれマスコミ報道であれ景気は兎も角明るい、話題がこんなに少ない年も珍しいのではないか。将来を悲観せざるを得ない気持ちは理解できるが、ならば働く以外に無かろうと思うのに何故かこの食堂もそうだが国民上げて長い正月休暇を持て余すのか、楽しむのかが分からない。

明るいのは相変わらずスポーツ方面だけ、テニスの錦織圭選手が久し振りでトーナメントを制し王者になったこと、接骨院で「メジャーな大会ではないようだね」と言ったら「世界中の選手が集まる中でのトップには大いに意味があるじゃないですか。」と窘められたが尤もである。もう一人が男子スキージャンプ男子の小林陵侑選手、今やマイナースポーツになってしまった男子スキージャンプなのでレジェンド葛西紀明選手しか知らず、初めて聞く名前だがこちらが知らなかっただけのことだろう。こちらは正真正銘のワールドカップで今季既に5勝をマークしているとのこと。

もう一人が囲碁の世界の小学4年生の仲邑菫さん(9歳)が「英才特別採用」でプロ棋士になることが決まったこと。日本では囲碁はお稽古事、良くても芸道のように言われるが、中国ではれっきとしたスポーツとして国家が認めている。漢字3文字なので読み方も分からず、てっきり中国か韓国の人だろうと思ったら立派な日本人で「なかむらすみれ」さんと読む。但し、お父さんが関西棋院のプロ棋士で、小さい時から韓国に通って修行をしてきたようだ。

年寄りの身体には毒だが、新年ゆえ今夜もまた飲み会。せめてブログは忘れぬよう早めに済ます。

2019年1月5日土曜日

平成最後の年に

今朝早朝5:30からのTBS「上田晋也のサタデージャーナル」が面白かった。ゲストが堺屋太一氏と森永卓郎氏、他に女性が二人いたが名前を失念してしまった。一人は子持ちの芸能タレント、もう一人は女性起業家だった。テーマが『新春特別企画 「平成30年」の著者・堺屋太一氏と語る未来への警告」』今回はその前編。現役時代に堺屋氏とは番組制作絡みで相当長く付き合ったので彼の著作は大分読んだつもりだが、「平成30年」は記憶に無く知らなかった。今週図書館で探して読みたいと思っている。

女性の起業家と言うか実業家を除く全ての出演者が口を揃えて、平成の30年間は世界が激動のする中で日本は太平の夢を貪り、何も進歩発展が無かったのでこれから大変、と断じていたと言っても過言ではあるまい。女性の実業家一人が「私は子育てや仕事が忙しく、世間のことなど考える暇が無かった。」と語っていたのが妙に実感が伝わってきた。理由は自分の過去を振り返って、昭和63年に25年勤めた会社を辞めて、自立こそ出来なかったが以降転々と会社を渡り歩き、平成15年に至ってやっと自立できたことと若干重なるものがあるからだと思う。彼女がどうかは知らぬが、少なくとも自分は平成30年間はずっと一匹狼ならぬ一匹蟷螂だった。

もう一点、印象的だったことがある。堺屋氏の発言であるが、平成の我が国の経済的発展が止まり何かと停滞した最大の要因は人口減少にあると言う人もいる。そうかもしれぬが、もっと根本的な問題として、国民全体に人生を楽しむ発想が少ないことがあると思う。どういう言い方だったかもう忘れたが「人生を楽しむ喜びを持ってほしい。子供を産めよ増やせよといくら言っても仕方がるまい。多くの人がもっと恋愛をするようになれば子供も自然に増えるだろう。」趣旨のコメントを発した。

格差がが拡大したとか、人口を増やす手立てを考えるよとか言っても所詮後追いの議論であり、科学的、物理的にどうなるものでもあるまい。人生を楽しめとは哲学的発想なので面白かったと言う訳である。

今日は昼から「お楽しみ」があって帰りが遅くなりそうなので午前中にアップする。

2019年1月4日金曜日

悪質メール

昨年末から急に増えているので気持ちが悪いのが悪質なメール、勘定すると今日1日で30本近く入っている。チェックすべきメールの倍以上なのでデリート(消去)するだけでも面倒くさい。今のところ<ノートン インターネット セキュリティ>が働いてくれているので実害は出ていないようだ。添付ファイルは勿論開かないし、開けなくなっている。本文も殆どが外国語なので読むまでもないが、中には日本語のメッセージで「使用中のパソコンにマルウェアを仕込みました。48時間以内に返事が無い場合、そのパソコン内の情報は全て把握しましたので、あなたの預金口座やカード情報を使ってから悪質な犯罪行為がなされます。逮捕される可能性もありますのでご承知願います。」なんて念の入ったものまである。今後も度重なるようであれば別途対策を講じなくてはならぬだろう。

私のメールアドレスは極めて単純だから、何万通或いはもっと上のオーダーかもしれぬウィルスメール送信の1通だろうと思うが、気持ち悪いことに変わりはない。目白警察に届けても手の打ちようが無いのは分かっているので、結局何せずに来ている。世の中にはいろいろな人間がいるから仕方ないし、どこの国のどんな輩かも分からない。しかしこういうことをするにはそれ相当な知識や技術が必要の筈。何万分の一の確率に賭けて儲けを企まなくても、真面に働いて稼げるのではと余計な心配をしたくなる。

株価が経済の指数になるかどうかは知らぬが、街を徘徊する限り今日の人出は既に正月気分が去って、何やら不景気ぽく人出がやけに少ない。それでも円が買われるのは他国より益しと言うことではないだろうか?正月から地震が発生したり、日本にとっても今年は余りハッピーでない年なりそうで少し心配でもある。老い先短い人間が国家の経済何ぞ、先のことを考えても如何なものかだ。せめて己の健康をいかに維持するかを考えよう。

2019年1月3日木曜日

読後感「安倍官邸vsNHK」
相澤冬樹著 

奥付で著者の年齢を確認すると1962年生まれとあるからもう相当な齢(68歳?)である。自分のことで恐縮だが、就職以来初めて会社を離れたのが47歳の時、それでも決断には相当勇気が要った。NHK正規社員の定年が何歳か知らぬが、60歳辺りで一度退職金を貰っているなら問題なかろうが、退職金を貰っていないとすると、減額は間違いない。しかし本書の「あとがき」を読むとお給金の心配は全く無いようだ。

さすがNHK職員、鹿児島のラサール高校から東大法学部出身ながらずっと出世を気にせず報道記者、しかも大阪支局である。見上げた記者魂に先ず敬意を表したい。思えばこれまでに現役報道記者の書いた本を読んだ記憶がないだけに、大変興味深く読むことが出来た。内容は言わずと知れた大阪豊中市の「瑞穂の国記念小学校」、所謂籠池事件についてである。

一昨年2月、開校間際のこの小学校について、地元豊中市の市会議員がこの学校への国有地払い下げについて、その価格や経緯を問い質したのをきっかけに約1年以上は国を挙げての大騒ぎになったのはご承知の通り。その間近畿財務局職員が自殺をしたり、籠池理事長が詐欺容疑で逮捕されたものの人の噂も何とやらで、この頃ではすっかり忘れ去られてしまったと言っても過言ではない。

しかし著者はこの事件の本質は籠池氏のキャラクターではなく、なぜこの土地が不当に安い価格で払い下げられたかにあると断じ、その真相に迫る努力をしようと社内で頑張ってきたようだ。ところが所詮は大組織の宮仕え、報道機関とは言いながら共産圏諸国の報道機関同様のNHK故に、結局大阪支局内でも検察担当キャップの一線を外されて結局辞職へ。このタイプの人間は出世は出来ない。拾ってもらった「大阪日日新聞」に移籍。

給料などに一切文句はつけなかったようで、唯一の条件がアルバイトを認めさせたこと。その第一の本が12月25日に初版発売となった。流石に経験豊富なジャーナリストだけのことがある。タイトルがここに掲げた通りややおどろおどろしいが、官邸からの圧力について直接的な記述は一切無い。続編を待つ気持ちが高まる面白い読み物だ。

2019年1月1日火曜日

初仕事

年が改まった。妻が逝ってから既にまる1年以上過ぎたので喪中ではないかもしれぬが、未だ喪中のような気分で「おめでとう」の言葉は使う気にならない。
今日は妻の代わりに義母への敬意を表するため横浜に行ってきた。義母と義弟がは喜んでくれて、お屠蘇から始まり雑煮まで一通りの正月料理をご馳走になって帰宅したばかり。お酒は冷酒をほんの1合だけだが、それでも乗り換え駅の「菊名」を乗り過ごし横浜まで行って、湘南新宿ラインの快速で池袋まで戻った。

結果4:15に帰宅できたので「菊名」で副都心線に乗り換えるのと大した差が無いようだ。義務感があったのでこれが初仕事と言えなくも無いが、それは失礼かもしれぬ。義理掛け以上に切実な食事問題(元日は百貨店もスーパーも休業なので本当に悩ましい)解決のため、こちらから願い出たのが本音だ。本当の初仕事は家の4か所に掛かっているカレンダーの架け替えと風呂の掃除くらい。

何れにしても、首都圏在住の人には暖かで穏やかな良い正月だったと思う。