2020年4月30日木曜日

食事と酒

今日はマスクをして地下鉄に乗らねばならないので少しかったるいが、約1ヶ月半ぶりに人形町まで出掛けて、友人と二人で食事をすることになった。そこで少し早めにアップする。今日会う友人は酒が全く飲めない。だから5時半に会って7時半迄で十分食事を楽しめるだろう。対面して会話することに互いの意味があり、料理(ねぎま鍋)は二の次かもしれぬ。もともと酒が嫌いではないが、1ヶ月半以上一滴も口にしなかったのは珍しい。今日は手酌でお銚子2本と言ったところかな。

日本料理には日本酒が一番食事を美味くすると思う。ビールも嫌いではないが、本当に美味いと感じるのは最初の一口。量的には少ジョッキ1杯で十分だ。もう何年も家で酒を飲んでいないが、家で飲む酒で美味いのは山歩きから、帰宅した日の夕食時の缶ビール(350cc)1本。肴は季節によって異なるだろうが、印象に残っているのはコーンと干鱈のバター炒め。とろろ芋のチョンチョン切りなんかかな。もう何年も前になるが、長野で高校同期会の後、友人の案内で雨の中を飯縄山麓の藪潜りをして山菜を大量に持ち帰り、早速天ぷらにした時の味も忘れがたい。

美味い食事と旨い酒、今はすべて懐かしい思い出ばかり。写真見ながら思い出して楽しんでいる。これからの人生で美味い食事と旨い酒にありつける機会はそう沢山ないだろう。思い出ついでに山での食事についても少し触れたい。食料の調達に不便な山小屋で美味いものを求めるのはそもそも無理なことではあるが、今でも印象に残っているのが槍ヶ岳の穂先から東鎌尾根の少し下にある「ヒュッテ大槍」の食事。生まれて初めて燕岳からアルプス銀座を辿って前夜の宿泊「燕山荘」の系列小屋というので宿泊した。

天気が悪かったからか、他の客が二人か三人くらいだったと思う。ここの食事がワインも付いてなかなか美味かった。もう一度泊まりたいと思いつつ15年以上が瞬く間に過ぎ去り、二度と行けないだろう。もう一つが小学五年生だったと思う、志賀高原丸池の小屋(後にここで小間使いのアルバイトをするようになる)に初めて行った時のこと。大雪が降って当時朝日山下の沓内茶屋まで行っていたバスがずっと下の上林温泉入り口でストップ。

父の秘書さんたちが連れて行ってくれたのだが、ここから丸池までの道のりは本当に涙と鼻水が出て泣けてきた。真っ暗闇の中、雪の中を泳ぐようにたどり着いた小屋で出された夕食のおかずが<ビーフコロッケ>。殆どマッシュポテトで僅かに入った肉の美味さ。今まで食ったことがなかったので、こんな美味いものがあるかと感激したことを未だに覚えている。

2020年4月29日水曜日

訂正してお詫び

今日4月29日と10月10日は晴れの特異日だと勝手に決めている。もちろん外れる年もあったが、今日のように素晴らしい快晴になることが多いと思う。

ところで、昨日のブログで間違った情報を発信してしまったようなので、訂正させて頂きたい。「日曜日26日の東京都の新型コロナウィルス感染者数39人は民間検査の結果のみで、保健所の検査が行われていなかった。」と書いたが、どうもそうではなかったらしい。

改めて東京都のホームページ「新型コロナウイルス感染症対策サイト」を確認すると、昨日は表示されていなかった26日分の<検査実施人数>314人になっている。なにか怪しい感じもあるが、ネタ元のテレビ朝日の玉川徹氏が「行政機関による調査も行われていたにも関わらず・・・」とか言って謝っているので小生も読者の皆さんにお詫びします。ごめんなさい。

しかし、国や都の政策が間違っていることに変わりない。昨夜のBS・TBS「報道1930」に出演した医師の倉持仁氏(インターパーク倉持呼吸器内科院長)が顔を真赤にして怒っていた。「いつまでクラスター探しに固執する政策を続けるのか、いいかげんにしろ!元来日本の医療制度はそんなに悪くなかった筈。身体に異常があれば、先ず掛かりつけの先生(一般クリニック)に相談する。そしてより精密な診察が必要であれば、先生が適当な病院宛に紹介状を書いてくれることになっていた。」

「それを医者に行かせないようにしていることについては全く理解できない。そもそも常識的に発熱というのは37℃以上のことを言う筈。(拍手を送りたい)。政治家がなすべきことは、どんな人でも具合が悪いと思ったら一般のお医者に行ってもらえるようにすべきだ。そのためには市中のお医者さんにそのための知識や装備を迅速に配布して協力を願うことではないか。」

倉持先生が怒るのは尤もだと思う。病人に向かってどうすりゃ「しばらく我慢しろ」なんて言えるのか、頭がおかしいとしか思えない。百歩譲ってクルーズ船騒動までは何がなんだか分からなかったからとしても、少なくとも3月に入った頃には現在が予測されたはずだ。にも関わらず2ヶ月たった今でも政権が頼りにしている。いくら医学的知識が無いとはいえ余りにご粗末。前から何度書いているが、感染症学会メンバーを中心に構成された専門家集団を切って、適切なアドバイスができるメンバーに入れ替えない限り日本は救われない。

2020年4月28日火曜日

情報の取り扱い方

今日は昼過ぎから雷と夕立、昨日も午前中快晴だったのに2時近くになって降り出しこれは夜半まで続いた。昨日は昼食後の散歩からの帰宅がギリギリ間に合ったが、今日は完全にアウト。池袋駅と我が家の中間地点の地下道に潜る時は晴れていたのに、5分弱で地上に出るともう激しい降りになっていた。たまらず、比較的近い先程寄った飯屋に飛び込んで傘を借りてしまった。思うと、時間に少々のズレはあっても天気予報がよく当たる。コンピュータの発達による情報解析の進歩は大したものだ。

ところで同じ情報解析である。昨日東京都が発表したコロナの感染者数は39人で、約1ヶ月ぶりの低水準とのこと。実にめでたい限りと思っていたら、この数字は民間の検査結果のみとのこと。日曜日は保健所がお休みなので公式の検査は無いらしい。教えてくれたのはテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」の玉川徹氏。同時に出演していた専門家2人(1人は政府専門家委員会メンバー)も認めているから事実なんだろう。

横軸に日にちを取った棒グラフを毎朝見せつけられているが、棒グラフの意味が日によって異なっていては、小生に限らず視聴者は勘違いをする。東京都はホームページで「都内の最新感染動向」を毎日更新している。昨日は19:30に更新となっていて、日別の陽性患者数は39人となっているが、検査実施件数は26日の400件までしか表示されていないから、玉川氏の言うのが本当だと分かる。

何故、検査実施件数をゼロと表示しないのか。如何なる意図でこのような隠蔽が行われるのか、全く理解に苦しむ。日曜祭日は保健所がお休みなので検査はしません。と最初から言えば済むだけのことだ。保健所の職員は昼夜兼行で仕事を続けながら、家に帰るとあらぬ噂をたてられ村八分にあって苦労している、と言った報道が多いので信じていたが、案外しっかりお休みは取っているようだ。長期戦になることを思えば、それは決して悪いことではない。

ただ役所にもありがちな情報の隠蔽(当事者は隠しているつもりはないかも知れぬ)が問題と指摘したいだけ。特にコロナ問題は政治家や役人だけではどうにもならず、市民の協力なしには解決に向かえないことが明らかではないか。協力を求めるなら詳細な情報の共有が欠かせないことが分からないのは何故だろう?

2020年4月27日月曜日

BSプレミアム「ヒマラヤのハニーハンター」

暇を持て余して毎晩のように アマゾンで無料の下らない映画を観て時間つぶしをしている。困ったものだと思っていたところ、、一昨日だったかたまたまNHK・BSプレミアムで大変興味深いドキュメンタリー「ヒマラヤのハニーハンター」を観ることが出来た。冒頭を見逃しているのでいつ制作されたものか分からないが、もう何年も前かもしれない。

しかしごく最近、例えば昨年制作されたとしても不思議は無い。NHKオンデマンドにもアップされていないので、確認すべく電話をしたが、NHKも不要不急の問い合わせはすべて断り、コロナ問題に限って受け付けるとのこと。出勤者を大分絞っているようだ。ネットで調べると放送で観たのと同様の動画や写真が、海外のものも含め多数アップされている。中には5年以上前のものもあるが、内容は見た番組と殆ど同じ。

ヒマラヤ山麓の時間は極めてゆっくり流れていることがよく分かる。ハニーハントとは山麓の崖に生息するミツバチの巣を取って蜂蜜を確保する仕事、これが大変冒険的作業。ヒマラヤのミツバチは断崖絶壁に巣を作るからである。先日観た番組は150メートルほどの断崖の中腹だったと思う。その場所は当然ながらなんの目印もない。この土地を知り尽くした名人がチームを率い、長年の経験を頼りに道なき崖を道具を持って降りたり登ったりするのである。

この仕事を先祖から引き継いでいるのはグル族(ネパールは多民族国家で、昨年訪問した時のガイドが全員グル族だった)。リーダーはかなりの年配で、息子の他に総勢10人ほどのチームを率いている。手分けして担いでいる道具は殆どお手製、圧巻はリーダーが命を預ける縄梯子、全長40メートル程だったと思うが、縄も横木も全て手造り。諏訪の御柱の引き縄を思い出した。これを崖上から垂らして上下5人位で支える仕掛け、さすが補助ロープはナイロン製だと思う。

よく出来た番組だと思ったのは、出発して約5時間、やっと発見した巣場所での収穫がゼロ。已む無く近くのグル族の家に泊まることになるが、この部落は標高2千メートルの位置。これが昨年トレッキングを開始して最初に宿泊した場所にそっくり。普段、相当面白い番組でも9時半には切って寝てしまうのが、
10時までバッチリ観たのはそれが理由だ。昨年のトレッキングのガイドは全員近代的なトレッキング装備をしていたが、ハニーハンターはトレッキングシューズを履いている人間がいない。

素足にサンダルで崖を歩いている。しかも蜂の巣を取る段になると全員頭はネットで覆うが、手足をハチに刺されまくり、手などボクシング・グローブのようになってしまう。自然と共存する人間の強さに改めて驚異を覚えた。

2020年4月26日日曜日

マスコミの怠慢

欧米では多くの国々がロックダウン政策をとって新型コロナウィルスと闘っているが、残念ながら感染者や死亡者数は増え続けてきた。このところ少し横ばい傾向が見られて、制限緩和に向けた動きも出始めたようだが、慎重論にも根強いものがあるようだ。我が国は当初から専門家委員会の助言を受け、感染のつながりがある患者の集団「クラスター」の追跡に重きを置けば拡大は防げる。との政策を取り続け、その結果感染者数も死亡者数も欧米に比べれば遥かに低く抑えているように見える。しかもその数字が少し安定、或いは減少傾向さえ見え始めている。

だから、もう一踏ん張りして5月6日まで頑張りましょう。てなことになっている訳だ。さすが日本は、国民の公衆衛生観念も強いし、医療先進国でもあるな。なんて思って良いのだろうか?どうもそれは勘違いの疑いがありそうだ。これにはパターン化されたテレビ報道の責任がありそうだ。お上が発表している情報、即ちおきまりとなった毎日の都道府県別感染者数と死亡者数をトップに持ってくる悪い癖。恐らく大多数の人はこの数字を一瞬にして判読するのは困難。自分の住む場所を探すだけでテロップは消えるに違いない。

放送局側はこれで視聴者を引き付ければ良いだけだから、当然ながらこの数字について批判することはない。ただ単に「またこれだけ増えました。」で終わってしまうし、視聴者側も「我々が協力しているから、余り大幅に増えなくてよかった」で済むだろう。ここに視聴者がミスリードされてしまう大きな危険が潜んでいる。テレビに限らずマスコミは視聴者、読者の嗜好をを読み、その期待に答える記事を優先的に扱う。プロ野球の若手有望選手の感染や、有名芸能人の感染や死亡関連情報が典型。

そしてこの報道が、「こうならないために皆様の一層のご協力が必要なのです。」とお上の要請を正当化、強調する材料に利用されてしまっている。この繰り返しはそれこそ少し控えめにして事の本質を深く追求すべきだ。本質は現に起きている日本の医療崩壊のはず。救急医療の現場で起きている現実を志村けんさんや岡江久美子さんと同じくらい真剣に取り上げれば、崩壊の実態とそこから見えてくる将来像は大分違ってくる筈だ。

志村さんにしても岡江さんにしても、ただその死を悼むだけでなく医療実態の角度から解析をすれば、日本の自宅待機政策が如何に間違いだったかは容易に分かる。「検査を増やせば医療崩壊につながる」がお上の良い分で、未だに検査を絞り込んでいる。しかし医療崩壊は既に始まっているのだ。日本が当初バカにしていた韓国の報道では、マスクを外して街を歩く人が多くなっている。ここをマスコミはよく考え、政府であっても糺すべきは糺さねばいけない。

2020年4月25日土曜日

本日快晴、だが暇

言葉の選び方に問題があるが、朝から最高の皐月晴れ。風が薫り若葉が光っている。これで遠くに残雪が輝く山脈を見ることができれば言うことがないが、昨今はお上が「東京の人は、お家にいてください。」と要請している。少し無理筋だと思うが、ご近所は若い人が少ないので、多くのご家庭では要請を真面目に受け止めているみたいだ。

少し例外に属するだろうが、昼はいつも飯屋、その後いつものお散歩池袋まで、往復2時間強。序に夕食用のパンなど購入。今日は土曜日なので昨日まで営業していた店も殆ど閉まっている。書店まで休業なので困ったものだ。明日昼飯を外で食うとしたら、パンかハンバーガーしか無いかも知れぬ。心細い限り。

今日気がついたのは店頭に置かれた「マスクあります」の看板というかポスターのような張り紙。これがやたらと多い。薬局やコンビニなら分かるが、異業種である飯屋などの軒先に商品が積まれているのだ。

50枚入り2500円とか3000円とか結構なお値段のようだ。我が家にも火曜日だったか、評判の悪いアベノマスクが郵便受けに入っていた。宛名も無いセロファン包、何となく薄汚れた感じで開封する気にもならず、記念に取ってある。肝心の医療用マスクの不足は続いているようだが、市民用マスクは自分で作る人が増えたりして、何かが変わりつつあるようだ。休業要請で困っているのが散髪。

月末が迫っているので気になっていたが、今日池袋西口で開店している店を見つけた。カット2500円だと行きつけのQBハウスの倍以上だが、緊急事態だからやむを得まい。明日にでも寄ってみようと思っている。することが無くなったので久し振りに階段の雑巾がけをしてみた。雑巾を絞ったのは何年ぶりだろう?電気掃除機より出来栄えが良いみたいだ。

2020年4月24日金曜日

風邪は万病の元

今日は日大板橋病院への通院予定日だったが、昨日電話してキャンセルを依頼すると「キャンセルされると次の診察は新規扱いとなり面倒です。変更にしたほうがベターです。」と親切なアドバイスが有り、8月17日に変更した。当日放射線科よていがあったからだ。これで暫くは病院のことを気にしないで済むので有り難い。5月は歯科医院の予約が1件あるが、これも間近でキャンセルか変更を申し込むつもり。

この度はコロナ騒動のお陰で大分楽をさせてもらえるが、昔から医者通いは好きというか几帳面だった。近くのかかりつけ医は内科、耳鼻科、皮膚科、整形外科とあり、痛いの痒いのといえばすぐ医者に飛んでいく。女房も笑っていたが、お医者さんも、なんとなく「この程度で?」と言った感じだったと思う。昨年はその上9月の末に夏風邪を引いてしまったので、更にもう1軒呼吸器専門内科が増えてしまった。かかりつけ医は計5軒もある。

昨秋の風邪は耳鼻科に通院2回10日、呼吸器内科で通院2回10日を合わせて3週間ほど苦しんだのでお医者の有り難さはよく分かる。一時熱も少し出たが、苦しかったのは咳と痰と鼻水だった。独居生活だから1日寝ているわけにはいかない。外食や買い物で外出しない日はありえない。行儀が悪いが、歩きながら植え込みを見つけては痰を吐いていた。本格的に発熱していたらと思うと、今でもゾットする。

小生には37.5℃と言えば高熱である。「高熱が出ても病院に来てはいけない」と言う理屈がどうしても理解できない。テレビ制作に関わる人間は、どちらかと言えば先ず身体頑健最優先みたい人種なんだろう。お上が言うところの「発熱したら4日も寝れば大抵の風邪は治る。」を信じていたみたいだ。小生にはとても信じられない。ここ数日の報道を見ていると、これを信じてたかどうか、兎に角その3日とか4日のうちに肺炎が重症化して亡くなる人が増えてるようだ。

風邪は万病の元だから、これからも風を引いたと思ったらすかさずお医者に飛んでいくつもりだ。

2020年4月23日木曜日

頭が良くても・・・?

社会の秩序維持のために法律遵守は大事なことだ。現政権が恣意的に法律違反を数々犯して社会を混乱させて来た罪は重い。しかしその政権がことコロナ対策になると、妙に杓子定規と言うか法律に拘るところがあり、違和感を覚えるのは小生だけではあるまい。政権の道具と化した霞が関の官僚も同様である。正反対の現象が外国の事例、色々あるが極端なのが、ブラジルとかイタリアのように国内に巨大な(何万人を超す規模らしい)貧民街を抱える国では、その貧民街のコロナ対策を担うのが地元のマフィアとのことだ。

政府が社会の最下層の人々に行動規制を要求しても、彼らの生活環境がそんなことを許さないほど過酷なものらしい。そこで彼らの居住地域を所管するマフィア組織が住民に「家にいろ」とか下令したり、地域の消毒をしたり、場合によってはある程度のお金を貸したりするらしい。政府としても手が回らないので「余計なことをしてくれるな」とは言い出せないようだ。マフィアはマフィアで金を貸せばしっかり元を取る手段に事欠かない。

我が国の昔話としては、居住地のドブさらいをしたヤクザの話はあるが、幸か不幸か日本はドブさらいの必要もないし、居住地への貢献を念頭に置くヤクザも存在しない。それだけ社会秩序が整ってきた証とも言えるが、冒頭に書いたように政権トップの行儀の悪さのほうが問題だ。ブラジルやイタリアを褒めるつもりはないが、緊急事態となればある程度法律を無視しても、許されることは有り得べしだろう。

政府は市民に対してヤクザのようには言えない。「どうぞ家から出ないように願います」が精一杯。当然威令は行き渡らない。そこでマスコミを使って何度も同じお願いを繰り返すが糠に釘。これ幸いと思うのか知らんが、政権側もコロナ対策として必要な手段施策は遅々として進まず、生ぬるい。政府対策本部会議の後で発表される「感染症対策専門家会議の見解等」がある。ここに示されるのはいつも結果論のみ。導かれる対応策も、火事を見ながら消防に如何なる命令をすべきか、六法全書を開いて勉強しているようにしか見えない。

火事が拡がったのは市民の協力が無かったから、で済むか?これまで想定しなかったので非常時に対する備えが無かった事は分かるが、それにしても余りにご粗末、もう理屈は聞き飽きた。小説や映画で知るマフィアやヤクザを礼賛してまた顰蹙を買うのは本意ではないが、学が無いとされるアウトロー・リーダーの優れているところは、非常事態での決断の速さと行動力。「2週間様子を見てから」なんて言っていたら、忽ち縄張りはおろか命さえ失くすからだ。政権周辺にいる頭が良い筈の政治家や高級官僚に求めるのは、無いものねだりかも知れぬ。

2020年4月22日水曜日

鬼が笑うお話し

JRの高齢者向け優待制度「ジパング倶楽部」を利用しているが、これは年末年始・ゴールデンウイーク・旧盆シーズンにはサービスが停止される。当然といえば当然で、老人は不要不急の存在だから現役世代が里帰りするような繁忙期にはウロチョロするな、と言うことで納得している。従って例年盆の墓参りは8月末か9月に行くことにしている。信濃路の初秋はそれなりの楽しみもあり、序に里山散策なんかも楽しむことが出来る。ところが今年はコロナ異変で、それも実現できない可能性が出てきた。

来月の連休明け6日に解除される政府の自粛要請は、多少延長されるにしても秋口までの延長はないだろう。なのに墓参りを省略するのは単にサボりだけのことかも知れない。しかし今年は全世界的に社会生活が一変する年だ。新幹線に乗ってしまえば僅か1時間チョットの距離であるが、人の移動には従来と異なる規制やマスク着用などの社会規範が求められるだろう。そんな事をぼんやりと考えていると、益々行く気がしなくなってくる。

少し心配し過ぎかも知れぬが、今日の報道ではミュンヘンのビール祭り(オクトーバー・フェスト)の中止を市長が決断したとのこと。9月21日から10月6日まで続くイベントで期間中には全世界から600万もの人が訪れるはずだったとのこと。その経済的損失は如何ばかりだろう。この報道を聞いて墓参り省略の気持ちが強くなった訳である。一方コロナを軽く観ている日本は、オリンピック延期に伴う費用負担を巡ってIOCと揉めたりしている。

オリンピックも一種のお祭り、大事にしたい気持ちに同調する人も多いのだろうが、実に「おめでたい」と言わざるを得ない。勝手なことを言えば「未だそんな事を言っているのか、馬鹿者め!」世界では既に食糧危機の徴候が現れ、来年にかけて発展途上国で2億数千万人が餓死しても不思議はないとのこと。日本の食料自給率は40%以下、他人事と思ってはいけない。原油の価格低下が経済に与えつつある影響については何も理解できないでいるが、これから世界が大きく動くことだけは確かだろう。

何を備えて良いかも見当つかぬ。誰のアドバイスを尊重したら良いかもわからない。昨日でネット聞いたどこぞのラジオ番組に出演していた青木理氏の台詞が印象的だった。「バカな大将、敵より怖い」初めて聞くが上手いことを言ったものだ。彼は信州人でもあるので結構真面目かと思っていたが、皮肉にユーモアのあるところ良い。更に一緒に暮らしているオバサンがいるとのこと。これも人間らしくて結構だ。

青木氏が指摘するまでもなく、バカな大将もそう長くは持たぬだろう。オリンピックの中止決定とバカ大将の引退どっちが早いかな?それともこちらの命が尽きるほうが先かな?

2020年4月21日火曜日

想像しなかったこと

北朝鮮の独裁者金正恩氏が何かの手術後に発生した合併症で重篤な状況、との情報が世界を駆け巡っているようだ。突然のことでびっくりした。確か昨日か一昨日にトランプ氏が「金正恩氏からとても良い手紙をもらった。彼との関係はとても良好だ。」とツイートかメッセージを発し、北朝鮮側が「そんな事実はない。公式になっていないことをベラベラ喋ってはいけない。」と言った談話を公式に発表したので、狐につままれたような思いだったばかりだ。

トランプ氏が何故急に金正恩氏について言及したのだろう?日本政府は「広く情報の収集に努めて注意深く分析中」とのことだが、所詮は諜報能力ゼロの我が国だから、同盟国の大使館アタッシェに問い合わせるのが関の山だろう。アメリカのメディアCNNは重篤を少し強調しているが、韓国の北朝鮮専門ニュースサイト「デイリーNK」は「金委員長が最近、心血管系の手術を受けた。術後の経過は良好」と報じ、やや楽観しているように見える。

我が友人も昨日急に38度5分の高熱を発して掛かりつけ医に急行し、検査をしてもらったとのこと。検査が何かは聞かなかったが、本人は新型コロナを心配して飛んでいったようだから、PCRだった可能性はある。今日の昼には熱も下がり、検査結果も踏まえて医師の診断は急性腸炎で大した心配は要らないとのこと。昼ころの電話で知ったのだが、彼は熱に強いと言うか鈍感らしい。比較すべくもないが、昔熱が出た大騒ぎして体温を測ったら37度しか無かったことを思い出す。

もう何年も熱を計ったことが無いので、体温計がちゃんと機能するか一度確認せねば、で計ってみた。先ず1分計の筈がピーと音が聞こえない。2分近く経って取り出すと34,6度いくらなんでも低すぎる。電池を外して再起動しようと思ったら案の定起動しない。明日何処かで電池を買って来る必要がありそうだ。取り敢えずパソコンの横に置いておく。改めてメーカー名を見るとオムロン社製。昼のニュースで元社長の立石義雄氏が新型コロナウイルス感染症で死亡とのニュースが流れていた。御年80歳の同い年、嫌な感じだ。

平均年齢が81最弱だから、先祖や兄弟からいつ呼ばれても仕方ないかもしれぬが、金正恩氏は若すぎる。彼が突然いなくなったら何が起きるか、想像ができない。今年は想像もしなかった事態が現に多く発生しているので、また一つ発生するかも知れない。

2020年4月20日月曜日

変身

自分では何事も変わらぬことが良いことだと思っているが、案外それは間違っているかも知れぬ。現役時代に経営コンサルタントから教えられたことを思い出している。先生が第一に強調されたこと「経営者にとって最も重要なことは唯一つ、環境の変化に対応して自らを変えてゆくこと、この意思決定のスピードが経営の存続を決定する。」ここで言う「自ら」とは経営組織であり、経営組織にとって最重要課題は組織の存続に他ならない。

39歳で本社営業本部長から大阪市店長を命ぜられた際に、友人からの紹介で本社の了解無しで契約し、後に社長と喧嘩に至る原因となった先生だが、今でも記憶に残る様々な教えを受けた。先生は昭和17年か18年に神戸高商を卒業(繰り上げ卒業だったかも知れぬ)、すぐに新米陸軍将校として釜山に向かう輸送船に乗船、その晩に船が魚雷を食らって沈没、数時間後に海軍の駆逐艦に引き上げらるという稀有な体験の持ち主だった。

戦後伊藤忠に入社し石油関連事業に従事したので、アメリカ式経営学を学んだとのこと。若い頃にこの年代の人から学べたことは有り難いと思っている。学校を卒業して社会に出てから営業一本だったので、人付き合いの仕方しか知らなかったと言えるが、小さいながらも組織管理という事について少し知ったのは大きい。広告屋だから営業がなんと言っても最重要職と思っていたが、総務だって経理だって重要さには差が無いとに思い始めた。

話がまた逸れかかっているので現代に戻す。管理能力に掛ける日本政府の組織のため、多くの経営組織が存続基盤揺るがされている。確か日本には500万社以上の中小企業があるように聞いたと思う。その経営者は今必死になって生き残りのための方策を模索している筈。そんな人達にアドバイスできることはもちろん出来ないし、そんな環境下にある人がこんなしょうもないネット記事に気がつくことも無い。家族経営であれば夫婦或いは親子で相談の上乗り切り策を見出されることを祈るばかりだ。

先週末辺りから世論のボリュウムが上がり始めて、為政者が大枚を投じてひた隠す努力をしてきた化けの皮が剥がれそうになっている。御用学者の専門委員会に対して日本医師会が「有識者会議」を設置などは典型例だろう。世の流れがどのように変わるかわからないが、何かが変わりそうな気がしてきた。己も変わらぬつもりでいるが、分子生物学者の福岡伸一先生が仰るには、生物として見れば、人間も絶えず分解と合成を繰り返しすものだから、昨日と今日の自分は全く違う。鴨長明の行く川の流れと同じらしい。

2020年4月19日日曜日

楽しい思い出

コロナばかりでは読む方も面白くないと思うので、少し趣を変えまして女性のことについて少しばかり述べさせて頂きたい。と言いますのは今日は我が結婚記念日の筈。女房が生きていれば確認できるのだが、婚礼が1969年の4月19日だったと思う。長野も桜が満開で、前日まで快晴だったが、当日は気温が下がり、婚礼が終わる頃には霙が雪に変わっていったことを覚えている。東京から来てもらった大学の友人と、大学時代や会社に出る時保証人になって頂いた方の奥さんと4人で汽車に乗って上野まで一緒に帰ってきた。

今風に考えると随分変わった新婚旅行だ。自宅で1泊してから翌日は確か帝国劇場に芝居を観に行った、演目は市川染五郎(現二代目 松本白鸚)と草笛光子主演の「ラマンチャの男」。その夜は会社の目の前にあったホテル・ニュー・ジャパンに宿泊、翌日は今度は亭主の顔を立ててもらい、何か映画を観てホテルオークラに宿泊して新婚旅行に代えた記憶がある。

男兄弟5人で育ったせいか、昔から女性に強い憧れを持っていたので、惚れっぽい質だと思う。学生時代から女性との付き合いは多かったし、社会に出てからも、酒とバラの日々ではないが、金も無いのに夜な夜な女性のいる場所に出入りをして借金を重ねた。結婚した時には飲み屋の借金だけでほぼ年収(多分200万円くらい?)あったような気がする。借金の先は飲み屋以外では勤務先の会社が最大手、思えば善き時代だ。

結婚後1年半くらいで最初の子が誕生したが、それまで給料を殆ど家に入れなかったと思う。「どうしようもなくなったら言えばいいが、取り敢えずなんとかしておけ。」で無責任そのもの。女房もよく我慢したものだ。彼女が実家にどう言っていたかは知らぬが、一度義理の父から呼び出しを受けたことがある。お金のことを言われた覚えはないが、今にして思うと、生活態度と妻への態度についてソフトに注意を促したのだろうが、こちらはまともに受け止められなかったようだ。

流石に子ができるとこちらの考えも少し変わりはじめた。初めて文句を言われたのを覚えている。「子供がいるのだから、家でタバコは辞めて。」この一言で、以来タバコをやめた。そして自費で飲み歩くのも徐々に辞めるようになっていった。会社の交際費がある程度使えるようになったこともある。交際費を使うためには取引先の人と仲良くする必要がある。中にはこちらと似たような女性好きの人もいて、互いの交際費を使いながら芳町の待合に通ったことを懐かしく思い出している。

今や、女性はおろか男性でも友人は少なくなった。いてもご時世だから合うことも敵わない。仏壇に飾られた女房の写真の前で古き善き時代を偲ぶばかりだ。

2020年4月18日土曜日

読後感「ペスト」アルベール・カミュ著 宮崎嶺雄訳

純文学には縁遠いが、一種の流行に乗って読んでみた。出版されたのが1947年だからだいぶ昔の小説だが、現在流行っているのは小説の舞台がロックダウンされた都市であることにある。著者はこの出版の10年後1957年にノーベル文学賞を44歳の若さで受賞している。更に言えばその翌々年には不慮の死で世を去ったことを思うと実に残念なことだ。純文学と言うと小難しく思うが、不純な動機で読んでも実に読み安い構成であり、文章は流石ノーベル賞作家と感心するほど鮮やかな言葉で綴られ映画を観るように印象的だ。

舞台は著者の故郷アルジェリア(フランス領)の実在都市アラン、この町が1940年代のある年にペストが流行りロックダウンされてしまう。アルジェリアについて知るところは少ないが、読み進むと何となく北アフリカの情緒が伝わってくる。フランスの植民地だけに結構近代的な都市のようで、港や飛行場も汽車も通っているからそれなりの人口を持つ大都市を勝手に想像しながら読んだ。もちろん北アフリカの諸都市については行ったこともないから勝手に想像するだけだが、昔の映画「カサブランカ」はスペイン領のモロッコが舞台だが、これと何となく重なるイメージで読んだ。

何故ならアランには歌劇場もあればサッカースタジアムも存在する。一方でモノクロームなイメージに陥るのは何千何万と言うネズミの群れが狂言回しに登場することにある。早い話が荷馬車と自動車が混在していた終戦直後の故郷長野市を思いながら読み進めた。肝心の登場人物はアランに住まいする多くの市民、得体の知れない人物が複数登場するが、フランスから来ている新聞記者もいれば、牧師や判事もいるし、犯罪者も登場する。中でも主役は医師のリュウ氏、別に医師会の大物でもなさそうだが終始ペスト患者の治療にあたっている。

ペストなる疫病も想像するしか無いが、新型コロナウィルス肺炎と思って読めば鮮やかにイメージが整合する。都市のロックダウンが突如始まり、ほぼ1年に亘って継続する中で死者が増え続け、埋葬も間に合わ亡くなって、遺体を棺に収めず土葬していくシーンなんかは現代のニューヨークを彷彿させる。著者は全く異なる立場の人物を登場させることで、人間の根源的合理性とか非合理性を表現するのが主眼だったようで、社会に存在することが居心地良い人にせよ、逆に社会から少し距離を取りたい人であっても、全く非合理な同じ環境下に置かれたらこうなるだろうと言いたいようだ。

そのへんになると哲学的すぎて些か難しいことになるが、それは省略して、70年以上前にアフリカを舞台に書かれた小説の内容が今世界で起こっている騒ぎに余りに似すぎていることに驚いてしまった。

*余事ながら最も印象的だった一文*
「最も救いのない悪徳とは、自らすべてを知っていると信じ、そこで 自ら人を 殺す権利を認めるような無知の、悪徳にほかならぬのである。」

2020年4月17日金曜日

喫緊の課題

昨年3月のヒマラヤ山麓トレッキング旅行で世話になったネパールの山岳ガイド、そして同行してくれた中国の元外交官の作家で社会学者でもある人から、ツアーの隊長経由で日本メンバーの安否を尋ねるメールが届いた。二人共それぞれの国にいて無事のようで何よりだと思うが、中国の先生は息子さん一家がニューヨーク在住で、今のところ無事とのながらかなり心配されている。

他には、従妹の娘一家がインドのバンガロール在住だから、こっちも心配だ。昨年秋にたまたま一時帰国していたので、ヒマラヤトレッキングの最終ミーティングが信濃町で行われた時に、不案内なこちらを車で難なく案内してもらっているので余計気になる。それよりは、外国住まいの人から見ると日本の状況のほうが心配なんだろう。こんな時代だから家族や親しい人が外国に在住している人は多い筈、でもリアルタイムで連絡が取れるというのだから便利な世の中になったものだ。

東京では、都知事が緊急事態宣言をして以来少しずつ緊張感が増しているが、昨日から今日にかけてそれが一層強まった。なんでもそれまで東京と一部都市に限られていた国の緊急事態宣言が全国に拡大されることになったからだ。それも女郎の夜働きでもあるまいに、夜8時過ぎになって官邸からの中継で発表という芝居じみたやり方。他にも色々あるが、政権もなにかする度に初動の間違いが露呈するので、蟻地獄に落ちたアリのような心境だろう。

そんなことより心配なのは、ご愛用の飯屋の経営が本当にやばくなってきているらしいこと。昨日の昼は結構客がいたが今日は昼12時に行って口開けの客、12時半頃店を出たが、それまで3人しか客が入らなかった。話も暗く「来週には今ある在庫を全部使い切って、そこで休業しようか」なんて言うものだから、「それだけは勘弁してよ」と頼んだが、既に「霞を食べ始めているのです」と実に切なそう。

今年から第3土曜は休日になっているので、来週のことより差し当たり明日と明後日が心配になる。平日は池袋まで行けば何軒かやっているレストランはあるが、この前の土曜、日曜からその殆どが休業になっていた。辛うじて開いているのはデパ地下の弁当売場だけかも知れない。しかも明日は雨とのことなので、今日は2日間まるまる三食自宅で食べられるよう食材を調達。2日だけならなんとか凌げるが、1週間以上となると別の方法論を考えることが必要になろう。ある意味贅沢な悩みかもしれぬが、やはり慣れぬことはきつい。

2020年4月16日木曜日

科学者の意見

今朝のテレビ朝日「羽鳥慎一のモーニングショー」に出演したノーベル(生理学・医学)賞受賞の本庶佑博士が分かりやすい解説をしてくれた。冒頭に言われたのが「現在連日マスコミから流される感染者や死亡者の数字には何の意味もない」こと。コロナウィルスはチョットやソットで退治できる相手ではないから長期戦を覚悟すべきこと。早急にすべき対処は、忍者と同じで何処にいるか分からない敵の所在を、検査数を増やして絞り込むことが肝要等々。これは同じく京大の山中伸弥博士はもちろんだが、民間テレビ局や野党なんかが2ヶ月間ずっと言い続けてきたことだ。

流石に一流の科学者の話は簡潔で理にかなっている。今月に入ると、東京ベースで言えば市区町村の自治体や大学病院などが政府に先んじる形で独自策を講じて、保健所でブロックされているPCR検査の障壁を乗り越える策を打ち出し始めたし、市中のクリニックでも、検査無しのCTスキャンだけで独自に新型コロナウィルスに依る肺炎と診断を下して治療に当たる例も先のテレビで紹介されていた。厚生官僚と感染症学会一部の医師の都合だけに合わせて、千人当たり1人の検査でお茶を濁せるほど感染の拡大が甘いものでないことが明らかになりつつある。

政権中枢部が、官僚の思い込みで選んだ一部人間の意見だけに従って進めている政策の脆弱性が露呈し、政権が揺らぎ始めている。彼らも近く路線変更を余儀なくされるだろうが、手遅れだろう。在野の大勢の科学者が感染者数分からないが、発表されている人数の10倍は下らなだろうと言っている。テレビ朝日の玉川徹氏に依れば、毎年インフルエンザの罹患者数は約1千万人、そして死亡者は約1万人の0.1%。新型コロナの死亡率は世界平均2.2%と強力らしい。

本庶博士や山中博士が強調するのは長期戦の覚悟だ。本庶博士曰く「ウィルスの撲滅は不可能だから、ワクチン開発もあまり期待できない。」毎年秋には几帳面にインフルエンザワクチンを大枚を払って打っている身としては些か辛いお言葉だが、たしかに毎年打っているのは、今年の新型に対向しうるか否か半分疑ったほうが良いかも知れぬ。話が逸れてしまった。

何れにせよ、ウィルス騒動でこれまで隠されてきた政権中枢のいい加減さが露呈し始めた。この騒ぎの中で年金法改正なんてとんでもない法案の成立を図ったりしている政府だが、コロナの経済対策で足元の自民党内や公明党からの批判が強まってきたようだ。野党やマスコミが騒いだくらいでは歯牙にも掛けずに済んだが、足元に火がついてしまった今後どう捌くのだろう。

2020年4月15日水曜日

テレビ CM

町がやけに静かだ。庭のすぐ裏がコインパーキングで7台の車が駐車できるようになっている。普段駐車しているのは大抵何らかの作業員らしく、屋根に梯子などを積んだ大型のバンとか軽トラックが多い。夜駐車して朝早く、早い人は5時過ぎくらいから出始め、こちらの食事が終わる8時頃にはあらかたいなくなっているとしたものだ。ところが今日は昼になっても車が動く気配がない。建築関係者とは限らないが、ひょっとすると似たような職場も休みになっているのだろうか。

その前が池袋西口起点の循環バスが走る通りがあるが、これもダイヤが変更になっているようで、走っていることに気づくのはごく稀。聞こえてくるのはスクーターらしき排気音。デリバリー稼業の人は大忙しのようだ。毎日のように昼飯に行く飯屋の女将さんも「私も昔は出前をしていたので、自転車は電動式があるからまたしようかしら。」なんて言っている。昼もさりながら、夜は6時にオープンだから、7時以降酒を出せないとなると客足が激減するのは理の当然。可哀想になる。

ところで、相変わらずハイテンションでやけに明るいのがテレビコマーシャル。観る機会が少ないのであまり的確なことは言えないが、番組が暗い報道を重ねているのと対照的で少し気になる。量的には減って当たり前だが、チェーンレストランは広告しているから土日を含め営業しているのだろうか。車屋さんにタイヤ屋さん、ガソリンが安いらしいから大いに売りどきなんだろうか。葬儀屋さん、保険屋さんは誠に時宜を得ていると言えば言えるかも知れぬ。

かと言っても、ケネディ暗殺事件の後みたいに民放が全コマーシャル自粛するのも如何なものかで、難しい問題だ。何処の局にも昔なじみは一人もいないので心配しても始まらぬが、テレビ局の経営も楽ではあるまい。

何れにせよ、今日発表の国際通貨基金に依れば「新型コロナウイルスの感染拡大によって、2020年の経済成長率が前年比3%減になる。(日本は5%減)」とのこと。素人考えでは主要国の大部分が1ヶ月か2ヶ月経済活動を中止していてもそんなものか、と変な感心をしている。問題は雇用だ、これまで日米英は失業率が低いことを経済政策成功の証としてきたが、今年は間違いなく失業率は増加するはず。

基金の発表は「経済先進国の成長について、新型ウイルス以前のピーク水準に戻るのは早くても2022年だと警告した。」と締め括られている。騒動はいつか収まるところに収まるだろうが、その暁には昔とかなり違う社会が出現することだろう。

2020年4月14日火曜日

非国民扱い

忍者でもあるまいに姿は見えず、身体の何処を狙ってくるか分からな得体の知れない敵に世界中が振り回されて大騒ぎだ。もちろん他人事とは言えない。敵が襲ってくるのは取り敢えず口や鼻、第一の防御は口と鼻をしっかり守ること。外出に際してはマスクをすることが大切とのことで、世界中でマスク不足が深刻になっている。娘が心配して手製のマスクを送ってくれた。何でも浴衣の生地で制作したから何度でも洗って使ってほしいとのこと。

折角のことなので、外出時はビニール袋に入れポケットにしまって出歩いている。緊急事態宣言発出以来デパ地下には「ご入店に際してはマスク着用を願います」なんて書いてあるから一応持っていなければいけないが、店の要求がない限り着用はしない。息苦しいのが苦手なのだ。今日、池袋西口の地下街を歩いていると、なる程殆どの人がマスクを着用している。それを見て感心しながら歩いていると、前から来た青年がすれ違いざま「マスク」と声を上げた。1分も経たないうちに別の男性がやはりすれ違いざま、こちらを睨みつけて自分のマスクの前を指指していた。

平日であっても人通りはガラガラ。マスク着用なしに歩くのはそんなに反社会的行為なんだろうか?世の中にはおせっかい焼きの人間もいるものだ。他人に迷惑掛けるつもりはないが、赤の他人から喧嘩腰で注意されるのも不愉快なことだ。先の戦争中に他人から非国民呼ばわりされた人は、そんな気持ちだった人が多かったに違いない。

2020年4月13日月曜日

反転攻勢?

今日は朝から冷たい雨と風、昼いつものように池袋まで歩いたが、途中で3回も傘が捲られてしまいびしょ濡れ。帰りは諦めて地下鉄に乗ってしまった。夕方まで天気は変わりそうにないので、今日は1万歩は諦めた。しかし池袋西口で平日営業している店は確認できたので良しとしたい。

自粛要請なる意味不明で、誰が責任を持つのかはっきりしない政策が打ち出されて、国民の生活はそれぞれが責任を負った形で大きく変わり始めている。日本人はある意味で人が好い、国家間の戦争と同じように政府方針に協力している。お上は下々が自己責任で自粛するのは当然と考えているのだ。結果が見えてくるのは早くても2週間後、要請期間終了の5月6日に感染状況の変化がどのように現れるか。確信的に言える人間はいないだろう。勝手な推測をすれば感染拡大は続いている確率が高いと思う。

1ヶ月足らずで先が見えるほどこのウィルスとの戦いが生易しくないことは欧米の例からも明らかだ。さらに対抗手段であるワクチンや治療薬の開発の困難が予想される。理由は現在克服を目指している新型コロナウィルスが進化して感染力も一層強くなっているとの情報もある。遺伝子なんて言葉を全く理解できない年寄りなので取越苦労に過ぎなければいいが、克服すべき敵がSF映画に出てくる化け物のようにトカゲからゴジラに変身したなら1年か1年半で見つかる筈の対抗策の発見も長引くだろう。

年寄りが一番心配しているのは、やはり子どもの問題。3人の孫の一番上は本来大学4年生、普通の子は既に就職内定をもらっていて不思議は無い。しかし彼は大学院に行きたいからと、その試験のための勉強しているとのこと。中の子は大学2年生だから良いとして、末の孫が小学6年生。自分の孫は勿論だが、全国の学生はこの騒ぎの影響をモロに受けている。臨時休校分は夏休みや冬休みで埋め合わせれば、との意見があるやに聞くが、それで済む話だろうか?

春の選抜高校野球中止決定のときにも書いたが、夏の甲子園がいけると誰が保証しているかだ。勿論誰も保証し得ない。ならば夏休みの振替授業も同様だろう。いっそ現在在学中の生徒と学生を全員留年と決めて、授業料は勿論取らないようにしたほうが子供のためになりはしないだろうか。学校に対しては政府が補償すればいい。オリンピックは当然中止と腹を決める。短期収束を図り反転攻勢について策を巡らすのもいいだろうが、長期戦の覚悟を決め、そのために遺漏無き準備を進めるのも一案だと思う。

「そんな事するくらいなら俺が辞める」と首相が言い出せば尚結構だ。

2020年4月12日日曜日

政府広報の虚言

昔、家内からよくからかわれた。「あなたは命より健康が大切なのね、私は人生を楽しく過ごしたい。」人生観は人それぞれがあって善いと思う。経済観念は亭主よりは大分マシだったが、それでもケチではなかったと思う。娘二人が片付いて、空の巣箱で二人暮らしになると世間話をよく交わした。彼女が生きていたらどんな話になったか毎日想像している。日本人は昔から横の繋がりより縦(先祖)との繋がりに強く思いを致すが、今の自分は何れその仲間入りをする、現世はあくまで仮の住まいと思う人が多かったと思う。

過去形で書いているのは、世代の交代で大分変わっていると思うからである。マスコミやネット環境が劇的に発達したせいで知識の量が膨らみ、世界観が変わっているので仕方ないと思うが、政府が先頭に立って億を超す国民の心を合わせなんて言われても、古いやつがれにはピンとこない。理解できるのは精々町村単位、都会であれば隣組のようにお祭りで力を合わせる人止まりだ。家内が生きていた東北大震災の後に流行った「絆」にも二人で疑問を話し合っていたものだ。

仮の世で如何に蓄財しようとご先祖の仲間入りする時に必要な銭は6文、故郷に近い真田藩の旗印として小さい時から刷り込まれている。こんな古臭い価値観を自慢しても仕様が無いかも知らぬが、今の政府は国民の生命を守ることより銭惜しみをしてる。誰かが言っていたが、国の金はそもそも国民からの預かりもの、これを使い渋るとは何事ぞだ。心の底から国民に暫くの辛抱を求めるなら、働き場所を失って困窮する人、商売を失う人に対する補償は当然のこと。

これを如何に迅速に行うかが無い知恵の出しどころではないか。それをぐちゃぐちゃと屁理屈で言い訳をし、その上「大切な人のためにも外出を80%下げてください」だと、ふざけるな!。出来ないことが分かっていながら、将来間違いなく発生する被害の責任を最初から国民に押し付けている。これで自分らは責任から逃げられると思っているのだろうか?国民を舐めてはいけない、政府や東京都が高い料金を払ってマスコミを通じて振りまく嘘はもう完全に破綻している。

先日アメリカ駐日大使館が在日米国人に対し至急帰国を促したことを書いた後、余りにマスコミのフォローがなかったので、デマを書いたか心配になっていた。ところが昨晩ネットで確認すると、フランスやドイツも日本に在住する同国人に同様の警告を発していることが分かった。現在の日本政府は莫大な広報予算を使い、マスコミ以外にもあらゆる手段を講じている。しかし、その内容は極めて空疎で虚言に満ち、デマの拡散を図っているのみ。そして世界からも信用されなくなりつつあるのが現実のようだ。

2020年4月11日土曜日

思い出してほしい

すっかり日が長くなって陽射しも強くなってきた。本来であれば先週末には学童の入学式や会社の入社式も終わり、社会全体が晴れ晴れする季節のはずが、何となく暗く重苦しい。新型コロナ疲れの人も多いと思うが、これはやむを得ないだろう。都民である以上都の方針には敢えて逆らう必要もないので、できるだけ外出しないよう努めているが、1日に1回は食事したり買い物をするためにどうしても出かける必要がある。

皆似たような心境らしく、池袋界隈でも人出はかなり減っている。2週間後に効果が出始めれば結構だが、初動の遅れと戦力の逐次投入だから早急な効果は望めないだろう。先の大戦末期と同じく結局はダラダラと国民にとっては耐久レースが続くに違いない。昨日は月間文藝春秋の発売日でもあったので、池袋に潰れずに残っているジュンク堂書店まで行ってきた。

ここはさすが混んでいた。レジカウンターの窓口は十数個並んでいるが、3倍位の客が長い行列を作っていた。しかも狭い床に立ち位置のマーキングがあり余計長く感じる。待ち時間が長くなりそうなので一昨日発売の週刊文集まで買ってしまった。週刊文春は3週間連続して自殺した元近畿財務局職員赤城さんの妻の告訴関連問題を取り上げている。前々号を読んだ時はかなりの衝撃を受けたし、フォローしたマスコミもそれなりにあった。しかし新型コロナ騒ぎのヒートアップが収まらないので、これが政権幹部や財務省本省の高級官僚を結果的に大いに利してしまっている。

今週号で明らかにされているのは、本省の官僚として報告書が纏まったことを赤城夫人宛に報告に来た本省の高級官僚の話。彼は改ざん問題が国会で騒ぎになっていた当時の本省秘書課長。課長というと余り偉くないように聞こえるが、秘書課長とは大重要ポストで、大蔵省時代から続く歴代全職員の人事情報を総括するポストで将来の次官候補必須要件とも言われる。彼が、言葉を選びながらも改ざんは安倍首相の「関係あれば、首相の座のみならず議員も辞める」の大言壮語を受けての事とはっきり言ってしまっている。赤城さんの妻がこれを録音していたので、やり取りが克明に再現されているわけだ。

この事実が赤城夫人が起こしている裁判にどのような影響を与える知らぬが、新コロナ問題が無ければマスコミが一斉に食いついたことだろう。何れにせよ、森友問題は未解決な重大問題であり、安倍氏が首相の座にいる事も大いに疑問視されるべきである。大言壮語の癖は今尚止まず、口から出たら本人は都合良く忘れるのだろうが、ボケ老人と同じように多くの皆さんには忘れないよう願いたい。

2020年4月10日金曜日

浜の真砂

今朝の報道でヨーロッパの何処か(多分フランスだったような気がするが)で休業補償金詐欺が発生して相当な被害に及び、補償金支給を一時中断せざるを得ない事態になったそうだ。そのニュースを見てからパソコンを開き、昨夜届いたメールを確認すると、飛び込んできたのが『MyJCB Express News 重要な通知となります 4/9/2020』。昨年秋作ったばかりのスーパーの買物専用のカード。勿論他店でも使用可能だから普段持ち歩いているが、キャッシング機能はつけていない。

メールはすぐに削除したがブログ書きのため改めて読むと、実に巧妙な文章になっている。少し長くなるが全文引用したい。以下引用

□■ お知らせ サービス停止のお知らせ
お客様のアカウントで異常なアクティビティが検出されたためJCBアカウントを停止させていただいております。アカウントにログインして画面の指示に従うことで、.アカウントのロックを解除していただけます。お客様にはご不便をおかけいたしますが、何とぞご理解いただきますようお願い申しあげます
■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□
あなたのクレジットカード口座が第三者によって使用されていることを検知したので、あなたの口座が資金の安全のために凍結されたのですが、すぐにWEBサービスIDとパスワードを再登録して、制限を解除しなければなりません
 変更をご WEBサービスよりお申込みください。
▼MyJCBログインはこちら   https://jcb.kaimalaigg.com □■ 引用終わり

在宅勤務とか、テレワークとか意味が分からない、と言うよりやり方が分からない仕事の形態が増えているらしいが、小生がスマホの扱いが全くわからないのと同じように、パソコンを触るのも嫌だと言う人も多くいるはずだ。でも会社の命令とあれば職場のパソコンを自宅に持ち帰り、必要な部品を買い揃えて同僚との回線を繋ぐのだろう。当然ながらオープンなインターネット回線でとはいかない筈。何らかの措置でクローズな回線とする筈。

官庁が現在テレワークに移行しているかどうか知らぬが、少なくとも広告会社最大手の電通はそうしていると聞いている。只でさえセキュリティー管理が甘い日本のことだ。在宅の勤務のおじさん・おばさんの中にはパソコンに不慣れな人も多少はいるだろう。ウィルスのみならず悪知恵働く盗人は、ほんの僅かな隙間が見つかれば、それで十分。盗人には絶好のチャンスなのかもしれぬ。昨日サボったので早々にアップする。

2020年4月9日木曜日

自粛中です

コロナ疲れで頭が回らぬなりました。
暫く休んでみようと思います。

2020年4月8日水曜日

民放といえど

今週月曜日から今日まで3日連続でテレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー
」を約1時間近く観ることになってしまった。面白いからに他ならない。番組開始から正確に23分過ぎると、ゲストが3人登場する。その一人が田崎史郎氏。ご存知自民党の市民向け広報マン、ある意味で官房長官の記者会見より真に迫った質問が飛び出す。質問するのは他のゲスト2人とレギュラーコメンテーターの二人。

質疑応答は1:4になるので些か不公平ではと思う向きもあろうが、官房長官記者会見は1:数十人であることを思えば仕方あるまい。田崎氏はテレビ朝日からのギャラの他に自民党からたっぷりの恩恵に与っているのだろう。質問者側ではレギュラーのテレ朝社員解説者である玉川徹氏。他の質問者は政府の代理人に対して少しばかり遠慮しがちな質問の仕方をするが、最近の玉川氏は歯に衣着せぬ言い方になりつつある。

田崎氏も彼を迎え撃つ覚悟を決めていると見えて、必死に言い訳を強弁するが、この3日間を観る限り、そこまでは知りませんとか、政府も調べてないでしょうと言った答えが多くなっている。昔は食えない爺だと思うほど余裕があった田崎氏も、勝手の異なる戦場に出された将軍みたいもので顔をが引きつっている。当たり前だが、田崎氏に与えられている武器、即ち情報は全て官邸の官僚経由でしか無いのはミエミエ。

今日問題になっている事案は全て前代未聞のことばかりだから、官僚が鉛筆をなめて準備した原稿では日々の変化に対応できないのは当然のこと。質問者側の医師や編集者には日々変化する情報が刻々と入るだろうし、加えて基礎知識が全く異なる。医師である人は当然だが、玉川氏は「京都大学農学部農業工学科から京都大学大学院農学研究科修士課程へ進学。高校時代まではバイオテクノロジーに興味があったが、大学受験で希望が叶わず、・・・」と紹介されているくらい。

迎え撃つ田崎氏は「中央大学法学部法律学科へ入学する。入学当初は法律家を目指していた。大学2年時に三里塚闘争へ参加し、凶器準備集合罪で逮捕のうえ13日間留置される」と紹介される武勇伝はあるが、所詮は時事通信社の政治記者。科学的対応が求められる事案に関して議論が噛み合わないのも当然だろう。放送局としては、論理的正当性の判断は視聴者に委ねれば良いと考えているようだが、それでは政府に甘すぎるのではないか?

免許事業の限界の悲しさだ。

2020年4月7日火曜日

ジャパン・アズ・ナンバーワン

思えば生後5年目、5歳から約10年、西暦で言えば1945年から1955年頃のことだ。国の姿が大きく変わるのを目の当たりにした。当時はそこまで知ることは出来なかったが、世界も大きく変わっていったのだと後に知るようになった。今その世界が正に大きく変わるのを目の当たりにしているような気がする。昔から子年は大きな異変が起きると言われたそうだが、まさかこんな騒動になるとは占い師でも想像できなかったに違いない。

そんな下世話な人より遥か高尚とされている世界中の宗教家でさえ、大いに戸惑っているようだ。テレビカメラの前で土下座した韓国の新興宗教はもちろん、世界で最も多数の信徒を抱えるローマ・カトリック教皇でさえ、復活祭のミサに信徒の前に姿を見せることすら敵わない。明日はお釈迦様の誕生日で、仏教寺院は本来信徒が大勢参拝に訪れる予定も大分狂うだろう。

気が早いマスコミの一部ではポスト・コロナなんて言い始めているが、それが果たしていつ来るかは誰にも分かるまい。昨日の朝日新聞デジタルに掲載されていた福岡伸一氏によれば「ウィルスの方は根絶したり撲滅したりすることはできない。」と断言している。氏の本を読んだばかりなので非常に説得力があるが、氏によってさえこのウィルスの由来は謎である。氏は「ウイルスはもともと私たちのものだった。」と仰るが、私たちとは誰を指すのか?

福岡先生でも、コウモリだともネズミだとも断定できないのだ。だから小生なんぞは、何処ぞの化学兵器研究所から遺伝子組み換え実験途中に間違って流出しまった「もの」なんて説を信じたくなる。由来は兎も角、根絶できないならば人類が抗体を持つ以外の対応策はあるまい。70億人かの全人類が毎年ワクチン注射を打つなんて日がいつ来るのか、これに要する時間はそう短いものではあるまい。

10年とは言わない、生きている内に来るかどうかも分からないが、世界が大きく変わるだろう。そこで考えた、日本がこのウィルス対抗策で先進国中のビリ、周回遅れになっている現実を考えるとまた面白い。今日の報道によれば、我が国はこれからやって来るピークに備えて・・・なんて言い始めたところ。他国では「感染のピークが見えてきたのかもしれない」なんて言い始めている。しかし福岡先生曰く『内側の内側は外側」この説を勝手に援用して、周回遅れがトップになれば良いではないか、なんて思った次第。

丁度先の世界大戦後の世界で、最貧国だった日本が20年足らずでジャパン・アズ・ナンバーワンになったように。

2020年4月6日月曜日

緊急事態宣言

東京都豊島区の陋屋から声を大にして発信する。今日本は新型コロナウィルスの感染で危機的状態にあるのはどなたもご存知の通り。『危機を脱するために必須の要件は政治リーダーの交代にある。』即ち首相の交代が喫緊の急務だ。総選挙している余裕もないし、テロに走る度胸もない。唯一可能性があるのは、自民党内の造反劇だが、これも銭がそんなに怖いのか、格好つけている石破でさえ声を上げぬ。いくら人気がないと言っても、今でなければお前には永遠にチャンスは巡りこないだろう。

一人の年寄が何を言っても屁の突っ張りにもならぬことはもとより承知。だから序にもう少し加えたい。政治リーダーは一人だが、共犯関係にあるのが専門家委員会メンバーや小者ではあるが小池都知事も加えても良いかもしれぬ。2月3日かに横浜港に寄港したクルーズ船内で感染者が発見された時、首相と都知事は事態を甘く考えて初期対応を間違えたことはもう誰も否定し得ない。甘く考えていたのでなければ、オリンピック開催が中止されることを恐れて敢えて強気を示したのかもしれぬ。

何れにしても、都知事なんぞは北海道知事や大阪府知事より行政能力が落ちることが明らかになったのがせめての救いで、あんな女の言い訳をいくら聞いても論評に値しない。問題は内閣府と厚労省がつるんで選考していると思われる専門家委員会のメンバーだ。それぞれ医学系の学者でなにかの分野では権威であるに違いない。しかし今回の感染症対策に対するシステムの構築(遺伝子工学と情報科学が必須の要件)に関しては全くの素人に違いない。

それでも権威ある人材だろうから、政府の方も当初は粗略には扱わなったに違いない。それはそれで善しとしても、初期対応で明らかなミスをしたのだから当然刷新すべきだった。その決断ができるほど政治家が優秀だったら今頃こんな騒ぎになっていない。政治家はそれを知って全国一斉休校の瀬戸際騒ぎの時に、専門家の意見を聞かず政治判断をしてしまう。科学者はそれに異を唱えられなかった。

以降はバカとアホが一緒になって失敗を繰り返し、東京をクルーズ船化し、やがて日本全体を感染症実験室にしようとしている。そして連日言い訳に言い訳を重ねている。当初同じように科学者の意見を無視したトランプ・アメリカ大統領やジョンソン・イギリス首相でさえ、今は科学者の意見を尊重せざるを得なくなっている。政治家に向かって正論を言えるこの分野の科学者が日本い居ない筈はない。東大や理化学研究所には沢山いても、彼らは「俺に任せろ」なんて言い出さない。トップに経つ人間の責任の重さが痛感される。

2020年4月5日日曜日

命が惜しい

政府の発表を聞いていると我が国は医療面では先進国のように聞こえる。アメリカに比べれば国民皆保険は優れていると思うが、医療技術や医療施設においては必ずしもそうは言えないらしい。大学の医学部や看護師養成学校もも多いと思ったが、これも思ったほどではなくて、累積感染者数が僅か3千人行くか行かないかなのに既に医療崩壊が始まっている。

病院で働く人は本当に大変らしい。新宿の大学病院に入院している友人(彼は高層階の個室に居る)が電話で教えてくれた。医療スタッフのマスク不足もさることながら、看護師さんが救急外来に回されることを心底恐れているのがありありだそうだ。感染している都民は相当いると思うが、先の大戦で政府が負けを認めず、南方の島にいた人や、大都市の市民を見捨てたように、今回も心配する市民の声に見向きもしない。

流石にアメリカのトランプ大統領が見兼ねて、在日アメリカ人に対して帰国するように指示を出したとのこと。誰を指すか明確ではないが、日本政府の誰かががコロナ感染者の検査をしないと決したと(まさかそんな言い方はないと思うが、検査を増やせない理由あれこれ述べたのだろう)アメリカに伝えたらしい。昨日のブログで80歳の誕生日を書いたら従妹の村松さんがお祝いのコメントを寄せてくれた。改めて返信を掲げる。

「早速にお祝いをありがとうございます。見えない敵とは仰る通りです。
少なくとも都内にはその敵が既に蔓延していることでしょう。
分かりませんが、私もコロナの免疫が出来ているとは思えません。
運が悪ければ、倒されることにもなりかねません。
その時は、家族がいても看取ることが許されないようですから私にとっては好都合です。」

なんて強がっていても命は惜しい。免疫があるかどうかは、1滴の血液でPCR検査より遥かに簡便に出来る方法があるようだ。何処で診てもらえるかは分からないが、近くで受けることが出来れば受診したい。もし知ってる方がおられたら是非教えて頂きたい。

2020年4月4日土曜日

生命

今日は朝から素晴らしい晴天で、近くの桜は満開も過ぎハラハラ花びらが舞い、桜色の間にチラホラと緑の若葉が覗き始めている。正に春爛漫とも言うべき日和だ。昼にはいつもどおりに池袋まで行ってはきたが、人々が自粛要請を受けて真剣になってきたのだろう、人通りが今までで一番少なかったかもしれぬ。

今日は誕生日でもあるので、80年になる来し方を少し振り返ると実に不思議な思いだ。高校の終わり頃には、母から「あなたの命は18歳までしか持たないらしいから名前を変えなさい。」命令された。そりゃ大変だと名前を変えたが、家庭裁判所に届けて戸籍を変更するに至らなかった。従って学校の試験なんかもそのままにして、大学に入ってから両親との手紙のやり取りだけは新しい名前を使っていたが、両親も何時しか古い名前で呼んでくれるようになった。

多分18歳を無事過ぎたからだろう。40歳代になると仕事に夢中になって酒を飲みすぎて(不思議に思われる方が居るだろうが、当時の広告屋なんて頭を使うより胃の腑で稼ぐのが当たり前だった)50歳に近づいた時、目出度く急性膵炎で入院。病院を紹介してくれた高校同期生の名医が、退院してから「65歳までは大丈夫」と変な太鼓判を押してくれたものだ。それ以来少し健康に意を用いるようになったが、65才以降何歳まで生きるか考えたことがなかった。

できるだけ長生きしたいと思い始めたのも事実だろうが、そこそこ健康で80歳を迎えられるとは思わなかった。先週友人の薦めで読んだ本によると、人体は実に良く出来ているそうだ。気が遠くなるほどの数の細胞の集合体のようだが、この細胞が糊で張り合わせられているわけでもなく、非常に柔らかな状態で隣接しているらしい。しかもその一つ一つの細胞が常に揺れていて、あるところで壊れてしまうのだが、その時には同じ役目を担う新しい細胞がちゃんと生まれてるらしい。

細胞の数は数千億だったか兆の単位であったか忘れたか、誰がその一つ一つ交代を見守っているのか?神ではなくて細胞自身の中にあるDNAなる遺伝子にその設計の詳細が綴られていたて、段取りが上手く出来るらしい。これにより、生命は最初から自己複製するシステムが備わっていることになるらしい。余程たちの悪いウィルスなんかが入り込んで、このシステムを破壊しないように気を付けるに越したことはなさそうだ。

この本で、生命がエンドレスに復元していくことがある程度分かったが、では一巻の終わり、即ち死はどのように訪れるのだろう?それは分からない方が善いかもしれぬ。

2020年4月3日金曜日

犬も歩けば

自分で勝手に几帳面だと思いこんでいるが、物忘れが多くてどうしようもない。。昨日も夕方になって、朝早くに傘を干すために外に出したことを急に思い出した。昨日は一昨日とうって変わり早朝からの快晴が終日続いた。朝6時ころ玄関から出たついでにいつもの場所に傘を置いた。玄関先の塀との間にちょうど傘を開いて置ける狭い空間があり、ひと目にもつきにくいと思うので、そこで傘を干すのが習慣となっている。

昨日も昼には郵便受けを覗いたり外出もしているので、その脇を少なくとも5,6回は通っているが、いつの時点で失せたか記憶が無い。天気が良すぎるほど良かったので、早い時間に無かったとしても気が付かなかったのかもしれぬ。兎に角夕方5時近くになってやっと気がついたわけだ。風の強い1日ではあったが、三方を囲まれている場所なので吹き飛ばされる可能性は非常に低いはず。それでも何かの拍子で道に転がりでて、車の往来を邪魔して、腹を立てたドライバーに持ち去られたとすれば一応理屈は通る。

もう一つの仮説は、毎日我が家の前を通る通勤者が、傘に気づいて塀の内側の傘を盗んでいったこともあるかもしれない。雨が降りそうなら可能性が高くなるが、昨日の天気は先に書いた通りなので、実行した人がいるとすれば、その人物はかなりユニークなお人だ。傘泥棒のために我が玄関先を往来することなんかありえず、他の必要性でたまたま通りかかっただけで、当面不必要な物を態々ぶら下げて何処かまで歩くか、自転車で立ち去ったと想像してみたりした。

失った傘は今年になって買った500円以上で千円近い高級品。他にもビニール傘が一本あるので差し当たりの雨には困らないが、近い将来布製の傘を買っておかねばならない。そんな悔しい思いをしながら、昼食後池袋に向かって歩いていたら、ティッシュペーパーの包をぶら下げた人と続けて二人すれ違った。これまでティッシュなんか買ったことがなく、全て貰い物(主に薬局からの)で間に合っていたが、数週間前に最後のワンパックになってしまったので、スーパーに行く度に家庭用品売り場を見るがどうしてもタイミング合わない。

困っていたところだったので、すれ違った人が出てきたと思われるすぐ先のコンビニに入ってみた。タワーマンションの1階にあって薬局も兼ねている比較的大きな店だ。なんとそこには紙製品が結構置いてある。早速クリネックス5箱パックを購入した次第。我が傘を持っていった御仁も、小生も犬も歩けばなんとやらの喩えだろう。

2020年4月2日木曜日

コロナ狂騒曲(その2)

先月6日に「コビック19狂騒曲」を書いたので(その2)とした。
今まで何を勿体つけていたのか、やっと東京都の市区町村別コロナウィルス感染者数が発表になった。豊島区は9人、長女の所在地板橋は4人、次女の世田谷は44人でトップになっている。次女は昼間働いているので取り敢えず長女に電話をした。感染者9人は知らなかったようだが、世田谷の44人は小学6年生になる息子から聞いたそうで知っていた。

そして危機意識も立派なもので、12日までは家族3人で完全巣篭もり体制に入っているとのこと。アパートの目の前に城北公園と言う大きな公園があり、区民の緊急避難場所になっているが、これさえ数日前から立入禁止になったそうだ。別の自然災害が発生したらどうするのだろうと心配そう。加えてむしろこちらに「余りウロウロしないで」と注意されてしまった。妹が仕事に出掛けているのも出来れば止めさせたい雰囲気。しかし次女は正反対の能天気、多分世田谷がヤバいなんて知らないはず。長女に言わせると「世田谷はアイツ(妹のこと)みたい奴が多いのよ。」何れにせよ次女にも今夜電話してみるつもり。

家族のことはこのくらいにして、今回の騒動で首相や知事のの発表を聞いていると思わず一人で笑い出すことが多い。昨日の傑作はなんと言っても首相の「マスクの支給」発言。マスクを全世帯に2枚ずつ支給(勿論無償だろう)して下さるそうだ。有り難さに涙をしなければならぬか?少なくとも我が世帯は単身だから、ウオッシャブルで1枚200円もする高級品を2枚も頂戴したら、1枚は家宝として残さねばならぬだろう。3人以上の家族は恩賜のマスクを日替わりで使用することになろう。

現時点で物事の順番、或いはなすべきことの優先順位は、誰が考えても医療関係者に対する医療資材機材の提供であり、人員の補充であるのは明確なこと。東京都としては十分足りているはずだったベッド数も、昨日になると急に「軽症の方には自宅で様子を見ていただく」なんて言い始めている。正に「あるある詐欺」と「やるやる詐欺」に等しい話。先の大戦末期、庭のある家は庭に防空壕を掘りなさいとか、防空訓練をするから大きな叩きを作って隣組ごとに集合がしましょう、との号令が掛かったのと同じことだ。

2020年4月1日水曜日

読後感「生物と無生物のあいだ」
福岡伸一著

昔から理数音痴ゆえ理系のことは分かり難い。しかるに最近は身の回りに便利な道具が出回り、これをある程度操作するにはどうしても理系の知識が必要となる。最近テレビコマーシャルなどで5Gなる単語が頻繁に出てくるようになった。使うつもりもないのに理系に強い友人に「5Gの電波は人体に有害は本当ですか?」と教えを請うたらすぐ返事があり、心配不要とのこと。

それから話題が最近流行りの新型コロナウィルスに跳び、巣篭もりしているなら面白いから読んでみろと薦められたのが本書。2007年に初版が出て、未だに版を重ねている名著らしい。著者は生物学者なので京都大学医学部出身のお医者さんかと思ったら、農学部出身の農学博士。

余談になる:30才前後の頃、食料関係の広告に関係した中で、当時著名な栄養学者やお医者さんたちと親しく交際を重ねた。ご存じの方は少ないと思うが、杉靖三郎氏とかラジオドクターで有名だった近藤宏二氏とかの他に川島四郎氏がいた。川島氏は京大ではないが京都の出身で東大農学部の出身で、後に陸軍に入隊。日本人の栄養問題については最高の権威となった人。事務局の偉いさんがいつも「医者は簡単に実験ができるが、農作物はそう簡単に実験ができないから農学博士のほうが偉いのだ。」と言って敬意を表していたことを思い出さいた。

この手の本は読むのが大変だろうと思ったが、僅か3日で読み終えたので近年まれに見るスピードだった。先ず、化学や物理の科学に疎いので内容を十分理解できないことはさておき、文章が素晴らしい。随筆書きを専門にする作家でもこれほどきれいな文章を綴る人は稀だと思う。著者の研究拠点が長年ニューヨークとボストンにあった。この二都市は数少ない滞在経験がの多い都市であることも共感を覚える一因だったかもしれぬ。

本を手にするきっかけとなった病原菌の「ウィルス」であるが、他の病原菌の微生物の違いが少し理解できた。微生物病原菌は生物であり、体積それなりに大きく視認も比較的容易であるが、ウィルスは大きさがラグビーボールに対するパチンコ玉ほどの大きさしか無いことから視認は極めて難しい。そこでPCR検査が登場してくること、テレビでおなじみのスターウォーズにでも登場しそうは形状の所以、とか、微生物と異なり個体では息もしなし単なる物質に過ぎないこと等々。読み物的には大変面白い。

これは序の口で、生命とはいかなるものかに経験談を交えながら迫っていく。一口で言ってしまえば正に鴨長明の世界、「今日の私は昨日の私ではない。」に尽きるかもしれない。