2019年12月31日火曜日

「お努め」

相当ズボラな横着者でも、大晦日ぐらいは普段気にしていた事の一つや二つは片付けてみたくなると思う。その一つや二つが俗に言う「ケジメ」であり、この行いが「努め」だと思う。今朝朝食後のお茶を飲みながらNHKで「皇室この1年」を観て思ったのが、この「努め」。皇室の皆さん別けても天皇皇后両陛下は365日朝から晩まで「お努め」で休む間も無さそうだ。一昔前なら平民は50歳ともなればそろそろ引退を考え始める年頃。

その50歳を過ぎてから否応なしに新しいお努めを割り振られたのだから、両陛下のご苦労は並大抵ではないはず。しかもこれは死ぬまで務めなくてはならぬかもしれぬ。「努め」は祈り、極端に言えば四六時中休む間が無いのだから、世界に数多ある宗教の聖職者の中で最も過酷な地位かもしれぬ。日本の文化及び統合の象徴とはよく言ったものだ。改めて思いを深くした。

今上陛下は覚悟されて皇位を継がれていると拝察するので心配ないと思う。問題はこれから先、我が孫やその子達の世代に何方が継がれるかは分からないが、少なくとも知る限り昭和・平成・令和と三代に亘り受け継がれたこの「努め」が無事継承されるか少し心配でもある。それこそ国民多数の支持を得て首相の座にいる政治家や長年そばに仕える官僚どもが、継承の無事を果たすために支える決まりにはなっているが、現状のような体制が続く限り実に心細い。

他人の務めについては偉そうに言うけど、己については言えた義理ではないかもしれぬ。それこそ伝統的な社会の義理を欠き、家の内外の掃除もせず、庭の雑草も大分伸びているが結局草取りもしないまま、むさ苦しい独居世帯での年が間もなく閉じる。除夜の鐘を聴くこともなく、明けりゃこれまでのことは全てチャラになるだろう。昨日は家族親族への感謝を込めて書いたつもり、今日はやはり友人諸兄(中にはこれを日頃ご愛読頂いている見知らぬ方もおられる)のあたたかい友情に支えられどうやら無事年を越すことができそうだ。厚くお礼を申し上げて最後の締めくくりとさせて頂く。皆様どうぞ良い年をお迎え下さい。

2019年12月30日月曜日

家内の3回忌と年越しと

いろいろあったが今年も余すところ1日だけ。一昨日の土曜日に家内の実家に娘たちと集合して3回忌も無事済ますことができた。坊さんのお経は無くても仏には喜んで貰えただろうと勝手に思っている。義母は大正13年子年の生まれの95歳だから来年は96歳になる勘定。東芝と横浜市が共同して造成した団地内に今でも一人住まいをしている。長女は心配で毎朝定期的に電話をしているが、義母自身が言うには「この団地は全部で100戸あるが、その中の最高齢者になった。」とのことで未だ元気だ。

一昨日は義母の手作りと娘二人が持ち寄ったものを併せ、盛大な年越しができた。また、家のことに無関心だった小生には初耳の話をたくさん聞くことができて有意義であったとも言える。義母は夫に続いて娘にまで先立たれているので、普通は落ち込むところだろうが、なかなかどうしてである。「もう怖いものは何も無い」そうだ。毎朝電話でやり取りしている長女がいろいろ解説してくれた。先ず「私が初孫だが、おばあちゃんが45歳の時だからね。19歳の時に結婚したのだから。」恐れ入りました。

夫である岳父は我々の婚約が整った時、静岡県島田市にある東芝の関連工場に勤務をしていた。当時は社宅に住んでいたので、それでは家でも建てようと土地を手当し、家の方も設計が終わり地鎮祭まで終わった時に、いきなり東京本社勤務を命ぜられたそうだ。我々の婚礼が終わってから会社が造成したこの土地を買って建てたのがこの家で、築後50年になってしまった。一人住まいには広すぎるし、先ず足が弱っているので2階に上がることができない。だから孫娘が時々訪れて、2階に上げてある衣服を季節に合わせて下ろす必要があるらしい。

近くに義弟が住んでいて、これも毎日顔を出している。しかし、衣服のことなどはやはり女性同士でないとコミュニケーションが上手くないらしい。2年前までは娘である家内がやいていた世話を孫の娘どもが代わってやっているようだ。何れにせよ皆健康で年を越せそうなので何よりのことだ。

2019年12月29日日曜日

読後感「アイリッシュマン」
チャールズ ・ブラント著, 高橋 知子 翻訳

余りメジャーとは言い難い「ハヤカワ・ノンフィクション文庫」の上下巻2冊なので、よほど好きでないと買う気にならぬかもしれぬ。子供の頃から講談本を好んでいた癖が抜けずに購入してしまった。長い日数をかけてやっと読了した。この本の特徴は著者のあとがきが異様に長いところにある。著者チャールズ・ブラント氏はニューヨーク生まれ。ブルックリン法科大学で法学博士号取得。司法局に勤務し、デラウェア州検事総長代理(地検の次席検事に相当)にまでなったのち、ノンフィクション作家に転じた異色のご仁。あたかも推理諸説のようではあるが、著者が小説ではないと断っている。

彼がアメリカマフィア組織の中で殺人請負人として高名であった犯罪者(通り名が「アイリッシュマン」)とは現役時代から知り合いであったが、死ぬ直前の晩年に接近、1995年頃から2002年までの7年を掛けたインタビューの結果、書き上げた作品である。本書の発売は先月末であるが、アメリカでは既にロバート・デ・ニーロが出演した作品も映画化されており、製作がNetflixで配信されているので、映画館では観ることができないかと心配したが、都内では1月1日に池袋のマイナーな映画館で上映されるようだ。

マフィア組織はよく知られているようにイタリア系アメリカ人によって構成されているが、本書の主人公はアイルランド系アメリカ人で1920年生まれで著者のインタビューがほぼ終わった2003年に亡くなっている。生まれも育ちもフィラデルフィア。アメリカが第2時大戦に参戦すると同時に陸軍の兵士としてヨーロッパに渡り激戦の中生き延びて1945年に無事復員している。戦後様々な仕事につくがトラックの運転手とか酒場の用心棒なものが多く、必然的に戦場での経験が物言う世界に入っていったようだ。

膨大なインタービューが土台になっているので詳しく書く余裕はないが、肝は彼が全米トラック運転手組合(チームスター)のボスのジミー・ホッファに可愛がられてその世界でのし上がっていくが、最終的に日本流で言えば渡世の仁義でジミー・ホッファを殺すことになった。直接的には告白していないが、本書を読む限り告白も同然である。

そのことは扠措き、最も興味深かったのはアメリカ政界とマフィアの関わり方である。時あたかも日本ではカジノ賭博導入に関する議論が再燃する事件が発生している。ラスベガスは健全な娯楽都市になっていると錯覚している人が多いと思うが、そんなに甘くはないだろう。マフィアの全国会議なるもの実態は素人には永遠に解るまい。ケネディー兄弟は間違いなくマフィアの手にかかったと見て間違いなさそうだし、ジミー・ホッファもある日突然行方不明になっただけで未だに生死が判明していない。

2019年12月26日木曜日

果てしなき大空を

明日からは普通の人と少し異なるがお正月となる。明日早朝から伊勢神宮(初詣)に行き、夜は東京に帰って親しい友人と忘年会。28日は家内の命日なので、義母の家に娘二人と集合して内々の3回忌。娘たちが家族同伴で来れば大賑わいになるだろう。そのまま冬休みなるかならないか分からぬが、最低2日間はブログを休む。うまい具合に書きたいことも無くなった。今年最後になるかもしれないテーマが思いつかぬので、いっそ飛躍して宇宙のことでも書いてみたい。

世界最強を誇るアメリカ軍は、現在陸軍・海軍・海兵隊軍・沿岸警備隊軍・空軍の5軍で編成されているが、来年以降これに宇宙軍を加えるそうだ。ロシアのプーチン大統領に言わせると、年間軍事予算は7500億ドルで2位以下の国すべての国の予算の合計より多いとのことだ。軍事予算なんて正直に申告している国がどれほどあるか分からないから、プーチン大統領が僻みたくなるくらい大きいと受け止めれば間違いなさそうだ。

宇宙軍予算は調べてないが、聞きかじった限りでは空軍から主に兵隊さんを引き抜き、民間技術者のリクルートを含め1万6千人体制で発足とのこと。空軍の現在兵力も分からないが、軍隊全体が160万人体制と一応ネットには出ているので、ある意味で相当力んでいるようにも見える。しかし宇宙戦争の局面では想像するにアメリカは中露に相当遅れを取っているはず。

慌て者のトランプ大統領がアメリカ航空宇宙局(NASA)を軍隊に取り込もうとしたのかどうか知らぬが、現在宇宙に浮かんでいる宇宙ステーションはロシアのものだし、つい先日ボーイングとテスラが共同して打ち上げたスペースシャトル代替品も見事失敗に終わっている。この軍事力強化策と同時に大統領が「アルミテス計画」なるものを同時に発表した。これはNASAが半年以上前に公表しているもので、2024年に再びアメリカが人間による月面着陸を目指すものだ。

5年以内とは随分悠長に思うが、アポロ11号アームストロング船長のによる月面着陸は1969年7月20日のこと。それ以来未だに2度めが成功していない。悪口を言う輩は「あれはフェイクではないかぇ」なんて言ったりしているくらいのものだ。軍隊と名がつくとおどろおどろしくなるが、人類にとって宇宙には限りない未来があるはずだから誰によらず頑張ってもらうのは大変結構なことだ。

2019年12月25日水曜日

同じ文書からこの大きな違い

昼飯を食いながらいつも観ているNHK「お昼のニュース」トップだったと思うが、今日公開された外務省1955年の文書の中にあった重光元外相のコメントが賑々しく紹介された。曰く、安倍政権で憲法を踏みにじる形で強行採決された集団的自衛権行使と軌を一にする内容とのことである。へ~と思って帰宅してからネットを丁寧に読むと、次のような内容だ。

先ずダレス米国務長官「日本はアメリカを守ることができるか。例えば、グアムが攻撃された場合はどうか?」
重光外相「自衛が目的でなければならないが、兵力の使用について協議できる。」
ダレス「日本の憲法が許さなければ意味がないと思うが」?
重光「自衛であるかぎり協議できるというのがわれわれの解釈だ。」
ダレス「全く新しい話だ。日本が海外出兵できるとは知らなかった。」

この2つのやり取りを読んだ学者の解説が紹介される。ここが肝心。解説者と内容は以下の通り。日米外交史が専門の日本大学の信夫隆司教授が次のように言う。
「当時の日本の基本的認識では、集団的自衛権は行使できず、自衛隊の海外出兵はできなかった。重光氏は、安保条約改定問題もあり、日米を対等な形に持っていきたいということだったのだろう。重光氏が述べたことは、安倍政権が閣議決定した集団的自衛権行使の限定的容認と同じような主張だったと読み取れる」と指摘しています。

これだけ読むと、安倍政権は日本外交の道筋を踏み外していないような錯覚に陥りかねない。しかしチョット待って頂きたい。同じ文書を読んだ朝日新聞の報道は全く異なる。タイトルは『「帝国最後の外交官」 外交文書が明かす安保改定の裏側』内容を短い引用で汲んで頂くのは難しいが、大意は次の通り。『55年8月30日。来日したダレスとの会談で、重光は強気に要求した。「我々は平等を欲する」』と米軍の撤退を強く迫っているのだ。それに対しダレス氏は極めて冷ややかな対応で、日本が未だ完全に独立してないと指摘。

結局物別れに終わったこの会談の後、改めて策を練った重光氏が8月ワシントンに再び乗り込み再折衝。以下に長くなるが再び引用する。

「重光は、日本が防衛力を強化するので米軍は撤退し、「分担金制度そのものを究極的に廃止することについて、考慮を払うことを希望する」と求めた。ダレスはこれに対して「在日米軍の減少に応じて分担金の削減も考慮する用意がある」と前向きな姿勢を示した。この会談の5年後、60年の日米安保改定で分担金は消滅した。」できれば全文を参照願いたい。

https://digital.asahi.com/articles/ASMDL53PZMDLUTFK00P.html?ref=hiru_mail_topix2_6

2019年12月24日火曜日

日本外交

国内には何から取り上げたら善いか迷うほど様々な問題が山積しているが、総理自身が得意と思っていると伝えられる外交で、これほど無残惨めなことはないと思ったことを書いておきたい。その「まえがき」である。外交は国と国との折衝、お付き合いだから、その顔となるべき人間はそうむやみに代わったのではまともなことが出来る筈がないと思う。総理自身が長期安定だから良いとしているのかも知らぬが、日本は外務大臣を余りにも頻繁に交代させすぎるのではないか。

如何に大陸とかけ離れた島国とは言え、他国とまともに付き合いたいなら、もっと腰を据えた担当を据える事が必要だ。外相ポストが軽いのは現在の野党政権時代も同様だが、安定政権を自認するなら、せめて1内閣1外務大臣であってほしい。現在の外務大臣は未だ就任数ヶ月、安倍内閣では岸田氏・河野氏に続く3人めである。昔ソ連の外務大臣グロムイコ氏がアメリカの大統領(ケネディの時代だったかな)に向かって「私はあなたが小学生の頃から外務大臣をしています。」と語ったとされる逸話を思い出す。

本論に戻す。昨日北京で行われた日中と韓中首脳会談の報道である。日中会談は約40分、この中で安倍総理が力説したのは、したかったのは「日中関係の重要な節目となる来年春の習主席の国賓訪日を極めて重視している。」だけだろう。国賓待遇をするから是非お出かけください、は悪いことではないが、中国側は日本の政権内部にも国賓待遇に反対する意見が強いことは百も承知のはず。腹の中では「その春先までしっかり党内も含め、世論をリードして政権が持つよう努力しろよ。」と思っているに違いない。

日本から中国の人権問題に注文をつけたとか北朝鮮による拉致被害者救出に協力を要請したなんてなんてことは、マスコミのリップサービスじゃないかと疑っているが、文書が残っているはずだから言うだけは言ったかもしれぬ。引き換えて韓中会談については報道が少ないので、内容をネットで確認するにも手間がかかる。短いテレビ報道だけからも中国側首脳陣の表情の違いが明確で、日本で崩壊間近のように報道されている文在寅大統領を暖かく迎え入れている様子だ。

こっちの主要テーマは北朝鮮問題に他ならぬ筈。米朝会談を実現するために互いにできることを具体的に話し合ったことだろう。会談時間は分からないが、日中と同じであったとしても中身の濃さに大きな違いがあったのではないか?中国の新聞は文在寅大統領が香港問題やウイグル自治区問題を中国の国内問題と言及したことを大きく報道しているようだ。

2019年12月23日月曜日

年末年始の過ごし方

最近では金融機関や霞が関のお役所でさえ今週で御用納めになるらしい。働き方改革なんて自ら言うぐらいだからそれも結構かもしれない。更にスーパーやコンビニも年末や年始のお休みが流行りらしい。食い物屋は頑張ってる店でも年末は30日、年始は4日からが多いみたいだ。ところがサンデー毎日の独居老人は一般の方がお休みをお取りになるのが結構きつい。独身者用の小さな冷蔵庫しか無いので食料の買いだめができないからである。

いっそどこか安いホテルでも見つけて行きたいなんて考えてはみたが、これも甘い考えで、1泊10万円も出せば何とかなりそうだが、貧乏だからこれも叶わない。昔から年末年始の5日間くらいは家内が宿下がりするので、一人暮らしだったが、当時とは条件がまるで違う。昨年は今年と同じ条件だったわけで、なんとか凌げているのだから、今年もなんとかなるだろう。妻が二人いる古い友人が「俺は盆と正月が一番嫌だ。同じことを2度ずつやらなきゃならぬから疲れてしまう。」と言っていたことを思い出した。

「妻二人も大変かもしれぬが、妻0人もけっこう大変だぜ。」と返したい。と言ったところで特にすることはない。本当はあるのだろうが、この2年間で万事省略を決め込むことが習いになってしまった。年賀状書きも無し、大掃除も無し、庭の草取りくらいはしなければと思いつつも、どうもズクが出ない。(信州弁で横着を決め込むこと)

妻の3回忌すら省略。毎朝仏壇に水とお茶だけは上げているので、3回忌のパスで罰が当たらないよう一生懸命祈っている。面白そうな映画でもあれば、時間潰しにはもってこいだが、年末年始興行は面白そうな作品が見当たらない。大宣伝している「スターウォーズ」も既に見飽きた感だし。困ったことだ。

ブログのネタもそろそろ尽きた感じもあるが、ま、仕方あるまい。

2019年12月22日日曜日

歳末の世相

暮になって突然、何を思ったか東京地検特捜部が動いた。容疑を掛けられた秋元司氏を好き嫌いは別としてよく知っているが、知る人は少ないだろう。要するにそれほど言っちゃ悪いが小者に過ぎない。今朝のTBS「サンデーモーニング」に出演していた青木理氏が解説していたが、特捜部が政治案件で手柄顔するならもっと他に案件が幾つもあるだろう。仰るとおりで、小生から見れば現在の政権は犯罪者集団に見える。中枢部も当然後ろめたくもあるので、小者一人で世間の目を逸らすことができるなら、もっけの幸いだろう。

正に司法が政権に塩を送っていることに他ならない。まして、この国会でIR法が成立してしまい、これから設置場所の選定が始まろうと言う時期、中国の業者なんぞに政権最大の利権案件を一寸でも渡せない思惑は隠しようもない。視聴者の多くは秋元氏を薄汚く思って観ているだろうが、彼以上に悪い魂胆の誰かがいること忘れてはいけない。その張本人かどうかは別として首相は昨日日本橋三越本店の「報道写真展」に出向き、G20の集合写真にサインをしてご満悦の様子。それが大々的に夕方のニュースになるのだから平和で結構なのか?こんな茶番で年を越さなければならない国民は可愛そうだ。

アメリカ大統領やイスラエル首相なんかは議会で嘘を言ったとか収賄罪などで訴追されている。トランプ氏の場合は不起訴が決まっているようなものだから気楽だろうが、ネタニヤフ首相の方は政治的混迷が深まっているようだ。何故日本はそのようにならないのか?これも青木氏がどこかで丁寧に解説していたが、要するに官邸が司法に関しても人事権を握ってしまったのでどうにもならないらしい。日本が世界的標準から外れていることは枚挙にいとまがない。

昨日は、男女の平等度合いを調査した2019年の「ジェンダー・ギャップ指数」。総合ランキングで153カ国中121位に沈み、過去最低の順位となった。先進7カ国(G7)の中で最も低く、中国や韓国よりも低い順位。なんて記事もあったし、テレビでは留学生制度がある日突然変わり、理由も知らされずビザの更新を打ち切られ、志し半ばでネパールに追い返された学生のルポを見せつけられ、なんとも言えない嫌な気分になった。

要するに留学生制度なんて称しているが、安い労働力の輸入制度に他ならなかっただけのこと。「今だけ、金だけ、自分だけ」は未だ暫く続くのだろうが、日本人は以外に鈍感のようだ。一方外国では、事実関係を正確に見ている人が意外に多いとのこと。安倍さんものんびりしてはいけないかもだ。

2019年12月21日土曜日

掛かりつけ

昨日が冬至、ゆずだけは買ってきて一応ゆず湯には入ったが、南瓜は駄目だ。インスタントスープで多少気分が出るかと思ったが、とてもじゃないがパンプキンのパの字にも当たらない。なかなか一陽来復とはいかぬもので、今日は「冬ぞ寂しさ勝りける・・・」である。暗い気持ちでいると、数日前蛍光灯の交換を頼んであった町の電気屋さんから電話があり、昼頃に来てくれた。先日カレンダーを届けてくれた時以来だから待つこと1週間ちょっと。電気屋さんも暮れは大忙しのようだ。

聞くと、この界隈の競争相手4軒が店仕舞をしてしまっているので、大掃除をしたらレンジカバーのファンが回らなくなったとか類似の依頼が引切り無しらしい。古い得意でなくても断るわけにいかない、経緯は無視して全て受けているが、30日でこちらもお断りせざるを得ない、とのこと。当たり前だろう。彼も久しぶりに屋内に入って、不思議そうな顔をしている。そりゃそうだ、昨年リフォームしたから彼の記憶とは随分違う筈。

「奥さんはお出かけ?」と聞かれ、まる2年前に亡くしてしまったことを伝えると、びっくりして「このところカレンダーや商品カタログやらをお届けに伺ってもお目に掛かれなかったので、どうもタイミングが悪いと思っていました。それにしてお寂しいことで、年賀状なんかも知らずにお出ししてしまい済みません。」「こちらからお知らせしていないのだから、気にしないで下さい。」で終わった。

蛍光灯2本交換しただけで6,600円を高いと思うかどうかだが、金額の問題ではないだろう。彼も言っていたが、新しい家電製品を買ってきたはいいが、動かない、調子がおかしいとの注文が捌ききれないほど溜まっているらしい。たまたまこちらは昔ウェブサイトを管理する会社をしていた関係で、技術者の友人が何人かいる。おまけにパソコンは毎日使っているし、バックアップ体制も一応取っているので、電子機器関係はなんとかなっている。

若い人ならもう殆どパソコンは使わないだろうが、普通50歳以上の人がパソコンを使う場合、初期設定はどうにかなっても、購入して1年もすれば必ずどこかに支障が出るはず。これのリカバーは容易でないので電気屋さんにSOSを発信したくなって当たり前だ。現代人は掛かりつけの医者と弁護士が必要とされるが、電気屋さんもその範疇に入りつつあるかもしれぬ。

2019年12月20日金曜日

迷信

他人のことを言えた義理ではないが、死んだ家内も妙に信心深いというか迷信を信じる傾向があった。家内が通っていたのは先ず人形町の水天宮、これは安産守護だからよく分かる。自分を含め娘二人と合わせると3人分の願いをかけて、それぞれのお礼参りをするとかなりの回数通っても不思議はない。もう一つが理由がよく分からないが、早稲田にある穴八幡宮。ひょっとしたら娘が早稲田大学を志望したのがきっかけだろうか?

何れにしろ行ってきたと言う話はよく聞いたが、趣味が違うのが我が夫婦で、両社とも目の前を通っても参拝に立ち寄ったことはなかった。ところが今日は冬至であるが、朝から快晴で気温も上がり絶好の散歩日和。たまには少し別のコースをと思い、暦に合わせて穴八幡宮参拝をしてきた。偉そうに言えば、正に令和元年が陰極まる年となり、来年からは一陽来復で少しでも良いからまともな方向に向かってもらいたいからだ。

先日京都の飲み屋で占ってもらったら、過去2年間は最低だったでしょうと言われたものだ。びっくりしたが、今月28日が家内の3回忌だからまる2年間喪に服していたようなものかもしれぬ。家内の信仰していた神様仏様に家内のお礼と成仏を祈り、来る年を迎える準備としたかった意味もある。個人的なことは細やかだな願いだから、お聞き届け願えると信じているが、問題は孫子の世代、日本のことだ。

昨夜もテレビ(BS-TBS「報道1930」)を観ていたら今や世界中がバブルなんだそうだ。何でも特に酷いのがアメリカと中国で、両国ともこのバブルはいつ弾けてもおかしくないとのこと。他にも外国のことをいろいろ論って、あの国は潰れてもおかしくないとか何とか言っている。それはそれで傾聴に値すると思う視聴者がいるのだろうが、他人の頭の蝿のことをよく言うよと思う。同じく昨日は日銀総裁の記者会見もあったようで、相変わらず日本経済は緩やかな回復基調とか言っている。

流石に、これについてはコメンテーターの一人森永卓郎氏が色をなして怒っていた。オリンピックが終わるまで大丈夫なんてことは言えないらしい。誰の意見を信じようと、迷信を信じるのと同じかもしれぬ。

2019年12月19日木曜日

報道の本質

子供の頃から外国の小説を読んだりして勝手なイメージを作ってきたが、長じてから現実に外国旅行ができなかったコンプレックスがあるのかもしれない。昔は映画館で観たモノクロのニュース映像、そして今ではテレビの海外報道を興味深く観ている方だと思う。しかし外国のことは数分の報道だけでは、真っ暗闇の中で象のしっぽに触ってその姿をイメージするのと同じことだ。

しかし先日の突然降って湧いたようなペシャワール会中村哲氏の報道には胸を打たれた。昔から時々思いついたような、それも不幸は事件での報道が主だ。今回も氏にとっては最大の不幸が襲った報道だった。氏のご冥福を祈ったのはもちろんだが、それにしてもアフガニスタン国を知ったのはいつのことか記憶がない。今や限られた報道だけでこの国を想像するのは非常に難しい。映画の舞台として屡々登場しているので、そっちの方から刷り込まれたイメージ法が強いかも知らない。

歴史的には相当古くから存在し、カンダハールやバーミアンなんて聞くと何となく三蔵法師の時代を彷彿する気がする。しかし記憶にある限りは戦いに明け暮れているイスラム教国家で、嘗てはソ連とそして最近はアメリカを敵に回して戦っているようなイメージ。ソ連とは兎も角として、現在国家としてはアメリカと戦っている訳ではない。その複雑さが日本人で理解できている人は極めて少数の筈。それこそペシャワール会関係者や嘗て北部部族の武装解除に国連職員として実際に関わった伊勢崎賢治氏くらいのものだろう。

こんな思いを書いたのは今日孫崎享氏のメルマガに書かれていた『ワシントン・ポストは「アフガニスタン・ペーパーズ」を発表。』を読んだからだ。そこにはこう書かれていた。曰く「アメリカは共和ブッシュ、民主オバマ、共和トランプの18年に亘りアフガンで戦争を続けている。しかしこれほど無益無駄な戦争はない。政府高官や将軍達は全員そのことを知りながら国民に嘘をつき続けている。」

「長年に亘る失敗の連続ではあるが、目新しいものは何も無い。大きな変化がないから、聴衆をエキサイトさせるものが無い。結果として殆ど報道が無い。」現代の報道の本質かもしれぬが、ワシントン・ポストはこのペーパーを世に出しただけ未だ益しだ。

2019年12月18日水曜日

毎朝の食材

この冬は気象庁が予測しているように暖冬のようだ。今月に入ってから幾日か寒い日もあったが、今日はまるで春の陽気だ。散歩していて汗をかいた。年寄りには良いが、国民全体で考えた時に果たして良いかどうかは分からない。昼食時に飯屋の親父と最近の食材について話した。

「年中食べているトマトだが、最近は流石に味が殆ど無くて不味くなったものだ。夏野菜だから冬至が間近になって食う方が悪いのかな?」「そりゃキュウリであれ何であれ私どもも使っていますが、仕方ないでしょう。ミニトマトにしてみては如何ですか?」とアドバイスを受けた。先程スーパーまで行って買い求めてきたので明日の朝食でトライするつもりだ。

食い物つながりで今日のニュースを紹介したい。と言っても多くの方はご存じないと思う。なんと言っても小生が本邦唯一のクオリティーペーパーと位置づけた日刊ゲンダイの記事である。

近著に「怖い中国食品、不気味なアメリカ食品」(講談社文庫)がある大宅壮一ノンフィクション賞(06年)受賞したライター奥野修司氏の寄稿である。
以下に引用させてもらう。

『来月から日本にドッと入ってくる安い米国産牛肉。ところが欧州各国は、だいぶ以前から、この米国産牛肉の輸入を禁止にしている。百八十度違う対応だ。どうしてなのか。これは、食の安全を考える日本人にとって重要な問題だ。まず、ざっとした経緯から書こう。1980年代、イタリアとプエルトリコで幼い女の子の乳房が膨らんだり、初潮が始まるという奇怪な事件が発生した。調べたところ、米国産牛肉の合成ホルモンが原因物質ではないかと推定された。

これをきっかけに、欧州各国でホルモン剤の使用に抗議する運動が起き、そして1988年、EC(現在のEU)は、家畜にホルモン剤を使用することを禁止した。さらに翌年には、米国産牛肉に残留する成長促進剤ホルモンであるエストラジオールに関して、「完全な発がん物質とみなす証拠がある」と発表し、ホルモン剤使用の米国産牛肉の輸入を禁止したのである。発がん物質とは穏やかじゃないし、超大国アメリカを相手に、勇気ある対応だ。ー中略ー

食の安全に関して、基本的に科学的なエビデンスというものはない。薬の治験のように、人間に食わせて病気になるかどうか、試すことができないからだ。だから欧州は環境や生命に重大な影響があると疑われるものを禁止する「予防原則」の立場を取っている。しかし日本は逆だ。「絶対に危ない」ことが明確でないかぎり、大抵は輸入が許される。』怖いと思うかどうかは皆さん次第だ。

2019年12月17日火曜日

今年を顧みて

年末が目前に迫ってきた。毎日後悔すべきことばかりではあるが、そろそろ1年を振り返り大きな反省する頃合いだろう。そうでないと大切な人生が、まるきり反省の無い安倍政権のように虚しいものになりかねない。このところ天気がはっきりせず、気温の変動も激しい。高齢者の健康問題で最も注意を要するのは「風邪予防」と信じているが、今年は珍しく夏風邪を引いて20日以上往生した。これが最も反省すべきことだ。

規則正しい生活を続けていれば滅多なことでは風邪など引かぬと思うが、生来の遊び好きだから来年もよくよく注意する必要がある。現在は先々の目標は考えずに、ひたすら日々のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)について満足することだけで生きているので、目標に届かなかったといった反省は無い。強いて言えば囲碁が相変わらず下手であることが悔しい。1年前と比べてみたいと思いネットのソフトで探ってみたが、半年前の7月2日以来のグラフしか表示されない。

1年前は今より強かったように思うが、7月2日に比べれば少し益しなようなのでホッとしている。今日現在、日本ランキング:7,784位、世界ランキング:11,123位だそうだ。真偽の程は分からぬが、使っているソフト『パンダネット』は「世界150カ国に7万人の会員を持つ老舗インターネット囲碁サロン!」と宣伝文句が書いてある。考えようでは頑張っている方かも知れぬ。忘れ物が多くなっていることも問題の一つ。だがこれはいくら反省しても治らないかも知れない。

これも治らないだろうが、読書量が益々減っている。本ブログの読後感に上げた本は13巻だけ。寂しい限りだ。中でも8月に読んだ劉慈欣 著の「三体」が一番印象深かった。山歩きも減ってきているがこれもしょうがあるまい。過去の記録を見ると昨年は12月27日に裏高尾から陣場山まで歩いている。寒さにかまけて引きこもりがちな昨今、どうすればそんな事ができたか不思議でならない。来年は3月にスキー合宿があるので、4月から山歩きを始めて、夏か秋には信州のできればアルプスと名のつく山に登りたいが、果たしてどうなるか?

何れにせよ先の日曜日で社会的な会合は全て終了した。後は神様へのお礼参りだけだ。兎に角風邪を引かぬことよう気をつけよう。

昨年の12月27日
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1686726.html

2019年12月16日月曜日

後輩たち

昨日は高校の同窓会があって帰宅が遅くなり、ブログは休んだ。同窓会と言っても首都圏に居住する者だけなので100人足らずのこじんまりしたもの。高校自体は旧制中学から数えると既に120周年だ。我々同期が卒業してから数えると丁度その半分、60年目のはず。昨日の同窓会に同期での出席は他に1名の二人だけ。名簿を確認すると1期上の先輩が二人だから我々も年をとったことを実感せざるを得ない。

部屋の隅で爺二人が小さくなっていると、52期下、即ちこの会では最年少の後輩が3人寄ってきてくれた。10歳や20歳後輩であれば現役はリタイアしていても未だ社会的に肩書が通用しているので、一応こちらも腰をかがめなくてはならず些か億劫だが、半世紀下ともなると偉そうにできるので料理などを運んでもらったりして有り難かった。3人は長野高校のサッカー部(蹴球部)の同期。二人は大学は違ったが就職で再び一緒になり、同じ監査法人トーマツに入社したとのこと。共に公認会計士の有資格者。

一人は大学卒業後、世界最大のコンサルティング会社アクセンチュアに入社するも2年で退社して個人コンサル企業は開業したが、現在はもう一つ別の起業活動中とのこと。何れも相当優秀な若者と受け止めた。独立心の強い青年は若い時から志賀高原でスキーもしていたようで、大いに話が盛り上がった。若い人の話は何れも夢があって楽しい。己の若い頃とは大違いだ。短い時間だったので、もっと話ししたかった。

彼らがどう感じたが分からぬが、最後にブログを読んでくれと言って別れた読んでもらえると嬉しいが、ひょっとするとなにか役に立てるかも知れぬ。

2019年12月14日土曜日

集団ヒステリー

先ず「ヒステリー」 である。子供のギャー泣きやこれを叱る母親の甲高いし怒り声などで何となく分かっているつもりではあるが、念の為調べてみた。「1.精神病質の一種。満たされぬ欲求の反応として、種々の精神的・肉体的症状を起こす。症状が大げさで演技的色彩を持つ。2.俗に、病的に興奮して感情を統制できず、激しく泣いたり怒ったりする状態。」と書かれていた。

こんな下らないことを調べて理由は、昨日の英国総選挙結果報道をテレビで観たからだ。本論と関係無いが、兼ねて不思議に思っていたことが勘違いであったことが分かったので告白しておこう。英国は日本人からすると民主主義の見本みたいに言われ、政権交代可能な2大政党に依る国会運営がなされているとずっと思っていた。これまでにも英国総選挙報道はあった筈だが、関心が無かったのだろう気が付かなかったが、政党が沢山ある。中でもスコットランド民族党なんて地域政党は鈴木宗男氏の北海道の何とか党以上に強そうだ。

余談はさて措き、歴史的勝利を収めたジョンソン氏率いる保守党の祝賀会風景についてだ。選挙に勝利した会場はどこの国でも高揚感に溢れるのは当たり前のことだ。ただ違うのは高揚感がどのように発露されるかにある。我が国の場合は与野党問わず、支援者の「バンザイ」三唱と相場が決まっている。これは長年培われた習慣で今更変えろというのは無理だろう。人によっては候補者も一緒に「バンザイ」を唱えているのを見るが、これは如何なものだろうか?

どうでもいいが、候補者の答礼もほぼ「皆さんのためにがんばります」とパターン化されてそれを超える話は余り聞かない。英国には残念ながら「バンザイ」のような集団的雄叫びは無いらしい。いきなり当選者の挨拶から始まるのが普通みたいだ。ジョンソン氏も最初は燥いで「ブレグジット」が支持されたこと喜んでみせたが、直ぐに40%を超す国民が不支持だったことに触れ、反対者への理解を求める努力を述べていた。

同じ思いを抱く人間が多く集まった時の高揚感は仕方ないだろうが、日本人はどうも感情的になりすぎでないか。悪く言えば極端に走って集団ヒステリーを起こしかねない。今回マドリッドで小泉環境相が日本を代表して率直な意見を述べた事に対し、各国メディアから遺憾の意が表されたことを受け、日本メディアの報道が正にこの症状だと思う。

2019年12月13日金曜日

他国のことばかり

行ったこともない外国のことなど思っても何もならぬだろうが、29カ国で構成されているEUが来年は英国が抜けて28カ国になるらしい。そもそも「欧州連合」の意味もあやふやだが、自然環境、経済環境はもとより人種や言語の違いも乗り越えて、参加国全てで一種の国家のようなろうじゃないか、と合意したものらしい。要するに昔は互いに戦争ばかりしていたらしいが、戦争だけはやめようと決めているとのこと。

EUは現時点で人口約5億1千万人、共通通貨もあり、時差はあっても往来は自由、羨ましいと思うし、イギリスが何故しゃかりきになって離脱するのか意味がわからない。移民の問題や負担金の重さなどボケ老人には分からないことが山ほどあるのだろう。この膨大な国家と人口を擁する連合の新しい指導者(委員長)につい先日就任したのがドイツ人女性フォン・デ・アライエン氏。人となりはずっと前に触れたことがあるので省略するが、先日就任早々新しいエネルギー政策を打ち出した。名付けて「グリーンディール」

少し神経質になりすぎるのでは?と言いたくなるが、2050年までに脱炭素社会を構築するのが目標。連合内部には日本同様に石炭火力に依存している国が少なくない。それらの国には連合が資金面で面倒見るから、2030年までの温暖化ガスの排出削減目標を現在の40%減から「少なくとも」50%減に引き上げなさいとしている。もちろん原子力に依存している国もあり、脱炭素だから文句ないだろうと威張っているが、そんなやばいものに補助は無いのは当然のこと。脱炭素以外の環境問題にも敷衍して、子孫により住みよい環境を残すことを非常に大切にしている。

環境は兎も角、域内の経済格差も激しく、イギリスの離脱はこれが大きな要因ではないかと思うが、そのことより前にエネルギー改革を打ち出したのは、日本のボケ老人からすると驚きでもあるし、大方の日本人には理解しかねるだろう。経済(お金)が命より大事な日本人にとっては、「グリーンディール」が国際経済ひいては日本経済に如何なる影響を及ぼすかが大事なことなんだろうと思う。日銀短観が発表されて4四半期即ち1年通して景気はマイナスと言うのに、米中の関税戦争に決着が着きそうとの報道で、株価が1年何か月ぶりの高値をつける国だ。

何も分からぬ老人が他国のことばかり書き連ねても文句はあるまい。

2019年12月12日木曜日

民の竈

景気が良いの悪いのと騒ぐのはある意味で贅沢かもしれない。と言うのは世界には「今日の飯さえ無かったなぁ~」てな国が沢山あると思うからだ。どの国であれ、国の基本は水と食料が確保されること、燃料に不自由しないことが基本だろう。そのためには国境線に兵員を置いて、外敵からの侵略を防ぐとかの防衛手段が必要になろう。

この前提に異論を唱える人は少ないと思う。昨日マドリッドの第25回気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)閣僚級会議で小泉環境大臣が演説をして、脱炭素に向けた具体策が不十分と他国から非難されているとのこと。この報道を見て考えてしまった。日本は地球上に200以上存在する国の中ではかなり豊かな国と自他共に認めるところだろう。しかし食料の自給率は既に40%を割り込み、燃料自給率に至っては北朝鮮にも及ばないのでは?

強いて言えば水だけは完全自給が可能の筈だが、敢えて外国から輸入した水を買う人もいるし、国や自治体が運営している水同事業を民営化して外国企業に売り飛ばそうなんて考える輩がいるのだからやりきれない。このことはさて措く。

食料も燃料も外国に依存しているので、国の安全保証にとってこの補給線の確保が目下の最重要課題になっている。そのためには供給国と仲良くするのが一番だと思うのは当然のこと。食料最大の供給国は調べてもいないが、多分アメリカだろう。その他平たく言えば世界中の国から食料は入ってきてるに違いない。だから、日本は外国との戦争を考えてはいけないし、必要もないはず。特定の路線だけ物理的に防衛なんてナンセンス。

話が逸れ初めたので脱炭素政策に戻す。小泉氏が非難されているのは石炭火力の減少廃止に言及しなかったためらしい。しかし考えてみるに、燃料をほぼ100%海外に依存している我が国で、その30%を占める石炭火力をゼロにするなんてことが現実的でないことは誰にも分かりそうだが(COP25)ではそうはいかなかったみたいだ。では嘘でもいいから「2030年までに半減」とでも言えば良かったのだろうか?

小泉氏が何を考えていたか分からないが、嘘つきは泥棒の始まりだから、これも感心しないだろう。何れにせよ、何でもアメリカの言いなりもいいが、指導者は民の竈の煙を絶やさぬために何をすべきか、よくよく認識すべきだ。

2019年12月11日水曜日

ノーベル賞

カラスの鳴かない日はあってもテレビで韓国の悪口を聞かない日は無いくらい、毎日のように聞かされる。最近は韓国の経済について、通貨暴落説まで出るようになった。他国のことでもあり、まして経済問題なので真偽のほどは分からぬが、自国の経済は大丈夫なのだろうか?識者に伺ってみたい。先日も冬のボーナスについて、建設業界の景気が良いと書いた。今朝の新聞には全産業で見ると冬のボーナスが7年ぶりかで前年割れらしい。

先週末に内閣府が発表した統計に依ると、GDP18年度の実質成長率は0.3%。19年7~9月期は前期比の年率換算で1.8%増ではあるものの、増税後の10~12月期は反動の落ち込みもあってマイナス成長に陥る公算が大きい。19年度もならしてみると低成長に終わる懸念は拭えない。となっている。韓国ばかりでなく、中国の悪口もマスコミは好きなようで、中国もGDP成長率が鈍っていると書いて喜んでいるが、貿易摩擦で苦労して鈍っているかも知れぬが成長率は6%を維持しているし、競争相手のアメリカも未だ成長基調にある。

沈没しかけている国もあれば成長を続ける国もあるのだろうが、何れも他国のこと。大騒ぎしても始まらない。昨日はストックホルムでノーベル授与式があり、吉野彰氏が1980年代にリチウムイオン電池を発明したことで目出度く化学賞を受賞された。氏は旭化成の企業人。2002年にノーベル化学賞を受賞した島津製作所の田中耕一氏もそうだったが、極めて珍しい。今朝の新聞に掲載された吉野氏のインタビュー記事を読んで成程と思ったことがある。

企業人は研究成果を世界的な科学誌には投稿しない。研究結果は全て特許申請することでオーソライズし、企業もそのことで業績評価をするもののようだ。氏によれば「特許というのは、できるだけ中身がわからんように書くのがコツでね。普通の人だったら全然わからないんです。」と語っている。「にもかかわらず、特許という文献を証拠に受賞者の一人に選んでもらったことは、いまの産業界の研究者にとって影響は大きいと思う。」氏自身が語っているがノーベル賞の選考委員会の調査能力は凄いものだ。

要するに国の産業政策に、このような産業や人材を育成する力が全く不足していることが、我が国の経済成長力に大きく作用しているのではと心配したくなる。吉野氏も指摘していることのもう一つは純粋な学術研究も企業内の研究もどちらが優れているとは言い難い。企業研究のメリットとして、社内で大勢のスタッフに支えられていても、それだけでは大きな成果に結びつかない。やはり異業種間交流が大切。インターネットの発達で異業種の事情が早く入手できるようになってはいるが、インターネット上の情報は薄っぺらとのこと。このことも謹聴に値する。

2019年12月10日火曜日

忘年会シーズン

忘年会と言う程ではないが、土日月と3日続けて夕食が外でとることになった。普段酒を飲まないので僅かな酒で酔ったような気分になる。おまけに池袋から帰宅するのにバスやタクシーに乗ったりして、普段しつけないことで体調がおかしくなった。土曜日は朝から冷たい雨、昼前に駒沢公園の体育館に出かける必要があった。娘のフラダンス公演を観るためである。駒沢公園なんて行くのは初めてのことで、行きも帰りも道に迷って歩数だけは1万5千歩以上稼がせて貰った。昼間買い物ができないので午前中買い物にでかけたはいいが、卵を買い忘れ、日曜の朝は卵無しで納豆を食うはめに。帰りは池袋で一人忘年会、帰宅はタクシー。

日曜は立川の病院に、入院手術を受けた友人の見舞い。帰りに同行した友人宅で家庭料理の鍋ををご馳走になった。家内が逝ってから既にまる2年近いので、あたたかい鍋とたっぷりの野菜で久しぶりの味、友人も夫婦二人暮らし、すっかり遅くまで話し込んで帰りはタクシーのお世話に。そのせいか昨日は目覚めたのが5:40、すっかり慌ててしまった。よくよく考えれば慌てる必要なんか何もありゃしない。何のことはない、すっかりサラリーマン並みかそれ以上の忘年会シーズンだ。

昨日は新宿の碁会所に行き、帰りにご指導頂いている先生と新宿で忘年会。先生はかなりイケる口の筈だが、こちらを気遣ってあまり召し上がらなかったかもしれない。それでもこちらすっかりいい気分となり帰りはまた池袋からタクシー。帰宅して日曜日に録画したNHK囲碁対局を観ていたつもりだが気がつくと番組が終了していた。それでも今朝は5時少し前に起床、朝のルーティンが一通り出来たようだが、昼の散歩が1万歩に届いていない。なにか用事を見つけて後千歩位は歩かなくてはいけないのだが、もう気力がない。

テレビやメールもろくに見ていないので娑婆の動きはよく分からないが、国会が安倍首相には無事終わったこと、フランスのマクロン大統領とドイツのメルケル首相がロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領をパリに招いて和平交渉の仲介の労をとっていること、北朝鮮の若旦那が、トランプ大統領に業を煮やしたふりをしていることくらいは何となく知っている。国際外校合戦は益々激しいが、相変わらず日本の出る幕は無さそうだ。

2019年12月9日月曜日

開戦記念日


昨日のことではあるけど忘れてはならないこと。
あったことを無かった事にしてはいけない。

2019年12月7日土曜日

この国の産業構造

このブログ読者の多くはボーナスとは無縁になっている方が多いと思う。株の売り買いを熱心にされている方ならいざ知らず「この冬のボーナスが良かった業種とか企業名は?」なんて問いに答えられる方はごく少数のはず。昨日YouTubeで慶応名誉教授の経済学者金子勝氏の話を聞いてびっくりした。今日本で一番の優良企業はゼネコンだとい言うのだ。氏は元々現政権の経済政策には批判的であるのは知っているが、その実証に社員の給与を持ち出したのは新鮮だった。

この冬のボーナスで比較すると、トヨタ自動車より大手ゼネコンのほうが高い。
何故かと言えば、国の産業政策が新たな産業育成には少しも貢献せず、土木中心の公共投資に偏っていると指摘しているからだ。と断言している。念の為、みずほ総合研究所の調査でこの冬のボーナスの数字を確認してみた。

全体の平均支給額は74万7808円、対前年同期比で0.1%の減少
製造業平均は77万6818円 対前年同期比で0.6%減の
非製造業平均は65万1305円 対前年同期比で1.8%増
非製造業の内訳が興味深い
建設業が77万1379円 しかも平均年齢が35.4歳と非常に若い
この数字を上回るのは情報・通信の81万4000円のみで、年齢不詳だ
企業別トップ10には建設業が3社も入っているが、自動車産業が1社も入っていないのも確かだ

いつも書く通り経済のことは分からないが、日本に目新しい産業が芽生えていないことだけは確かなようだ。親類縁者にゼネコンに勤務しているものもいるし、ゼネコンが全産業のトップにいてどこが悪いと聞かれても答えられない。情報通信業界の高給は予てから知るところだが、我が現役時代高給取りの最先端にいた新聞や放送局も当時の映画と同じ斜陽に入りつつある。一方、新しいIT関連の情報産業も、嘗ての国営企業が大部分を占め、残りを少し胡散臭い人がひしめく電話屋さん、或いは神奈川県の中古ハードディスクをオークションで売って事件となった会社をイメージすると実に心許ない。

昨日に引き続き今日も寒いし、予報ではこれから雨または雪が混じるかもなんて言っている。なのにこれから出掛けなくてはならない。明日もどうなるか分からないので、気になっていることを早めに書いた。

2019年12月6日金曜日

誰がための国会

臨時国会は事実上既に終了したようなことらしいが、政府はこれから与党政治家だけと打ち合わせをして重要な国策を決定していくらしい。例えば中東のオマーン湾、アラビア海北部の公海などに、海上自衛隊と航空自衛隊を派遣することについて丁寧な議論をすると発表している。野党を念頭に置かず、慎重意見のある与党公明党を説得することだけ意識しているらしい。と言うことは、立法措置は必要とせず、省令か何かで誤魔化して凌ぐつもりだろう。

いかにも姑息、国政そのものを私物化しているように見るのは小生だけだろうか?しかも年内に自衛隊の中東派遣を決めたら、年明け早々に首相がサウジアラビアやアラブ首長国連邦などを相次いで訪れ、その説明にあたるとされている。立法府での説明を省いて態々アラビア半島諸国を巡ることについて、野党は説明を求め追求したくても国会が開かれていないから出来ませんという訳だ。野党の議員はどう思っているか知らぬが、これほど国民を愚弄した話はあるまい。

なるほど自民党のタレント議員や国会対策委員長が報道機関に屡々言う通り「桜を見る会なんかの議論を長々している場合か、他に議論すべき課題は山ほどある。」の意味が分かる。要するに国民を丸め込み、アメリカの意向に沿った国策を1日も早く実現せしめたいだけだ。取り敢えずは日米貿易協定の発効の目処がついたので、次は米軍主導の有志連合に加わったような加わらないような、鵺みたい手立てを一日も早くだろう。

自民党の諸氏に言われるまでもなく、こちらからも審議してほしい問題は山ほどある。中東のことなんかにかまけている場合か!補正予算も金額だけは決まったような顔をしているが、肝心の災害対策にしても先ず金額ありきで、事業の中身はインフラ整備が中心で被災者救済策については具体策が全く分からない。被災者にしてみれば「なんだかね」だろう。

センター試験の記述式問題の件も国会審議は既に無くなった段階で、文科相が年内に結論を出すそうだ。既に辞任した二人の大臣が説明責任を約束した国会は来年の1月末になって開催されても、人々はそんな事があったっけ?ですっかり忘れているだろう。特に菅原経産相は個人の贈答品問題より、関電幹部への高浜町からの贈答問題で明るみに出かかった原発事業の闇の方が遥か大きな問題だと思うが、経産相辞任のお陰ですっかり影が薄くなってしまった。

この内閣が続く限り、あったことがなくなる国であり続けると思うと実にやるせない。

2019年12月5日木曜日

無駄遣い

年の瀬に入ったせいか、家計のやりくりが気になって、郵便局に小銭を預け入れがてら記帳しに行った。やりくりと言っても入ってくる年金は国が勝手に決めるのでどうしようもない。改めて確認すべきは支出である。年金生活ゆえ無駄遣いは厳に戒めなくてはならない。とは言っても凡人のこと、分かっていても無駄遣いゼロにはならない。国家でも年度設定の違いがあるにせよ、年末になると来年度予算関係の仕事が多くなる。

国家とて財源には限りがあろう。同盟国アメリカの大統領閣下は日本の首相に「シンゾー君よ、貴国は豊かだから少しは面倒見てくれよ。」と防衛予算増を呼びかけたと報じられている。大統領閣下が如何なるデータに基づいて発言されているか伺いたいものだ。ひょっとしたら思いやり予算なんてこともある上に、昨今は次から次へと兵器は買ってくれるし、シンゾー君が世界漫遊するたびに振りまく膨大な手土産の金額を知ってのことかも知れぬ。

我が国の財政なるもの、家計に例えれば火の車状態と認識しているが、素人ゆえに大きな勘違いをしているのかも知れぬ。昨日の会計検査院発表によれば「2020年東京五輪・パラリンピックの関連事業に対する国の支出が約1兆600億円に達しているとの集計結果を公表した。」とある。続く記事全体は引用しないが、既に政府支出として公表していた約2880億円の4倍を既に支出していることも明らかにしている。

2020年東京五輪・パラリンピックの関連は国から以外に東京都が約1兆4100億円、組織委が約6千億円を支出する予定になっているので、今回の検査院の検査結果を加えると3兆円を超えることになる。招致の際のプレゼンでは確か4500億円とか言っていたような気がする。今日閣議で取りまとめられるとされる「経済対策は26兆円で決着」なんて記事もあるが、数字が大きすぎてピンとこない。政府は空中で指をぱちんと鳴らせば、空からお金が降ってくると考えているようだ。

でなければ、桜を見る会が予算を3倍オーバーしたら予算を3倍にすれば済むなんて発想は湧かないだろう。閣僚全員集めて経済対策会議を開くなら、アベノミクスを見直し、ムダを省くことから論議すべきだ。

2019年12月4日水曜日

義務教育課程

マドリッドの「国連環境開発会議」に引き続き、昨日からはロンドンでは北大西洋条約機構(NATO)29ヶ国首脳会議と米仏大統領確執、今週初めにはロシアからの天然ガスパイプラインが中国に到達して開通式が行われるなど、世界は目まぐるしく動いているので書きたいことが山ほどあるが、それらは全て措くことにしたい。と言うのは日本がほとんど蚊帳の外に置かれているからだ。日本の政治家は韓国の政治家を韓半島しか観ていないとけなすが、己の視野の狭さを知ることがないようだ。

年末に首相はインドに出かけるそうだが、インドと何を交渉しようというのだろう?数年前から「自由で開かれたインド太平洋戦略」なんて変なこと言い出し、力も無いくせに中国の進出を封じ込めたいなんて思っている。確かにインドは中国に匹敵する人口を擁し、経済成長の可能性も高いだろう。しかし中国市場での出遅れをインドで取り戻すのは容易ではあるまい。ずっと前からインドに着目していたスズキ自動車でさえ苦戦している現状の筈。

従妹の娘の旦那が確か日立の社員(エンジニア)でバンガロールに赴任しているので、話を聞いてみたいが、行く気にはとてもならない。多分相当苦労していることだろう。要するに日本政府は国民のために何をしたいかさっぱり分からない。今は外国とのことより日本の将来をじっくり考える必要のほうが先だろう。

昨日(PISA)なるものが発表されて、新聞テレビも大きく報道している。これは経済協力開発機構(OECD)が世界79カ国・地域の15歳約60万人の生徒を対象に2018年に行った学習到達度調査の結果だ。日本は全国の高校など183校の1年生約6100人が参加している。注目すべきは、日本は「読解力」が15位となり、前回15年調査の8位から大幅に後退していることではないか。子供の学力について偉そうなこと言える立場ではないかも知れぬが、敢えて言いたい。

子供の頃から読み・書きは非常に重要だと思うし、日本は昔からこれを大切にしてきた筈。明治維新の後も師範先生と称して教員を育成し、教育に力を入れてきた。戦後先生方が組合を結成するに及び、権力者がこれを非難し始めた頃から雲行きが怪しくなったのはご承知の通り。そして今の義務教育課程、話題に上るのは、やれ英語教育だことのプログラミング教育と首を捻りたくなるような事ばかり。

これが日本語「読解力」の低下と関連するかどうかは分からないが、義務教育課程の教員数や質の向上をもっと真剣に考えるべきだ。大学試験制度改革や高校授業料無償化以前の問題だと思う。

2019年12月3日火曜日

あっけない幕引き?

昨日参議院本会議が開かれ、安倍首相が「桜を見る会」に関する質問に一々丁寧に答えたことで、大山鳴動のごとく思われた件が一件落着になったらしい。”目出度し、目出度し”詳細は全く観ていないし、知るのはテレビ報道の精々2分か3分程度のみなので、実にあっけない幕引きだと思う。これで与党が言うところの重要法案審議が順調に進むわけか?

重要法案の審議が行われるとされる今国会は来週月曜の9日まで。数えれば今日を含めて7日間あるが、国会なるもの月曜と金曜は殆ど機能しないのが普通だから、精々3日か4日くらいなものだろう。そこで何が重要法案か知らぬが、邪推すれば与党にとって最大の課題は、首相と大統領がアメリカで合意してサインまでしてきた日米貿易協定の批准だろう。たしか既に参議院に送られていると思うから、1日か2日あれば委員会から本会議採決までは十分。と言うことで、これを睨んだ日程が昨日の本会議だったに違いない。

野党は予算委員会審議を求めていたと喧伝されている。与党自民党としては予算委員会であろうと何であれ、こんな問題で「恐れ入りました、済みません。」なんて安倍氏が言う筈がない事は先刻承知。しかし余りにしつこいので、ならば本会議で本格的にやろうじゃないか、逆手に取ったのだろう。野党がどう応じたか分からないが、何れにしても、これで俗に言う「首相の説明責任」が果たされたことになる訳だ。

長野県小諸市出身の共産党田村議員も頑張ったけど「残念でした」で済む問題で終わる可能性は否定できない。昨日の朝も接骨院の先生と少し話していたのも同じこと。「昔話になるが、小沢一郎氏が民主党代表になりかかった際、政治資金収支報告書の陸山会問題が起こり、直ぐに東京地検特捜部が動き、結局秘書の逮捕に繋がって、小沢氏の政治生命が実質的に絶たれたことを思い出す。」

国会での質疑なんて、見れば分かる通り小学校学芸会以下、少年探偵団の真似事ではないか。司法が内閣に籠絡されていることはある程度分かるが、野党は何故検察を動かすことを考えないのだろう?野党にだって検察上がりの弁護士はいるだろうし、検察の中にも野党に共鳴する検察官は居る筈だ。それが不思議でならない。

2019年12月2日月曜日

知らぬが仏の環境問題

今夜からスペインの首都マドリッドで「国連環境開発会議」が開催され、日本からは小泉進次郎環境大臣が出席とのこと。日本は都心に住んでいても空気は昔ほど汚れていない感じで、環境といえば、今年は大雨による水害くらいしか思い浮かばない。しかし世界を見渡すと、どうもそん悠長では無さそうで、国連の事務総長が、2030年までに産業革命当時からの地球全体の平均気温上昇を2℃に抑えることがとても難しく、人類存亡の危機と声明を発出している。

これまでも度々書いてきているように、CO2の影響は大したことではないとする学者もいるので、国連がそんなに大騒ぎする必要があるのかね?なんて思ったりしているのが実態だ。アメリカもトランプ大統領もその口で、11月4日、気候変動への国際的な取り組みを決めた2015年の「パリ協定」からの離脱を正式に国連に通告している。引き換えヨーロッパの先進諸国は涙ぐましいほど環境問題を意識している。この違いがどうしてか分からないが、世界の一流学者の大半がCO2問題に賛同しているのだから、我々も少し真剣に考える必要があるのかも知れぬ。

CO2問題はさて置き、身近な問題でありながら日本人が余り気にしない放射能汚染について、今朝考えさせられる記事を見つけた。家内生存中は三陸ワカメは買わないとか、色々気を使っていたようだが、最近は近海の海産物など縁がないので近海の放射能汚染は全く気にしてなかった。確かに近隣諸国がこれを気にして日本食品の輸入禁止措置をとっている国があることは承知している。自分が気にしないので、なんでそんなに神経質になるのか不思議でもあった。

今日の記事は、日刊ゲンダイのWEB版に掲載された国立札幌病院・北海道がんセンター放射線科に勤務、約40年間がん治療の現場で放射線治療を続けてこられた西尾正道氏によるものである。氏が力説するのは、福島の事故を起こした原発サイトで溜まりに溜まった汚染水の海洋投棄問題。これを「原発汚染水の海洋放出は人類への“緩慢な殺人”」と題して警鐘を鳴らしている。

確かに素人考えで言えば、無害であれば最初から海洋投棄すればいいじゃないかと思う。それを保管が難しいので8年も経ってから急に言い出すのはおかしい。氏は次のように述べている。「トリチウムの排出規制基準も日本は異常に緩く、日本の飲料水基準は1リットル当たり6万ベクレルです。これは日本で最初に稼働した福島第1原発が年間20兆ベクレルのトリチウムを排出していたことから、国は放出基準を22兆ベクレルとしました。それが理由で、医学的な根拠はまったくありません。」参考:WHO(世界保健機関)は1万ベクレル

9月の国連気候サミットで安倍首相が演説を断られたそうだがさもありなんだ。

2019年12月1日日曜日

共産党の営業

最近は、定期的な支払いを全て振り込みでしているので集金人が訪れることもないので、滅多に人は訪ねてこない仕組みになっている。ところが昨日の午後、玄関からピンポーンと呼び鈴が聞こえた。訳の分からぬ売り込みなら無視するつもりで声を上げずに外を伺うと名前は知らぬが見たことのあるご近所さん、取り敢えず対応することにした。玄関を開けると男性一人とご婦人2人の3人連れ。

男性が回覧板のようなボードを取り出しながら「いつもお世話になります。私達は共産党の者です。一寸ご意見をお伺いさせて下さい。」ときた。取り出したボードはA3二つ折り片面に緑色の丸いシールが沢山貼られている。説明はこうだ。『いま国会で問題化している「桜を見る会の」疑惑について、もうこんな問題をいつまでも騒ぐのを辞めてもっと他の問題を審議すべきと言う声があるのも承知しています。実はこの問題は私どもの機関紙「赤旗」が最初に取り上げていますので、このことをもっと国会で追求してほしいと思い、皆さんのご意見を伺って歩いています。』

「ご賛同頂けるならこのシールをこちらに張って頂けないでしょうか?」とのことだったので気軽に応じることにした。すると彼がすかさず「これを機会に赤旗をたとえ1ヶ月でも構いませんのでご購読願えないでしょうか?」だった。考えれば署名を集めるならわかるが、気軽にシールを貼らせてのセールスプロモーション、なにか子供を騙すような手口だ。空き地を挟んですぐ裏に住むご主人だが、共産党も世知辛いのだろう。別に腹も立たないが、普通の新聞でさえ宅配は全て断っているのだから勿論きっぱり断った。

「ありがとうございます、ご参考まで。」と言って「しんぶん赤旗」日曜版12月1日号を置いて去っていった。内容は目新しいものは無いが定価は月額930円1部売り240円となっている。日刊紙は3497円と書いてあるので、朝日や毎日とあまり変わらないのでは?共産党集金力の源泉と聞くが、昨日来た3人もかなりの高齢、もう少し別なことを考えないと党勢維持も難しかろうと、余計な心配をしてしまった。