2019年5月31日金曜日

久し振りの病院 

今日は日大板橋病院で半年ぶりの泌尿器科の検診、幸いがん再発の兆候は出なかった。癌が発見されて治療方法を確定したのが2015年2月だから既に4年以上になる。当初はホルモン療法、これを約5か月続け、放射線治療になり、7月下旬から9月上旬まで37回通い続けたものだ。夜中の頻尿もきつかったが、真夏の日中毎日歩いて通うのも大変と言えば大変。しかし入院するより益しと思って我慢したものだ。

お陰で先に書いた通り、今のところは心配無さそう。ただちょっと寂しい気分だったのは昨年暮れまでずっと世話になっていた先生が変わったこと。恋人が「さよならも言わず・・・」去ってしまったような感じ。泌尿器科の科長で、診察室はこれまで1番が多かった。部長が診察に入る時は2番。今日呼ばれたのはは6番だったか、末の番号室だった。でも美人で若く感じの女医先生、昨年までの先生同様こちらの質問に優しく答えてくれたので安心した。

それにしても病院での人間観察は面白い。ドクターは一人しか見ることが出来ぬが、2時間近く待合室ベンチ座り続けて観ていると、街中では見ることが出来ない人間模様を見ることが出来る。今日は金曜日なので勤め人姿は少なく、年寄りが多いのは当たり前として、同じく高齢の奥さんをお供に連れてくる人や、窓口などでやたらに偉そうにする人。病人なんだから諦めておとなしく順番を待てばいいのに、しきりに時計を見て忙しい風情をかもす人。

隣の小父さんは小生よりは少し若かったろう、新聞「赤旗」6月2日付日曜版を丹念に読んでいた。小生も昔は文庫本など持参して読んだりしたが、あの喧騒の中で読んでも気が入らないし、人間を観察してる方が余程楽しい。今日はまた近道も発見、次回からは所要時間も15分も掛からないだろう。今日は久しぶりに朝飯を抜いたので昼飯が美味かった。

2019年5月30日木曜日

国会図書館にて

先週の木曜日も良い天気だったが今日も本当の五月晴れ、都内に居るのが勿体ないくらいだった。かと言っても2週も続けて山には行けず、永田町の図書館で我慢した。有楽町線永田町駅のホームから地上までは、階段数で100数十段あるので高低差は20mくらいにはなるだろう。依ってこの昇り降りが足腰にとって良いトレーニングになる。

借り出したのは2011年発行の「日本人の叡智」、カウンターに届くまでデジタル画面で少し読み始めたのが「原敬日記」(大正3年版)、首相に就任する年のもの。これもなかなか面白そうだ。磯田氏の本は歴史上にあまり残っていない人の逸話を集めているので興味深いものがあった。既に江戸時代には数千万人の人が暮らしていた我が日本、数百人の領主によって治められていた封建時代、階級制も厳しかったろう。

そんな時代でも優れた領主や学者が結構いたようだ。先ず感心したのは領主の面々。そりゃ我儘な領主もいたろうが、一般的には領主と言えども容易なことでは務まらなかったようでもある。国持ちであろうと彼等の上には徳川家があり、そこに対する立場は臣下であって国を預かっている形だから、気を抜いて治世が乱れたりすると自分の命さえ危なくなる。

また民百姓と言えど何でもハイハイと言っていたわけでもない。一揆もあれば強訴もあったろう。話が少し飛ぶが、日本人の殆どが使うハンコ。これは昔年貢を集める庄屋が農民から年貢を集める際のちょろまかしを防ぐ意味で「○○は米1石、印」と押させたことから始まっているとのこと。財政の運営も容易ではなく、民を顧みず贅沢が出来て今様で言えばゴルフに現を抜かすことが可能だった藩は殆ど無かったみたいだ。

戦国時代の一般的世界観も面白い。当時の外国は天竺(インド)と唐(中国)だけ、インドは仏教によって統治され、中国は文による統治、そして日本は武による統治なので、領主は武士道を厳しくたたき込まれたとのこと。成程と思うことが多々あったなかで、最も印象に残っているのが筆者の人間観。人間は短い生涯で成し遂げることが出来るものは殆ど無い、しかしそれを受け継いでゆくことが大切ではないか。

江戸時代の儒学者の中には、自分の考えなど恥ずかしくて先の世に残すべきではない。として記録を自ら破棄した人もいたくらいらしい。そんなことを読むと、このブログの始末なんかも考える必要がありそうだ。

2019年5月29日水曜日

憂国

同盟国アメリカ大統領、国賓としての日本訪問が終わった。大統領閣下は訪日の外交成果が期待以上として機嫌よくご帰国されたようだ。

亭主側の日本は、戦闘機の爆買いやら、かねて準備されていた艦船の空母への改造やら、同盟国のために大きな経済的負担を強いられるのは仕方ないのか。改めて思うのは同盟とは所詮軍事同盟であることだ。先の大戦での敗戦以来、ずっと引きずっていながら顕在化していなかったことに過ぎなかったかもしれぬ。1951年時の首相吉田茂氏がただ一人、サンフランシスコの第6軍司令部プレシディオ(将校集会所)に於いて署名したかさせられたと見るかは別にして。

以来、60年安保改正などを経てはいるが、愚考するに70有余年一貫して日本は米軍戦略の中に組み込まれ、米軍の意のままに操られてきたと思えば、現政権に腹を立ても仕方あるまい。それにしてもかくもはっきり米国の戦争に参加することが明らかになった今後、日本の青年は何を思い、行く末について如何なる覚悟を決めるのか。世界各国は改めて日本をどう見直すことになるのか。どちらも脳軟化が始まっている脳みそでは思いも及ばぬ。

2019年5月28日火曜日

スポーツそれとも単なるお楽しみ

今朝のワールドニュースでオーストラリアの放送を観て心底ビックリした。台所仕事をしながらだったので初めの方がはっきりしないが、ネパール側のエベレストでオーストラリア登山隊が遭難、隊員かガイドが死亡したとのニュースだ。エベレストでの遭難死は今や珍しいことではない。これまでの遭難死者数は数百人のオーダーで、遺体収容が困難なため山頂付近には放置された遺体が転がっているとの話も聞いている。

それでも登山を一種のスポーツと見る人は後を絶たず、ネパール政府もこれによって外貨が稼げることもあり、入山を規制する方向にはないらしい。レポーターがその傾向に苦言を呈していた。そこまでは常識的な報道だったと思うが、びっくりしたのは昨日山頂付近で撮影されたとされる1枚の写真である。ネット上で見つかれば引用したいが見つからなかった。兎も角最盛期の富士登山者の行列と思えば間違いない。

山頂付近は道しるべに固定ロープが張ってあり、そこを辿るしか選択肢がないようで、どんなに優秀頑健な登山家でも前の人は追い越せず、芥川の小説「くもの糸」に出てくる地獄に落とされた罪人のように何百人もロープに沿って並んでいる状態である。エベレストの標高は8848m、標高8000mを超えた世界は「人が生きていけない領域」という意味で「デスゾーン」と言われるそうだ。登り降りの危険はさることながら、そこに留まることだけでも一般人には考えられぬほどの消耗があり、命の危険にさらされる。

今は5月の末、春の登山シーズンとして最盛期だと思う。首都圏の里山をレジャー気分で歩いていても、早く山頂につきたい気持ちはある。途中や山頂で毎度必ず遭遇する健脚自慢らしき人を見て羨ましく思うのも事実。先日ネパールに連れて行ってくれた高校同期の友人(元長野県山岳協会々長)が教えてくれた。高い場所に速くゆきたくても鳥や猿にはかなわなない、我々が山に行く目的は全く違う。

NHKのテレビでもプロスポーツ登山家の偉業が放送されるが、その度に深田久弥氏の随筆が紹介される。今や登山がスポーツであるのも結構、しかし深田氏の山への思いは全く違っていたと思う。

2019年5月27日月曜日

虚しき一層奮励努力

一般人で今日が戦前の「海軍記念日」であることを知る人はもう少ないことだろう。父がこの前日の明治38年5月26日生まれだったので子供ころから聞かされ、未だに憶えている。海軍参謀の秋山真之が書いたともされる「本日天気晴朗なれども波高し。皇国の興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ。」である。連合艦隊司令長官の本郷平八郎(当時は大将?)が旗艦三笠のマストにZ旗を掲げて全軍を叱咤、1日でロシア艦隊を撃破したとされる記念すべき日だった訳だ。安倍さんもどうせトランプ大統領を自衛艦に招待するなら今日にすればよかったのに。

閑話休題:先週の初めころで内容もうろ覚えだが報道で「人工知能が司法試験を突破」のような記事があった。所謂ディープラーニングで問題を予想して学習をしていたらしい。その少し前に大学OB会で塾長が現役生の活躍の報告の一つとして、昨年度1年生の一人が司法試験合格と語っていたような記憶もある。子供の頃からペーパーテストが大嫌い、100点満点の試験で0点や10点未満の思い出は数多く、クラスで上から5指に入ったことなど殆ど無かった。

いまでも似たようなコンプレックスに悩む若者は多いと思うが、心配するなだ。若い時に一生懸命勉強することは大いに奨励されるべきとは思う。しかし、先週北方領土ビザなし渡航の際、不愉快な話題を提供して一躍有名になった衆議院議員の丸山穂高氏、東大卒業後経産省に入省、松下政経塾まで卒業して既に衆議院議員選挙で3回当選を重ねている。大阪出身までは簡単に分かるが、どんなご家庭出身かまでは分からない。何れにしても裕福なご家庭でエリート教育を授けられたのではと推測する。それを思うと学校でのお勉強がつまらぬものにも思えてくるではないか。

現代のエリート教育にはいろいろあるが、彼のようなコースもその一つとされているのは間違いなかろう。少なくともこの世に生を受け20年近い歳月を掛けて努力した結果が、恐らくスーパーコンピューターが1年も掛けずに覚えたこと(勝手な想像だから間違っているかもしれぬ)と同じとは同情に値する。中学から高校にかけて英単語を1万語覚えなくては心理的脅迫を覚えた日もあったが、これも空しい。

もうすぐ5G時代がやってくる。日本は閉鎖的なので通信会社の進出は遅れることになっても通信環境が世界的に向上すると、個人的には手遅れではあるが、スマホさえ使いこなせれば言語障壁何ぞ問題にならなくなる日も近いだろう。とは言うものの今の若者に本当に必要な教養とは?いくら考えても分からない。

2019年5月25日土曜日

おもてなし

招待したお客様についていろいろ論うのは亭主側の品位を汚すことにもなりかねない。依って誰も言わないから小生が言わせてもらう。今回2度目になるトランプ・アメリカ大統領の訪日は国賓としてとのこと。要するに日本が辞を低くしてお招きした形である。そのことに異を唱える必要も無いし、そのスケジュールは両国の関係官僚間で事故無きを期して綿密に組み上げられている筈だ。

アメリカ大統領の訪日は何度も経験しているが、その度にスケジュール的には何の関係もない我が池袋駅周辺まで警官の数が増員されるのは毎度のこと。それも仕方がないとしよう。ニューヨークの不動産屋上がりの大統領氏に品格を求めるのは無い物ねだりで、その必要も無かろう。それにしても発表されたスケジュールは何もかも異常としか言いようがない。かりそめにも国賓であれば国を挙げて歓迎の意を表すべきはずだ。

昔の英国リチャード王子とダイアナ妃までとは言わないが、嘘でもいいから国民が歓迎する格好をつけるのが客と亭主のマナーの筈。今これを書いている午後4時半少し前の時点では到着する時刻の表示も空港におけるレセプションの詳細も発表されていない。宿泊先も発表されていないから、空港から迎賓館に直行してそこでレセプション、或いはパレードなんてことも一切無いようだ。

そして明日の予定、首相と休日を楽しむとの趣旨らしい。ゴルフや居酒屋は言及すまい。問題は国技館での大相撲夏場所千秋楽観戦だ。相撲は日本の国技として歴代政府は相撲協会に恩を売ってきている。そのことは措いて、歴代のアメリカ大統領やフランス大統領の中にも嘗て相撲ファンがいた。そのために相撲協会が貴賓席を提供したり、特別の場を設けて取り組みを披露した例はこれまでにもある。

今回はなんと夏場所千秋楽当日に正面升席1000席分提供させて、そこに一行を招待するとのこと。しかも観戦は結びまでの3番だけ。これは流石にやり過ぎではないか?いかに国賓と言えど庶民の気持ちがそこまで醸成されていないことは明らか。千秋楽に満員御礼の幕が下りる下りないの問題ではない。新天皇陛下でさえまだ行幸されていない両国国技館、おもてなし精神に富み礼儀正しい日本人はご一行を暖かい拍手で送迎するだろう。

日本は時たま先ほどの様な地震はあっても、お客に3泊されて困る程貧乏国ではないし、アメリカには恩もあろう。しかし考えただけで昭和20年8月15日が思い出されて涙が浮かぶ。

2019年5月24日金曜日

筋肉痛

一昨日は早朝から快晴、火曜日の大荒れ天気が嘘のよう。宣告させて頂いた通り昨日は川苔山にハイキングと洒落こんだ。早朝4:30に起床して新宿から青梅で乗り換え、鳩ノ巣まで1時間半ほど。ずっと座れたので睡眠不足は解消できた筈。川苔山は過去4回計画したけど予定通りに山頂を経由して帰宅したのは2回だけ。

成功率5割は挫折経験豊富なハイキング歴ではあるが少しばかり問題と思っていた。挫折したのは前回の2017年9月と前々回の2015年7月のこと。ルートは何れも奥多摩からバスで川苔橋の登山口に行き、百尋の滝を経由するルート。百尋の滝は単独で目指したこともあるので既に5回も観ている。更にこのルートは登山開始までのアクセスに手間がかかり過ぎる不満もあった。そこで今回は入念な下調べをして、これまで2度降りで使ったルートを逆に登りに使ってみることにした。

登山距離は少し長いかもしれぬが、駅から即登山開始できるのは大きな魅力でもある。中央線で事故があり鳩ノ巣到着が少し遅くなったが、それでも9時前には歩き始めた。快晴の上気温も未だひんやりしている、最高のハイキング日和だ。駅自体が山間にあるのでいきなりの急登、この方が気分が出ると言うものだろう、てなことで最初の平に出ると、雲取り街道の小袖乗越と同じで駐車が可能らしい。軽自動車に乗った老夫婦らしき人が駐車し始めた。

何処に向かうか聞きもせず、すぐ目の前にある階段状の登山口に向かって登り続ける。実はこれが失敗のもとで、標準的な登山道を外してしまった。辿った道も川苔山に繋がっているのだが、あまりお勧めできない悪路、距離的には短くても結局は体力も時間も大幅に消耗する結果になったと思う。途中写真すら撮れなかった「のこぎり尾根」なる恐ろしい難所があった。先に登っている人影が見えていたので登り続けたがさすがに緊張してしまった。

結局昭文社の地図に表示されているコースタイム2時間50分を大幅に上回る3時間40分も掛けてやっと山頂に到着。帰路は標準路でほぼコースタイム2時間10分通りに下山が出来た。しかし登りの30度を超す斜面、と帰りにストックを1本だけにしたせいか、今も脹脛に今も張りが残る。明日はきっと痛みが出ることだろう。しかし久し振りに山を歩いた気分は爽快そのものである。

登山の詳細は下記をご参照願います。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1861332.html

2019年5月22日水曜日

ファーウェイ製品

それにしても昨日の日中の風雨は凄かった。大概の雨なら昼飯を食いに出かけるのを止めることは無いが、流石に昨日は夕方4時過ぎまで家から1歩も出られなかった。全国的に集中豪雨に見舞われてもおかしくないのに中部地方ではダムが干上がってしまっているとのこと、日本も狭いようでも広いと改めて感心する。関東でも一昔前には夏の渇水が話題になったこともあり、灯油用とは別に飲料水用ポリタンクを買った記憶があるが、今はもう無いようだ。

一夜明けた今朝は快晴で昨日のお天気が嘘のよう、玄関先にはどこから飛んできたか葉っぱとごみが散乱しているので掃除をさせられる。日中もこの天気が続くなら明日は久しぶりに一人でハイキングに出かけるつもり。行く先は2度も途中で断念している奥多摩の川苔山に決めた。行けばブログはお休み、明後日山頂での写真をアップできればいいのだが。

写真繋がりで触れると今年からカメラ代わりに買ったスマホ、これが目下連日ニュースを賑わしている中国産ファーウェイ製品。OS(人体に例えれば内臓だろう)はアメリカ産のGoogle社製品とのこと。現代から当分の未来にかけアメリカ産業の中核にある大企業だと思う。この民間企業ファーウェイ社に対し大統領が製品の輸出を禁じたそうだ。

理由は安全保障上の懸念、余り利口そうに見えないトランプ氏が誰からどのように吹き込まれた知らぬが大統領の権限は大したものだ。今日の報道によると中国ファーウェイ社のトップがテレビのインタビューで、これまで協力してきたアメリカ企業に対して深甚の謝意を述べ今後も良き協力関係を続けたいと述べている。一方のGoogle社も大統領に対し規制からの除外を求めているようだ。しかしトランプ氏のことだから容易に応じることにはなるまい。

ファーウェイ社側もカナダで創業者の娘さんが逮捕された時からこの時をが来るのは当然覚悟してたことだろう。所謂Bプランの準備はおさおさ怠りないこととは思う。それにしても我が国でも政府が口にする安全保障上の懸念、何をもってそれを口にするのか。役立たずと言われる高額な兵器を購入するだけの理由しか見当たらない。当方はカメラとしてしか利用しないのでメールを見たりゲームをしたりは勿論しないからどうでもいいが、アホらしいことだ。

2019年5月21日火曜日

我田引水トランプ氏のみならず

何でそんなに固執するのか普通の神経では分からないが、理由はただ一つ「政権維持の手段」として解散風をマスコミに吹かせる現政権。6年以上政権の座に居ながら安倍首相ほど成果の無い人も珍しい。だから居続けたい気持ちは分からぬでもないが、座り続けてもこれだけ激動する世界情勢の中で国家を統制して指導する能力に欠けているのは見え見え過ぎる。傍にいる茶坊主どもではどうしようもないが、どこかにひっそり暮らす長老のような人が引導を渡してくれること期して待つしかないか。

政府の期待と関係あるのか無いのか分からないが、このところ面白いと言ったら語弊があるが変わった経済理論が流行り始めている。曰く「日本の様な国(自国通貨だけで経済が運営されている国の意)は財政規律を追求するあまり国債発行に慎重になる必要が無い」とのことだ。経済のことなど全く理解できないし理解するつもりもない小生と異なり、政治家の諸先生方は大いに関心を持ったらしい。日銀の金融緩和を中心に据えたアベノミクス論理に代わる新たなネタで国民を煙に巻く算段をしている輩がどこかにいるようだ。

国の借金をGDPの2倍以上に膨らませた責任はかなぐり捨て、更に赤字財政を正当化して経済が立ち直り国民が豊かになるとの理論、貧乏性故に恐ろしくなってくる。過去の歴史も振り返らず、己の人生が終わった後の世の中についても意識せず、今が善ければ全て良しはギャンブルにはまる人間の発想。これで身を持ち崩した人間の例は、誰もがマスコミに教えてもらわなくても卑近に簡単に見つけることが出来る筈だ。

先日観たテレビで歴史学者の磯田道史氏が、平成の30年間は日本の社会構造が大きく変わる変換点だったと解説してくれた。このことは数日前に触れたので今日は措くとして、21世紀の前半20年は世界的に見て非常に大きく揺れ動いているように見える。20世紀後半「地球家族的」な発想で世界が何となく連帯し、纏まって平和を追求する機運があったように思う。それが徐々に壊れ始め、特に最近はまた排他的、民族主義的な傾向が世界的に流行し始めている。これが一時的傾向で終わるかどうかは分からない。

結果を見届ける前にこの世にお暇した方が好いのかもしれぬ。

2019年5月20日月曜日

昼のご馳走

陽が長くなって暑さがやってきた。寒さより有難いが、半袖にしたり長袖にしたり対応が少し面倒な季節でもある。今月も後10日余り、天気だけでなくて体調との相談もあろうがどこかハイキングに行けるかどうか、考えているうちに4:30を大分回ってしまった。結論は出なかったのでもう暫く天気を見ることにしたい。

今日の昼飯、いつもの定食屋でいつも定食を食うつもりで出かけたところ、親父が土曜日に横浜で釣ってきた鯵の刺身と塩焼き更にキスも少し掛かったと言うことで、キスのフライの豪華版。本当は夕食のメニューの心算で仕込んだらしいが、1週間に最低3回は通う常連なので特別に出してくれたらしい。後から来た客の料理が次々に供される中、じっと待ていたことと料理の豪華さに他の客からの不思議な視線を感じた。

それでも料金は750円。飯も軽く出してくれたが、本当はビールを注文すべきだった。

2019年5月19日日曜日

見解の多様性

米中経済戦争と言われる両国間の貿易と関税問題、感想を述べるほどの知識はもとより無い。マスコミが取り上げる識者たちの意見に多様性があるのは勿論歓迎すべきだろう。今朝チラッと見たTBSテレビの「サンデーモーニング」でもトップにこの問題を取り上げていた。司会の関口宏氏は意見を述べないが、数人の識者がそれぞれの意見を述べていた。

殆ど記憶に無いが中でただ一人、元衆院議員の田中秀征氏(windows10で変換が一発で出ないのでかなり昔の人になったようだ)が「100%アメリカ、即ちトランプ大統領の言い分を支持します。中国はこれを機会に世界の貿易ルールをよく勉強して先進国の仲間入りをしてほしい。」これも一つの見解なんだろうが。貿易戦争とも言われているので片方に100%と言われると、子供の喧嘩でさえ双方に言い分があるのが当たり前。100:0は珍しい。

評論家は蛇かミミズかはっきりしないもの言いの人が多い中、このような断言は珍しい。視聴者には受けると見て人選しているのかどうか。他の識者はこの経済覇権争いの行く末を論じた人が多いような気もしたが、誰もはっきりした見通しは持っている筈もない。不肖小生も田中氏に倣って断言したいが、先に述べた通り争いの原因や結果の見通しについて述べるほどの意見は無い。

只これまで嫌になるほど利用してきた貿易相手国が、少しばかり力を付けてきたら叩きに回る精神構造。国益を優先するとそうなるらしいが、あまり多くの人の賛同を得るのは難しいようにも思う。他人のことはさて措いても、果たしてそんな急旋回が自国民を船酔いさせなければいいがなんて余計な心配をしてしまう。それにしても田中氏の見解を、もし安倍総理が聞いていたらすぐに電話をかけて面会を申し込んだかもしれぬ。

2019年5月18日土曜日

大学同窓会

小学校から大学までどの段階であっても在学中は極めて不真面目、周りの人から顰蹙をかうような行いの連続であった。特に高校と大学に至ってはまともに卒業式にも出席せず、卒業証書だけ後刻一人でこっそりと頂きに参上したものだ。そのせいか、歳がいってからは同窓会関係を出来るだけこまめに顔を出すようにしている。これも先日書いた後の祭りの典型で、何の役にも立たないが、未だ満たされぬ卒業の実感の片りんを秘かに味わう訳である。

今日は大学の同窓会、と言っても創立150年の名門慶應義塾大学である。生存する卒業生の数は半端であるまい。第一、大学に同窓会があるなんて話は聞いたことが無い。長野高校にはあるにはあるが、県立高校でもあるから学校経営とは切り離し、卒業生の自主運営となっている。小生はその東京支部のような組織で学年幹事なる役を仰せつかって喜んでいる次第。

これはさておき、慶應は卒業51年以上になると大学が全員に招待状を送付してくれる。そして本日ご招待に応じて出席した人数が5千人強、場所は横浜「みなとみらい駅」近くにある「パシフィコ横浜 展示ホール」、もちろん無料のパーティー。一番若い同窓生でも73歳、最年長で塾長から花束が贈呈された先輩は我が誕生の年昭和15年卒業で御年102歳とのこと。23歳年長のお兄さんか見れば、こちらは鼻たれ小僧にもなっていないことになる。

さすがに車いすでの登壇であったが、赤い蝶ネクタイを結び挨拶もしっかりしていた。別にあやかりたいとは思わなかったが、応援指導部中心のアトラクションの方が楽しかったし、心に響く何かがあった。卒業したのは文学部なので、同窓生の数が少ない。慶應と言うと経済学部か医学部と思う人が多いと思うが、歴史的には文学部が最も古いかもしれぬ。と言うのは創立者の福沢諭吉先生は当初実学に重きを置いていなかった筈と思うからだ。

本当はどうか分からないので後で調べたいと思う。兎も角数が少なくなった同期生を含め、皆相当よたよたしてる。そんな同窓生を駅から会場まで大きな声で「ありがとうございます」声を掛けてくれた現役生、多分応援指導部だと思うが、すっかり気持ち良くなって「やあ、お疲れさん」と思わず返しながら歩いていい気分だった。酒も料理も結構あったが腹一杯で行ってしまったので、料理は一口も食わなかった。


2019年5月17日金曜日

娘の慰労会

昨日も結局ブログはさぼってしまった。出来るだけ規則正しい生活を送りたいと思っているが、正直段々疲れてきたようだ。昨夜は久しぶりに下の娘と夕食を共にした。娘も45歳は過ぎた筈、この春二浪していた次男が無事大学進学を果たしたので、その慰労会の心算で誘った。できればその息子も一緒にと思ったが、何でも先約があるのでと断られてしまった。

娘の話では、何でも中学時代同級の女の子との約束で彼の方から日程を決めたらしく、その約束を優先せざるを得なかったらしい。大学入学を果たして今度は目出度く彼女でも出来たか?と問うと、どうもそこまでの仲ではないらしい。でも母親の目から見ると彼は女の子の罠にはまりやすい性格らしい。常々「女性は怖いのだから十分注意しなさいと。」と言い聞かせているそうだ。

似たような忠告は母から何度も受けた記憶があるが、余り功を奏しなかった覚えもある。兎も角、自転車を購入して毎日元気に学校に通っているそうなのでホッとする。それより、母である娘もかなり疲れたことだろう。週に5日働いているが結構大変らしい。幼稚園から小学校にかけては相当引っ込み思案の子だったような記憶があるが、どうも最近はまるで正反対。女房の血を受け継いだか、職場でも上司に臆することなく可成りのリーダーシップを発揮しているようだ。

以前書いたかもしれぬが、旦那の扶養を外れ、時給千円チョットのアルバイトで年間結構な稼ぎをしているらしい。考えれば大したものだ。アルバイトの組合がある筈も無いだろうにアルバイトのまとめ役として活躍しているとは結構な話だ。。女房が娘の学校でPTAの役員をしていた時代、家ではおとなしかったのに、PTAの会議では相当はっきりした物言いをしていたきたことをよく自慢していた。血は争えないものだ。

しかし寄る年には逆らえず、身体が段々疲れてきたみたい。週2日の休みはヨガやらフラやらとそれなりに運動はしているようだが。目がかなり弱っているようでメニューを読むのにかなり苦労していたし、「お父さんから貰った本もなかなか読む気にならなくて、」だそうだ。でも父の食事を気遣ってくれて、食材の選び方や料理法を沢山伝授してもらったが、一晩寝たらあらかた忘れてしまっている。

2019年5月15日水曜日

後の祭り

昼飯を食い終わって、さて当てもなくブラブラするかと思っていたら飯屋の女将が突然「今日は神田明神のお祭りですよ、行ってきましたか?」と変なことを言い出した。飯屋の親父はそんなところに行ったことは無いし、どこにあるかも知らないとのこと。こちらも同類だが、居合わせた客が「池袋から地下鉄でお茶の水で下車すればすぐですよ。」とけしかける。時刻は1:30頃だったろうか、テレビは京都の葵祭を中継していたので、しようも無い夏祭りの話題で盛り上がった。

今度の土日は浅草の三社祭だそうだ。浅草の三社祭は大昔何度か行ったことはあるが、神田祭は行ったことが無い。女将さん曰く「今年は本祭りで神輿が今日もどこかで練り歩いているようなこと言ってましたよ。」平日に祭りとはちょっと信じがたいが、3人にけしかけられては仕方がない、結局「これから行ってきます。」てなことになってしまった。言われたとおり行くと、確かに祭りが続いているらしく相当な人出。

一応鳥居をくぐって手水場で身を清めたまでは良かったが、祭殿では多分お祭り納めのお神楽らしく、笛や太鼓は聞こえるが、賽銭箱へのアプローチの石畳まで椅子が並べられているようで、祭殿からずっと天幕で覆われて奉納されている舞もほとんど見ることが叶わない。これぞ正真正銘「後の祭り」柏手も打たず賽銭も上げず帰ってきてしまった。神輿と木遣りは龍角散のコマーシャルで観たから良いだろうてなことだ。

帰り際に門前に掲げられた掲示を見ると、確かに今年は本祭り5月9日の19時から始まり、今日15日の14時で終わることになっている。神輿はやはり土日の11と12日、今日は「例大祭」だから氏子衆が勢揃いしていたのだろう。江戸の総鎮守とされる有難い神様だ。こちらは後の祭りでご利益は期待できないが、次の本祭りまでの2年間江戸も日本も悔いの残らない年月であってほしいものだ。

2019年5月14日火曜日

米中の衝突

どうやら日本政府はトランプ氏に次のように頼み込んでいるらしい。、国内で持て余し、飼料にするしか考えられない古古米20万トンとかを手土産に金正恩氏会いに行きたいので、許可と段取りを願いたい。これが前提条件なしの面会云々発言の真意らしい。北の農業地帯は飢饉状態で餓死者も出ているそうだから、トランプ氏も同意する可能性は高いかもしれない。

これで人道的支援が行えれば、少なくとも対話の糸口は掴めるだろうから結構なことだ。しかしこれを許せば韓国中国が希望している人道支援を止めることが出来なくなる可能性もありそうだ。トランプ氏も流石にすぐにはOKを出し難いのだろう。それにしてもトランプ氏の戦略か我儘か判断しかねるが、対イランと対中国への制裁なるもの、些か度が過ぎるような気がしてならぬ。

自国第一主義は結構だが、己の都合が悪いのは全ての否が相手国にあるとの考え。国と国との友好や緩やかな連帯や連合を徹底的に無視して自ら孤立化を突き進んでいる。とどのつまりが武力衝突になっても、アメリカが負ける訳が無いから上等だと言わんばかり。先の大戦後に成立した国際連合はアメリカが主導したのではなったか?このまま行けば国連組織すら存在意義が無くなりかねないようにさえ思う。

今日配信されたメルマガに、中国の習近平氏がトランプ氏の言い分に顔色が変わった、とあった。恐ろしくて青くなったかと思いきや、そうでもないらしい。
日本では批判的な報道が多いが、「一帯一路」構想や「中国製造2025」構想は着々と進捗し、前者への参加国は年々増加しているようだ。現状を客観的に見る限り、アメリカに親近感を持つ国が減少する一方で中国に接近する国が増えているとのこと。

経済力でアメリカに次ぐ世界第2位になった中国、何れはアメリカを抜くだろうとも言われる。しかし軍事力ではそう簡単に追いつくことが難しそうだ。しかし、共産党の強みは相当先のことを視野に入れて戦略を立てていることにあり、トランプ政権の寿命より習近平氏の方が長いだろう。従ってアメリカの方針転換が待たれるが、経済の対立が武力衝突に繋がった事例は事欠かぬ。

NATOなんて連合もどこまで持つか分かったものじゃない。ある日アメリカの味方は西のイスラエルと東の日本だけなんて日が来ないことを祈るばかりだ。米中が武力衝突すれば、日本が最前線になることは間違いないらしい。

2019年5月13日月曜日

外秩父のハイキング

昨日は快晴、濃淡様々な新緑が薫風に輝く最高のハイキング日和。先月30日に予定していた高尾山方面のハイキングが悪天候で中止になったので、結局先月は一度も山歩きは出来なかった。その埋め合わせをするに足るハイキングに行ってきた。行った先は東武池袋線小川から寄居線に乗り換え一つ先の竹沢からスタートする里山。外秩父七峰(初めて知ったが昔からハイカーには知られたものらしい)の一つ小川町官ノ倉山方面。写真は官ノ倉山頂から麓の小川町方面


小川で寄居線に乗り換え、一つ先の竹沢駅で下車。官の倉山(標高345メートル)とほぼ同じ高さの石尊山、二つの峰を超えて北向き不動なるお不動さんに至る。このお不動さんはハイキングコースが平らになった脇にあって、20メートルくらいの崖を登らねばならない。誘ってくれたのはブログ仲間のI氏、彼が所属する山歩きの会の定例会に参加させてもらった。参加者は総勢11名、リーダーは82歳の方だが素晴らしいリーダーシップで、このコースは何度も経験されているとのこと。下の写真2枚は北向き不動の下と上から



お酒もお好きのようだが、会が全行程無事終了するまでご自身は一滴も召し上がらない。I氏が言うには参加者の殆どが未亡人か男やもめだそうだ。しかし全員元気そのもの、標高だけで言えば今まで経験したコース中一番低い山だが、それなりの急登や鎖場もあり山歩き気分も満喫。何よりも昼食で振舞われたご馳走がこれまた半端でなく美味しい手作り料理の数々。おまけに冷えた白ワインまでたっぷり頂戴した。



ゴールは何と小川町のレトロな造り酒屋さん、ここでリーダーも禁酒を解禁、冷酒を1合ぐいと飲み干し、小生は3種類の日本酒を試飲させてもらった。振り返ると、集合が池袋で朝7時だったので4時半に起床、近くの松屋で牛丼とトン汁の朝定食で済ませ、帰宅は3時半頃だった。洗濯物を洗濯機に放り込んで一風呂浴びると、そのままバタンキューで1時間ほど寝てしまった。7時前に起きて軽い夕食を取りながら、NHK囲碁対局の録画を観て、又8時半頃には寝てしまった。何とも健康的な日曜日だった。

2019年5月11日土曜日

夏日

平成最終日先月30日のハイキングが天候不順で中止になってしまった。明日は埼玉県小川町方面のハイキングに誘われている。目的の山は標高が300数十メートルだから、今までのハイキングでは一番低い山かもしれぬ。しかし考えてみれば昔小中学生時代に馴染んだ長野の山は、皆その程度の山で何回も何回も登って楽しんだものだ。そんなことを思い出しながら、久し振りに少し歩くことが出来そうなので大いに楽しみにしている。

昨夜はやけに早く8時チョイ過ぎに寝てしまったので、今朝は4時に目が覚めてしまった。土曜日はいつもより30分早く5:30からTBS「上田晋也のサタデージャーナル」を観ることにしているが、それにしても早すぎた。しかし考えればやることは幾らでもある。庭の草むしりを30分ほどしたが、手が臭くなる割には庭はそんなにすっきりしない。草花の名前は分からないが取り敢えず花を付けてる草はそのままにした。

主に引っこ抜いた草は後で「ドクダミ草」だと教えてもらった。乾燥させて煎じて飲めば漢方薬とのこと。昼過ぎても指先の臭いが気になるくらいだから、何か強烈な成分を持ち合わせているのかもしれぬ。朝観たテレビが言うことには夏の参議院選に合わせた衆参W選挙の可能性大。ネットではかなり前から噂されているが、早朝とは言えポピュラーなテレビ番組が特集するくらいだから、晋三さんの得意技、大義無き解散総選挙はもう秒読みかもしれぬ。

経済も外交も思うに任せぬ総理閣下、残すところは長期政権のレジェンドだそうだ。それにしても曲りなりにも先進国とされるG7の参加国だ。残る6か国(米・英・仏・西独・伊・加)な中で、こんなにのんびり年がら年じゅうゴルフを楽しんでいる首脳はいない筈。先日報道を観ていたら、記者の質問に答え「私はリラックスしてますよ」ときたものだ。

極端な言い方をすれば、世界中が脅威と受け取めている北朝鮮の威嚇射撃に対しても「すぐに我が国の安全に対して脅威を及ぼすものではない。」と平然としている。近くに居たら殴りたくなるだろう。

2019年5月10日金曜日

過去の見方

夏至が過ぎてとても夏らしくなってきた。これからは洗濯が忙しくなるだろう。
ここ暫くつまらないテーマが続いていたので観ていなかったBS-TBS「報道1930」、昨夜のゲストは若い歴史学者或いは歴史作家の磯田道史氏。内容が興味深かっただけでなく、大きな示唆を含むもので見応えがあった。タイトルは”古文書”から読み解く「平成」と「令和」。ホームページで再確認すると内容が次の4項目だった。

1.「平成」は400年に1度の社会変革だった 2.古文書の専門家が見た「公文書問題」 3.「公」はなぜ失われてしまった? 4.新時代「令和」 どんな時代に? 

4番目のテーマについては寝てしまったようで記憶に定かでないが、1~3まではしっかり覚えている。普段毎日のニュースに追われて世相を見る癖がついている上に確たる歴史観を持たない悲しさで、80年近く生きながらも大局的見地から周辺を見直す訓練が全くできていない。多くの人もご同様とは言えないが、従って世の末など考えようにも考えられない現実がある。比べるとさすがは歴史学者、長い歴史を考えれば成程そうかと思うことがある。

例えば現代の捉え方で、現代は日本史上稀に見る変換点にあるとの見方。稀というのは江戸時代以来およそ400年振りくらい。これは150年前の明治維新や70数年前の敗戦よりも衝撃としては大きいそうだ。何がそこまで大きい変化か?と言えば、生涯未婚で終わる人の比率が江戸時代初期に近づきつつあるとのこと。昔は武士町人百姓を問わず次男以下の男子は結婚が難しかったらしい。

その傾向は少しずつ緩和され人口も増えて来たが、現代に至り理由が異なると言えども、生涯未婚者が増え人口が減り始めた。同時に大きな変化として家が変わり始めていること。象徴的なのが「墓じまい」我が家もそうだが、子供は女子しかなくて、自分が入った墓がいつまで守られるか分かったものでない。家系を守ることの意味が大きく変化し始めている。こんな傾向は昭和20年の敗戦時でさえおきなかった。善悪の問題でなく現実を直視した観察結果だ。

2と3番目のテーマは思わずメモを取りながら観たほどだから、書き始めると長くなる。氏に政治的意図は無さそうだが、現政権の公私に関する考え、公文書管理などについて厳しい批判につながる解説があった。

2019年5月9日木曜日

笑って済ますのがメディアか?

揚げ足取りなので己を振り返れば気もひけるが、面白いネタなので書かせてもらう。連休中の4月30日平成天皇退位の式典(退位礼正殿の儀)で国民代表の辞を述べた安倍総理、当然ながら先の陛下への感謝の辞だろうが、首相官邸の公式ホームページは謝辞とはなっていず、先に書いたように「国民代表の辞」である。そして全文が以下の通り丁寧に紹介されている。
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201904/30taiirei.html

これについてマスコミは一切言及は無いが、ネット特に伝統的右翼(安倍側近の俄右翼や暴力団右翼ではない)ではかなり問題と言うか怒りの声が上がっている。何故かならば、最後1節にある「天皇皇后両陛下には、末永くお健(すこ)やかであらせられますことを願ってやみません。」の部分で、総理閣下は「願っていません。」とやってしまったのである。公式ホームページには勿論漢字表記は無いが、閣下が懐から恭しく取り出したる原文は「願って已みません。」とちゃんと漢字で書いてあったのだ。

正に衆人環視社会だから、このシーンは全てのマスコミが捉えていて、願ってのところで言い淀んだ挙句に言い直して「願っていません。」と言ってしまった部分が明確にとらえている。各社がどのように編集しようともオリジナルな映像はネットを通じて拡散するのはやむを得ない。戦前の報道であれば「不得已して拡散」とでも書くところだろう。

ネットで語られている中には、事前に予習してこなかったのは皇室軽視なんて説もあるが、まさかそんなことはあるまい。緊張のあまり教えてもらった読み方を思い出せなかっただけのことだろう。流石に原文にルビを振る訳にもいかなかっただろうし。右翼のホームページは見ていないが、一般人がこれを取り上げたページには必ず「揚げ足取りはやめろ!」との書き込みがある。もう大分日が経っているから大丈夫かとも思うが、豚児の駄文にも書き込みが来るかもしれぬ。

笑って済ますのも現代的かもしれぬが、漢字を習い始めている生徒さんには覚えて頂きたい。己の父は名前が巳根夫である。

2019年5月8日水曜日

失われしこと

既にどこの紙面であったか忘れてしまったが、確か今朝の新聞報道に「アメリカ国内のトランプ大統領支持率が47%とかで過去最高」との記事があったと記憶する。国民の4割以上の支持を持つトランプ人気の要因の一つは日本と同じように株高があると聞いていた。その株価が危なくなっているのに不思議でならない。或いはこの調査が強硬な対中政策発表前のことだったかもしれぬなんて思ったりしているが、トランプ大統領は対中政策だけでなく、対イランでもかなり強硬なことを言っている。

日本は普段イランとの友好関係を自認しているが、こういった場面でアメリカに対し「それは少しやり過ぎではないか」みたい公式発言は何処からも聞こえてこない。へぼ碁を通して思うのは、たった361路といっても複雑な力関係の中で一方が他方に対して全て力任せの戦いをすると、不思議なことにどこかで必ずと言っていいくらい破綻を生じる。アメリカは戦いの力、実力に於いて世界の第1人者であって、その戦力は他のどの国にも負けないことは自他ともに認められているようだ。

実際に北朝鮮やイランだけでなく南米ベネズエラなんかでもそうだが、総てその実力行使をちらつかせながらアメリカの都合に従わせようと迫っている。もっと深読みすれば対中国やロシアにでさえ大げさには言わないが、様々な威嚇行為をしている事実もある。流石に中国やロシアは下手な威嚇に動ずる気配は見せない。我が国なんぞアメリカ様と聞いただけで、揉み手をしながら「何でも仰る通りに致しますので、ハイ。」てなものだ。

偶々あるメルマガで「武力に依存しない国際関係を築く9条の理想や軍縮を真正面から訴える政治勢力が与野党から無くなってしまった。」この引用のネタ元は、旧社会党々主村山富市氏が自社政権の総理に就任、そして自衛隊を容認した時の記者会見で、目指す方向を聞かれた際の発言である。この記事を読んで本当に情けなくなってしまった。振りかざす刀は無くても志は武士「弱気を助け、強きを挫く」精神であってほしいが、今の政権には薬にしたくも見つからない。

2019年5月7日火曜日

もの忘れ

5月も2週目に入ったのに寒々とした天気だ。予報が言っていた雨が未だに落ちて来ないだけ善しとしなければならないかだ。町を歩いている時にポケットの携帯が鳴る。その度立ち止まらないといけない。周辺の人々がスマホなり携帯を見ながら歩いているのを見て、羨ましくて仕方がない。今日も僅か小1時間に3度も鳴ったが皆迷惑電話の類。どうして俺はこんなに不器用なのか?嘆くと同時に腹が立ってくる。

歩きながらの買い食いも腹は立たぬが、街を汚さぬように願いたいことと、不思議に若い女性が多いのは何故かと疑問が湧いてくる。現代の女性はどうしてそんなに忙しいのだろう?今日声を出したのは昼飯屋での注文と勘定の催促だけだ。記憶にある日本語が段々少なくなる。インターネットの世界は、文章が段々短くなる傾向だそうだ。尤もかもしれぬ。

2019年5月6日月曜日

連休に幕

山での死亡事故が多かったせいか、お天気だけで見れば余りぱっとしない連休だったと思う。しかし浮世の憂さを忘れて遊び惚けた人も少なくは無かったことだろう。現代は5月病なる言葉が生まれたくらいで、明日からただでさえ面白くない職場に戻る人の士気が上がらないのは当然だ。

ネットで見る限り長いこと続いていた米中の貿易交渉は遂に行き詰まったのか、トランプ大統領がしびれを切らし癇癪玉を破裂させたかは兎も角、「中国の知的財産権侵害などを理由に2000億ドル分の同国製品に課す関税を、10日から現在の10%から25%に引き上げると表明」とある。世界貿易の最大量を占めるのが米中貿易の筈で、ここに不穏な要素が出現するのは両国の何れにもプラスは無いように思うが、選挙だけを考えるトランプ氏独特の考えなんだろう。

中国がどんな反応を示すかについての報道は未だない。当然ながらこのことは世界経済全体(勿論日本も含まれるだろう)に少なからずの影響を及ぼすだろう。トランプ大統領は変わった人と見るべきか、信念の人と見た方が好いのかは分からない。兎も角、今月国賓として来日されるようだが、日本政府が提案した国会でのスピーチを断ったそうだ。曰く「シンゾー君よ、俺は何処でも”アメリカファースト”としか口にしないから、君のために辞退するよ。」

外国関連の報道の量が減っているが、中東や北朝鮮でも変わった動きが出ているようだし、世界は激動を続けてるようだ。新しい時代の幕開けと浮かれた日本は、この先に待ち受けることについて深刻な論評をする人がいないのか、報道機関が取り上げるのを避けているだけかは分からない。失われた10日間にならずに済むことを祈りたい。

2019年5月5日日曜日

イメージと実像

映画スターでもないのに、見知らぬ人を好きになったり嫌いになったりするのが情報過多の現代だ。当然マスコミやネットが運んでくる情報は当人のごく一部だからイメージは偏って創られ、実像とはかなり異なる者になりがちであろう。政治家なんぞは自ら好んで知りもしない多数の人にイメージを作ってもらおうと必死になっているのだから、多数の人がどのようなイメージを持とうと責任は政治家本人にある。

言いたいのは「ホリエモン」のことである。昨日の早朝、彼が起業した小企業「インターステラテクノロジズ」が、本拠を置く北海道の広尾郡(と聞いてもどこか分からぬ)で宇宙ロケットの発射に成功との報道があった。宇宙ロケットと言っても彼の本拠とは真逆の種子島でよく行われるようなバカでかい代物とは異なり、かなり小ぶりなもので、高度が100キロを少し超えたということで衛星軌道に乗った訳でもなく、そこで燃え尽きてしまったようだ。

JAXAの小惑星探査機の打ち上げからと比較すれば、大学生と幼稚園生くらいの差があるかもしれぬ。しかしNHKを始めとする各テレビ局や新聞などマスコミはこぞって取り上げて報道している。アメリカあたりではいざ知らず、日本では宇宙開発なんて大それたことが一民間企業、それも殆ど個人の零細企業となれば、発想自体が無理とされる筈。バックに大企業が付いていたとは聞かぬし、彼自身金持ちかも知らぬが、どんなに持っているか知りようもないが、会社の資本金は1億円にも満たない。

ファイナンスに関して彼が如何なる魔法を持っているかは知らぬが、多くは無いと言ってもそんなに少なくない筈のスッタフを10年以上抱え込んできたことには敬服するしかない。しかも彼にとってこれは3度目の挑戦であって、既に2度も打ち上げに失敗している。ホームページを見ると歴史には次のように書かれている。

2005年「宇宙機エンジニア、科学ジャーナリスト、作家らが集まり、国内における民間宇宙開発を目指す組織「なつのロケット団」を結成、活動を開始。」

正直言って、彼を好きか嫌いかで言えば後者に属する。しかしこのニュースに接して改めて思うのは、これからの日本が必要とする人材は彼のような人物だろう。

2019年5月3日金曜日

映画「バイス」

やっと皐月晴れが訪れた。天邪鬼なので、この晴天に薄暗い映画館で映画を観てきた。タイトルは「バイス」意味が分からず気にもしなかったが、読みつけている天木直人氏がメルマガで絶賛したからだ。日本にも嘗ては石川達三氏が中曾根康弘氏の九頭竜川事件モデルに描いた小説や映画「金環蝕」などがあったが、最近この手の題材は沢山あるのに、小説や映画では全く見られない。

比較するとハリウッドは流石なものだ。この映画は2代目ブッシュ大統領の副大統領であったディック・チェイニー氏を描いたお話。氏は年齢78歳とかで未だ生きていらっしゃる。なのに、冒頭に「この映画はフィクションではない。本人が取材に協力的ではなかったが、事実を追求したものである」と断っている。そしてエンドロールではご丁寧にも「消去されてしまったメールが2千万件以上あるが、大統領関係のデータは未だ保存されている筈なので。いつの日か日の目が当たることもあろう」なんて書いてしまっている。

チェイニー副大統領は若い時にはどうしようもないくらいの不良だったようだが、女房が偉い。頭も良いがこの悪ガキを掌に載せてその気にさせ、歴代共和党大統領の補佐官になるほどまでに育て上げた。程度の差はあろうが、女房を思い出した。もう一人の登場人物2代目ブッシュ大統領、これもどうしようもない馬鹿に描かれている。しかし制作者は自信がありそうだ。そこで発生した911事件と後に続いた報復としての戦争。

これらの戦争を通じて最も儲かったのが、現在チェイニー氏が個人筆頭株主である石油関連企業の「ハリバートン社」株価が戦争前と後では500倍になったとのこと。表では正義だの民主主義だのときれいごと言っているホワイトハウス内部の闇、自分さえよければ他人の命などどうでも良いらしい。半分くらいに割り引いても恐ろしくなる。チェイニー氏は心臓に持病を抱えていて、何度も入院を重ねているのは公然らしいが、この映画では心臓移植2回受けていることが暗示されていた。
 
何はともあれ、見応えがあったが、午前中だったので観客は20人もいなかったかもしれぬ。

2019年5月2日木曜日

連休中のお仕事

連休がまだ続いている。NHKも政府を慮っているのだろう、毎朝6時から2時間観ていたBS「ワールド・ニュース」が放送されないので不便極まりない。日本のニュースは皇室関係で持ち切りだし、世界で何が起きようと極楽国家としては関係無いらしい。昨日昼飯の時となり合せた老人が「連休で迷惑している人の方が多い筈」と言っていたが、多数でなくても少なくないような気がする。

10日間もあるのに何故ゴールデンウィークだ?英語を習い始めた子供の教育上不適切ではないか。プラチナ旬間でもないし、全国一斉特別春休みとでも正直に言った方がまだましだ。政府機関の正規職員は給料が変わらないのだから、休みが多ければ多いほどラッキーは分かる。迷惑なのは国会図書館が国立なのでこの間ずっと休館であること。民営化された郵便局が1日から明日3日まで通常業務になっているかは分からない。ネットで調べた限りでは近くの小さな郵便局はお休みらしい。

これで経済活性化に悪影響が出ないと考える方が無理だろう。偉いと思うのはお休みの筈の近くの保育園で数人の子供の相手をしている保育士さんだ。私立の保育園なので子供を預けている親御さんは特別料金を払っているのだろう。どっちも大変であることに変わりはない。話が変わるが、家電量販店に買い物に行った。最近4Kテレビを買ったので、試しに番組を観てみようと思って、店員に尋ねた。

名札を記憶していないが多分正規社員だと思う。「最近チューナー内蔵の4Kテレビを買ったので番組を観たいと思う。どうしたらいいかね?」「ハイ、専用の丸いアンテナが必要です。」「BS用アンテナは設置済みだが、他に別のアンテナが必要なの?」「アンテナ屋さんに聞かなければ分かりませんが、古いものだと対応していないものがあります。」もう大分年季の入った社員に見えたが、この程度は当たり前なんだろう。

帰宅するとBS放送画面に何やら怪しげな文字が出現。これを消したければNHKにご連絡を、ときた。早速連絡すると、BSは問題が無くなり、頼みもしないのに4K放送まで支障なく観られるようサポートしてくれた。皆さん連休中に大変だなと感心した。

2019年5月1日水曜日

改元の日

30年前に一度改元を経験しているので特別に思う程のことは無いし、特段の不便さも感じない。最近では元号を書くのは手紙を書く時ぐらいで、その手紙も滅多に書かなくなっている。でも感じたことが二つあった。一つは自分の馬鹿さ加減。昨日思ったのは「俺も愈々昭和・平成・令和と三代の御代を生きることになった。明治・大正・昭和と三代を生きた両親に並ぶことが出来て良かった。」まではいいのだが、「はて、明治の前の元号は何だったかな?」でどうしても思い出せない。

因みに小生、曲りなりにも慶應義塾の出である。態々wikiを開いて「そうか、慶應じゃないか。」笑ってしまうが、老化と言うことにしよう。ところで慶応4年が明治元年は分かるが、慶應の前の元号まで記憶している人は相当な時代小説好きか記憶力の良い人だろう。昔の改元は天皇の交代と関係なしに行われたようなので、江戸時代270年弱の間に36の元号があることが序に分かった。

皇室は時の権力者との関係で複雑に変化してきていることは、日本人であれば誰でもぼんやりと気が付ている。昔から女性天皇もいたようだし、南北朝のように天皇が二人存在した時代もある。そして室町時代まで正統視された南朝が滅び、戦国時代を経て北朝皇室が現在に至っている。兎も角複雑で、万世一系、男系男子を強調する知識人に言わせると、女性は誰でも皇族になれるが、皇族のDNAを持たぬ男子の血が混ざると千数百年か2千数百年続いた血統が途絶えるとのこと。

医学的根拠無しに千年以上の血統を持ち出し、世界に冠たる云々を聞いていると馬鹿らしくなる。ただ権力者の上に皇室があることは日本人にとっての救いであるのも事実。願わくば、ネパールの「クマリ」(生き仏)ではないが幼少からその地位になるべく自他共に研鑽を重ねた人になってほしい。少なくとも昭和と平成お二人の天皇は、形は変われども少年時代に厳しい教育を受けられている。今上陛下も少し様子は異なるが平成天皇皇后両陛下がそれなりの教育を授けられたと思う。

皇室の政治利用が甚だしい現政権によって、名前だけ皇嗣とされた秋篠宮殿下は賢明にも、皇位継承をしない発言をされたと聞く。当然と言っては不敬に当たるかもしれぬが、今上天皇との年齢差が5歳しか無いのだから自然なご発言だ。皇室問題についてこれ以上は言わない方が良さそうだ。二つ目の感想は昨日から今日にかけてのバカ騒ぎ報道についてだ。戦後NHKが「紅白歌合戦」文化を確立したことで賑やかな年越しが当たり前になった。

善悪は別問題として、古来「年とり」は送る年をしみじみとした気分で送るのを主としてきた筈。「蛍の光」の心境だ。それを思うと「なんだかな」である。