2021年10月31日日曜日

秋の行楽

 


既に予告させて頂いた通り、昨日はまた次女に供をしてもらって、里山ハイキングに出かけた。娘が昼食は準備してくれることになったので、食料の心配も無し、早朝からの快晴で雨具無しで帰ってくることになりそうなので、荷物も寒さ対策だけの極めて軽装備で三頭山を目指した。この山は昨年の2月にも行ったばかりで、今回は4度目の訪問になる。

昨年2月5日のブログを読むと、鞘口峠経由で4時間半掛かったと記されている。雪と氷結で少し苦労した記憶はあるが、今回は条件が全く異なる好コンディションに加え、出発時間も前回より1時間も早い。今日は楽勝だろと、同じコースを目指して歩き始めた。ところが、昨年目指した鞘口峠に到着せず、ずっと西寄りの東見晴台に出てしまった。これがケチのつき始めで、行きつ戻りつを繰り返し時間を30分以上ロスして、結局山頂到着は12時半頃、

山歩きには天気の急変がつきものだが、今日に限っては予定が30分も狂っていながら快晴が続き、山頂からは富士山まで見通すことが出来た。普段写真嫌いな娘だが相当感激したようで、見事に写真を撮った。ここに掲載したのがそれである。更には紅葉、これも見事なもので、標高約1520メートルの山頂から同じく1000メートルの管理事務所まで真っ盛り。なにかと暗い日々を送ってきが、代わりに褒美を貰ったような気持ちになった。

山頂は小屋も何も無い。しかし、娘の用意してくれた握り飯は冷えていてもご飯がもちもちして凄く美味かった。言っちゃ悪いが家内の握ったおにぎり以上かも知れない。特におかずもフルーツは無いが、タクワンも美味かった。毎朝食ってる我が家の飯が相当見劣る感じさえある。娘曰く「旦那の実家から送ってもらってるお米のせいかも知れないよ。」話をしてると娘が寒さで震えだした。やはり1500を超える高度になると都会の主婦には冷え込みはきついかも知れぬ。更に、娘はこちら以上に軽装だし、ダウンジャケットも持ってきてないらしい。

こちらは一応ウールのシャツを着込んでいるし、ダウンジャケット代わりに半年くらい前に娘からプレゼントされたウィンドブレーカーを持っていたので貸してやった。30分以上の休憩の後大滝を目指して下山を開始。登りより楽な道だと思っていたが、500メートル近くを一気に降るということはそれなりに大変だ。運動不足解消を願っていた娘だが、効果は満点以上だったに違いない。

数馬の湯でゆっくり汗を流して、先ず生ビールで乾杯。更に新宿でよく山帰りの夕食をとる駅ビル内西口「肉の万世」でゆっくりと食事。ワインも入って娘は大分温まったようだった。

ヤマレコもアップしました。

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3687640.html

2021年10月29日金曜日

健康と国民性

 今朝比較的早い時刻8時半頃に電話が鳴った。こんな時刻に電話してくるのは長女くらいしかいないので、慌てて電話に出ると長女でなくて幼馴染の友人だった。緊急事態宣言解除になったので近々会おうぜ、とのことかと思いきや、今日都合が付くかとのこと。殆ど予定がない身だから勿論今日が駄目なことはない。会って詳しく話すが、場所と時刻は中野駅近くの喫茶店でいいか?と珍しい提案だ。

なんの異存も無いので「では10時に駅近くの喫茶店で待ってるよ。」と電話が切れた。いつもなら大抵は昼食を一緒にと言って、竹橋の如水会館が定番だったので、時刻も場所も中途半端だとは思いつつも、天気も良いし中野であれば歩くには丁度いいかも知れぬと考え、念の為google mapを開いて確認した。すると、距離的には5.3キロ時間的には1時間8分と表示されている。時刻は9時15分くらい前だったから運動には最適。

丁度朝飯が終わってお茶を飲んでる時間だったし、普段着で付き合ってる友人だから特段の支度は必要ない。地図を確認だけして、プリントを取ろうと思ったが止めて、ポイントになる場所3箇所ほどだけ頭に入れた。池袋から中野までは関東バスが走っていることは知っていたので、これを頼って行けばそう迷わずに行ける筈といつもの悪い安易な考え。天気も良かったし朝の散歩は気持ちが良かったが、2回か3回道を間違えそうになった。

先を行くバスが左ウィンカーを出していたので、てっきり左折と思ったらこれは乗客降車のサインだったことに気がついたり、お寺の参道を通るべきところで躊躇したり、中野駅までは10時前に着いたが、駅前の交番で最終確認のため「三菱銀行のビルは?」との質問に三菱信託銀行が入ってるビルを指されて5分程遅刻してしまった。それでも先着していた友人は大喜び、1年以上会わなかったのだから当然だ。結局2時間近く話し込んでしまった。

この場所に決めた理由次の通り。彼の奥方が未だコロナ禍恐怖から抜け出せず、彼の行動を厳しく管理、出歩くことや外での会食を禁じて、彼も律儀に守っているらしい。ところが今日は奥方が早朝よりゴルフにお出ましで、彼には自宅に昼飯が用意されているので外食が出来ないとのこと。奥方がご亭主の行動を厳しく管理してる例は他の友人からもよく聞いてるのでびっくりはしない。むしろそれはありがた話じゃないか、と慰めた。

確かに我々の年代がコロナに感染すれば厄介なことには違いない。マスクして出歩く習慣が無かった諸外国人とは異なり、日本人はマスクもワクチン接種も抵抗を感じる人は少ないだろう。寿命も運命と考えるより、自らの努力で改善できることを知る人の割合がそうとう高水準にある筈だ。こんな統計があれば面白いが、簡単には見つからなかった。

*明日はそれこそ健康のためハイキングに出かけるのでブログは休みます。

2021年10月28日木曜日

ハメマラ

 今日は朝から素晴らしい秋晴れになったが、昨日は朝から小雨混じりの陰気な日だった。こんな日こそ少し運動を、と思って1年数ヶ月ぶりで永田町の国会図書館まで行ってみた。緊急事態宣言解除にはなっているが、ひょっとすると?と思った通りで、11時から16時までは予約してない人の入場は出来ませんとの事。半分予想していたので、それではと憲政記念館を通り抜けて、皇居のお堀端沿いに歩くこと約30分くらい。それでも合計歩数が7800歩くらいにしかならない。

有楽町で昼飯をとり、また桜田門まで戻って有楽町線千川経由で帰宅してやっと1万1千歩を超すことが出来た。前のガラケイに比べ今度のスマホ、京セラ製とのことだったが歩数計は感度が鈍い。それはともかくとして、有楽町の書店に入って何冊か立ち読みをして気がついた。天気が悪いせいではなくて目が悪くなっているのだ。文庫本なんかはとても読みにくい。世の中が暗い上に視界不良では話にならない。

今朝は使用している眼鏡の調子を見てもらうため眼鏡屋に行って検眼してもらった。現在の眼鏡の制作は2013年とのこと、作ってもらった時「後もう一度くらいは度数を上げて作ることが出来ます。」と聞いたような気がするが、今日検眼するともう無理のようだ。仕方なく読書とパソコン専用に安物の老眼鏡を一つ新調、俗に「ハメマラ」と言うが、マラは無用だから良いようなものの、膀胱癌になって以来まる5年を経過、検診がやっと1年に1度になった。歯の検診は半年に1度だが、もガタガタ状態。目は今回8年ぶりだったが、今後どのようにケアしていくべきか、考えてしまう。

2021年10月27日水曜日

またも勘違い

 昨日、新婚小室さんご夫妻の記者会見も観ずに、この問題を取り上げていい加減なことを書いて反省している。記者会見の報道を観てもっと書きたい気もするが、屋上屋になりそうなのでやめる。昨日は選挙の期日前投票に行った。昼飯前だったが結構混んでいたので、報道されているように投票率が上がるかも知れぬと思ったりした。一方で、内心また認知症かと思ったりしたのが日にちの勘違い。

投票日が30日とばかり思っていたので、理由欄にレジャーと丸をしたが、実際の投票日31日は特段の予定は無かったのだ。実は急なことではあったが、前夜次女との電話で30日に里山歩きをしようと決めたからだった。次女曰く「このところ運動不足で困っているし、来月から勤務のシフトがどう変わるか分からない。冬も来ることだし多分今年最後となりそうだから、今度の土曜日に何処かに連れてって。」

自分自身のことも半分はあるだろうが、半分以上は独居老人への思いやりも感じること出来る有り難い提案だ。早速秋の里山歩きを検討に入った。北から言えば尾瀬の散策、日光戦場ヶ原散策、奥多摩三頭山ハイキング、足柄金時山ハイキングなど数ヶ所が思い浮かんだが、結局アクセスの良い三頭山に行くことに決めた。登山拠点の都民の森公園事務所に問い合わせると「今年の紅葉は少し遅れていて、山頂がやっと色づき始めた程度」と少し時期が早そうだが、仕方ない。

夜になって娘に電話をして伝えると喜んでくれた。先月上高地で転倒したときの傷は癒えたが、最近歩行速度が目に見えてスローダウンしてるので、と弱気な発言をしたら「私もつい最近自転車で転んで怪我はなかったけど、心が傷ついてるから丁度良い、ゆっくり行きましょう。」とのこと。「選挙の投票に間に合わないかも。」言ったら、ここで勘違いを指摘されて、帰りに日帰り入浴することまで打ち合わせてしまった。

土曜日はブログ書きはできないし、恒例のリモートミーティングの日でもあるが、19:30開始なので間に合わない可能性が高い。

2021年10月26日火曜日

孫の結婚

 孫が3人いる、全員男子なので家内は不本意であったが、性別に関しては特段の思いは無く、ただ可愛かっただけだ。その彼等もいつの間にかすっかり大人になってしまい、一緒に遊ぶ時間が殆ど無くなってしまった。今日は皇室秋篠宮家長女で眞子内親王と呼ばれた方が、結婚されて皇室を離れることになる。一般的にはお目出度いことだが、眞子さんの自由意志で選ばれた結婚であるので、家族や親族、友人たちが集って盛大な婚礼を上げるという訳にはいかないようで、ご当人たちも残念だろうし、下々としてもお祝いするが、内心同情する気持ちも否定できない。

自分の過去を振り返っても、27歳になった頃在籍していた会社の社長の紹介で見合いして双方納得したが、親から叱られて破談になった経験がある。父曰く「結婚は本人同士の気持も大切だが、双方の家と家の問題もあるので親の同意も重要だと認識してくれ。」当時は「なる程そういうものか」と簡単に了解したが、これが恋愛で決めた相手だったらそうはいかなかったかも知れぬ。そんな経験もあったので、娘二人の結婚に関しては、娘から紹介された相手に異を唱えること無く、家族同士も円満に付き合っている。娘たちも半分恋愛に近かったのだろうが、たまたま支障が無かったに過ぎない。

個人的にはラッキーだったが、家によっては宗教なんかが問題になることもあろうし、お相手の年齢、血筋、学歴、経済状態、健康問題等々気にする場合もありそうだ。しかし、千年近く続く血統に、職業と言っては失礼だが、皇室が背景となると、その制約は想像を絶するものがあって当然だ。何事によらず法律の定めに準じたがる日本人だから、皇室の人達からすれば極めて窮屈な思いをされてるに違いない。

こういった不自由を存分に味わされた上皇ご夫妻が、様々な意味で法律の呪縛から人間らしさを取り戻すために若い頃から果敢に取り組み、今日を迎えているので、恐れながらきっと内心大変喜ばれていると拝察している。特に上皇后殿下のお慶びは一入だろう。昭和以前はいざしらず、これから女系天皇の出現が必然になるような気がしてならない。

既に、皇位継承第1位の秋篠宮殿下も令和天皇が薨去されても皇位を継承されない意志を示されているとのことだ。第3位常陸宮殿下も年齢的に難しいだろうし第2位の悠仁親王殿下が継承されるのだろうが、その後のことは誰にも分からない。それを下々が勝手に憶測して長々と議論し、これからも続くのだろうが聞いているだけで馬鹿馬鹿しい。皇室に出現している変化が見えていないからだ。学習院小学校を敢えて避けた悠仁親王殿下が今後どんな道を歩むか分からないが、一番上のお姉さんと同じようなことになるかも知れぬ。そうしたら下々はどうするのだろう?

2021年10月25日月曜日

貧乏人の負け惜しみ

 コロナ禍が過去の思い出になるには時期尚早かも知れぬ。東京は今日から全面解除の筈だが、既に昨日から池袋の中心街の店は、普段と変わらぬ営業状態に入っていたような気がするし、人出も相当なものだった。何れにしても結構なことだ。過去2年近くを振り返って良かったと思うこともある。今日たまたま来た友人からのメールに「一億総中流社会」との言及があった。どうも現在の総選挙で野党立憲民主が掲げている選挙公約の一つらしい。

我が老後の人生で目指しているところが正に中流の生活である。少なくともコロナ禍期間中は国民の大半が中流生活を余儀なくされたはずだ。お金持ちがお金の使いみちに困っても、使いようが無いのだから庶民生活をせざるを得なかったろう。金持ちの不幸を喜んではいけないが、兎に角2年弱の期間に限っては、日本は「一億総中流社会」だったかも知れぬ。

コロナ期間中はスーパーカーや高級ヨット等がよく売れたらしいが、そんな物を持っていても、走り回る道も無ければヨットクルーも集まらなかったはずで、いわゆる宝の持ち腐れ、お金持ちと云えど面白くもおかしくもなかったことだろう。これから始まるポストコロナ時代になったら、海外旅行が楽しめる時代が到来してお金持ちの人が大いに散財すること期待しよう。小生は残念ながらその仲間にはなりえない、万年中流だ。

しかしこの間と言うか最近かも知れぬが、報道からも脱炭素社会への貢献が一般市民に強く求められている。今月末から始まる英国・グラスゴーでのCOP26会議のせいだと思うが、我が国は市民にはなんだかんだ言っても、具体策は非常に遅れている。当初のコロナ対策と全く同じ図式だ。コロナ期間中の国民的引き篭もり傾向は、脱炭素にに少しは貢献しただろうが、これからは炭素排出量が増えることだけは間違い無さそうだ。

しかし吾輩は脱炭素だけは大いに自慢できる。少なくともここ15年位は歩くことに専念して、自動車を殆ど利用しない。一ヶ月に約30万歩とすれば、延長は200キロほどの距離になろう。歩く際に吐く息の炭酸ガスが如何程になるか知らぬが、自動車で200キロ走る際に排出する量に比べれば桁違いに少ない筈だと思っている。

2021年10月24日日曜日

信濃の国

 高校同期生の友人が、グループメールで長野県の教育事情に関して、実に興味深い歴史的な資料を送ってくれた。長野県には「信濃の国」なる県歌があり、おそらく今でも殆どの県民はそれを歌うことが出来ると思う。詩の歴史を紐解くと次のように書かれている「明治32年(1899年)長野師範学校(現在の信州大学教育学部)の浅井洌先生が小学生向けに詞を作り、翌年同じ学校の音楽の北村季晴先生が作曲しました。」しかし長野県は広く、この歌ができた後、戦後にかけても何度も分県運動が起きた。

昭和23年に県会でその議論が起きた時、議会の何処からかこの歌の斉唱が起きて沙汰止みになったと伝えられている。よく出来た話だが、そのくらい長野県人は纏まりが無いとも言える。しかし歌そのものは昭和43年、県歌に制定された。現在でも長野県が教育県との評価がある一方で、県民の団結力の無さがあるのは事実だろう。

少し前書きが長くなったが、友人が送ってくれた資料からその理由の一端が伺えたような気がするので、今日はそのことで書きたい。

資料によると明治初年、日本は約300の藩が存在してたとのこと。これを政府が今で言うところの行政改革を実行して府藩県三治制をとることになった。この時長野県は14の藩と他に旗本領13ヶ所、諏訪大社や善光寺などの寺社領が4と合計18の行政区画になった。石高が信州全体で約80万石。ご承知のように長野県は南北が非常に長い、維新直後には、その4割が伊那地方に偏在して、行政簡素化のためにさいしょに「伊那県」が出現する。

それにやや遅れて北信も纏まり、「中野県」となって信州は2分された形で近代の行政組織が確立。時に事実上の長官として政府から派遣されたのが伊那県は旧薩摩藩士の永山盛輝、中野県は高石和道の二人。資料は南信中心に書かれているが、永山氏は小学校建設に力を注ぎ、政府から学制が発布された明治4年には既に28の小学校が、翌年明治5年には58校、6年には78校というスピードで進み、南信児童の識字率は急速に高まっていく。

もちろん、北信の中野県でも同様の努力はあっただろうと推測するが、南信中心の資料だったのではっきりは分からない。兎も角、現在では南信には新幹線も通らず、都会の文明から北信に比べて伝達速度に少しばかりの差があるように思われがちだが、維新直後は南のほうが産業も盛んで、文明快化も早かったようだ。南と北の県民には1世紀半前のコンプレックスと、現代のそれが複雑な影を落としてるのかも知れぬ。 

2021年10月23日土曜日

値上がりの秋と聞く

殆ど毎日1回は外食をしている。いつも思うのだが、最近は雑穀入りのご飯を出す店が多い。牛タン屋の麦飯はほぼ100%だろう。これは何も東京だけのことではあるまい。本場の仙台でも同じだと勝手に思っている。東京では握り飯屋も多いが、これもほぼ例外なく雑穀入りの握り飯を置いているし、逆に少し高級な店でも「ご飯は白米にしますか、五穀米にしますか?」と聞かれることもある。

五穀と聞かれると、米、大麦、粟、黍、稗かと思っていたら、稗ではなくてwikiでは豆と書いてある。豆は穀類でないと思うので間違いじゃないだろうか?そんなことはどうでもいいが、あるいは十穀米なんて店もあるが、こうなると全く分からない。言えるのは白米ご飯が一番美味いが、雑穀入りご飯のほうが栄養的には推奨されるべきかも知れない。

サラリーマンなりたての頃、精麦業者の団体にアプローチして、その広告を担当させてもらった経験がある。団体の幹部は皆父親くらいの年齢の方ばかりだったので、随分教えられたことが多かったが、その話はまたにする。兎も角、昭和も40年代に入って、国民の大半が年中白米飯を食える時代になっていた。話が少しずれるが、昭和34年に大学進学できて上京した時は、お米の配給通帳持参だったし、貴重な米を実家から送ってもらったことが有り難かった。

従って仕事上の行きがかりもあり、家内に「我が家も麦飯に」と強要して嫌な顔をされたことを記憶している。家内が言うには「栄養のバランスは何も美味くもない麦飯にしなくても、主食以外で十分補える。」もっともな理屈だと思うが、それを採用せず当分の間その不味いと言う麦飯を食していたものだ。今となれば懐かしい思い出だが、現代になると、雑穀入り飯は貧乏な人の食事ではなくて、むしろ裕福な人、或いは少し知識階級の人たちから愛用されるようになっている可能性が高い。

日本では食い物に関してかなり贅沢が許されている。少ない外国旅行の経験からしても、日本の食事は外食産業を含め、主食の考えが国民に浸透しているのでバライティーはさることながら、美味くて栄養補給も十分な食生活を送る人が多いと思う。ただ日本は産業や経済は振るわずパットしない上に、円の力が弱ってきているのでこの先のことは分からないが、それでなくては平均寿命がこんなに伸びる筈がない。

外国には三度の食事はおろか、一度の食事すらまともに出来ない人多数いる。美味いの不味いのは論外のことだろう。値上がりの秋とされ、食品が軒並み上がり初めているとの報道で思いついた。 

2021年10月22日金曜日

努力は報われる

 木枯らし1号もハッキリしなかったが、どうやら一気に冬本番になってしまったような天気になった。全国的にコロナは収束、医療関係者も一息つけるということで、様々な行動規制が解除される。時は今週18日ボージョレ・ヌーヴォの解禁に端を発し、ハローウィンだことのクリスマス、年末年始のご挨拶と飲酒の機会も増えるだろうから油断は禁物。年寄りは自重継続が良いだろう。

話が全く変わるが、昨日韓国が国産の宇宙ロケットの発射実験を行い、最終段階で模擬衛星を軌道に乗せることは出来なかったが、ロケット自体は3段階のエンジン切り離しと新エンジン点火に成功して地上から700キロの空間に到達できたとのこと。ムン・ジェイン大統領は「最集段階の実験は失敗だったが、大きな成功を収めた。」と発表した。これまで10年以上、ロシア製のロケットなどを使用したりして失敗を繰り返してきたらしいので、大統領がテレビで声明を発するほどの喜びであったことは理解できる。

韓国の経済力が指標に依っては日本を凌駕しつつあることは既に報じられてきたところだ。しかし、日本では韓国製品と聞くと未だ後進国のイメージが強い。技術力の差では未だ日本のほうが優位と思っていた。端的な例が自動車だろう。しかし宇宙ロケットを完全国産化出来るとなると、我が国もそうのんびりしてられないかも知れないなんて思う昨今だ。韓国は来年3月は大統領選挙、新たな政治体制になるので断言できないが、アメリカからの干渉を排除は難しいまでも、できるだけ軽減したい意図があるとのこと。

日本も余り大声では聞こえてこないが、アメリカからの駐留経費増額要求はかなりなものらしい。これまでやや甘く観ていた韓国でさえ、自立のための努力はそれなりにしている。とすれば先進国の我が国はもう少し毅然たる態度でアメリカと向き合ってもらいたい。バイデン大統領から駐日大使に指名されたラーム・エマニュエル氏がどんな人物か未だ論評は殆ど見かけないが、日本にとっては相当タフな人物になりそうらしい。

韓国をずっと上から目線で見てきた我が国であるが、援助国であった中国にいつの間にか風下に置かれてしまったようなことが無いよう願いたいものだ。


2021年10月21日木曜日

憧れと現実

 たまたまであるが2日続けて早朝からNHK/BSで「日本百名山」を観た。昨日は「甲斐駒ヶ岳」今朝は「五竜岳」だった。どちらも1回は登ったことがある懐かしい山だ。ところが番組からは懐かしいシーンがなかなか見えてこない。理由は登山経路がかなり上級者向けとされている経路だったためだ。思うと山へは今でも強い憧れがあるが、我が登山はいつも老人向けの易しいコースで、いわゆる難コースへの挑戦は殆ど無かった。

易しいコースであっても素人にはかなりな困難も伴い、実際に怪我をした経験もある。従って登山の醍醐味は随分味わった一方で、危険を伴う趣味であることも身に沁みている。テレビ番組は、多くの視聴者を満足させるためにいろいろな見せ場を設けなくてはならないから、上級コースを選んでプロに行程を踏ませるのは当然かも知れない。これを観る多くの素人が登山を実行しようと思うか、危険そうだからこの山は敬遠しておこうと思ったりすることになる。

もしこの番組をこの山に行く前に観ていたら、そこに行くのはやめたに違いない。登山愛好家も多いだろうが力量は千差万別で、昔、後期高齢者以前くらいまでは、ガイドブックに<初級>或いは<上級>なんて書いてあると食指が動かなかったが、今は専ら<初級>専門で楽しんでいる。思うと我が人生、何をしても素人、玄人の粋に達したものは一つも無い。変な自慢だが、世の中玉石混交の中に居て、何をするにも常に石塊だったし今後もそうだろう。

と言うことは、何をしても自分に甘く、自分への言い訳が許されることになる。何をしようといつでも辞めることも出来る。その気楽さがこれまで長生きできた最大の理由かもしれない。自分に甘いのだから他人に対しても寛容であるべきだ。特に政治的ポジションは人それぞれだから、極右であれ、極左であれ友人としての付き合い方を変えないようにしている。ただ一種の病気だと思うが、虚言癖の人からはなるべく距離をおいている。

また親族、友人にもいろんな宗教の信者がいるが、宗教に依っては嘘を許容する場合があるので、特定宗教に熱心な人も警戒感を持ってお付き合いさせて頂くのも仕方ないと思ったりしている。何れにしても残り少ない人生だろうから、できるだけ平穏でありたと願うのみだ。

2021年10月20日水曜日

産業と経済の未来

 昨日の昼、池袋西口地下にあるBECK'Sコーヒーショップでカレーライスを食べていたら、隣の席で若い青年が店長らしき、或いは本部の人事担当だったかも知れぬ女性の面接を受けていた。結局その場で採用が決まったみたいで、店のロゴが入ったTシャツを貰って青年は嬉しそうに席を立ち、一礼して去っていった。非正規社員の面接経験豊富な娘からいろいろ話は聞いているので、公衆の中で行われる面接には驚く必要はないが、アクリル板1枚隔てただけなので内容も大凡理解出来た。

大宮市で一人住まいの大学生、未だ本就職ではなくてアルバイト採用が決まった。こんな光景を目の当たりにすると、長いこと沈滞していた経済が少しずつ動き始めてることを実感する。飲食業はコロナ騒ぎで真っ先に目に見える被害を被ったが、このように回復傾向も目に見える形で現れている。しかし日本経済の本格的回復への道筋はハッキリしない。前から気になっていた経済安全保障政策で昨日こんな報道があった。

経済安保絡みで、政府は台湾の半導体大手のTSMCがソニーと共同して熊本県にたな工場を新設することに5千億円の資金支援ことを決めたらしい。このことが現在半導体不足に悲鳴を上げている国内産業にどの程度の効果をもたらすか、殆ど分からないが、態々安全保障と言いながら、台湾企業の誘致は少し疑問を感じてしまう。半導体製品の供給効果より、むしろ新工場への労働力供給効果を睨んだのかも知れぬ。

経済回復は将来性のある産業が多く生まれなくてはならない。勿論現段階では半導体工場もその一員ではありうるだろう。しかしこの話は先述のコーヒーショップ店員の採用と大差ないように感じてならない。日本で現在の自動車産業に匹敵するような次世代の産業は何処に求めるべきだろうか?その抜本策を見つけるのが政府の仕事だと思うが、それが見えないのが非常に残念だ。

正反対に思うのが隣の中国。革命の国だけあって、トップ以下ほぼ国を上げてエネルギー革命に真剣に取り組み始めている。中国はエネルギー源の約6割が石炭に依存し、炭酸ガス排出量も世界トップ。これを2050年までにゼロにする目標を掲げた。日本人からすればまるで嘘にしか聞こえない。確かにどこまで本気か分からないが、この冬を前にして石炭の産出を急速に縮小するよう命令、お陰で東北部の住人や産業は停電続きで相当参っている。

この地で生産されるアルミニューム原材料にも深刻な影響が出て、世界的にも相当な影響を与えている。にも関わらず政府は、自然エネルギー比率の拡大を目指しての動きを止めていない。この強攻策が将来どんな社会を招来するか知らぬが、彼らにはそれなりの将来像が見えてるに違いない。しかも現在の政権トップクラスは今世紀半ばには生きていない筈だ。

2021年10月19日火曜日

バラマキ合戦

 先ず読者各位にお詫びを申し上げます。昨日のブログを読まれて違和感を感じた方も多いと思います。今朝早くに内容は変更させて頂きましたが、昨日の内容に重要な間違いがありました。昨夜、土曜日一緒に飲んだ後輩から連絡があって指摘されました。「後10年も生きたら家を処分しなくてはならない」と記述したのですが、「先輩が早くも認知症になったかと心配しましたよ。」

毎月小遣いを5万円ずつ使っていくとしたら、10年間で6千万円になると勘違いしていたのです。小中学時代から算数は苦手でしたし、今でも同じですから認知症ではないつもりですが、この自信はかなり危ういものかもしれません。数学者で文もよく書く藤原正彦氏も、日本が先の大戦で大敗した理由の一つが数学者の意見を聞かなかったからだと断じています。予てから傾聴すべきご意見と思っていましたが、本当に算数数学が苦手な人間は駄目ですね。

己のことを棚に上げて言うのもおかしいと承知の上での話です。今日から総選挙が開始です。政治に興味がありますので報道やチラシなどを読んで、各政党の公約を比べても、違いが分かりにくいことは既に書きました。更に混乱してしまうことがあります。月間文藝春秋11月号に掲載されて論議を読んでる現職の財務事務次官矢野康治しの投稿のこと。一読以来もう何日も経つが、難解なので敢えてブログでは触らないできた。

次官と言っても財務官僚の最高責任者で、財務大臣は10日で首になっても不思議はないが、最低でも2年近くは財務省全体を指揮するのが普通だ。この投稿が主張するところは選挙でもはっきり分かる通り、政治家が与野党ともに国民にお金をばら撒いていることの批判となっている。当然ながら与党政治家からも非難する意見が聞こえてくる。各省庁の次官ともなると国会に呼ばれることも無いから、普通の国民や普通の政治家は肉声に接することも少ない雲上人だ。

ところが矢野氏は敢えて自らの名前で意見を開陳したことになるので極めて異例、但し彼は事前に財務大臣麻生太郎氏の許可を得てるので、と平然としてる。先に述べたようにボケ老人には善悪の判断はつきかねるが、今回の選挙でも予算を節約しようと訴える党は皆無で、矢野氏が言うように予算バラマキ合戦が事実だから、どこが選挙に勝利してもバラマキが実現することだけは間違いない。

問題はそのバラマキが本当に悪いのかどうかだ。冒頭書いた通り無駄かどうかは別にしても、月に5万円の出費が家系にいかなる影響が及ぶか分からなくなるくらいだから、矢野氏の説はもっともだろうと思うが、バラマキに傾斜している政治家諸氏はそうはいかない。昨夜もBSフジ「プライムニュース」賛否両論を聴いたが結局よく分からなかった。出演者は下記の4名何れも錚々たる専門家だ。選挙公約が悪だ、間違っていると否定した人は皆無だった。

西田昌司 自由民主党政務調査会長代理

大塚耕平 民民主党代表代行

田中秀明 明治大学公共政策大学院専任教授 元財務官僚

木内登英 野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミスト

2021年10月18日月曜日

老後の経済

昨日とうって変わった冬晴れになって気持ちが良い。明日から選挙本番が開始されるが、今回は選挙期間が短いことだけが結構なことだ。維新とかNHKがなんとか、政党とも呼べないような政党以外は政策的には殆ど違いが分からないので、投票する気力を出すだけでも一苦労だし、同様の人が多いだろう。皆さんめげずに投票しましょう。とは言ったものの、選挙後も自公政権は続くらしいので、今のうちに宣言しておきたい。公約通り国民を幸せにすることを実行願いたい。後付の理屈は無しよ。

コロナ禍が収まりつつあるので、多くの人がお金を使うべく動き始めている。こう言ってはなんだが、いわゆる中間層の小金持ち、この層の厚さがどれほどかが分かりにくい。勝手に類推すれば、金持ち世帯が約2割、生活困難世帯が約3割としても、中間層が半分になる。総世帯数が5300万世帯だそうだから、中間層世帯が2600~2700万世帯。これだけのボリュームが、今まで蓄えてこざるを得なかった余裕資金を年末年始の買い物を含め、約3ヶ月間で30万円ほど使えば、金額的には10兆円たらずに過ぎないが、これが市場(株ではなくて)に与える影響は結構あるだろう。

小生も貧者の一灯に過ぎぬが、毎月の生計費の他に臨時の交際費などに極力月10万円ほどは使う努力をしている。年金が月に約20万円、生活費はが約15万円は掛かるので、月に5万円ずつ貯蓄を減らしている勘定だ。後10年生きるとすれば合計600万円、貯蓄が少ないので悩ましい。どこかで5万円の無駄遣いを減額したりやめるか、悩ましい問題だが、今の段階では深く考えていない。そりゃそうだ、後10年も生きる事自体がナンセンスかも知れぬ。

老後の備えはひたすら健康維持にあると思っているものの、いつまでもあると思うな、親と金だ。加えて健康もそうかも知れぬ。 

2021年10月17日日曜日

時節柄

 昨日は久しぶりで大学を卒業して25年勤務した会社の後輩が誘ってくれて、銀座のビアホールで昼から大酒盛りをしてしまった。参加者は時節柄で4人。一番年かさの後輩でも6歳下で未だ後期高齢者にはなっていないとのこと。彼は後に社長まで登りつめたので、今は会社に顔を出すのは月に精々1回位のようだ。他の二人は未だある意味での現役、下の彼も「今引退しても年金が満額貰えるようになりました。」と嬉しそうだった。

それぞれが元気そうで何よりであったし、話が非常に興味深かった。25年も在籍したので東京本社だけで言えば僅か100人程度の社内のこと、殆ど知り尽くしているつもりだったが、知らないことが沢山あった。組織というものは、ある程度の部下を持つようになると、知ってるつもりでも知らないことが沢山あり、部下は逆に上司のことを知らないような顔をしていてもよく観てると言われる。そのことを痛感した。一番若い後輩は大阪支社にも6年勤務していたとのことで、大阪情報もたくさん持っていた。

もう現役時代のことは殆どきれいに忘れていたが、組織には常に人の入れ替わりがあって、その変化で組織自体の消長があることを改めて認識できた。現在の社長は昨日来た6歳下の彼よりまた数歳若い。長いこと会っていないが、よく知っている良い男だ。昨日の話では、今ある千代田区三番町のオフィスを神田神保町への移転を計画してるとのこと、在宅勤務体制対応の事務所らしいので、コストダウンに苦労してるのだろう。コロナ禍は収束しつつあるかに見えるが、痛手を被った人や企業の回復はこれからが本番、容易ではあるまい。

夕方帰宅して夕飯は抜きで、今度は恒例の高校同期生とのリモート懇談会、頭が朦朧としていたので記憶が定かではないが、日本の政治への批判話が多かったような気がする。酔っ払っていたので訳の分からぬいい加減な発言をしたと思うが、友人の一人がうまく引き取って纏めてくれた。「要するに、国政の世界なんてものはヤクザ世界と同じで、親分の言うことには従わざるを得ないようになっているのだろう。」

それにしても安倍晋三氏、麻生太郎氏あたりが大親分だとすれば、随分貫禄不足と思わざるを得ない。書きながら今思い出したことがある。三菱電機から大学教授に転身したIT専門家が居て盛り上がった話題、ワクチンパスポートがあった。小生以外は海外に家族や友人も多いので、ワクチンパスポートが必要になることは目に見えている。しかし、諸外国に比して接種率が大幅に高まっているのにワクチンパスポートの言葉が踊るだけで、実現に向けての話が一向に聞こえてこない。

友人が心配していたのは、デジタル庁なんてものがありながら、政府が国際的に通用しそうなフォーマットを未だに示さないこと。先手先手が聞いて呆れる。

2021年10月15日金曜日

心配な着眼点

 国内は異常な選挙に突入してしまった。昨日衆議院の解散を打った首相が、前首相の菅氏が多用してたようにNHK夕方7時からのニュース時間を延長させて会見を放送した。記者の一人が「解散に名前をつけるとすればなんと付けますか?」と質問。首相は解散理由に触れずに答えて曰く「今回の選挙は未来選択選挙です。」だった。要するに昨日も書いたと思うが、後1週間待てば自動的に議員の任期が来るのに、それを待てない理由は、国会でこれまでの政策を追求されたくないだけのことだ。

テレビに出演したマスコミ各社の解説委員はほぼ全員が、今度の選挙の本質は安倍、菅、岸田と3代に亘った長期政権の総括であること強調し、国民に投票を呼びかけていた。ごく当たり前の話だからこの話はここまでにして、少し視野を広げて思うと、異常は国内政治以上に国際的な気象がなんだか怪しい。ここ1年や2年ではないかもしれぬが、大雨に依る洪水や、逆に異常渇水、森林火災が世界各地で発生している。台風被害は年中行事として見逃しても、スペイン領カナリア島での火山爆発や地震もあちこちで発生してるようだ。

これらの災害で家を失ったり、仕事を失ったりして飢えに苦しむ人が激増してるらしい。更に追い打ちをかけているのが世界的なエネルギー問題。エネルギーは地下資源が枯渇してるわけではないだろうが、いろいろな要素が複雑に絡んでほぼ世界的に価格が上昇して燃料やガソリンが入手困難程度なら兎も角、すでに冬に入っている地方で、暖房や電気が止まっている場所も多いようだ。燃料代が上がれば物価に跳ね返るが、日本そこまで行ってないようだし、野菜価格が下がり気味だなんて呑気なことを言っている。しかし政治家が選挙にかまけて、本当の経済対策は着手しようがない。

これも何れは大きなツケが回ってくるのではないか?日本のマスコミには海外報道専門の要員が多数存在してるはず。彼らは当然海外事情を上司かデスクか知らぬが毎日報告してると思うが、選挙関連報道で頭が一杯の彼らは聞く耳を持たないに違いない。気象問題なんて早くても15年後の世界、各国の目標年も1950年だから「俺は関係ない」で済ませるものかどうかだ。

*明日野暮用のためブログは休みます。

2021年10月14日木曜日

何でもありは困る

 明治23年、日本で初めての国会議員選挙であるなら兎も角、今日衆議院選挙が解散されて前代未聞の総選挙が始まる。内閣が成立して僅か10日、何一つ仕事をしないうちから国民の信を問うのだそうだ。

何回も解散風景を見てきたが、閣僚席に一人の閣僚も見えず、いきなり議長が解散の宣言を読み上げ1分足らずで幕切れのバンザイに変わった。こんな光景は初めてだ。首相から「こんなことをしたいと思いますので信任して下さい」と言われて、小学生の級長選びでもあるまいに、信任する人は少なくて当たり前と思う。心配なのは馬鹿馬鹿しさに呆れて投票しない人が増えること。せめてこの駄文の読者の方は投票に行って下さい。結果がどうであれ、野党候補に投票するしかない。

得体のしれないコロナ禍で国民の多くが苦境に立たされた真っ最中、先々代の首相安倍晋三氏がお腹が痛いと言って政権を投げ出して以来、日本の政治はダッチロール続き。先代の菅首相は当然かも知れぬが、解散を打つことで体制の立て直しを図ろうとしたが、図れなかった。ところが如何なる天の配剤か知らぬが、菅氏が政権を投げ出した途端にコロナ禍が急速にしぼみ始めた。後を引き継いだ岸田氏としては、これぞ千載一遇の運の招来と思ったのだろう、後1週間待てば、衆議院議員の任期切れで自動的に選挙に突入せざるを得ないにも関わらず、焦りに焦って今日のことになってしまった。

岸田氏が天恵と感じたことが実現するかどうかは今月晦日の開票を待たねばならぬが、こちらとしては期待はずれになることを願っている。ところで形振り構わぬのは岸田首相だけではない。安倍首相以来特に酷くなった感じがあるが、党事務局や内閣府が恥も外聞も捨てて直接関知するモリ・カケ・サクラとは少し関わり方が異なると思うが、最近話題に上がっているのがインターネット世界での偽情報発信。これは一歩間違うと刑事事件にもなりかねないので、担当者は特定の政治家個人の秘書から何段階も経て偽装工作はされているだろう。

しかし悪事千里の譬えどおり、当事者はそういつまでも安閑としてはいられないだろう。現在立憲民主党の小西洋之参院議員議員への誹謗で問題なったインターネットサイト「dappi」の発信者問題。小西氏の情報開示訴訟により、このアカウントが都内のIT関連企業の法人のもので、同社の主要取引先が自民党だったことが明らかになり、参議院の本会議でも既に問題化しているので、この権に関して個人が特定されるのはそう時間が掛からないだろう。

dappiはモグラ叩きのモグラ1匹、問題は似たような発信源が多数存在するであろうことだ。嘗てウェブサイトビジネスをしていたのでよく分かる。このブログでも屡々ネット記事を引用するので、引用先を吟味すると同時に出典を明らかにしたいと思っている。

2021年10月13日水曜日

チャンス到来では

 昨日あたりから東京も急に寒くなってきた。一方で2年近くに及んだコロナ禍が大分沈静化してきた。東京の新規陽性者は8月13日の5773人がピークだったが、昨日は77人。入院患者数も9月4日の4351人から519人にまで下がったらしい。医療関係者はホッとされてることだろう。後2時間も経てば今日の結果がわかるが、この傾向が続くことを期待している。

問題はこの機会に政治が今後に備えて如何なる対策を講じるかだが、政治はご案内の通り選挙モードなので具体的方策に着手できそうにない。本来であればこれだけ新規陽性者が減っているのだから、その感染ルートを徹底的に検査してウィルスの根絶を図るべきところだ。中国のマネは出来ないまでも、都内で77人と言うのだから該当地区の区役所なりが音頭を取って新規陽性者周辺のPCR検査を強制的にでも実施すべきチャンスではないか。

首相だって1年以上市民の声を聞いてきたなら、今更車座で医療関係者の声を聞く必要はあるまい。選挙公約で無料PCR検査を10倍に拡大します、なんて言ってる場合ではない。所管閣僚が総入れ替えになったにしても、今やるべきことをやらずに後手後手に回ったのでは、前政権と同じことだ。連日新首相がいろんなことを仰ってるのを聞くが、総論はもう1ヶ月以上聞いているので分かった。出すべき指示は、全力で発生源を究明せよではないか?

一時はクラスターの追求が大声で言われたが、チャンスが到来した途端聞かれなくなっているのが不思議でならない。ついでに情報公開も関連してひとこと言いたい。確かに検査の強制は難しいだろう。しかしこの77人、或いは今日になれば持って減ってるかも知れない、新規陽性者関連では嘗て新宿のホストクラブがやり玉に挙がって議論の対象になったこともあるが、具体的な場所くらいは発表して、住民に無料検査への協力を要請すれば、相当多くの人の協力が得られるだろう。

もう抽象論にはうんざりしているのだ。自分と関係する情報が欲しいのだ。だから選挙に関係している政治家である必要はない。豊島区の区長だって良いと思う。「池袋西口近辺で昨日新規陽性者で3人発生、半径500メートル以内の居住者全員無料でPCR検査を実施します。」と言ったら相当多数が希望すると思うし、指定地域以外の居住者の安心感は高まるだろう。

2021年10月12日火曜日

ジャーナリスト

 今年のノーベル平和賞が、フィリピンとロシアの二人のジャーナリストに授与されることが決まった。これまでノーベル平和賞なんて代物は日本人では佐藤栄作元首相やバラク・オバマ元アメリカ大統領に授与されたりしているので余り関心がなかったが、今年の授与は意味が大きそうだ。日本のジャーナリスト諸氏もこれを機会にジャーナリストの存在意義を改めて考え直してもらいたい。日本はなんと言っても国際ジャーナリストNGOの国境なき記者団が毎年発表している自由の報道ランキングで今年は67位、大分前から下がり続けている。

経済力のせいかどうか知らぬが、日本はいわゆるG7、世界で先進主要国に入っている。しかし報道の自由が世界ランク67位では先進主要国の名に恥じるだろう。日本は放送も新聞や雑誌も多く発行されていてメディアだけは発達しているので、毎日このどれかに接して情報を得てえいるのも事実。また日本のマスコミは一時新卒学生の就職希望ランキング上位にあったことも承知している。マスコミが学生の大きな期待を背負うことは決して悪いことではない。

ノーベル委員会は先週末に、今年の平和賞をフィリッピンのインターネットメディアのマリア・レッサ代表と、ロシアのリベラル紙「ノーヴァヤ・ガゼータ」編集長のドミトリー・ムラトフ氏に授与すると発表した。諸外国のマスコミ事情は知らぬが、果たして日本のようなマスコミが存在しない国もあるのでは、なんておもったりしている。どう考えても受賞者の二人が勤務する企業はマスコミでは無さそうだし、二人が経済的理由でジャーナリストを志し、長年その使命を果たす努力を続けてきたとは考えにくい。

翻って日本のジャーナリストの多くは正に巨大なマスコミ企業内に席を置いて、その企業が発行発信する巨大メディアから情報発信することで、大きな社会的名誉やそれなりの経済的報酬も得ているだろう。新卒学生はどちらかと言えば、その経済的報酬に目が眩んで入社した者も少なくはないはずだ。最近では日本でもインターネットメディアも出現はしていて、個人的に言わせてもらえば、中にはかなり読み応え、見応えのある良心的なメディアも少なくない。

しかし惜しむらくはその殆どが財政難で運営がかなり厳しいことが伺える。特にインターネットの世界は玉石混交が凄まじくて、良心的メディアに対抗する妨害情報、いわゆるフェイク情報専門のメディアが多数存在して、その中には明らかに政権が資金拠出している痕跡が認められるものさえあるそうだ。そうなるとこれはメディアではありえなく、単なる偽情報作成工場に過ぎないが、インターネットのユーザーには見分けがつかないのが泣き所でもある。

ことの真贋を追求するのがジャーナリストの仕事だったが、今はジャーナリストの真贋を見分けることが必要な時代になった。

2021年10月11日月曜日

経済安保

 とかく政治家は難しい言葉を使いたがる。今日久し振りに開催される国会でも飛び交うだろうが「経済安保」の意味が分からない。経済と安全保障と分けてくれれば両者ともそれなりに意味は分かるが、4文字になった途端に分からなくなった。日本の経済は生産力がガタ落ちだから、そこを何とか改善する必要がある。即ち何か新しい産業を起こすなり、何とかして労働者の賃金を上げる方策を考えなくてはならない。要するに国内問題だ。

安全保障は国の守りの問題、外国の動きに注意をしなければならない。両方とも大事な問題だとは思うが、言葉を合体させることで目標が判り難くなるのは当然だ。言葉が踊るだけで具体的政策が伴っていないから、何を言っても許される問題ではない。政治は言葉が全てだ、言葉遣いにはもっと慎重であってほしい。

新内閣はこの言葉の実現を図るために新大臣ポストを創設したとのこと。何方かとと思って調べると、小林鷹之氏だと分かった。大臣の肩書自体が意味不明だからご苦労だと思う。技術・情報流出に対する危機感や、半導体など戦略物資の確保が必要だとの意識が企業にも強いことから設けられたとされ、具体的には中国に我が国の科学技術情報流出を阻止することらしい。新政権の認識としては科学技術情報流出が激しいことを認めているのだろう。

確かにそんな話は昔から耳にタコが出来るほど聞かされたことだ。果たしてこれから先に守るべき科学技術情報はどこに如何ほど残っているだろうか?むしろ現在の日本は中国から情報を盗んで来ないといけないのではないか?文科省「科学技術・学術政策研究所」の分野別に引用された“優れた論文”をまとめた時の国別シェア(2017年―19年の平均シェア)報告書を見てみよう。日本のシェアは2.3%である。他方中国は24.8%である。日→中の流れより中→日の方が圧倒的に多い。苦しいのは日本である。

更に、中国からTPPを守れなんて声も大きい。サプライチェーンの問題を見る。CIAのWORLD FACTBOOK、単位兆ドル(切り捨て)、購買力平価ベースでは、中国25,3、米国19.3、インド9,4、日本5,4であり相手の経済のサプライチェーンに入って利益を得るのは日本である。経済安保の意味が益々分からない。

2021年10月10日日曜日

読後感「狼の義 新 犬養木堂伝」林 新 、 堀川 惠子 共著

 近代日本で軍部が政治を壟断する本格的な暗黒時代が時代が始まったのはどうも昭和6年(1931年)頃らしい。大正末期から軍部の膨張思想が強まり、政治的コントロールが難しくなってきてたが、9月に柳条湖で事件が起きて満州事変が勃発してしまう。この時本書の主人公犬養毅氏は既に76歳。安政2年苗字帯刀を許された庄屋の次男として生まれ、長じて慶應義塾の福沢諭吉氏にも可愛がられて、自由民権が今後の日本にとって重大なことに目覚めた政治家として、政党政治の確立に奔走、様々な困難を克服して政治家として最高の地位である首相に上り詰めていた。

しかしその翌年5月15日、首相公邸で陸海軍青年将校のテロで暗殺されてしまったことを知る日本人は多いと思う。「お前はどうか?」と問われれば、恥ずかしながら515事件は聞いているが、内容は詳しく知らなかった、否、全く知らなかったとも言える。今回この評伝を読むことで、日本の近代史、特に政治の世界が少し理解が出来たような気がしている。維新から憲法制定まで23年の歳月必要であった理由も少しは理解出来た。

ましてや、犬養毅首相は政党の政友会総裁でもあったが、政友会の来歴などを知ると政党の今昔には大きな違いがあると感じざるを得ない。政治に金が必要であるのは昔も今も変わらないが、政治にはそれ以上に大切にしなければならぬ政治理念があることだ。これは単なる政策論ではない。犬養氏が生涯を通して追求したその理念を本書は解き明かそうとしている。

著者の林氏と堀川氏はご夫婦で、共にNHKドキュメンタリープロデューサーで何れも大型の番組を手掛けられ、出版もされて多くの賞を受賞されている。当初の企画はご主人の林氏が立案されて概略を書かれたようだが、惜しむらくは2017年に他界されてしまう。その構想を引き継がれたのがご夫人の堀川氏になるが、出版にこぎつけるまで1年以上の歳月がかかっている。

堀川氏がご自身で語っておられるが、この作品の優れているところは脇に生涯犬養氏の側近として仕え、終戦後昭和27年まで生存して政界の指南番を務めた古島一雄氏を持ってきたところにあるだろう。古島氏は慶応元年現在の兵庫県豊岡市の生まれだから犬養氏よりは少し若い。氏は小学校卒業後独学で漢学を修めてジャーナリストを志すなかで犬養氏と知り合って私淑するようになり、生涯の側近になる。

この他に大分後になるが、植原悦二郎氏なる人物が側近に加わるようになる。今風に言えば第1次世界大戦とその終結を直接欧州で目の当たりにして、日本の軍部を中心とする頭の古さを指摘して犬養氏に重用されるようになっていく。これがまた長野県人だったが初めて知る人だった。内容に触れだすと切がないのでここでやめるが、兎に角面白く読めた。

2021年10月9日土曜日

異例ずくめ

 昨日岸田新首相の施政方針演説があった。午前9時からが普通ではないかと思うが、9時からであっても聞かなかっただろう。内容は詳しく知らないのでコメントはしないが、この首相とこの内閣、何かが変わっている。同じ思いを持つ人も多いと思うが、前任の菅氏の辞任が突然だったこととも関係するのだろう。発足が今月の4日で、衆議院の解散総選挙が19日から始まるそうだ。開票結果が出るのは今月末日。すると内閣の在任期間は1月足らずで、選挙後に第2次岸田内閣を立ち上げて本格政権とするのだろうか?

政治の仕組みが理解できていないので、間違っているかも知れない。兎に角、現在の内閣だけでなく、党役員人事についても全てが報道が先行して、役員やら閣僚の呼び込み後の会見も無しだった。所信表明演説内容も前日にはマスコミが報道している。ある意味で合理的かも知れぬが、これから岸田政権が続く限りはそうなるのだろうか?マスコミの予測記事は昔からあったと思うが、ここまで当たると違和感を感じざるを得ない。昨夜観たテレビでマライ・メントライン氏(独ZDFプロデューサー)が指摘していたが、総選挙に政権選択の意味が無いとのこと。

自民党支持のジャーナリスト田崎史郎氏に言わせれば、選挙は政党選択だから勝てるかどうかが問題で時期は問うべきではないとのこと。これも尤もに聞こえる。何れにせよ第2次岸田内閣も現内閣のメンバーと変更がないことを祈ろう。しかしいくら弱い野党と言っても、政府役員約100人党役員が何人か知らぬが、この首を一つも落とせないとも考えにくい。兎に角負けは承知で投票だけはする。

次の臨時国会がいつ招集されるかも分からないが、政権交代は期待していないから、自公で構成される第2次岸田内閣となり、議会冒頭で岸田氏の所信表明があるのが普通だと思うが、議長の交代も予定されているし、また異例なことが起きる予感がする。表明せざる得ない時、岸田氏は何を語るのだろう?まさか「先月お話した通りであります。」とでも言ってくれれば面白い。芸術家のアンコールと同じだから拍手が一層盛り上がり、今回低位に甘んじた支持率が急上昇するかも知れぬ。

2021年10月8日金曜日

日比谷の映画館

朝夕は少し凌ぎやすくなってきたが、それでもまだ日中の残暑は厳しい。制限解除なので昨日は久し振りに東京ミッドタウン日比谷まで映画を観に行った。この場所は嘗ては主に三井系の大企業群がオフィスを構えていた場所にある。日比谷と言えば昔から映画館街、何度となく授業をサボって映画鑑賞に通った場所だ。しかし現在は当時の面影は殆ど無くなり、映画館は2箇所に集約されている。の最大拠点が三井不動産が中心になっている東京ミッドタウン日比谷と言えよう。東京ディズニーリゾートも三井不動産が開発した施設だが、そっちには殆ど縁が無い。しかし日比谷は幾つになってもある種の夢が叶う場所とも言える。

観た映画は昨年の作品らしいが「007/NO TIME TO DIE」日系アメリカ人(ジョージ・フクナガ)が脚本から監督まで手掛けたシリーズ25作目とのこと。これまでの作品全ては観ていないと思うが、先ずは面白かった。原作者のイアン・フレミング氏はとっくに亡くなっているが、彼が生きている前提で監督がストーリーを考えたと思うが、近代感覚が随所に取り込まれている。

俳優陣も多彩で、昔のお色気専門のボンド・ガールズと異なり、主役のボンド氏以上に活躍するのも近代ならではだ。更にこの作品で異色に思ったのが、主役ボンド氏が最後に死んでしまうこと。タイトルの意味が分からなかったが、どうもそう言う意味だったらしい。映画なんか作り話の世界だから、シリーズの継承に問題無しと判断したのだろう。そこを新監督がどのように考えたか聞きたいところだが、彼としては2作目を手掛けるつもりが無いのかもしれない。

東宝が経営するこの日比谷の映画館は、全部で確か12室だったかのスクリーンを持つ巨大な施設。いわゆる<アイマックス>と言う特別料金を支払うスクリーンではなくて、通常料金のスクリーンで観たが、その迫力には圧倒された。昼飯も同じ建物内で摂ったが、如何にも都会らしい雰囲気で、料金の割に内容も良かったし、映画の後に日比谷公園を散歩出来たので田舎出身の年寄は大満足。60年くらい前初めて東京に来た頃の気分を味わうことが出来た。ただ制限解除と言っても人出はイマイチだから、東宝のみならずテナント店舗全店の景気回復にはまだ相当時間が必要だろう。 

2021年10月7日木曜日

今日を楽しく

 昨日はワクチンのせいで気弱になっていたので<先のことはわからない>と書いた。歳を取れば体力の低下と気力の低下は仕方ないだろう。昨晩普段以上にぐっすり休んだので気力だけは少し戻った思いだ。今週はノーベル賞発表週間で、アメリカ国籍でも日本人の老科学者真鍋淑郎博士がノーベル物理学賞を受賞されたことは嬉しいニュースだった。

真鍋淑郎博士は日本に帰るつもりは無いそうだ。元官僚だっただけに日本社会のいじましい環境には辟易されているのだろう。ご自身で楽しいと思うところを実現できたのがアメリカだったということのようだ。世代的には大きな差はないが、楽しいと思うことが出来て社会に貢献できれば素晴らしいことだ。心から拍手を送ろう。

今朝観たテレビ(テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」)でも似たような話題があった。何でも昨日JR山手線品川駅構内に「今日の仕事は楽しみですか」との広告バナーが掲出されSNSで炎上、広告主の希望で1日取り下げられて、ご丁寧に謝罪までしたとのこと。広告主の意図としては、皆が楽しく働けるような社会を創りたい、との趣旨だったらしい。先述の真鍋博士だって同じ趣旨のことを仰っているから極めてまともな呼びかけと言える。

しかし、放送局が調査した限りでは、楽しく働けなんて言われても、仕事が楽しい訳無かろうとする人が85%近く居たらしく、あまりの否定的な反応にびっくりしたらしい。現役時代に他人からこの質問を受けたらどう感じたか、それは分からない。仕事は運命的な義務と思っていたから、時に面白くないと思うことがあっても我慢はできた。確かに長いスパンで考えれば、仕事以上に楽しみは沢山ある。

出稿したのは株式会社アルファドライブと言う会社で、正直ホームページを見ただけでは何をする会社か分からない。しかしオフィスを六本木の一等地に構え、同じ場所に似たような会社が複数入っていることからすれば、嘗てのホリエモン企業と同じような極めて今様な会社だろう。お金の使いみちに困って遊び心で、或いはJRに義理でもあったのかも知れぬ。この騒動は社会に対しては大きなインパクトにはならないだろう。

しかし個人的には先の真鍋博士の発言と共に印象的だった。社会からどのように見られようと、他人には迷惑掛けないようにしながらも楽しく生きることが大事だ。これまでもそうだったし、残り少ない日々もそう有りたいものだ。

2021年10月6日水曜日

先のことは分からない

 吹く風には少し涼しさが感じられるが、日中はエアコンを入れたくなる厳しい残暑が続いている。特に用事もないので、これも季節的には少し早いがインフルエンザワクチン注射に行ってきた。コロナの時と違って皮下注射なので少し痛かった。毎年接種しているので何となくせずには済まない。本当は子供が学校にっている長女一家こそ必要なのに、何年か前ワクチン接種をせずに一家3人全員罹患したことがある。


確かに一人2500円は大金とも言えるが、やはり打つことを勧めたいが、娘と言っても他家の主婦だ、余計なことを言うのは止めておく。年末まではまだ2ヶ月以上あるが、郵便局では年賀はがきが売り出されているし、ロシアやヨーロッパ北方では冬が近づきコロナウィルスの新しい波が起こりつつあるようだ。日本はコロナに関しては小康状態だが、こっちも余計な心配は無用かもしれぬ。兎も角ケセラセラ、なるようにしかならぬだろう。

2021年10月5日火曜日

深い闇

 昨日、岸田新首相初の公式記者会見が夜9時から行われたが、老人には遅すぎて見逃してしまった。関心があったのは新内閣の原子力政策、専ら取り沙汰されていたのは、代貸の甘利幹事長一派の経済閣僚が全員原子力発電推進派とのことなので、それは承知していた。問題はその先にある日本国民とりわけ広島市民の声との折り合いの付け方だ。広島市のホームページを開けばトップに上がってくるのが<原爆・平和 > 平和への取組・平和学習等 > 様々な取組 > 「核兵器禁止条約」の概要である。

何年か前、て友人のすすめでアニメ映画の「この世界の片隅で」を観て以来と言うことでもないだろうが、これまでの政府の態度には少し不満がある。政府とすればアメリカ政府への気遣いかもしれぬが、言を左右して批准を避けてきている。日本が批准を避けていても批准国が50カ国に上り、今年1月には正式に国連決議が今年の1月に正式に発効したのはご案内の通りだ。

記者会見を1分も観てないので何とも言えぬが、質問も出なかったかもしれぬし、出たとしても新首相には批准に向けて党内調整を命じるつもりは無さそうだ。エネルギー政策と核兵器問題は別次元だから、条約批准は実現したいとでも言えば「いい男」と褒めたいが、そこまでの勇気は無さそうだ。ま、我が生命が尽きる前に、原子力の扱いについての結論は出ない可能性が高そうだ。

核兵器との関係がどの程度あったか分からないが、今朝たまたまNHK・BSでアメリカ・テキサス州・ダラスに関するドキュメンタリを観た。この町では1963年ケネディ暗殺事件が起こり、当時大統領の車が走っていた場所に今でもマークが施され、暗殺者オズワルドが潜んでいたビルのフロア全体が博物館となって、当時の状況がそっくり再現されている。これも興味深かったが、ダラスでコロナ禍にも関わらず最も売上を伸ばしているとされるガンショップの紹介があった。

アメリカの田舎町でも引き篭もりが増えたせいで、一般市民の自衛観念が高まって売上が伸びてるらしい。この辺が日本とは大分異なる社会現象だが、銃による殺人事件が、年間約3万件(テキサス州だけでなく全米とすれば)と思ったより少なかった。むしろ気になるのはケネディ暗殺事件も、2001年の911事件も大量の報告書があるにも関わらず真相が明らかになっていないこと。ここにアメリカ社会の深い闇がありそうだ。

2021年10月4日月曜日

 少し濃淡はあるようだが世界的にコロナウィルスが沈静化してきて、日本もその例に漏れず新規感染者数が激減してきた。前首相になってしまった菅氏にすれば、せめてもう1週間早くからこの傾向が見えていればと、悔しい思いをしてるだろう。逆に岸田氏と大多数の自民党員にすれば、この減少を腹の底から喜んでいるに違いない。総裁交代劇で費やされた政治空白は嘗て見たことがないほどの長期になっているが、報道はお祭り騒ぎを盛り上げる一方であまり批判的に聞こえてこない。

そして今日発足する新内閣、20人の閣僚中13人が新任とのこと。人材の厚さを見せつけられる思いだ。対する野党はこれをどのように捉えているか分からない。言えるのはマスコミはむしろ野党批判を強めている事実。曰く、野党側は政権批判に終始して、自らの将来ビジョン示していないこと。確かその通りかもしれぬ。野党側は小数政党に分裂した状態で、やっと立憲と共産の協力体制はできたが、未だ国民民主が煮え切らない。これでは選挙という闘いを目前にして戦力の厚みが違いすぎることがはっきりするばかりだ。やはりリーダー枝野氏の力量、資質に問題があると言わざるを得ない。

これまで長いこと野党を応援してるので、また負け戦を見せつけられるのは残念だ。弱い野党を応援している理由は極めて単純で、現政権には「嘘」が多すぎることに尽きる。嘘も方便と言われるくらいだから、世の中に嘘は多いだろうが、国会で多くの嘘が積重ることは世の中から明かりが消えるに等しい。暗闇の中では善良な多数の人が進むべき道を見失いかねない。暗闇で活躍するのは泥棒やら悪党の類と昔から相場は決まっている。これを夜盗と言いうが現代の野党とは大違いだ。

不思議なのは一頃リーダーシップを発揮していた小沢一郎氏が影も形も見えないこと。病気にでもなってしまったかと思ったりするが、そうであればニュースになってるだろうし、彼の指導力がもはや通用しなくなっているとも思えない。なんとか野党には一致協力して自公政権に挑んでもらいたい。野党は何故自公の「嘘」を暴けないのか?司法関係へのパイプが細すぎるとしか考えようがない。

2021年10月3日日曜日

神話の世界

 故郷を捨てた訳でもないが東京に出てきてから60年以上経った。途中で6年ほど大阪に居たことはあるが、その大部分は勤務先が赤坂であったり、永田町界隈だった。勤務を終えて比較的自由になってからも、運動がてら皇居界隈は屡々徘徊している。従って、千代田区には千代田城(江戸城)の他に「自由民主党本部」なる古びた城のようなものが上京してきた時代から現在も屹立していることをよく知っている。昔はここから少し下った場所に「社会党本部」が小ぶりながら張り合うように建っていたし、一時は「民主党本部」の看板が上がって、警官の警備も自民党本部以上に増えた時代も知っている。

しかし兵どもの夢のあとではないが、自民党本部以外は今は影も形もないようだ。実際は公明党本部は多分創価学会の本拠地(信濃町)近くだろうが、他野党は自民党本部近くに政党本部があると思う。何故か知らねど世は自民党一強時代であることは間違いない。建物は江戸城に比べて遥かに見劣りするが、その権勢は平安時代の平家一族と同じように天皇家を凌いでいることは言うまでもない。しかしこの政党も権勢が大きくなり過ぎたのだろう、候補不明のまま相続争いが激しくなってきている。

いささか前書きが長くなりすぎた。今日は政治問題でなく世間一般に関することで書きたい。いつもながらではあるが、昨夜いつものように高校同期生とリモート懇談会に参加した時のことからだ。友人が秋篠宮家の眞子内親王について、「皆どう思いますか?」と質問を投げかけてきた。騒ぎは知っていたけれど特に考えたこともなかったので黙っていたら、別の友人が「婚約者のポニーテールはいけないね。」と答えたので、それには賛成したくらいだ。

問題を提起した友人は拍子抜けしたようで、真意は皇室問題を議論したかったのだと思う。小生も内心では皇室問題は重要な問題で、占領軍が日本支配をするに当たり、皇室の戦争責任を問わず温存を画したのは実に巧妙な占領作だと思ってきた。しかしこれが日本国民に与えた都合と不都合を天秤に掛けて意見を述べるほどの見識が無いのも事実だ。正直な感想を言えば、既に現在は昭和天皇から数えても3代目、明治天皇からすればもう5代目だ。にも関わらず、皇室全体が時の政権から良いように政治利用されていることがお気の毒でもある。

提起した友人曰く「皇室は男系男子で1千年以上の歴史があると言うが、そんなことはありえない。300年以上男系男子で続いている家系なんてそんなにはには無いよ。」小生も毎朝仏壇に手を合わせるのが家内他界後の習慣になっているが、念仏代わりに記憶にある限りの家族親族と友人の名前を言うのが習慣化している。そこでその何十人に思いを馳せてみた。少なくとも知る限りで、男系男子で5代以上続きそうに思える家は思いつかない。

友人の心配がよく分かったような気がする。と同時に政治家の中に日本会議なんて集団が生きている事実、神話が生きがいになっている日本人が多いことも事実なんだろう。心配しても始まらぬか?

2021年10月2日土曜日

ボケたかな

 台風一過の今日はまた残暑が厳しい。季節の変わり目っだから衣替えとか、なすべきことは沢山ありそうだが、どうもボケたみたいで、どこから着手すべきか考えあぐんでいるところだ。先月か先々月か忘れたが、東隣の家が数週間足場を組んで外装工事をしていたが、今日は西隣の若奥さんが「来週から2週間ちょっとになると思いますが、足場を組ませて頂き外装工事をしますのでご了ご承願います。」とのこと。

出かけたついでに外からしげしげ拝見しても、どこも不都合がないように見える。ご主人の職業までは知らぬが、両家とも別荘もお持ちのようだし、ご内福で羨ましいが、隣の芝生を羨むより、自宅の雑草取りでもすべきかもだが、何もかもが面倒くさい。僅か30坪足らずとはいえ、一軒家は独居老人には広すぎるのだ。つまらぬことばかり書いてしまったが、昨日は終日の雨で運動不足。今日はまた1万歩は歩きたい。歩いたからどうということもないだろうが。

世の中は緊急事態解除で賑わってるようだが、ただボーとしてるだけだ。

2021年10月1日金曜日

岸田政権誕生前夜

 前から消えて無くなれと願っている政党のことを論うのもどうかと思うが、今回の自民党総裁交代劇。僅か1年そこそこで3人目になるが少し国民をなめすぎているのでは、と思っていたら<5チャンネル>と言う右寄りの掲示板サイトがあり、そこに下記のような書き込みがあることを孫崎享氏のメルマガが教えてくれた。「甘利にもひどい、岸田自民オワタ、汚れを、印象良くない、アベノパシリ内閣、何か疑惑失脚してなかった?選挙ヤバくね?国民なめてる人事だな、結局安倍麻生の小飼から抜け出せない、こりゃ駄目だ、U R、国民を馬鹿にしすぎ」

興味を覚えたので早速このサイトを覗いて探してみた。ところが熱心なファンが多いようで、ボリュームが多く原典発見には至っていない。右寄りサイトと承知して幾つかの書き込みを読んだが、先に紹介したものだけでなく、安倍氏や麻生氏に対する厳しいものも多い。不思議なサイトだが今日はこのくらいにしておこう。

総裁の顔を変える必要は、間近に迫っている総選挙や来年7月にある参議院選挙を勝ち抜き、与党過半数の座を守って権力の維持を図るためであるのは政党とすれば当然で、そのためには形振り構っていられない。先ず顔を変えることは取りも直さず、これまでに反省すべき点があったことを表明したつもりだろう。それが何かは、「次の候補者やその選挙で選ばれた人に聞いてくれ。」だろうが果たしてそれで済むかどうかは選挙結果を観なければ答えは出ない。

そこで目出度く次の総裁に就任することに決まったのが岸田文雄氏。昭和32年生まれと来れば一番末の弟よりも若いから、別世界から来たようなものでコメントが難しい。幹事長を任された甘利明氏少し年上ではあるが、それでも10歳年下だから似たようなものだ。一昔前までは政治家のトップと言えば、東大とか京都や一橋大出の秀才と相場が決まっていたが、もう大分前から出身大学なんかは問題にならないようだ。

むしろ家系や留学経験とかの方が意味を持ってきてるのかもしれぬ。余計なことを勉強するより出来るだけ早く政治の世界について実務を身につけ、地元有権者と早くから交流する方が何かと都合いいに違いない。地元以外の世間一般のことは、永田町にいれば出入りの記者や、役人が教えてくれる。兎に角出来るだけ早く政権の中に入るに越したことはあるまい。要するに与党政治家には箔付けのため勉強はあっても、最大の問題意識は政治家として大成することだから、他人や国家の問題点はどうしても二の次になるだろう。

どういう内閣になるか来週はっきりするが何も期待していない。所詮はコップの中のことで安倍晋三氏と麻生太郎氏が長老とのこと。党の役員人事さえ正式に決まらないのに財務相だけは早速麻生氏の子分に決まったそうだ。