2021年10月3日日曜日

神話の世界

 故郷を捨てた訳でもないが東京に出てきてから60年以上経った。途中で6年ほど大阪に居たことはあるが、その大部分は勤務先が赤坂であったり、永田町界隈だった。勤務を終えて比較的自由になってからも、運動がてら皇居界隈は屡々徘徊している。従って、千代田区には千代田城(江戸城)の他に「自由民主党本部」なる古びた城のようなものが上京してきた時代から現在も屹立していることをよく知っている。昔はここから少し下った場所に「社会党本部」が小ぶりながら張り合うように建っていたし、一時は「民主党本部」の看板が上がって、警官の警備も自民党本部以上に増えた時代も知っている。

しかし兵どもの夢のあとではないが、自民党本部以外は今は影も形もないようだ。実際は公明党本部は多分創価学会の本拠地(信濃町)近くだろうが、他野党は自民党本部近くに政党本部があると思う。何故か知らねど世は自民党一強時代であることは間違いない。建物は江戸城に比べて遥かに見劣りするが、その権勢は平安時代の平家一族と同じように天皇家を凌いでいることは言うまでもない。しかしこの政党も権勢が大きくなり過ぎたのだろう、候補不明のまま相続争いが激しくなってきている。

いささか前書きが長くなりすぎた。今日は政治問題でなく世間一般に関することで書きたい。いつもながらではあるが、昨夜いつものように高校同期生とリモート懇談会に参加した時のことからだ。友人が秋篠宮家の眞子内親王について、「皆どう思いますか?」と質問を投げかけてきた。騒ぎは知っていたけれど特に考えたこともなかったので黙っていたら、別の友人が「婚約者のポニーテールはいけないね。」と答えたので、それには賛成したくらいだ。

問題を提起した友人は拍子抜けしたようで、真意は皇室問題を議論したかったのだと思う。小生も内心では皇室問題は重要な問題で、占領軍が日本支配をするに当たり、皇室の戦争責任を問わず温存を画したのは実に巧妙な占領作だと思ってきた。しかしこれが日本国民に与えた都合と不都合を天秤に掛けて意見を述べるほどの見識が無いのも事実だ。正直な感想を言えば、既に現在は昭和天皇から数えても3代目、明治天皇からすればもう5代目だ。にも関わらず、皇室全体が時の政権から良いように政治利用されていることがお気の毒でもある。

提起した友人曰く「皇室は男系男子で1千年以上の歴史があると言うが、そんなことはありえない。300年以上男系男子で続いている家系なんてそんなにはには無いよ。」小生も毎朝仏壇に手を合わせるのが家内他界後の習慣になっているが、念仏代わりに記憶にある限りの家族親族と友人の名前を言うのが習慣化している。そこでその何十人に思いを馳せてみた。少なくとも知る限りで、男系男子で5代以上続きそうに思える家は思いつかない。

友人の心配がよく分かったような気がする。と同時に政治家の中に日本会議なんて集団が生きている事実、神話が生きがいになっている日本人が多いことも事実なんだろう。心配しても始まらぬか?

2 件のコメント:

呑兵衛あな さんのコメント...

敗戦を決めるにあたって天皇家の扱いを定めるために「国体を考慮した緑十字機」を飛ばしています。
https://nono634.blog.fc2.com/blog-entry-2369.html
世間を斜めに見たがる私も、1人の日本人として天皇家は大事な象徴と考えます。
しかし、右翼に叱られるのは嫌なのですが、そこまでして守りたかった国体というものを如何に考えるべきなのでしょうか。
古今東西を問わず、血脈を大事にしたがる民族は多いようです。しかし、混血を繰り返した現在の日本人が血脈に拘りたがる思想が興味深いです。
どこの馬の骨なのか判らない者ほど、源氏とか平家の末裔であるとして家系図買いをすることが面白いです。言っちゃ~何ですが、天皇家と言ったところで南北朝を経ずとも血のつながりは疑わしいと考えます。
しかし、みんなが疑わしく思いながらも、それを隠して敬うことが日本人的なのではないでしょうか。
北朝鮮のTOPだって、あの歴史が2千年続けば神話になるでしょう。
歴史に現れるチャイナの皇帝にしたところで、血脈はどの程度のものなのでしょうか。私の知る限りでは、大日本帝国が祭り上げた愛新覚羅溥儀は皇帝の血筋とされたようですが、それも日本軍がその地位に着けるために利用しただけのことであって、チャイナの考え方としてはそうなのだろうかと思う疑問のひとつです。

いずれにしても、夫の素性は気に入りませんが、天皇家の血筋を持つ女性が、日本国以外の土地で子孫を繋ぐことは、沈没するかもしれない日本列島に住む一脈の安堵と思っています。
馬の骨であっても肩書でありがたがるのが日本人でしょう。
天皇とは三種の神器を守り継承する人。と理解しています

senkawa爺 さんのコメント...

呑兵衛あなさん
いつも貴重なご意見をありがとうございます。
日本の皇室は先の大戦以来一貫して国民の象徴として存在し、国民の平和を希求し続けてこられたことには敬意あるのみです。男系とか女系とか関係なく末永く継承されることを祈っています。
また皇室に属される全ての皆さんの個人的生き方は、個性があるのは当然だと思います。