2020年4月20日月曜日

変身

自分では何事も変わらぬことが良いことだと思っているが、案外それは間違っているかも知れぬ。現役時代に経営コンサルタントから教えられたことを思い出している。先生が第一に強調されたこと「経営者にとって最も重要なことは唯一つ、環境の変化に対応して自らを変えてゆくこと、この意思決定のスピードが経営の存続を決定する。」ここで言う「自ら」とは経営組織であり、経営組織にとって最重要課題は組織の存続に他ならない。

39歳で本社営業本部長から大阪市店長を命ぜられた際に、友人からの紹介で本社の了解無しで契約し、後に社長と喧嘩に至る原因となった先生だが、今でも記憶に残る様々な教えを受けた。先生は昭和17年か18年に神戸高商を卒業(繰り上げ卒業だったかも知れぬ)、すぐに新米陸軍将校として釜山に向かう輸送船に乗船、その晩に船が魚雷を食らって沈没、数時間後に海軍の駆逐艦に引き上げらるという稀有な体験の持ち主だった。

戦後伊藤忠に入社し石油関連事業に従事したので、アメリカ式経営学を学んだとのこと。若い頃にこの年代の人から学べたことは有り難いと思っている。学校を卒業して社会に出てから営業一本だったので、人付き合いの仕方しか知らなかったと言えるが、小さいながらも組織管理という事について少し知ったのは大きい。広告屋だから営業がなんと言っても最重要職と思っていたが、総務だって経理だって重要さには差が無いとに思い始めた。

話がまた逸れかかっているので現代に戻す。管理能力に掛ける日本政府の組織のため、多くの経営組織が存続基盤揺るがされている。確か日本には500万社以上の中小企業があるように聞いたと思う。その経営者は今必死になって生き残りのための方策を模索している筈。そんな人達にアドバイスできることはもちろん出来ないし、そんな環境下にある人がこんなしょうもないネット記事に気がつくことも無い。家族経営であれば夫婦或いは親子で相談の上乗り切り策を見出されることを祈るばかりだ。

先週末辺りから世論のボリュウムが上がり始めて、為政者が大枚を投じてひた隠す努力をしてきた化けの皮が剥がれそうになっている。御用学者の専門委員会に対して日本医師会が「有識者会議」を設置などは典型例だろう。世の流れがどのように変わるかわからないが、何かが変わりそうな気がしてきた。己も変わらぬつもりでいるが、分子生物学者の福岡伸一先生が仰るには、生物として見れば、人間も絶えず分解と合成を繰り返しすものだから、昨日と今日の自分は全く違う。鴨長明の行く川の流れと同じらしい。

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