2020年4月26日日曜日

マスコミの怠慢

欧米では多くの国々がロックダウン政策をとって新型コロナウィルスと闘っているが、残念ながら感染者や死亡者数は増え続けてきた。このところ少し横ばい傾向が見られて、制限緩和に向けた動きも出始めたようだが、慎重論にも根強いものがあるようだ。我が国は当初から専門家委員会の助言を受け、感染のつながりがある患者の集団「クラスター」の追跡に重きを置けば拡大は防げる。との政策を取り続け、その結果感染者数も死亡者数も欧米に比べれば遥かに低く抑えているように見える。しかもその数字が少し安定、或いは減少傾向さえ見え始めている。

だから、もう一踏ん張りして5月6日まで頑張りましょう。てなことになっている訳だ。さすが日本は、国民の公衆衛生観念も強いし、医療先進国でもあるな。なんて思って良いのだろうか?どうもそれは勘違いの疑いがありそうだ。これにはパターン化されたテレビ報道の責任がありそうだ。お上が発表している情報、即ちおきまりとなった毎日の都道府県別感染者数と死亡者数をトップに持ってくる悪い癖。恐らく大多数の人はこの数字を一瞬にして判読するのは困難。自分の住む場所を探すだけでテロップは消えるに違いない。

放送局側はこれで視聴者を引き付ければ良いだけだから、当然ながらこの数字について批判することはない。ただ単に「またこれだけ増えました。」で終わってしまうし、視聴者側も「我々が協力しているから、余り大幅に増えなくてよかった」で済むだろう。ここに視聴者がミスリードされてしまう大きな危険が潜んでいる。テレビに限らずマスコミは視聴者、読者の嗜好をを読み、その期待に答える記事を優先的に扱う。プロ野球の若手有望選手の感染や、有名芸能人の感染や死亡関連情報が典型。

そしてこの報道が、「こうならないために皆様の一層のご協力が必要なのです。」とお上の要請を正当化、強調する材料に利用されてしまっている。この繰り返しはそれこそ少し控えめにして事の本質を深く追求すべきだ。本質は現に起きている日本の医療崩壊のはず。救急医療の現場で起きている現実を志村けんさんや岡江久美子さんと同じくらい真剣に取り上げれば、崩壊の実態とそこから見えてくる将来像は大分違ってくる筈だ。

志村さんにしても岡江さんにしても、ただその死を悼むだけでなく医療実態の角度から解析をすれば、日本の自宅待機政策が如何に間違いだったかは容易に分かる。「検査を増やせば医療崩壊につながる」がお上の良い分で、未だに検査を絞り込んでいる。しかし医療崩壊は既に始まっているのだ。日本が当初バカにしていた韓国の報道では、マスクを外して街を歩く人が多くなっている。ここをマスコミはよく考え、政府であっても糺すべきは糺さねばいけない。

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