2020年4月8日水曜日

民放といえど

今週月曜日から今日まで3日連続でテレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー
」を約1時間近く観ることになってしまった。面白いからに他ならない。番組開始から正確に23分過ぎると、ゲストが3人登場する。その一人が田崎史郎氏。ご存知自民党の市民向け広報マン、ある意味で官房長官の記者会見より真に迫った質問が飛び出す。質問するのは他のゲスト2人とレギュラーコメンテーターの二人。

質疑応答は1:4になるので些か不公平ではと思う向きもあろうが、官房長官記者会見は1:数十人であることを思えば仕方あるまい。田崎氏はテレビ朝日からのギャラの他に自民党からたっぷりの恩恵に与っているのだろう。質問者側ではレギュラーのテレ朝社員解説者である玉川徹氏。他の質問者は政府の代理人に対して少しばかり遠慮しがちな質問の仕方をするが、最近の玉川氏は歯に衣着せぬ言い方になりつつある。

田崎氏も彼を迎え撃つ覚悟を決めていると見えて、必死に言い訳を強弁するが、この3日間を観る限り、そこまでは知りませんとか、政府も調べてないでしょうと言った答えが多くなっている。昔は食えない爺だと思うほど余裕があった田崎氏も、勝手の異なる戦場に出された将軍みたいもので顔をが引きつっている。当たり前だが、田崎氏に与えられている武器、即ち情報は全て官邸の官僚経由でしか無いのはミエミエ。

今日問題になっている事案は全て前代未聞のことばかりだから、官僚が鉛筆をなめて準備した原稿では日々の変化に対応できないのは当然のこと。質問者側の医師や編集者には日々変化する情報が刻々と入るだろうし、加えて基礎知識が全く異なる。医師である人は当然だが、玉川氏は「京都大学農学部農業工学科から京都大学大学院農学研究科修士課程へ進学。高校時代まではバイオテクノロジーに興味があったが、大学受験で希望が叶わず、・・・」と紹介されているくらい。

迎え撃つ田崎氏は「中央大学法学部法律学科へ入学する。入学当初は法律家を目指していた。大学2年時に三里塚闘争へ参加し、凶器準備集合罪で逮捕のうえ13日間留置される」と紹介される武勇伝はあるが、所詮は時事通信社の政治記者。科学的対応が求められる事案に関して議論が噛み合わないのも当然だろう。放送局としては、論理的正当性の判断は視聴者に委ねれば良いと考えているようだが、それでは政府に甘すぎるのではないか?

免許事業の限界の悲しさだ。

0 件のコメント: