2020年4月23日木曜日

頭が良くても・・・?

社会の秩序維持のために法律遵守は大事なことだ。現政権が恣意的に法律違反を数々犯して社会を混乱させて来た罪は重い。しかしその政権がことコロナ対策になると、妙に杓子定規と言うか法律に拘るところがあり、違和感を覚えるのは小生だけではあるまい。政権の道具と化した霞が関の官僚も同様である。正反対の現象が外国の事例、色々あるが極端なのが、ブラジルとかイタリアのように国内に巨大な(何万人を超す規模らしい)貧民街を抱える国では、その貧民街のコロナ対策を担うのが地元のマフィアとのことだ。

政府が社会の最下層の人々に行動規制を要求しても、彼らの生活環境がそんなことを許さないほど過酷なものらしい。そこで彼らの居住地域を所管するマフィア組織が住民に「家にいろ」とか下令したり、地域の消毒をしたり、場合によってはある程度のお金を貸したりするらしい。政府としても手が回らないので「余計なことをしてくれるな」とは言い出せないようだ。マフィアはマフィアで金を貸せばしっかり元を取る手段に事欠かない。

我が国の昔話としては、居住地のドブさらいをしたヤクザの話はあるが、幸か不幸か日本はドブさらいの必要もないし、居住地への貢献を念頭に置くヤクザも存在しない。それだけ社会秩序が整ってきた証とも言えるが、冒頭に書いたように政権トップの行儀の悪さのほうが問題だ。ブラジルやイタリアを褒めるつもりはないが、緊急事態となればある程度法律を無視しても、許されることは有り得べしだろう。

政府は市民に対してヤクザのようには言えない。「どうぞ家から出ないように願います」が精一杯。当然威令は行き渡らない。そこでマスコミを使って何度も同じお願いを繰り返すが糠に釘。これ幸いと思うのか知らんが、政権側もコロナ対策として必要な手段施策は遅々として進まず、生ぬるい。政府対策本部会議の後で発表される「感染症対策専門家会議の見解等」がある。ここに示されるのはいつも結果論のみ。導かれる対応策も、火事を見ながら消防に如何なる命令をすべきか、六法全書を開いて勉強しているようにしか見えない。

火事が拡がったのは市民の協力が無かったから、で済むか?これまで想定しなかったので非常時に対する備えが無かった事は分かるが、それにしても余りにご粗末、もう理屈は聞き飽きた。小説や映画で知るマフィアやヤクザを礼賛してまた顰蹙を買うのは本意ではないが、学が無いとされるアウトロー・リーダーの優れているところは、非常事態での決断の速さと行動力。「2週間様子を見てから」なんて言っていたら、忽ち縄張りはおろか命さえ失くすからだ。政権周辺にいる頭が良い筈の政治家や高級官僚に求めるのは、無いものねだりかも知れぬ。

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