2019年1月17日木曜日

置いてけぼり

独居しているので世間から「置いてけぼりを食らっている」感は否めないが、昨日の日経電子版の記事「5Gの威力アピール、ベライゾンCEOの晴れ舞台」を読んでその感が一層強まった。そもそも、ここ10年か20年足らずで急成長した世界的IT(情報技術)企業を言う「GAFA」(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)なんて略語を知ったのも昨年半ば以降のこと。尤も最近はこのうちの最古参アップル社の苦戦が報道されるようになっている。

なんて思っていた所へこの記事である。「ベライゾン」なんて社名を初めて聞くがアメリカの大手携帯電話会社、日本で言えばドコモかAUみたい会社らしい。ここのトップが関連する見本市で「5G」開発に積極的に取り組んでいることをアッピールし、それを取材した日経記者のレポートである。スマホにさえ乗り遅れている身からすれば今更どうと言うことも無いのだが、気になるのはその前日公表されている日経ビジネスに載った安倍首相の単独インタビュー記事だ。

この中で首相は得意顔であったかどうかは分からないが次のように述べている。見出しは「日本が自由なデータ流通圏を主導する」以下に冒頭のみ引用する。
本誌編集長:「政府はあらゆる課題をデジタル化で解決する「ソサエティ5.0」の実現を掲げています。日本の競争力を再構築する狙いでしょうか。」
安倍首相:「その通りです。世界は第4次産業革命の真っただ中にあります。AI(人工知能)、ビッグデータ、ロボットなどのイノベーション(技術革新)には少子高齢化など社会課題を解決する大きな可能性があります。ソサエティ5.0を世界に先駆けて実現することが我が国の未来を開く成長戦略です。経済界と力を合わせて取り組んでいきます。」

市井の一ボケ老人が世の流れに遅れて疎外感を喞つのは仕方がないが、首相が胸を張るかのようにこのようなことを言うのは如何なものだろうか?恐らく世界中で日本がAI先進国と思っている技術者は一人もいないだろう。むしろ通信環境はガラパゴス状態にあると見るのが常識だ。こんなことをもしダボス会議なんかで首相が大真面目に演説した場合、世界中のIT技術者が「日本に行けば良い稼ぎになりそうだ」と雪崩を打って来るようになれば結構だろうが、失笑を買うだけであれば実に悲しい話ではないか。

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