2019年1月25日金曜日

北方四島

確か今週初めだったと思うがテレビで流れた情報で気になっていたことがある。25回目の日露首脳会談が行われると言うので、北方領土問題がどこのテレビ局でも大きく取り上げられていた頃である。その中で誰が言ったか忘れたが「北方四島が日本に復帰した時、そこに移り住もうと言う日本人は一人もいない。」これを聞いて一瞬耳を疑いたくなるほど驚いたものだ。領土領土と大騒ぎして領土が確定しても、そこに誰も住まないとはどういうことだろう?

現実に暮らしているロシア人が沢山いるのは周知の事実だが、この問題はさて置いても。日本は役所だけ作って、その職員だけ強制的に単身赴任をさせるのだろうか?と思ってみたがどう考えても現実的でない。他に考えようもなく解けない知恵の輪を手にして持て余す感覚でいるが、日ロ首脳会談当日は早寝して翌朝早朝から山に行ってしまったので、関連する報道は悉く見逃してしまった。

ニュースをチェックできる昨日になると、週の前半あれほど喧しく騒ぎ立てていた領土問題関連の報道は極小化され、新聞に小さく領土問題に関しては何も進展が無かったと書かれているのみである。先の大戦から27年ぶりに返還された沖縄には占領していたアメリカ人を遥かに上回る日本人が住んでいたのも周知の事実。当時の政府が彼らがアメリカ人になる前に、彼らが望んでいた本土復帰に真剣に取り組んだことにはそれなりの意味があったと思う。

沖縄の日本復帰が日本人全体から見れば経済的負担を増すことであったかもしれぬが、当時は銭金損得を超えるものがあることを万人が認めたであろう。引き換え今週初めのテレビで報じられたことをどう受け止めるべきだろうか。この報道はBS放送だったと思うので観た人はほんの僅かかもしれぬ。それは別として、現代の日本国民で北方四島の日本復帰を心底望む人は何人いるだろうか?

今週初めに聞いたテレビ報道からすれば一人もいないと言っていいのではないか。まるでアホみたい話と言わざるを得ない。偶々今朝の朝日新聞「声」欄に北海道漁業者の老人が投書を寄せている。それを読むと四島近海の漁業について日露間暗黙の了解のお目こぼし的なものがあるらしいが、この運用もロシアのさじ加減一つで緩んだり締まったりしているようだ。

出来もしない返還に血道を上げるより現実問題を解決する方を優先するのが為政者の務めの筈だ。

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