著者は元大蔵官僚で、数理学と経済学を修めた学者でもあり、小泉竹中構造改革路線のブレーンとなって華々しく自公政権にデビューしてつい最近まで活躍していた。以前彼の著書を読んだ記憶がある。大蔵省の埋蔵金なるものを言いだしたのも彼である。
ところが、麻生内閣になって今年の春、なんとサウナ風呂の脱衣所で高級時計窃盗事件を起こして逮捕、世の中から抹殺されたと思っていた。余談になるが経済学者は手鏡事件で逮捕された植草一秀とか少し変わった人が多い様に思うが何故だろう。やはり自然科学とは異なり、少し手前勝手、牽強付会の傾向があるのだはなかろうか。特に経済学者が言う所のマクロ経済は誰の説を聞いても理解不能である。
本書に曰く「日本はリーマンショックの後麻生内閣の財政措置も中途半端な上に日銀の金融政策が間違っていたので、GDPギャップとやらが急速に拡大してデフレスパイラルで恐慌に向かっている。これを立て直すにはインフレ目標を設定して通貨の供給量を増やさなければならない。その方法論として政府発行通貨とか一人20万円相当の定額給付等のメニューが考えられる。」としている。
同じ経済学者の池田信夫氏のブログなども偶に読むが、池田氏はこんな説を一笑に付している。要するにマルクスにせよケインズにせよフリードマンにせよ世界に名だたる他の経済学者の誰を持ってきても1+1=2のようにすっきりした答えは無いのでは。だから読むだけ無駄かもしれないが、郵政改革を推進した当事者の弁明を改めて聞くのも悪くないと思って読んでみた。
この点については、郵政改革は日本経済に必要有効な改革であったが、小泉、竹中の構造改革全体を見ると極めて中途半端で、しかも裏腹に霞が関官僚にしてやられた面が多々あるとの事。特に麻生氏のブレーンになった与謝野氏が経済音痴であるような書きぶりである。
書くほうも書く方だが買って読む方も余り利口ではなさそうだ。時の政府の経済対策が常にこのような人種のご託宣で決められとすれば・・・如何なものかな?
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