2020年2月12日水曜日

何をしたいの?

桜は蕾も確認できないが梅は満開、歩いていると汗が出てくる。やはり春がすぐそこまで来ている。しかし季節は変われど人間社会の春は程遠い感が否めない。世界的にはあちこちで発生している紛争に加え、年初来のコロナウィルスの蔓延騒ぎで市民のみならず指導者たちも心安らかにはいられぬことだろう。目を国内に転じれば更に悲惨だ。庶民の暮らしが一向に改善されず家計が苦しくなるばかり、

庶民の暮らしが苦しくなれば国も指導者も困ると思うが、我が国の指導者連中、換言すれば政権幹部は一向に困った様子を見せない。先月国会が招集され冒頭には首相の施政方針演説があった筈だが、彼が何を喋ったか何も記憶が無い。どうせまた各省のお役人の作文の継ぎ接ぎに終止していたのだろう。あまりに情けなさ過ぎる。自分が成し遂げたいことを一つでも明確にしてはどうかと思うが、役人の作文だけでは無理だ。

少なくとも7年前かだったか、第2次安倍政権発足当初、彼は日本経済の行き詰まりを解消するために「アベノミクス3本の矢」なる新造語を大々的に宣伝した。これで日本のデフレを終焉させて経済を成長軌道に乗せることを公約したようなものだ。当初は目標達成まで必要な時間は2年と言っていた。しかし2年が3年、結局7年経ってもその目標、即ち年率2%の経済成長でデフレを脱却する、は達成されていない。勿論GDP600兆円の目標も夢物語。

今「アベノミクス」なんて言葉自体話題にもならないし、首相自身も使う場面は無い。彼は事ある度に失業率が下がり雇用環境が改善していることを力説強調するが、政府統計画が示す事実はデフレからの脱却も無く、家庭消費の落ち込み傾向が続き、国際的に産業競争力が低下していることを明確に示すのみ。安倍氏が日本と日本国民を導く先を見失っていることは多くの人の目にはっきり写っていると思う。

そこで不思議に思うのは、安倍氏自身総理大臣という絶対に近い権力の座にいて何をしたいのか分からないことだ。来年で辞めるとか辞めないとか周りで騒ぐが、本人もやれるものならやりたいような顔をしている。国を分断したアメリカのトランプ大統領は、「アメリカ・ファースト」なんて馬鹿なことを言うが、少なくてもやりたいことは多くの人に分かると思う。安倍氏も出来るかどうかは措いても見習うべきだ。

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