2013年2月7日木曜日

日本の将来と営業のお仕事

今日は昔お世話になった方から食事をご馳走になりながら、非常に有益な話を伺った。こちらがお金を払っても聞きたいような話で、主なテーマはこれからの日本がどうなるかについてだった。曰く、日本の人口減少に伴う産業構造の変化を考えると、余り明るい見通しは立ち難いとのこと。株高や円安で浮かれている人々に聞かせたいような話である。

TPP問題についても、国内の議論はそれぞれの立場の人が我が田に水を引くような議論ばかりで情けない。米一つとっても、10年程度の移行期間が置かれたにしても、関税を撤廃して開放したらどうなるか。多分その時が来たら、お米を作っている人は趣味でやっている人だけということにもなりかねない。ではTPPに参加せずに10年後に何が起きているか。米以外の分野での不都合がごまんと生じているだろう。

要するに非常に難しい問題には違いないが、日本と世界の趨勢を俯瞰的かつ長期の見通しに立っての議論が全く不足している。今世紀末には100億人と予想されているように、地球の人口が増えても作物の耕作面積はもう殆ど開発の余地が無いわけである。今世紀末の日本人口が5000万人を切っていたとしても、果たして食料を確保できるだけの経済力が残っているか否か。
今世紀末と言えば、我々はこの世に居ないが、孫は確実に生きている。世紀末を考えなくても、まだ我々が生きているかもしれない10年後、子供たちの世代の30年後なんてあっという間にやってくる。

官僚にしろ政治家にしろ議論がいつも近視眼的で、己の理屈に不都合な事実には、目を背けてだんまりを決め込んでいる。結局政策議論がピント外れとなり、嘗てのGATT交渉の時と同様、食糧問題の解決策でゼネコンだけが潤ったりする結果に又なりかねない出来ないことを非常に残念がっていた。

将来の見通しが厳しいなら、国を挙げて節約志向はできないのですか?との質問をぶつけると、一旦豊かな生活を享受してしまった現代人には無理だろうとのこと。日本人全体の極楽とんぼ的な生活の話から飛んで、若い人の対人関係の話になった。若い人だけでないかも知らぬが、最近は他人の話を聞くことに関して手抜きをする人が多いこと。営業マンは御用聞きと言われるように、営業先を回って得意の意向を掴むのが仕事の基本だが、仕事があれば先方が何か言ってくるだろう、が今や当たり前になってきているそうだ。

最近は技術立国が強調され、パソコンが幅を利かす世の中なので、人間関係を円滑化する営業の意味が軽んじらている可能性はありそうだ。営業を専門として過ごしてきたので、成程ねと思った。

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