2021年4月7日水曜日

一致と不一致

 3月末に全国の桜が狂い咲きするほど暖かかったのに、4月に入って結構寒い日が続いたりしたが、やっと普通の春らしくなってきた。日本は少し乗り遅れの感もあるが、それでも世界的に見ればワクチが急速に普及し始めたのに、コロナウイルスの抵抗も強かでなかなか収束の気配が見えない。オリンピック開催に拘った日本政府だが、昨日北朝鮮が不参加を表明したりして、天気もさることながら世界の政治情勢に翻弄されて容易ではなさそうだ。

本来であれば菅首相は今日渡米して、明日にはアメリカバイデン新大統領と世界最初の対面首脳会談の筈だった。それが何故か先方の都合で10日ほど延期されたが、その理由がはっきりしないのも悩ましい。事務方からどんな報告が上がっているか分からないが、アメリカがはっきり敵に見立てている中国との関係、間合いの取り方が難しいところだろう。日本は五分五分を認めて欲しいと思っているだろうが、アメリカはそれほど甘くない。

もともとアメリカ軍の占領状態を脱しきれない日本政府を呼びつけるからには、それなりの宿題が課せられるだろうが、その影響が日中関係にどう跳ね返るのか、大いに気になるところだ。年寄りの心配を他所に、国内にはアメリカの対中牽制路線をむしろ歓迎する政治勢力があって、勢いづいている風情も垣間見える。戦争を知らない子供たちが増えているのだから仕方ない、と言ってしまえばそれまでだ。つい先日亡くなった橋田壽賀子さんのテレビドラマは観たことがないが、彼女が心配していた日本が貧乏だった時代は嫌になるほど知っている。

これも全て日本が2大同盟の一翼を担い世界大戦に参加した結果だと思っているが、若い政治家にはそこが分からないようだ。大きな2大同盟はどこかで衝突が起きる。上手に立ち回って目立たなければ良いが、親分から最初に呼び出されるとなれば、目立つなと言っても無理なことだ。米中対立の最前線に立たされる不幸は回避しがたいことなのだろうか?

仮初にも日本はれっきとした主権国家だ。先の大戦で敗戦国になったのは何も日本だけではない。ドイツにしてもイタリアにしても、大戦中に負った反省すべき点は未だに認めつつも、現在の問題では戦勝国に対する卑屈さはなにも感じない。政府要人にはそこのところをも一度よく考えて欲しい。呼びつけられて赴く前から、報道は両者の合意点を流している。簡単に合意できるなら何も高いコストを掛けてまで対面する必要もあるまい。

日本人は値切りとか交渉事は不得意とされている。特に菅首相は空手が得意だそうだから、一発で決めるのが得意かもしれぬ。しかし難しい問題であれば交渉が大切。時に会談して意見の不一致がある方が望ましい。

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