2021年4月23日金曜日

虚と実

 既に81歳、随分長生きできたものだ。この世に残された日数が何日あるか分からないが、2030年となると、この世にいない可能性のほうが高いだろう。しかし人類や国家といったものは一老いぼれとは関係なく、生存し続けなくてはならない。依って世界のリーダーがこぞってリモート会議を開いて話し合いをしたそうだ。音頭を取ったのが齢い70を超えたアメリカの大統領、偉いものだ。

ご本人は生きてるつもりなのかも知れぬが、強調したのが温室効果ガスとされる炭酸ガスの排出規制についてとのこと。炭酸ガスの排出量をどのように測定や計算するのか知らぬが、これが大気の温度を上昇させる原因で、世界中に異常気象をもたらしているとのこと。今や半ば常識化しているが、学者の中には異論を唱え人も少しはいる。物理学者で中部大学教授の武田邦彦氏はその典型で、地球は徐々に寒冷化に進みつつある、との説をとなえている。

ただ、この先生が自説に沿って毎日ネット上に上げていたYouTubeは、前アメリカ大統領トランプ氏のツイッターと同様で、運営者から掲載拒否されてしまったようだ。内容があまりにも事実に反しているとの理由らしい。明日のことも分からぬ年寄からすると、皆さんどうすれば一年はおろか数年先、武田先生に至れば数万年以上先のことを言ってるだけに、その真贋をどのように見極めたか疑問を禁じえない。

臍が背中に着いているので余計な半畳を入れたくなるが、2030年はこの先10年にもならない。長いようでも短い期間だ。日本の政府や菅首相この短期間のことを何日考えたか知らぬが、アメリカ大統領の求めた会議に出席するにあたり、日本の炭酸ガス排出削減目標をいきなり倍以上に引き上げたとのこと。意味はよく分からないが、新聞の見出しには「政府は2030年に向け温室効果ガスを13年度比で46%削減する目標を固めた」と特筆大書されている。

小生も子供の頃からよく嘘をついてきた。今でも痛恨の極みは(これも嘘)義務教育時代はほぼ毎日のようにあった宿題と言う代物。これをまともにしたことが無い。提出が必要な宿題については「忘れました。」と嘘をついては怒られ、夏休みによくあった宿題帳なんぞ、1冊まるまる近所の人に代わって書いてもらって、余りの綺麗さに戸惑いながら提出したこともあったくらいだ。だから政治家が嘘を付くことを責める資格には些か欠けるが、この9年後の約束は、どう考えても空約束或いは絵空事にしか思えない。

日本政府の実際的な危機はコロナ対策問題。3回目の緊急事態宣言を発出して、それで事が足りるものではない事が分かっているのか、いないのか。昨夜のテレビに出演していた元外務官僚の田中均氏が「首相にしても都知事にしても、コロナ対策に対する真剣味が感じられない。」と言っていたがその通りだ。

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