2021年4月10日土曜日

なげき節

 何も今に始まったことではないが、これほど国民を馬鹿にした話はあるまい。先ず福島第一原発汚染水の海洋放出。これは日本市民はおろか全世界に対する反社会的行為でもある。何故か、汚染水問題は10年以上前からの問題で海洋放出の問題は当初からくすぶっていた。毒性の強いH3Oを7倍のH2Oで薄めて流す装置を作るのに2~3年掛かるそうだが、来週にも正式決定をするとのこと。悪いことをするのを躊躇っていたが結局決行することにしたと宣言しているに等しい。

次も昨日のことだ。ワクチン担当の河野大臣発言「6月中には国民全体のワクチン接種が完了するようになりました。」現在4月10日、6月末までは2ヶ月と20日しか無い。ワクチン接種が開始されたのが丁度2ヶ月前のことだが、今進行しているのは医療従事者への接種がメインで、高齢者への接種がスタートしたとは形ばかりのこと。現在のところ2度めの接種が完了した人数は約45万人と言われている。「盗っ人猛々しい」とか「よくもしらじらと」との表現があるが、どうしてテレビカメラの前でこれを言う必要があったのか、どうしても理解できない。オリンピック参加選手のワクチン接種を優先するとの報道に対し、丸川オリンピック担当相は「そんな事全く検討していません。」全否定しているが、ならば何故この話が持ち上がったのか。

だいぶ前に亡くなった岳父のことだが、大酒飲みの面白い人で、冗談の口癖が「東芝が潰れるようなことがあれば日本も潰れる時だ。」だった。岳父は戦前からの東芝社員で、戦後は土光敏夫社長の全期間を勤め上げた。しかし東芝が実質潰れた2015年には既に亡くなっていた。東芝は国策会社とは言えないかもしらぬが、2011年に一旦潰れて未だに生き延びている東京電力と大差無い。しかし遂に東芝も海外の投資ファンドに身売りすることを真剣に考え始めたようだ。昔のお姫様が女郎になるようなことかもしれない。

きっかけになったのはウェスティングハウス買収で躓いた原発問題だから国策に殉じたとも言える。政府は防衛省関連の発注案件や原発関連情報の保全を如何にするか検討しているようだが、今更そんな事してもしなくても同じこと。もう日本は落ちるところまで落ちている。いくら身繕いしようとホームレスと同じだ。日本は国内的にはお上が国民に対して隠し事を懸命にするが、国際的には透明のトランプを持たされてババ抜きゲームを強要されているかのようだ。

北朝鮮がオリンピックに選手派遣を取りやめたのは彼の国独特の政治判断として日本は気にしない風情だが、同様の意思決定をする国が出現しないと判断するのは難しい。来週の首相訪米でアメリカが来年の北京冬季オリンピックのボイコットについて日本に同調を求めない保証はない。何もかもお先真っ暗じゃないか。

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