なんとなく生きている

先週久しぶりに会った友人に薦められた映画でも観ようかと、昨日の昼これまた久しぶりに池袋の映画館に行ってみると映画館が閉まっている。こりゃ不思議とは思ったが仕方無しに日比谷まで行くと、今度は上映が17時とのこと、年寄りには遅すぎる。結局映画は諦めて書店で「月刊文藝春秋」10月号を購入して帰ってきた。いつも立ち読みで済ませていたこの雑誌を買うのも久しぶり。改めて落ち着いて読んだが結構面白い。

一番面白く感じたのは巻頭随筆に掲載されていたあるタイ人のもの。この人物IT系の技術者らしい。正確に書き写すとカラーヌワット・タリン氏(人文学オープンデータ共同利用センター特任研究員)とある。この方が書いているのが「AIでくずし字を読む」である。タイ人が日本の漢字を読むだけでも大変だと思うが、態々昔の毛筆で書かれたくずし字に挑戦したか実に不思議だ。
ご本人は早稲田大学での大学院で源氏物語など日本の古文専攻されていたらしい。

天は二物はおろか何処かの誰かのように一物も与えられない者もいるのに、この方はきっと才能が豊かで、外国である日本に留学、結果的にIT系に進まれて、嘗ての苦労を思い出し、科学技術と文学双方を見事に融合されたのだろう。しかもその成果はご本人によれば完璧とは言えないようだが、既にアルゴリズム(計算手順)は完成して、ウェブ上でのサービス開始が迫っているそうだ。天から一物も与えられなかった口なので「AI」と聞いてもお化けのような存在に等しいが、囲碁でさえ既にプロ棋士の才能を凌ぐとさえ言われる昨今である。

俄に信じがたいが、きっとまともな話だろう。と言うのはもう大分前になる、中学時代の友人を思い出した。彼も仕事をリタイアしてから現役時代とは全く関係のない学習院大学文学部に通い始めた。その話を聞いた時は一体何を考えているのか不思議に思ったものだ。しかし、やがて4年生大学を卒業後、「君の曽祖父の事跡を記録した文書が在ったので。」と江戸末期に松代藩に在籍した曽祖父の事跡を発見して活字に訳して持参してくれたことがあった。

彼は老後の趣味として、郷里北信濃の塩の道を研究したかったとのこと。そう言えば昨日寄った書店に、誰が書いたか知らぬが「無駄に生きるな」と言う本が平積みされていたのを思い出した。昨日は意味が分からなかったが、毎日をなんとなく過ごす老人への警告であったかもしれぬ。

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