2019年11月15日金曜日

『i 新聞記者ドキュメント』

ことの善悪は別にして、最近世界が非常に激しく動いている。そのせいか主要国首脳の動きが極めてダイナミックである。主たる要因は、世界の警察官であったアメリカの立ち位置がトランプ大統領の出現で微妙に変わり始めているからだろう。今日の朝日新聞に掲載されている耕論を読んで思った。アメリカでも今世紀はじめ、ジョンソン大統領のもとで外国に戦争に出かけることを熱狂的に支持した国民も、今や外国で戦争して莫大な費用を費やすことに反対するようになってきているとのこと。世代が若返っていることもあろう。

さすがのアメリカも金の成る木を持っているわけでは無いのだろう。従ってトランプ氏のシリアやアフガンからの撤兵は大方の賛意を得ているらしい。アメリカの動きに呼応するかのようにヨーロッパの主要国、或いはBricsと言われているブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの連合、中東の大国トルコや東アジアの韓国などを含め首脳の動きが活発化している。まさかトランプの再選がないと睨んでではないと思うが、トランプ氏の再選が確定したわけでもない。

どちらにせよ各国とも内政にそれぞれ大きな問題を抱えながら、これを克服して国内を安定させるためには外国との協調が欠かせないので、協調する国を多くするための努力に余念がないのだろう。特に最近なるほどと思ったことが2点ある。一つはフランスのマクロン大統領北大西洋条約機構(NATO:北アメリカおよびヨーロッパ諸国によって結成された軍事同盟)の賞味期限切れ発言と韓国文大統領の北朝鮮は韓国にとって脅威ではない発言。

いずれも言外に「アメリカにはもう頼るべからず」の意を含むであろう。他国のことは措くとして我が日本は相変わらずアメリカべったりのせいか、政府首脳の発言からは世界流動化に対する緊張感は伺えない。育ちが良いから余りバタバタしないと言えば格好が好いが、経済力が低下して10年以上実質賃金が下がり続ける実態の中で、国内的にも政策らしいものが何一つ打ち出されず、アベノミクスなる言葉の残骸だけ残る有様。

7年近い現政権は確かに長期政権であった。今後のことは分からないが、思えば何一つ結論の出ていないスキャンダルまみれだけが印象に残る。恐らく他国の首脳も同じ思いで見ていることだろう。映画『i 新聞記者ドキュメント』をいの一番で観てきて思い浮かんだことを書いた。

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