2019年10月21日月曜日

即位の宣言

明日は新天皇の即位を内外に宣言される「即位礼正殿の儀」が海外の要人を招いて挙行されることになっている。折しも又台風が接近中とのことで、その後に予定されていた祝賀パレードは延期となった。それは取り敢えず良かったとして。この行事が皇室の伝統なかでどのように位置づけられているか正確に知る人は少ないと思う。新天皇陛下はじめ現代の皇室に好意を寄せる者の一人であるのは勿論のこと。同様の思いは国民の間で多く共有されているようにも思う。

ところが1年ほど前だったろうか、秋篠宮殿下が「皇室行事は憲法に定められた行事の他に宗教的色彩が濃いものがある。その宗教的行事は皇室費の範囲で賄うべきではないか。」と発言されたことがある。しかし実態は全て内閣が主導して運ばれるようで、国民にはその詳細が詳らかにされていない。そのことを象徴する最大の問題は来月14、15日に行われる「大嘗祭」だ。祭の名が示すと通り即位を先祖即ち天下に宣言する大切な宗教行事なんだろう。

従って秋篠宮殿下の言われたことは実に筋が通っている。そのことを受け政府が「いや私共にお任せ願いたい」と申し出ることは反対しないが、そのへんは国民の前でもっと正々堂々の議論をしないと却って国民と皇室の間に溝を生みかねない。実際に政府は来月の「大嘗祭」のために皇居東御苑内に「大嘗宮」建設を進めている。ここに投入されている税金は数十億円と言われ、メインは清水建設が請け負っているようだ。イージス・アショアとかF35戦闘機とか数兆円規模の無駄遣いを屁とも思わない我が政府だから、金目は問題ないのだろう。

政府に如何なる存念があるか知る由もないが、皇室に対する敬意に基づいた善意であったにしろ贔屓の引き倒しになりかねない。昭和天皇から憲法遵守を引き継がれた新天皇に逆らっているとしたら論外だ。歴史を見れば昭和天皇は京都御所で、平成天皇は皇居内豊明殿で挙行された祭を、なんで新天皇のために大金を投じて仮設の宮殿を作る必要があったのか。恐らく新天皇も弟の宮と同意見であったに違いない。

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