2019年11月21日木曜日

日本で言えば官邸官僚

アメリカの議会下院ではトランプ大統領の弾劾に関する議論が、民主・共和両党の間で戦われている。今朝の報道では公聴会の目玉証人のソンドランド駐EU大使(元々トランプ氏の支持者)が大統領に不利な証言とも報じられている。しかし、下院は民主党が過半数を占めているので弾劾決議が通過しても、上院では共和党が圧倒多数なので否決されて成立しない。が大方の見方で、トランプ氏再選の可能性が相当高いと聞いて残念に思っているところでもある。

昨日たまたまその公聴会の中継を交えたテレビ報道を少し観た。昨日は参考人として招致されたのは四人のようだが、取り上げたいのは一人だけ、民主党側が呼んだうちの一人ホワイトハウスのスタッフ(国家安全保障会議勤務)のビンドマン陸軍中佐のことだ。

ホワイトハウスのスタッフとは日本で言えば内閣府官僚に相当する筈。内閣府の役人全員が首相官邸にいるのかどうかも知らないが、トランプ大統領が顔も知らないと言うのは理解できる。一つ分かったのは、ビンドマン氏は大統領が選んだ人物ではなく、陸軍がロシア・ウクライナ担当の大統領スタッフとして適任ということでホワイトハウスに送り込んでいることだ。

従ってビンドマン中佐は大統領には忠誠を誓っているが、同時に自己の良心に従いアメリカ合衆国々民としての義務を重んじているとも発言。昨日の証言では明らかに大統領にとって芳しくない証言「大統領の電話内容を聞いた時、これは政治的意味を持つので不味いと感じて、上司か他のスタッフにその旨を伝えた。」をした。共和党議員からは「そんな発言をして命の危険を感じないか?」のような質問もあったが平然としたものだった。

それにはこんな訳もありそう。日韓問題のこじれの仲裁で日本や韓国にまで来て一躍有名になったアメリカのエスパー国防長官が「ビンドマン中佐はロシア・ウクライナ問題のエキスパートとして陸軍が責任を持ってホワイトハウスに送り込んだ人物である。彼の発言を全面的に支持する。」要するに、おかしな真似はさせないと声明を出した。

昨日見たテレビ局は公共放送局のPBSと商業放送局ABCの2局、両局ともビンドマン中佐はウクライナ生まれで、母親を亡くした後に40年前の5歳の時、父親が双子の兄弟を伴ってアメリカに移住してきた。そして二人共陸軍々人となって国家に貢献してきたことをドキュメントに編集して紹介していた。アメリカの悪口も大分書いたが、なんだかんだ言っても日本とは大分趣を事にすることを実感。

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