若い人に言っても無駄かもしれぬが歳を取ると、これまでにいろいろな人から訓えられた様々な戒めが段々分かってくる。即ち<してはいけない>ことだ。子供の頃から生意気だったので、してはいけないことばかりやらかしてきた。最近やっと少しずつ分かってきたような気がする。例えば夜更かし暴飲暴食の類だ。今思うと不思議だが、両親からは「○○はいけません」と言われた記憶は余り無い。酒は高校時代から親父と一緒に飲んでいたし、煙草は両親は喫っていなかったが、高校時代は不良仲間と放課後になると校舎から離れた裏山に行って隠れて喫っていた。
やがて煙草は、結婚して子供が生まれた時に家内から「家の中で吸わないで。」と言われて以来縁を切った。酒の方は未だ縁切りには至っていないが、少なくても自宅では昼夜に関わらず飲まなくなった。昔は徹夜マージャンなんかで夜更かしはしたが、これも遠い昔の話。最近ではネット碁で負けがこんで気がついたら2時だったなんてこともあったが、これももう無いだろう。やっと勝ち負け以上に関心が行くようになった。他に大事なことがある。金銭の借り貸し。大学生時代は入学記念に父が買ってくれた腕時計を質屋に入れて飲み代にしたりしたものだ。
今となると借金までしてする遊興の虚しさも味わいつくしたような気がする。晩年に至って気がつくのは遅すぎたかもしれぬが、気がついただけ良しとしたい。酒やたばこ以外にも身体に悪いことは重なっている。慙愧に堪えないのは歯の悪さ。他人を羨むのは良くないだろうが、未だに全部自前の友人がいる。経済的余裕の友人以上に羨ましい。数日前に区から(医療費等通知書:令和5年9月から令和6年8月診療分)が送付されてきた。
合計52678円也。薬局を含めて1年間に17回支払いがあるが、歯科医の支払いが6回を占める。これは昨年入れ歯を入れたからに他ならない。まともに毎朝歯を磨きだしたのは大学生になってから。朝晩磨くようになったのは恐らく結婚してからだろう。最近では食事の度に入れ歯を外さざるを得ない。残り少ない時間を思えば凄く時間を浪費する勘定だが後悔先に立たずだ。