英語文化圏では人気が無いようだが、日本で大人気のエマニュエル・トッド氏。日本人典型の軽薄爺の小生も彼が大好きで、身近に彼の論文が有れば読んで楽しんでいる。昨日も朝日新聞に小論文が掲載されていた。彼がフランス人でありながら<西洋の敗北>を唱える根拠は彼の専門である家族形態の変化にあるが、昨日の朝日新聞にあった小論文で、新たに米国を<「宗教ゼロ」に向かう退廃社会>としてトランプ大統領の関税などによる保護主義政策は成功しないだろうと断じている。
米国は株価も高く、国民は高収入で物も溢れ一見幸せそうに見えるが技術者や熟練した労働者が圧倒的に不足しているのだそうだ。対する日本だがトッド氏曰く「日本は、地政学的な対立に積極的に関わるのではなく、米国が衰退する世界のこれからを慎重に見守ることが大切です。奥ゆかしく、謙譲の精神にあふれたみなさんにとっては、難しいことではないと思います」と述べている。
日本人が奥ゆかしく、謙譲の精神に溢れているかどうか些か気になるが、積極的に関わるな、とのアドバイスは傾聴に値すると思う。残念ながら政府は反中国、反ロシア路線を強調しすぎることが少し気になってしまう。石破首相はキリスト教徒だからいけないと言うつもりはないし、難しいことは言わぬが、ごく当たり前の道徳観(例えば嘘をつかないとか)だけは国民の範となるよう見せてもらいたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿