2021年4月15日木曜日

日刊ゲンダイの記事から

 自民党衆議院議員に山本拓氏なる御仁がいる。今回始めて知った次第だが嘗て高市早苗元郵政相との結婚歴があるとのこと。ご本人も福井県で既に当選8回とのことだから、どこかで大臣になっていても不思議は無いが、未だご指名が無いようだ。氏は現在二階派に所属しているようだが、経歴を見ると自民党を一時離脱したりしているので、党内的には厳しい現状にあるのだろう。

なんで知ったかと言うと、自民党員ながら昨日も取り上げた福島第一原発の汚染水の海洋放出に異を唱え、その理由を明白にする文書をマスコミに送りつけたからだ。原発王国福井県が地盤の議員だから党の総合エネルギー戦略調査会で会長代理になっている。彼が今月2日に「廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議の議長の加藤勝信内閣官房長官に、以下とおり、質問を送付しました。」として質問状送ったとのこと。内容的には「何故、東京電力は2022年夏頃にタンクが満杯になると主張をしているのでしょうか?」国民に明らかにしてください。となっている。

この質問に対する官房長官の回答は明らかでないが、政権が2022年にはタンクが満杯になるとして、汚染水の海洋放出を決定した事実が公表された。それで彼はマスコミに対して次のような文書を送付したわけだ。公開された日刊ゲンダイの記事を少し長くなるが引用したい。

以下「日刊ゲンダイ(4月15日)」からの引用:

自民党の「処理水等政策勉強会」の代表世話人・山本拓衆院議員がこう言う。

「断っておきますが、自分は原発推進派です。菅首相も支持しています。ただ、原発処理水に関する報道は、事実と異なることが多いので、国民に事実を伝えるべきだと思っています。東京電力が2020年12月24日に公表した資料によると、処理水を2次処理してもトリチウム以外に12の核種を除去できないことがわかっています。2次処理後も残る核種には、半減期が長いものも多く、ヨウ素129は約1570万年、セシウム135は約230万年、炭素14は約5700年です」

 さらに「通常の原発でも海に流している」という報道も、誤解を招くという。

「ALPS処理水と、通常の原発排水は、まったく違うものです。ALPSでも処理できない核種のうち、11核種は通常の原発排水には含まれない核種です。通常の原発は、燃料棒は被膜に覆われ、冷却水が直接、燃料棒に触れることはありません。でも、福島第1原発は、むき出しの燃料棒に直接触れた水が発生している。処理水に含まれるのは、“事故由来の核種”です」

 一度、海に捨てたら取り返しがつかない。:引用終わり


2021年4月14日水曜日

首相外交

 アメリカの新大統領バイデン氏はアメリカを嘗てのアメリカ、即ち世界の警察とまではいかなくても、前大統領トランプ氏が、アメリカファーストを標榜して失った世界の尊敬を再び得るために立ち上がった感があるように思う。しかしコロナで国内に優先すべき課題が多く、これまで得意とする外交に割く余裕も少なかったのだろう。今でもバイデン大統領が国外に出たとの話は聞いていない。しかし部下の国務長官や国防長官は世界各地に派遣してるし、自身でも電話などで中国やロシアにはプレッシャーを掛け始めた。

そんな折から日本の菅首相が今週末ワシントンを訪問して、世界で最初の首脳会談を行うことが決まっている。この会談は日本の外務省が強く希望したものと報じられているが、このご時世で態々首脳がワシントンを訪問するなんて酔狂な国は日本だけだったのだろう。アメリカ国務省にすれば、それだけ熱望されるなら何も断る理由はない。しかし国内事情もこれあり、7日と一旦決めたが16日に変更してくれ、で最終確定した。外務省にすれば、前首相が前大統領の就任前にニューヨークの私宅にゴルフクラブの土産を持参できたことに次ぐ快挙と思っているのかも知れない。

しかし、素人的に考えればいかにも姑息な考えで、よりもよってこの時期に外遊かよ、と思わざるを得ない。日本側は就任祝いのつもりかも知れぬが、アメリカ側は祝なんかは要らないが、新大統領の海外戦略は十分頭に入れて来てくれたのだろうね、と待ち受けていると見るのが専門家共通の見方らしい。ところが読みの甘さで定評のある日本外務省らしく、訪米を控えた首相に対しての予習が十分行われた気配がないらしい。土産は福島第一原発の汚染水の海洋放出らしいが、アメリカ以外にこれを評価する国は無いのに、何故アメリカが評価するのか理解出来ない。ブリンケン国務長官は「日本政府が透明性を担保したことを!」なんて言うが、日本政府の発表に嘘がないと信じているとすれば、アメリカの情報当局は相当お目出度い。

それにしても今回の首脳会談は異例ずくめのようだ。発表が日米同時でなかったこと。茂木大臣は相当頭にきたようだが、外相同行が認められず首相単独行になったこと。共同記者会見は行われるが、これは日本政府は避けたかったらしい。そりゃそうだ、記者の質問に日米がチグハグな答えはできないし、菅首相がバイデン大統領の発言をなぞる結果になればどんな落し穴にハマるか分かったものじゃない。アメリカ側との晩餐会とか昼食会も無しで、会談終了後大統領は地元デラウェアに直行の予定とのこと。

外交交渉のサポートスタッフをシェルパと言うそうだが、今回の首相外交は、小生がいきなりアルプス高峰に単独で登山をすることに似ていると思う。

2021年4月13日火曜日

スポーツと五輪

 ゴルフのマスターズ・トーナメントで日本の松山英樹選手が優勝を果たした。日本人としてもアジア人としても初めてのことでお目出度い限りだ。ゴルフ人口が減ってきたとして道具メーカーなどが嘆いていたようだが、これで少しは元気づけられることだろう。最近の事情は知らぬが、ひところ小学生などのアンケートで将来なりたい職業を尋ねると、プロ野球やプロサッカーの選手が上位にランクされていた時期があった。

プロスポーツの選手で世界一流になればとてつもないお金が稼げる時代だから、それは当然かも知れぬ。ただ古い時代の感覚しか持ち合わせない年寄からすると、大した勉強もしない多くの子供がノーベル賞に憧れを持つような気がしないでもない。それはともかく、子供の頃を思うとオリンピック競技ではアマチュア資格が厳しく問われていた時があったはずだ。それがいつの間にかプロ選手も参加できるようになって、一層興味深く感じる人もいるだろうし、そうでない人もいるはず。

もともと運動神経に欠け、スポーツ観戦にも大した興味がないので偉そうには言えないが、オリンピック精神なるものがあるとすれば、現在のそれは創始者クーベルタン男爵の描いたものと大分違うものになっているように思う。平たく言ってしまえば、現在のオリンピックは世界的興行師が主催する壮大なサーカスに過ぎない。今度の東京オリンピックに関して言えば、昔から国を上げてのドーピング問題で有名なロシアが、出場禁止になったことが極めて皮肉。

今や、どこの国でもオリンピック選手養成は国家事業。禁止薬物は使わないまでも、金を注ぎ込んで国家的プロ選手を育て上げているのが現状だろう。要するにアマチュア精神には程遠いことだけは間違いない。プロスポーツ選手の活躍だからと言って、好プレーや劇的入賞で観客の感動が薄まるものではない。今回の松山選手のマスターズ優勝も水泳の池江璃花子選手のリバイバルも全国紙の1面を飾る時代だ。そのことを非難する必要は無かろうが、今年のオリンピック開催だけは頂けない。

平和の祭典であるから、世界各国から大勢の人が集まってこそ意味がある。現在選手派遣をしないと表明しているのは北朝鮮だけだ。追随する国が無いとは断言しにくいだろう。外国からの観客はお断りで、開催の意味が分からなくなった。「オリンピック・パラリンピック開催を断念して、予定したお金は全てコロナ対策に回します。」この一言が言えれば、がっかりする人も多いかも知れぬが、よくぞ決断した、と褒める人も多かろうに。

2021年4月12日月曜日

娘とのハイキング

 昨日はブログ書きを休み、早起きして筑波山のハイキングに出かけた。早朝は少し寒いくらいだったが、幸い終日快晴に恵まれた。実はこの山行は昨年10月の高尾山以来半年ぶりのことになるが、当時も同行してくれた次女との約束だった。次女も週5日の勤めがあって、休日は月によって変わるらしい。たまたま今月は11日が休日になったので行くことにしてあった。つい最近までは毎月山歩きをしていたような気がするが、気がつくと半年ぶりのことになってしまった。

高尾山の次に筑波山に決めた理由の一つに次女の長男、小生からすると孫が筑波大の大学院在学中なので、登山口まで送ってもらえるだろうとの目算があったからだ。予定通り彼が筑波駅まで迎えに出てくれて、すぐ登山口の筑波神社まで送ってくれた。車中半時間ほどだったが、彼に近況を聞くことが出来た。何でも学部時代以上に忙しいらしい。授業もさることながら、研究室では夜中の2時過ぎまで居ることも珍しくないそうだ。

何の研究か知らぬが、指導教官も同じように深夜まで居ることが少なくないとのこと。筑波山には登ったことはないが神社には3回位行ったことがあるとか、年末からは就職活動も始めなきゃならんので気が休まらないとか、等々。就職先は当然IT系の企業を目指しているようだが、未だ明確な社名が出てくる段階ではないようだった。何れにせよ帰りは迎えにいけないのでごめんね、ということで終わった。

東京で娘と同居しているもう一人の孫もいるのだが、娘が誘ったら、どうも彼女とデートの約束があったようで断られてしまったらしい。何れにせよ孫たちも見かけは大人になったが、未だ親が心配せず見守るには至ってないようで、娘はもう暫く頑張って働く必要があるらしい。彼女の折角の休日に同行を求めたのは全くこちらの事情。コロナ以前の一昨年までは、友人や他人が山は危険もあるので独り歩きは避けましょう、と言っても独り歩きの方が気が楽だなんて思っていた。

しかし80歳を超えると、家で寝ていても何が起きるか知れたものではない。そこで見守り人の必要を感じ娘に助けを求めている。昨日も娘がついてきてくれたので無事下山できたが、想像以上にしんどかった。筑波山は4度目になるが、登りも降りも2時間はたっぷり掛かる。時間的には覚悟してたつもりだが、その2時間がこんなに長く感じたのは初めてかも知れぬ。娘にすれば保育園の保母さんか介護士のような気分だったと思う。この先どのくらいハイキングを楽しめるか分からないが、別れ際に昨日履いていた薄っぺらで滑りやすいスニーカーに代わるトレッキングシューズをプレゼントする約束をした。

2021年4月10日土曜日

なげき節

 何も今に始まったことではないが、これほど国民を馬鹿にした話はあるまい。先ず福島第一原発汚染水の海洋放出。これは日本市民はおろか全世界に対する反社会的行為でもある。何故か、汚染水問題は10年以上前からの問題で海洋放出の問題は当初からくすぶっていた。毒性の強いH3Oを7倍のH2Oで薄めて流す装置を作るのに2~3年掛かるそうだが、来週にも正式決定をするとのこと。悪いことをするのを躊躇っていたが結局決行することにしたと宣言しているに等しい。

次も昨日のことだ。ワクチン担当の河野大臣発言「6月中には国民全体のワクチン接種が完了するようになりました。」現在4月10日、6月末までは2ヶ月と20日しか無い。ワクチン接種が開始されたのが丁度2ヶ月前のことだが、今進行しているのは医療従事者への接種がメインで、高齢者への接種がスタートしたとは形ばかりのこと。現在のところ2度めの接種が完了した人数は約45万人と言われている。「盗っ人猛々しい」とか「よくもしらじらと」との表現があるが、どうしてテレビカメラの前でこれを言う必要があったのか、どうしても理解できない。オリンピック参加選手のワクチン接種を優先するとの報道に対し、丸川オリンピック担当相は「そんな事全く検討していません。」全否定しているが、ならば何故この話が持ち上がったのか。

だいぶ前に亡くなった岳父のことだが、大酒飲みの面白い人で、冗談の口癖が「東芝が潰れるようなことがあれば日本も潰れる時だ。」だった。岳父は戦前からの東芝社員で、戦後は土光敏夫社長の全期間を勤め上げた。しかし東芝が実質潰れた2015年には既に亡くなっていた。東芝は国策会社とは言えないかもしらぬが、2011年に一旦潰れて未だに生き延びている東京電力と大差無い。しかし遂に東芝も海外の投資ファンドに身売りすることを真剣に考え始めたようだ。昔のお姫様が女郎になるようなことかもしれない。

きっかけになったのはウェスティングハウス買収で躓いた原発問題だから国策に殉じたとも言える。政府は防衛省関連の発注案件や原発関連情報の保全を如何にするか検討しているようだが、今更そんな事してもしなくても同じこと。もう日本は落ちるところまで落ちている。いくら身繕いしようとホームレスと同じだ。日本は国内的にはお上が国民に対して隠し事を懸命にするが、国際的には透明のトランプを持たされてババ抜きゲームを強要されているかのようだ。

北朝鮮がオリンピックに選手派遣を取りやめたのは彼の国独特の政治判断として日本は気にしない風情だが、同様の意思決定をする国が出現しないと判断するのは難しい。来週の首相訪米でアメリカが来年の北京冬季オリンピックのボイコットについて日本に同調を求めない保証はない。何もかもお先真っ暗じゃないか。

2021年4月9日金曜日

官僚よ、誇りを持て

 国の行政組織は複雑で、霞が関に置かれている省庁の他に一般からは分かりにくい様々な機関が存在して行政の実務を担っていることは、長いこと役所の仕事に関わってきたので知っている。その一つに独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA;Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)があることを初めて知った。余談になるが、日本は公務員数の人口比が世界水準と比較して少ないと言われるが、このような準公務員扱いとなっている組織の要員をカウントすると膨大な人数を税金で養っていることが分かる。霞が関の高級官僚はこのような組織で終身雇用が保証されている。

PMDAを知ったわけは、今回のワクチン騒動からである。外国で使用が許可されている薬品や治療法であっても、国内で改めて製造方法を確認したり治験を実施しないと使用が承認されないそうだ。これに特に異を唱えるつもりはないが、多くの国で使用許可されている薬品なんかが許可されない理由については少し疑問を感じているところも無いわけではない。兎も角、その審査を担うのがこのPMDAだった。

この組織の大きさのほどは知らぬが、専門委員だけで千人を越しているから、相当な組織なんだろう。ここが先程、現下世界で問題化しているアストゼネカ製ワクチンの反応問題(脳血栓症誘発の可能性)について、「日本ですでに承認済みのワクチンの開発企業が、それと同じか類似した製造、管理方法で、変異株にも対応できるワクチンを製造する場合を想定している。外国の臨床試験(治験)のデータなどがあれば国内治験は必要としない。」

少し分かりにくいかもしれぬが、コロナワクチンは粗製乱造とは言わぬが、どこの国でもここ1年以内に開発されたもので、いわゆる治験も1年以上行われたものはないと思う。ましてや対抗するウィルスは千変万化の厄介者だから、どこまで効果があるのか誰にも分からない。製薬メーカー側も連日必死に対応を変えているだろう。日頃愛用している風邪薬の「改元」みたいに親の代から飲み続けているが大差無いなんて代物とは大違いの筈だ。

政府も今更勿体ぶって日本独自の審査なんて言っていられなくなった訳だ。このようにチョット恥ずかしいことを表明するには独立行政法人なんて一般には意味不明な組織は都合が良い。水面下に隠れた部分を持つ巨大官僚組織についての賛否は小生には難しすぎる。現役時代に随分世話にもなったし、父も元官僚だ。言いたいのは官僚は本来そうだった筈で、誇りを持つべきだ。ところが最近は、馬鹿な政治家に優秀な官僚が取り込まれてしまっている。これが情けない。いっとき上に居ても馬鹿は馬鹿。元文科省次官の前川氏のように面従腹背でやり過ごせば良いだけで、一部の官僚に見られるよう自ら奴隷化する必要はなかろう。

2021年4月8日木曜日

価値判断の基準

 ワクチン後進国の日本では関係ないかも知らぬが、アストラゼネカ社製ワクチンに脳血栓を誘発するとの副反応が発見され、世界各国で一時使用が保留されていた。ところが今週になって欧米の専門家が、コロナウィルス感染症を防ぐメリットに比較すると、この副反応の発症は20万人に一人と比較ならないほど低い。従ってこの使用を止める理由にはなりえない、と発表。それぞれの国が再び使用を開始している。

世の中でアドバンテージの裏にリスクが存在する物事は多い。従って欧米の専門家の判断は正しいと思う。このワクチンの問題は欧米の専門家の判断が一致しているが、他のことで考えると物事の利害得失、軽重に関する判断は非常に難しいものがある。個人的には囲碁のことが真っ先に思い浮かぶ。囲碁は白と黒の碁石を交互に好きなところに置いて結果的に囲った地の大きさで勝負が決まる。好きなところと言っても縦横に引かれた線の交差点で、碁盤上には縦19本、横1本の線が引かれているので合計361地点となっている。

どう考えても極めて単純な話で、相手より少しだけ大きそうな場所を見つけるだけなのに、不思議なことにこれがなかなか見つからない。ある時点で大きそうだ確信して石を置いても、次に相手に置かれた予想図で見直すと、こちらのほうが小さくなってしまっていることが頻繁に起きる。対局相手とたった二人で同じ碁盤を上から睨んでいるだけなのに何故だ?この不思議さがどうしても分からない。

囲碁を習い始めた頃指導してくれたプロの先生がよく口にしていた言葉「ここは銀座4丁目の1等地、ここは大事にしなさい」なんてことも、最近は通用しないようなので忘れるようにしているが、一旦刷り込まれたことは忘れようにもなかなか忘れられるものではない。ダイヤモンドや金塊にしても同じだと思う。ある日気がついたら、ただの石ころと何の価値も感じない金物じゃないかなんてことにもなりかねない。昔ジム通いしていた頃、女房にさんざ笑われたのが「命より健康重視ね」だ。

人それぞれで価値判断の基準は異なるが、多くの人間を指導する立場の人は、判断の基準線を明確にして、今何が一番重要か、大小の判断を間違えず重要なことことから順序良くこなしてもらいたいが、問題が多すぎるからだろうか、どうもそこがはっきりしない。内閣府なる役所は国の重要課題を優先的に処理する役所のようだが、この役所が大きくなりすぎていることが心配だ。宝石箱の筈が子供のビー玉入れに思えてくる。