2013年3月29日金曜日

キリギリス・シルバーエイジの侘しさ

仕事をしていれば年度末は何かと忙しくするのだろうが、仕事も無いので何となく張り合いが無い。年度末も新年度も関係なく、淡々と1日が過ぎていくとはこういうことかと一抹の寂しさが湧いてくる。仕事をしている時は、遊ぶ時間が欲しくて休日があんなに待ち遠しかったのに、時間が出来て好きなだけ遊べるようになると、特にしたい事が無い。これは困ったことである。
現役を退いてから大学に入学し直して、かねて関心を持っていた郷土の歴史を学び、卒論まで仕上げた友人もいる。

放送大学の口座を熱心に薦めてくれる友人もいる。歴史の研究にしても、不得意であった科学分野を改めて勉強するのもそれなりに面白そうだし、興味が全く無いわけではないが、今更新しい知識を吸収するのも面倒だし。過去半年ほどはネット囲碁を毎日のようにしてみたが、こんなことを毎日続けてどうするのだとの反省もある。時間が潰れればいいと言うものでもなかろう。かといってガードマンとか列車の清掃とかシルバー向けの仕事も沢山あるだろうが、そんなことにチャレンジするほどの意欲も無い。

人生を意欲的に捉えている友人の多くは、60歳代の早いうちに第1ステージのお金稼ぎから第2ステージである趣味への没頭に路線を切り替え楽しくやっている。最近はこれらの友人たちを敬意を以て眺めるのみで、自分としては何をしていいか判断つかない中途半端な今日この頃である。反省してみると、第1ステージできちんと経済基盤を築くことが出来なかった。キリギリスの喩えで、今後の経済基盤を年金に頼らざるを得なくなった報いだろう。

二つ目としては、若い頃から遊びについても中途半端なことばかりで、本当の趣味らしいものを何も身に付けることが出来なかったこともあろう。孫たちに「よく遊び、よく学べ」と偉そうに言うが、省みて己を見れば反面教師そのものだと気が付いた。

4 件のコメント:

kiona さんのコメント...

シルバーエイジ固有のわびしさかどうかはわかりませんよ。就職難の若い人も、さまざまな理由で失業している中年も、同様の空しさを抱えていることでしょう。主に男として教育されきた者が味わう気持ちだという気がします。

時間ができても元手がないと大したこともできず、欲望はあっても体にガタがきていたら開放できず。たぶん人生はそんな不条理だらけなのでしょう。

自分のセンチメントだけで書くとしたら、自分があと数十年して、子どもも巣立ち、お金はないが時間ができたとしたら・・ 自分は高校生の頃に行ったサンフランシスコやバークレーをもう一度訪ね、絞りたてのオレンジジュースを飲みたい。漠然とそんなことを思いました。

あれ以降、輸入のサンキストオレンジはまるで違う味だったし、あれを味わったことがありません。今でもカリフォルニアの空の下ではあのオレンジジュースが飲めるのだろうか・・

senkawa爺 さんのコメント...

kionaさん
コメントありがとうございます。
貴兄は未だこれからですよ。数十年経つうちにはいろんな新しい発見もあるでしょう。「お楽しみはこれからです。」

トパーズ さんのコメント...

ご無沙汰しておりました。お元気でお過ごしでしたか?
サンデー毎日は、私も同じなので、お気持ちよくわかります。
私は、現職中は、本職の他に、週末は日本語学校の教師をしており、
2足の草鞋を30年続けましたので、趣味を楽しむ時間は、殆どありませんでした。63歳で早期退職を致しましたが、1年間は、体や頭が生活リズムに
慣れず、朝は6時に眼が覚めていつも緊張していました。
2年目に入り、漸く落ち着きました。
その後、やっと気に入った趣味を見つけ、目下没頭しています。
脳トレのためにも、いいようで、ボケ防止に最適かなと自己満足しています。

senkawa爺 さんのコメント...

トパーズさん
コメントをありがとうございます。
久し振りに作品を拝見しました。
益々冴えていますね。