2013年3月28日木曜日

本物であってほしいアベノミクス

長女の婿殿の勤務先が1部上場の半導体大手ルネサスエレクトロニクス。小生には難しいことは分からないが、立派な会社だと思う。婿殿は理系でもともとNECに在籍していたマイコンディザイナー、半導体業界再編に伴い自動的に新会社のルネサスに移籍となった。今日の報道では、ルネサスは今年夏の賞与はゼロで、昨年7月から実施している月給の7.5%削減についても、4月から1年間延長する、と出ている。娘は昨日も孫を連れて我が家に来てくれていたが、婿殿の収入に関しては一言も話には出さず、機嫌よく昼からビールを飲んでいた。

しかし、娘には何も言わないのだろうが、婿殿の心中は察するに余りある。能天気な娘に心配を掛けまいと遣り繰りをしながら、自らの小遣を減らし続けているに違いない。内容は詳らかでないがアベノミクスとやらで日本中の景気が良くなり、そこそこの企業は夏のボーナスを弾むと報道されても、非常に限定的な話であろうとは思っていたが。身内にこんな窮状に追いやられている者がいると、本当にこの政策の延長上に日本の幸せが来るのかどうか心配になってくる。

同時にこれも今日のニュースで知ったが、2040年には我が国の高齢化率(65歳以上の人口比率)が30%を超すだろうとのことである。これからは労働生産年齢、いわゆる働き手がどんどん減り、年金に頼らざるを得ない老人が急速に増えていくことは明々白々なわけである。道路を作り続けても車に乗る人口が減ってくることは決まっている。なのに「国土強靭化のために公共投資を増やし、一方でマネーを供給して流動性を高める。」政策が、本当に必要なことなのか、或いは狙い通り広く国民に恩恵をもたらす効果が出るのだろうか?疑問が湧いてくるばかりである。

日銀新総裁が言う2年後になって例え効果が上がらなくても、ズルズルとお金を刷り続けて3年後なり4年後に効果が出始めれば良しとしよう。しかし逆に財政赤字などのマイナス効果で、国力がますます低下するなんて事態になったらどうするつもりだろうか。政権は選挙で信を問うのが責任の取り方だと澄ましておられる。柔道連盟の幹部が責任を問われて、取り敢えずは第3者委員会にお任せとしている、と逃げるのとは訳が違う。極端に言えば柔道連盟のことなんかこちらには全く関係ない。

アベノミクスは訳が分からなくても、デフレ退治なるものが出来なくても、我が身内たちの生活にも直接良い影響を及ぼしてくれそうなので大いに期待しているのだ。是非期待を裏切らないでほしい。

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