2012年11月2日金曜日

選択肢

昨夜は未だに現役で活躍を続けている友人にご馳走になった。数年前に食道癌が見つかって、治療しながらの現役50年は敬服に値する。老人の会話の例に洩れず病気の話が多かったが、友人は話しながら熱燗をぐいぐいと飲んでいた。ひょっとするとこちらの飲酒量より彼の方が多かったかもしれない。同じ病を背負ながら元気に復活して活躍している鳥越俊太郎氏や中西礼氏のことに話が及ぶと、流石に彼等は酒はやめているようだとのこと。

てな話で、我が方も前立腺の腫瘍マーカーが上がる一方なので、医師から2度目の生体検査を薦められていると話すと「もうこの年になったら止めておいた方がいいと思うよ。あと何年も生きる予定でもしていれば別だが、結局は何かで死ぬわけだから。医薬品の進歩発達で我々が幼い頃と比べると、実に沢山の病が克服され容易に死に至らなくなり、結局残ったのが「癌」なんだから。年を取っているから進行も遅い筈だし、無理して抵抗するのは考え物だぜ。」

癌予防には早期発見が大切と言われるが、年齢を考えると自覚症状が無い癌を早期発見することが善いのか、そうでないのか。彼が言うには、食道癌は場所的に比較的発見し難く、転移の可能性が高いのが特徴らしい。転移はどこに飛ぶか分からないので彼も3か月に1回検診を続けている。一度放射線治療もトライしたが体力的ダメージが厳しいので2度と放射線治療はしないと決めている。要するにあまり無理な抵抗をせず、生活に過度な制約を課さずに残る人生を楽しむつもりのようだ。

確かに今更自分に過度の制約を課しても仕方ないかもしれない。既に禁煙は遥か昔、飲酒も程々、栄養補給と運動に休養のバランスにはそこそこ気を付けている。この上更に生体検査が本当に必要なのだろうか?彼が言うことは確かに一理ある。彼とはこの数年1年に1度くらいしか会わない。最後の燗を注文する時「俺ら、あと何回会えるかなぁ。」なんて急に言いだした。「互いに80歳が8年先だからあと8回はゴチになりたいぜ。」と返して互いに笑ってしまった。

昔から度胸のいい男だったが相変わらずであった。

2 件のコメント:

chisoku さんのコメント...

おはようございます  ご無沙汰しております

私も、5人の友と毎年、宿泊で語ります。 やはり、この種の話題は毎回です。
人それぞれでしょうが、私も・・・過度の制約や生体検査を課さずに、残る人生を楽しむ・・・の考えが善いかなと思っています。
なお、爺様に触発されて、今朝、この内容で私のブログにもアップしたところです。
お互い、程々に制約して楽しい人生としたいですネ!

senkawa爺 さんのコメント...

chisokuさん
コメントをありがとうございます。
それにこちらこそご無沙汰して失礼しています。
いろいろな考え方があると思いますが、残り少ない時間でしょうから出来るだけ自由で快適に過ごしたいものです。
そう上手く行くかが問題でしょうけど。