2018年1月19日金曜日

新しい気持ちで

あれから3週間、生活のステージが大きく変わり、まだ落ち着いたとは言い難いがブログを書く気持ちになった。

「人間諦めが肝心」はよく妻が口にしていた言葉だ。私もいつも全く同感だった。しかし妻が先月28日に突然世を去ったことは簡単に諦めきれない思いがあった。だが考えれば、こればかりは永遠に取り返しのつかないことである。いつまでもグジグジするのは我が家の家憲に反すると思い、頑張って身の回りの整理を進めている。娘たちから見るとこの態度が気に入らぬようだ。大分文句を言われたが、幸か不幸か娘たちにも大事な家族がいて、それぞれ忙しい事情を抱えている。そう頻繁に親父のところに顔を出すわけにはいかない。

かくして我が家は豊島区の未来を象徴するような完全な独居家庭となった。昨年までは何をするにも麻生太郎氏ではないが副総理兼財務大臣の妻に相談してきたが、今はすべて自分が判断して且実行しなければならない。これは結構きつい。家事万端と言うが、意思決定にしても実行にしてもこんなに多いとは夢にも思わなかった。専業主婦とは女性にとっての憧れの永久就職先なんてとんでもない。サラリーマンの方がよほど気楽だろう。パラサイトドーターが増える理由がよく分かった。

同年輩の友人は少なからずいるにはいるが、家庭問題で相談に乗ってもらえそうな人間は簡単には見つからない。故に一人で相当頭の体操を繰り返さなければならない。若い時から様々な人・家庭・葬式などを見たりしてきたが、自分の知っている世間なんぞ狭いものだ。出した結論が世の中に通用していくかどうかは分からないが、自分で決めた道だからそのまま進む以外あるまい。

今日は妻が応援していた区会議員が夫人同伴で2度目の弔問に来てくれた。2度目の弔問に来てくれたのは彼が初めてである。なんでも、彼がある政治家の秘書になりたての頃に我が妻がこう言ったらしい。「あなた政治家になりたいのでしょう。頑張りなさい、私が後援会員第1号になってあげる。」

間もなく彼も区会議員に立候補することになり、妻も言っていた通りになったそうだ。このことは奥さんも十分承知で、妻の料理が美味かったことを思い出として話してくれた。去る者日々に疎しで、葬式で涙してくれた近所の人たちも普通のご近所付き合いに戻っているし、旦那方は知らぬ顔の半兵衛が殆ど。そんな中で少し離れた場所に住んでいる議員が夫人を同伴して2度目の弔問をしてくれたことは少し驚きだ。確かに彼の選挙区内だから有権者には違いないが、彼の行動は年寄りの1票を当て込んだものでないことだけははっきり分かる。

4 件のコメント:

山猫軒 さんのコメント...

ブログを書く元気が出てきたようですね。おっしゃる通り、家事は簡単ではありません。飯を食うためには買い物をし、それを調理し、後片付し、キッチンを掃除しなければなりません。世の亭主たちはそれを理解できていませんね。幸いにして私はそれを出来たので今も一人で暮らしています。ゆっくり一人の生活に慣れるしかありませんね。落ち着いたら連絡ください。

gionbayashi さんのコメント...

お元気になられて本当に良かったでした。明るい気持ちで過ごしましょう。

kenkaba164 さんのコメント...

家事一切はそう簡単ではないものだと私にも判ります。

私の妻は今は闘病中で、外出はままならぬのですが、ブログをずっと拝見させて頂いていて
どうも生活振る舞いは貴方の亡くなられた奥様と似ているような気がします。
漢方でいう「実症」に当たります。

しかし、お早い決断になられて、これは良かったです。
なにしろお体に留意され、元のペースを取り戻しましょう。

匿名 さんのコメント...

同じ長野県出身の64歳主婦です。 ひょんなことからこちらにちょくちょくお邪魔するようになりここ数ヶ月は毎日のようにブログチェックしておりました。政治関連の内容には共感できるものも多く、また何故か文章にも心ひかれ、奥様を婆さんと呼んでいらっしゃることも微笑ましく仲睦まじいご夫婦と感心していたのですが… 突然のことに心中お察し申し上げます。昨年末私の古くからの友人のご主人が急逝され彼女のこれからを考えて心が沈んでいた矢先お目にかかったことがないとは言えブログを読んで親近感を感じていた方が又お連れ合いを亡くされたことでこの世の無常を強く感じた次第です。我が夫は私と同い年ですが家の事は全て私任せ、私達より年配のブログ主のご家庭も奥様が全てなさっていらしたでしょうからいざご自分でとなると本当にご苦労が多いことでしょう。でも思いの外ブログ再開が早く安堵いたしました。何かをしようと思われることが大切だと思います。幸いにも娘さんがいらっしゃるようですからアドバイスをいただきながら少しずつ挑戦されるのがよろしいかと。そして余裕ができましたら時々でもブログアップをしてくださるよう期待しています。どうぞお体大切に…