2014年10月4日土曜日

アベノミクス「5つの誤算」

昨日衆議院の予算員会が開かれたのに、テレビの報道からはどんな討論があったのか皆目わからない。今朝の新聞を読んでも、野党から経済を含む内政から外交に至るまで、野党からは万般の質問が出されたが、政権側は何ら痛痒を感じていないかの如く、質問者の名前と内容、対する回答がごく簡単に書かれているだけで、報道関係者にとってはコメントするに値しないかのような扱いになっている。

現政権の看板政策、アベノミクスと称する経済政策があまり順調でないらしいことは何となく肌身にも感じているが、御岳山の事故のお陰かどうか、何れにしても報道の取り上げ方に疑問を感じざるを得ない。そこで、今日は野党の先陣を務めた前原誠司氏の質問を最初から終りまで約50分じっくり聞いてみた。http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=44162&media_type=
前原氏は先ず「『アベノミクスがうまくいっている』というが、『5つの誤算』が出てきているのではないか」と指摘。

「5つの誤算」とは、(1)輸出が伸びていない(2)量的緩和で金利を下げたにもかかわらず、法人向けの貸出しが伸びず、企業の内部留保が積み上がっている(3)名目賃金は上がっているが、実質賃金や実質可処分所得は減少している(4)物価上昇は「悪いインフレ(=コストプッシュ型インフレ)」になっている(5)財政出動による公共事業の増大が、かえって人手不足や入札不調を招き、震災復興などに悪影響を及ぼしている――ことだと説明。

何れも事実に基づく根拠が示されているので、成程そう言う事かと非常に分かりやすい。特に(1)の輸出については昨年4月の党首討論で、安倍総理は13年度は4.6兆円、今年度末には8兆円プラスになると胸を張ったらしい。ところが円安がこれだけ進行しているのに輸出が伸びていないのは既に報道にもあるが、昨年度の黒字は8千億円で今年度は上期で既に5千億円の赤字になっている。要するに前原氏指摘の通り輸出は伸びていないらしい。

以下(5)迄データの事実を突き付けられ、総理以下が「いや~参りました。ごめん、ごめん。」とはならないのが国会である。事実関係の確認を求められると質問をはぐらかす回答が難しい。違う数字を持ち出して強弁することになる。何としても異次元の金融緩和や財政状況を無視した財政出動によるアベノミクスの失敗を認める訳にはいかないらしい。多くの国民にとっては迷惑な話だが、マスコミは庶民の立場に立っていないことがよく分かった。

アベノミクスのお陰で景気の好循環がずうっと継続しているとの強弁の中で、財務省が持ち出したらしいが最近よく使われる新しい単語に「総雇用者所得」があって、案の定総理も使っていた。要するに、雇用の改善で奥さんがパートに出れば家庭の所得は増えるが、二人分の所得を2で割るので一人あたりの所得は減る。野党はそれを理解していないとの論法である。確かに昨年度の雇用者数は全国で47万人増えているが、正規雇用が46万人減って、非正規が93万人増えている。非正規雇用が増える一方の社会でハッピーな家庭が増えるとは俄かに信じがたい。

前原氏の質問にもあったが、非正規雇用で結婚できない若者が増えているのも実態ではないだろうか。もう一つどうしても納得できないのが、株価と景気好循環の関連について、総理は飽く迄も資産効果が上がって消費拡大に結び付くことに飽く迄固執するが、どうすればこれを信じられるか分からない。前原氏の歯切れ良さに比べると総理は発音が悪い上に、言っていることに無理があるので余計みっともない。これで総理が勤まるのだから平和な日本かもしれぬ。

4 件のコメント:

中chan さんのコメント...

民主党・前原元外務大臣:「もし消費税を上げないということになったら、
アベノミクスはうまくいってなかったと自ら証明することになりませんか」

この発言で、自民党に取ってアベノミクスの失敗は有り得ないので、
民主党が、火に油を注いだことになり、消費税の増税は決定ですね。

安倍さんは,あらゆる指標、口実を使って、増税を達成するでしょう。

民主党は、嘗てないほど弱体なのに、こんな敵を利する狂言回しの役を
演じてしまい、最悪です。

年金生活者は、踏んだり蹴ったりですね。


ここまで、強力な安倍政権の良い点。または強い理由が一つぐらいは
あるのではないでしょうか。挙げていただければ幸いです。

また民主党・前原元外務大臣の発言などから、弱体な民社党の
株が上がる様な、良い点もありましたら、1点あげて欲しいです。

「私、失敗しないので」(ドクターX)は今年の流行語大賞の
候補になりそうな予感がします。

脚本は好調の中園ミホ氏。
小説などフィクションの存在意義って何でしょうか。??夢??

senkawa爺 さんのコメント...

中chanさん
ご無沙汰しています。コメントをありがとうございます。
物価が上がり続けて我々には本当に踏んだり蹴ったりですね。

安倍政権について良い点は殆ど思いつきませんが、強い理由の一つは巧妙なマスコミ操縦だと思います。しかしその手口もよく分かりませんし、操縦されているマスコミには嫌悪感を覚えています。

民主党についても現状であまり褒めるべきことはありません。しかし基本的理念については共鳴できるところが多々あります。株を上げるために最重要なことは党首の交代ではないでしょうか。

「ドクターX」て何かを知りませんでした。テレビドラマの主人公だそうですね。フィクションはストレス解消にもってこいではないですか。先日も書きましたが、私はテレビドラマは全く見ませんが、つい海外のアクション小説等をを買い込んでしまう時があります。

中Chan さんのコメント...

爺 様

早速、自民党の強い理由の一つは「巧妙なマスコミ操縦だと思います。」を伺えありがとうございました。納得しました。

「マスコミを利用した世論構成」と言い換えれば祖父の代から受け継いだ自民党の伝承業でしょうか。

あえて歴史をさかのぼれば、戦時中の「情報局」(1945年12月31日 廃止)
による巧妙な言論統制の成功。

従ったマスメディアは、いわゆる「マスメディアミの戦争責任」として長く語り継がれていますね。今の時代の「巧妙なマスコミ操縦、世論形成」が戦時中と似てきたと指摘する有識者も。’

民主党の最重要な課題は、「党首の交代」・・・なるほど、ご指摘の通りですね。交代要員が居るか、も、頭の痛いところでしょうか。

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貴殿(爺)が常々引用される、見え隠れする{米からの圧力」が底辺にあるのですね。

勉強不足ですが、WEBで「戦後史の正体―1945‐2012」孫崎 享【著】を見つけました。

釈迦に説法ですが、内容説明があります。
「元外務省・国際情報局長が最大のタブー「米国からの圧力」を軸に、戦後70年を読み解く。」
http://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784422300511
中学生にもわかりやすく平易に書かれているそうで、生涯学習の友にもなりそう。

つづく

中Chan さんのコメント...

・・娯楽談義・・・・・・・・・

「ドクターX?外科医・大門未知子?」、主演米倉涼子、ですが二年前から第1期、第2期と
視聴率をアップし、今回は第3期シリーズです。

明日(毎週木曜日)午後9時から始まります。
キーワード「私失敗しないので」
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第1期は2012年10月18日から12月13日まで放送。
第2期は2013年10月17日から12月19日まで放送。

第3期は★2014年10月9日から放送予定。
(午後9時、21:00~21:54)
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http://www.youtube.com/watch?v=co27ANdilhE
Superfly - Force
1,983,656 第1期主題歌
http://www.youtube.com/watch?v=HIEdkeWZwQM
Superfly - Bi-Li-Li Emotion (ビリリエモーション)
2,518,652 第2期主題歌
http://www.youtube.com/watch?v=AtTAYFrorsg
Superfly 『愛をからだに吹き込んで (ショートver.) 』
14,336
2014年「ドクターX~外科医・大門未知子~」第3期主題歌

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昨夜から、三人の日本人によるノーベル物理学賞受賞の報道、誠におめでたいことです。

ノーベル賞を取るレベルになると、今回の研究も、失敗の連続と、機械の故障を跳ね除け、
逆に良い結果を導いたと伺うと、正に「失敗や偶発こそ発明発見の母」なんですね。

新作TVドラマのカッコイイ啖呵・・「私失敗しないので!」が、絵空事に思えてきます。