2014年10月5日日曜日

冗談??野中広務氏の発言

3ヵ月もの間政治的には全くの空白期間があって、やっと臨時国会が開催され、先週末には予算委員会が始まった。ところが安倍政権は所信表明からして、目下の最大重要課題とされる集団的自衛権に関する憲法解釈変更問題については、完全に知らぬ顔の半兵衛さんを決め込んでいる。法案準備が間に合わないのでと言いながら、一方ではアメリカと実務的な日米防衛協力指針の見直しに着手して、着々と新しい集団的自衛方針に則ったものを既成事実化しつつある。

従来の指針では自衛隊が出動できる範囲を周辺事態と言う概念で歯止めをかけていたが、今回の見直しで周辺事態の概念自体を削除することなった。しかもこの見直しの中間報告が今週8日に外務防衛次官会議で取りまとめられ、同日発表の予定とのこと。この異常な現実に野党が国会で突っ込まないのもおかしいが、韓国がいち早く反応して懸念を表明した。そこで更に異常な事態になっている。アメリカの国防次官補が8日以前に韓国を訪問して、日本での発表前に見直し内容を説明する訳である。

日本の防衛政策を、日本政府が国民に知らせる前に、韓国世論に配慮しアメリカの担当者がて事前に韓国政府に説明するというのだ。これを異常と言わずしてどうする。全くもって国会や野党ばかりでなく、国民軽視にも程が有ろう。心底怒りが湧いてきたところに、今朝のTBS「時事放談」に出演した野中広務氏が凄い発言をした。司会者の「次期総選挙はいつごろと予測されますか?」の問いかけに答えて「難しい問題を全て先送りして、ズバリ今年の11月ですね。」

冗談で言ったのかどうか、司会の御厨貴氏や同席した子分格の古賀誠氏もさすがに唖然とした表情を笑でごまかした感じだった。古賀氏は常識的に考えれば来年11月頃だろうとのこと。昨日昼前にテレビ東京の番組に出演した民主党副代表岡田克也氏は来年7月か8月頃と言う。その来年の夏との前提でも、民主党の準備体制は全然遅れていると、司会の田勢康弘氏に指摘されるくらいだ。選挙は敵が一番困る時にぶつけるのが常道とされているそうだ。

いくら安倍氏でも経済指標も悪化し始めているし、株価や支持率の見通しが定かでないので、年内解散をする筈は無いと大多数が思っているとすれば、野中氏の予想もまんざら冗談では済まぬかもしれぬ。臨時国会末まで株価や支持率が改善されなければ、その先1年待ってもその傾向が逆転する可能性は低いだろう。ならば、「都合の悪いことは一切先送りして、敵の体制が全く不備のうちに」には妙な説得力があった。

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