2026年6月3日水曜日

読後感「ネヴァー」ケン・フォレット著 戸田裕之訳

季節外れの台風で外出が出来ないので終日座り込んで読書三昧。先月27日に区の図書館から借りて、10日が返却期限になっている本書を読破した。著者の本は昔何冊が読んだ記憶があるが、構想が大きく読み応えがある。本書も3分割の文庫本だから1週間程度で読み切れたのは台風のお陰とも言える。

本書の主人公は女性のアメリカ大統領で、準主役にアメリカやフランスの情報局員即ちスパイが配されて面白い読み物になっている。物語の始まりは北アフリカのチャド。こんな国があることすら知らなかった。だいたい小説はハッピーエンドに終わるとしたものだが、本書の最後は北朝鮮の内乱から始まって、世界が核戦争に巻き込まれる筋書きなので、余りハッピーとは言い難い。

ただハッピーなのは登場する男女数組。国籍や職業を超えて最後は結ばれること。主人公であるアメリカの大統領ですらファースト・ジェントルマンとの間に娘がありながら補佐官の男性に懸想したり、夫君も娘の学校の校長とくっついたりするのだから小生には少し理解が難しかった。しかし著者が世界情勢(日本での初版が2021年12月だから、著者の本国イギリスでは脱稿が更に一年前としても)と現代まで繋がる世界的危機をよく取り込んでいると思う。

最終的には核戦争がテーマとなり、少数とは言え北朝鮮が核を保有したことを取り込んではいるが、ロシアが埒外に置かれていることが、現実からすると少し残念。彼の国はやはり取材が難しいのだろう。 

0 件のコメント: