2025年6月28日土曜日

もう時効か?

 日本は昔から官僚国家だ。近代では、時に軍部に押され官僚の良さが失われかけた時もあったが、多くの官僚たちの努力で国の形が守られて今日に至ったと思っている。しかしここ10年かそこらだと思うが、その形が崩れかかって恐るべき危機に直面しているように思えてならない。たまたま今週ブログを2日休んでいる間に公開された森友事件に関する財務省の文書問題。まだ完全とは言えぬが、これまで無いとされてきた約9千ページもの文書が公開された。

旧軍部は敗戦処理に当たり、占領軍が進駐してくる前に内部文書をできるだけ多く焼却処分したことはよく知られている。恐らくいかなる裁判でも公式文書の証拠能力はいので、公式文書で戦時中の国際的違法行為が明らかになることを嫌ったに違いあるまい。小生も現役時代に霞が関の幾つもの役所と付き合いが有ったので、官僚諸氏の文書に対する几帳面さはよく知っている。地下の倉庫に行けば、そこには数々の過去の意思決定経過がを引き出すことが出来るのだ。

今回公開された森友事件関係文書は正にそれで、事件の経過は隠しきれない。事件発生当初からこの事件は、安倍首相が絡む大きな政治事件であることは大勢の人が感じていたと思う。事実もその通りで、当時の財務本省の高級官僚たちは安倍氏サイドから依頼があったかどうかは別だ。勝手に忖度したのかもしれぬ。兎に角事実を覆い隠すべく公文書改ざんを含め様々な工作を行った。

しかし財務省職員の全員が同じだったのではない。近畿財務局の赤城敏夫氏のように公文書改ざんに関わることを気に病んで自殺までしてしまった人もいる。しかし、多くの官僚たちが、上位者の意向に沿っていれば何れ自分の出世になるだろうとのことで大きな犯罪に手を染めていたことがこの文書公開でほぼ明らかになった。財務省の広報は赤城氏の死に対し反省らしきこと言ったりしてるが、犯罪に手を染めた当事者たちを、もう時効でよいだろうと何もせず野放しにする神経は許し難い。

司法より寧ろマスコミの責任でもあろう。

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