東京は梅雨にはなっていないが、梅雨晴れとも言えそうな爽やかな天気になった。先週の週末には体調が著しく悪かったので、先週の日曜日から水泳の時間をまた短縮した。1年ほど前迄は30分強くらい掛けて千メートル泳いでいたが、ある時、少しきついなと思って800mに短縮してみた。時間的には25分くらいだろう。それを先週から更に落として、600~650m時間的には20分にしてしまった。
少し情けない気もするが、無理をするより善いだろうと自らを慰めている。お陰で身体が少し軽いと言うか、大分楽な感じがする。でも体のことに関して言うと、頭が膨れると表現すべきか顔がむくんでいるのだろう。眼鏡が妙にきつくなって、プールの帰りに眼鏡屋で調整してもらった。これまで幅が142ミリだったそうだが、150ミリまで拡大してくれたそうだ。これは間違いなくホルモン治療の副作用だと勝手に思い込んでいる。
自分で見ても何となく顔が膨らんで丸くなっているようで気になって仕方ない。それに先週水曜日に昼酒をやったせいか、体重も一昨日の計量では1キロ程増えていた。今日は少し減ったようだが、1キロの減量が容易でないことを経験上知っている。今更こんなチマチマしたことを気にしても仕方がないと思うが、嫌な性格だ。
最近TPPの話を聞かないが、現在でも大量に輸入されている米国産の牛肉や豚肉はおかしなホルモン剤と薬品を大量に与えられて育つのだそうだ。日本人はホルモン剤に関しては余り神経質ではないらしい。しかしこのホルモン剤や薬品を投与された肉はEUには輸出できず、我が国向けの特別仕様らしい。婆さんはそう言う事を嫌って、食品の原産地を細かにチェックして調達した材料で食事を用意してくれているのにである。
その食事を有難がって食っている本人が、4週間おきの注射と毎日飲用する丸薬で、訳のわからぬホルモン(医師からは男性ホルモンを抑制するとので肉体的には多少女性化するために、副作用は云々と説明はきちんと受けてはいるが)を大量に摂取しているのだから、身体の形体や調子が少々おかしくなるのはやむを得ないのだろう。昼飯で安い輸入畜肉を大量消費しても、もうあまり関係ないかもしれぬ。なんて変なことを考えてしまった。
2015年6月7日日曜日
2015年6月6日土曜日
驕れる者
先日の衆議院憲法調査会における参考人憲法学者3人の発言で、来週以降の国会も面白くなりそうだ。昔から「驕れる者久しからず」と言われるが、政権与党は確かに驕っていたのは間違いない。一方でこれも似たようなことじゃないかと思うことが野党にも見られる。今朝の報道では、このところ安保法制特別委員会でも大活躍していた民主党の後藤祐一氏が大トラ騒動を起こしたようだ。何でも2日晩くと言うか3日早朝3時頃のことらしい。
酒に酔って港区の青山仮議員宿舎前の路上で騒ぎを起こしていた。タクシーで宿舎に帰宅した際、車から降りるのを拒んで騒いだり、宿舎の門扉を乗り越えようとしたという。間もなく現場には十数人の警官が駆けつける騒ぎに発展したとのこと。高木義明国対委員長が口頭で厳重注意したほか、別の党幹部が今後1年間、禁酒を指示した。と報ぜられている。
彼は予算委員会で下村文科相を追求するのが格好良くて、今年に入って覚えた議員だ。経歴を調べると東大から経産省経由で衆議院議員に転じている。似たような経歴の人を何人か知っているが、皆酒が強くて自信家で、おまけにカラオケが得意と言うところが共通点でもある。後藤氏も同様であるかは分からないが、あの眼光の鋭さからすると、同じかもしれぬ。安保法制特別委員会でも同じ調子で政府を厳しく追及していたので、少し期待をもって見守っていたのにである。
まさか誰かに一服盛られたわけでもあるまいに、人間少し調子が良くなると、どうしても驕りとまでは行かなくても気の緩みが出て来るものだ。国会議員の皆さんは、大いに気を引き締めて後半国会に臨んでほしい。
驕り序でにもう1件追加しておこう。今朝の読売テレビ『ウェークアップ!ぷらす』である。出かける時刻との関係で前半30~40分程度しか視聴できないが、憲法調査会の扱いに興味があった。当然まともに扱う筈がないだろうが、さりとて無視はできぬだろうと話していたところだった。案の定、2番目か3番目に軽く扱ったが、コメンテーターの意見が面白い。
先ず定番の橋本五郎読売新聞特別編集委員がしたり顔で「自民党の先生は朝日新聞を読んでいないようだ。朝日を読んでいれば長谷部氏が安倍政権に対して批判的であることは直ぐに分かる。」続いて女性コメンテータ伊藤聡子氏(元どこかのアナウサーだったかな) 「国会ではもっと多様な議論が出るようにしてほしいものですね。」と結ぶ。幾ら政権寄りメディアにしても、3人の学者が同じ意見を述べたことについての重要性の無視は、少し芸が無さすぎるような気がする。これも一種の驕りかもしれぬ。
酒に酔って港区の青山仮議員宿舎前の路上で騒ぎを起こしていた。タクシーで宿舎に帰宅した際、車から降りるのを拒んで騒いだり、宿舎の門扉を乗り越えようとしたという。間もなく現場には十数人の警官が駆けつける騒ぎに発展したとのこと。高木義明国対委員長が口頭で厳重注意したほか、別の党幹部が今後1年間、禁酒を指示した。と報ぜられている。
彼は予算委員会で下村文科相を追求するのが格好良くて、今年に入って覚えた議員だ。経歴を調べると東大から経産省経由で衆議院議員に転じている。似たような経歴の人を何人か知っているが、皆酒が強くて自信家で、おまけにカラオケが得意と言うところが共通点でもある。後藤氏も同様であるかは分からないが、あの眼光の鋭さからすると、同じかもしれぬ。安保法制特別委員会でも同じ調子で政府を厳しく追及していたので、少し期待をもって見守っていたのにである。
まさか誰かに一服盛られたわけでもあるまいに、人間少し調子が良くなると、どうしても驕りとまでは行かなくても気の緩みが出て来るものだ。国会議員の皆さんは、大いに気を引き締めて後半国会に臨んでほしい。
驕り序でにもう1件追加しておこう。今朝の読売テレビ『ウェークアップ!ぷらす』である。出かける時刻との関係で前半30~40分程度しか視聴できないが、憲法調査会の扱いに興味があった。当然まともに扱う筈がないだろうが、さりとて無視はできぬだろうと話していたところだった。案の定、2番目か3番目に軽く扱ったが、コメンテーターの意見が面白い。
先ず定番の橋本五郎読売新聞特別編集委員がしたり顔で「自民党の先生は朝日新聞を読んでいないようだ。朝日を読んでいれば長谷部氏が安倍政権に対して批判的であることは直ぐに分かる。」続いて女性コメンテータ伊藤聡子氏(元どこかのアナウサーだったかな) 「国会ではもっと多様な議論が出るようにしてほしいものですね。」と結ぶ。幾ら政権寄りメディアにしても、3人の学者が同じ意見を述べたことについての重要性の無視は、少し芸が無さすぎるような気がする。これも一種の驕りかもしれぬ。
2015年6月5日金曜日
政府の屁理屈
昨日友人と昼酒を交わしながら、最近の政治状況からすると、このまま消化試合の様相を呈している政権の思い通りとなって、何れ我が孫は戦場に駆り立てられかねないね。と大いに嘆き交わして帰ってきたものだ。ところが帰宅して夜のニュースを見ると、昨日の国会で大きな地雷が爆発したようである。衆議院の憲法調査会での参考人の発言である。
友人なんぞ「もうニュースを見るのも嫌になった。」と語っていたが、彼もこのニュースで少しは気を取り直してくれるだろう。我が家では婆さんが大喜びで、やはりしばらく観なかった報道番組(但し民放に限る)を観る気になったようだ。こちらも昨日までは退屈で、今日は図書館に行こうか、それとも映画館にでも行こうかと思っていたが、急に居ながらにして映画なんぞより遥かに面白いものを観ることができるようになった。
昨日の衆議院憲法調査会は勿論だが、参議院6月2日の文教科学委員会での蓮舫委員の質問も興味深い。更に今日は衆議院の安保法制特別委員会も開催された。聖徳太子と違って老いぼれ老人とすれば、3本の動画を同時に見ることはできない。仕方がないので、先ず今日の質疑を優先した。幸い前衆議院議長の葬儀とやらで、この委員会午前の質疑は10時半でいったん終了したので、昨日の憲法調査会の方も大分チェックできた。
世論調査などに依れば多くの国民が同じ思いのようだが、今回の安保法制の改定に関しては、先ず「何がなんだかよく分からない」が本音だろう。委員会審議を生で比較的観ている方だと思うが、政府側の説明がいつも同じようなことをぐだぐだ言っているのだが、質問とまともに噛み合わないので意味が全く分からない。極言すれば日本語の答弁とは思えないくらいであった。そこを憲法調査会出席の学者先生が実に明快に説明をしてくれたものだ。
曰く、政府側の政治家は常識に欠けていると仰るのだ。参考人のお一人慶応大学の小林節教授がいみじくも仰っている。「政治家がこんな日本語を使うのは本当に恥ずかしい。たとえ名誉棄損で訴えられても私はこの言を翻しません。」小林教授は野党の推薦の参考人だから当然としても、与党推薦の参考人の先生まで3人口を揃えて「今回の法案の根っこ、昨年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定は明らかな憲法違反」と断じてしまったのだから政権側は慌てたことだろう。
菅官房長官が夕方の記者会見で「憲法に違反しないとする学者も沢山いる。」と強弁していたが、小林節氏が仰るには「日本に憲法学者は200人以上いるだろうが、今回の閣議決定を合憲とする学者は2人か3人だろう。」とのことだ。参考人の意見を聞く当調査会の自民党の親玉船田元氏の顔が何とも言えなかった。参考人を睨みつけてどうするのだ?バカだなぁ。公明党の北側氏が参考人に向かって「私どもは相当慎重に憲法の枠内を検討してきました」と弁明していたが、その中に安保法制懇の提言を受けとの言葉が入っていた。
改めて総理のお友達で編成されたと言われている法制懇のメンバーを確認すると、憲法学者は早稲田大学の出身で駒澤大学教授西修氏一人のみである。恐らくは彼が200人のうちの2人か3人の一人なのだろう。総理閣下には再度政府専用機で米国に赴き、大統領に「どうも約束を守ることが出来なくて御免なさい。」と謝ってきてほしいものだ。
友人なんぞ「もうニュースを見るのも嫌になった。」と語っていたが、彼もこのニュースで少しは気を取り直してくれるだろう。我が家では婆さんが大喜びで、やはりしばらく観なかった報道番組(但し民放に限る)を観る気になったようだ。こちらも昨日までは退屈で、今日は図書館に行こうか、それとも映画館にでも行こうかと思っていたが、急に居ながらにして映画なんぞより遥かに面白いものを観ることができるようになった。
昨日の衆議院憲法調査会は勿論だが、参議院6月2日の文教科学委員会での蓮舫委員の質問も興味深い。更に今日は衆議院の安保法制特別委員会も開催された。聖徳太子と違って老いぼれ老人とすれば、3本の動画を同時に見ることはできない。仕方がないので、先ず今日の質疑を優先した。幸い前衆議院議長の葬儀とやらで、この委員会午前の質疑は10時半でいったん終了したので、昨日の憲法調査会の方も大分チェックできた。
世論調査などに依れば多くの国民が同じ思いのようだが、今回の安保法制の改定に関しては、先ず「何がなんだかよく分からない」が本音だろう。委員会審議を生で比較的観ている方だと思うが、政府側の説明がいつも同じようなことをぐだぐだ言っているのだが、質問とまともに噛み合わないので意味が全く分からない。極言すれば日本語の答弁とは思えないくらいであった。そこを憲法調査会出席の学者先生が実に明快に説明をしてくれたものだ。
曰く、政府側の政治家は常識に欠けていると仰るのだ。参考人のお一人慶応大学の小林節教授がいみじくも仰っている。「政治家がこんな日本語を使うのは本当に恥ずかしい。たとえ名誉棄損で訴えられても私はこの言を翻しません。」小林教授は野党の推薦の参考人だから当然としても、与党推薦の参考人の先生まで3人口を揃えて「今回の法案の根っこ、昨年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定は明らかな憲法違反」と断じてしまったのだから政権側は慌てたことだろう。
菅官房長官が夕方の記者会見で「憲法に違反しないとする学者も沢山いる。」と強弁していたが、小林節氏が仰るには「日本に憲法学者は200人以上いるだろうが、今回の閣議決定を合憲とする学者は2人か3人だろう。」とのことだ。参考人の意見を聞く当調査会の自民党の親玉船田元氏の顔が何とも言えなかった。参考人を睨みつけてどうするのだ?バカだなぁ。公明党の北側氏が参考人に向かって「私どもは相当慎重に憲法の枠内を検討してきました」と弁明していたが、その中に安保法制懇の提言を受けとの言葉が入っていた。
改めて総理のお友達で編成されたと言われている法制懇のメンバーを確認すると、憲法学者は早稲田大学の出身で駒澤大学教授西修氏一人のみである。恐らくは彼が200人のうちの2人か3人の一人なのだろう。総理閣下には再度政府専用機で米国に赴き、大統領に「どうも約束を守ることが出来なくて御免なさい。」と謝ってきてほしいものだ。
2015年6月4日木曜日
NHKさん「しっかりしてくれ」
いつものことながら天皇陛下のお言葉は我が胸にも強く響くものがある。昨日のフィリピン大統領歓迎晩さん会でのお言葉もそうである。陛下が平素どんなご学問をされているか知る由も無いが、自国の歴史すら満足知らない己を恥じるばかりだ。フィリピンの歴史なんぞは全く知らないに等しいのは良しとしても、高山右近が家康によってフィリピンに追放されてマニラで没したとは、恥ずかしいが初めて知った。
他にも先の大戦への反省など、総理閣下も当然同席された筈だから、8月15日に発するとされている談話の多いなる参考にされるが良かろう。と今朝言ったのは婆さんで、晩餐会があったことは知っていたが陛下の歓迎の辞は知らなかった。従ってお言葉の全文を、翌日の今朝になってネットで確認して書いている。婆さんはパソコンはおろか携帯電話すらまともに扱えない。代わりに昼間ずっとテレビをつけっぱなしの筈だ。
それも殆ど民放であるようだ。昔はそれでもニュースなんかNHKを観ていたらしいが、最近はNHKのニュースが肝心のことを言わないので、あまり観ていないとのこと。対するこちらは、19時のNHKニュースを観るのが日課みたいになっている。言われてみると、最近のNHKニュース19時は編成が特におかしい。例えば昨日を例にとると、フィリッピン大統領を迎えての宮中晩さん会の扱いが軽いのは百歩譲って我慢しよう。
中国長江での船舶事故を長々とやって、国内の日本年金機構の個人情報漏えい問題については、終り間際で軽い扱いになっている。ことの軽重からすれば、日本年金機構の個人情報漏えい問題は相当に重要であり、全国民に関わる深刻な問題である。当然トップにすべきでもあり、特にこの秋から実施されるマイナンバー制との関連など言い出したら、番組全体の30分を使っても足りない話かもしれぬ。この問題は社会的事件に留まらず、政治的事件に発展しかねない要素が含まれているとすれば、扱いの軽さに余計意図的な作為を感じてしまう。
ニュースの編成は担当者のセンスにも関係するのだろうし、変だと思う我が家のセンスの方がむしろ偏向していないとも限らない。しかし何故か「しっかりしてくれ。」と言いたくなる。
他にも先の大戦への反省など、総理閣下も当然同席された筈だから、8月15日に発するとされている談話の多いなる参考にされるが良かろう。と今朝言ったのは婆さんで、晩餐会があったことは知っていたが陛下の歓迎の辞は知らなかった。従ってお言葉の全文を、翌日の今朝になってネットで確認して書いている。婆さんはパソコンはおろか携帯電話すらまともに扱えない。代わりに昼間ずっとテレビをつけっぱなしの筈だ。
それも殆ど民放であるようだ。昔はそれでもニュースなんかNHKを観ていたらしいが、最近はNHKのニュースが肝心のことを言わないので、あまり観ていないとのこと。対するこちらは、19時のNHKニュースを観るのが日課みたいになっている。言われてみると、最近のNHKニュース19時は編成が特におかしい。例えば昨日を例にとると、フィリッピン大統領を迎えての宮中晩さん会の扱いが軽いのは百歩譲って我慢しよう。
中国長江での船舶事故を長々とやって、国内の日本年金機構の個人情報漏えい問題については、終り間際で軽い扱いになっている。ことの軽重からすれば、日本年金機構の個人情報漏えい問題は相当に重要であり、全国民に関わる深刻な問題である。当然トップにすべきでもあり、特にこの秋から実施されるマイナンバー制との関連など言い出したら、番組全体の30分を使っても足りない話かもしれぬ。この問題は社会的事件に留まらず、政治的事件に発展しかねない要素が含まれているとすれば、扱いの軽さに余計意図的な作為を感じてしまう。
ニュースの編成は担当者のセンスにも関係するのだろうし、変だと思う我が家のセンスの方がむしろ偏向していないとも限らない。しかし何故か「しっかりしてくれ。」と言いたくなる。
2015年6月3日水曜日
読後感「患者の「危機管理」23のノウハウ 」田島知郎著
書名が長いので後半「―病院で今、起きていること 自分と家族の命を守るために」を割愛している。
著者が高校の2年先輩で、先日同窓会での講演を聞いて非常に興味深かったので、改めて読書に及んだ。後期高齢者ともなると病院通いが頻繁となったり、医師の処方で服用する薬が多くなるのは共通のことだろう。このことが経済的負担を増すことより、治療が適切であるかどうか、健康体回復に向かっているかどうかが遥かに重要であるのも同じだろう。
私も現在定期的に診てもらっている医者が2人いる。一人は掛かり付けの内科医で、基本的には一応何でも相談している。もう一人は大学病院の泌尿器科医で、掛かり付け医からの紹介に依っている。他にも定期的とまでは言えないが、整形外科であったり皮膚科であったり耳鼻咽喉科であったり歯科医もいる。どの医師とも意思疎通は良いと思っているのでさしたる心配はしていないが、大げさに言えば命を預けているのだから医師への関心は高い。
医者通いが多くなっている割には健康保険のお陰で医療費負担はそれほど多くはならない。更に、現在治療中の前立腺癌治療もそうだと信じたいが、日本の医療技術は世界的にも最高水準にあると思っている。
個人的前置きが長くなりすぎて申し訳ない。この本を読むと個人的思いと日本の医療実態はかなり異なり、多くの問題を含んでいることに改めて気づかされる。先ずその第一が日本の医療水準が世界最高の思い込みである。医療水準とは難しい概念かもしれぬが、一般的に医師一人一人の技能として考えた場合、専門医が多い日本の医療体制では総合診療が出来難いのは当然だろうし、必然的に診療機会が少なくなることから医師の医療技術水準の向上は期待し難いようだ。
ある米国企業では、日本駐在社員が急病を発しても極力日本の医療機関に頼ることなく、むしろ韓国での診療を勧めていると知ってはびっくりである。米国の医療制度は民間保険によるカバーが当たり前なので、治療も金次第で最低、といったイメージもあった。しかし、日本の健保制度がより優っているかと言えば、それも違うようだ。米国の健保制度(メディケア)確立を目指すヒラリー・クリントンが日本に健保制度の視察に来て「何ら参考とならなかった。」と言ったそうだ。
何故だろうか、著者は健保制度以前に、医師が経営者にならざる得ない医療制度に問題の根幹があると指摘する。私自身も毎年のようにCTとかMRI検査を受けて何も感じないでいたが、我が国では当たり前のように行われているこれらの検査は勿論、殆どの医院に備え付けられているレントゲン検査についても、本当に必要な時にだけ使われているかと言うことからして、大分問題があるようだ。日本の医療機器保有数は世界水準からすると群を抜いているとのこと。
街の医院がレントゲン1台でも設置すればそれなりのコストが掛かり、その回収を急ぐ心理が働くことは否めないだろう。一事が万事で、医者が経営者になるとどうしても過剰診療が発生せざるを得ない。日本のお医者さんしか知らないので気が付かずにいたが、救急医療に屡問題が発生していることや医療過誤に関すること、入院期間の問題など、本書で指摘されると日本医療制度には問題が多そうだ。
当然行政も絡んでくるので、問題の解決も容易ではなさそうである。しかしお医者さんの世話にならざるを得ない我々としては、知っておいた方が良いことが沢山書いてある。
著者が高校の2年先輩で、先日同窓会での講演を聞いて非常に興味深かったので、改めて読書に及んだ。後期高齢者ともなると病院通いが頻繁となったり、医師の処方で服用する薬が多くなるのは共通のことだろう。このことが経済的負担を増すことより、治療が適切であるかどうか、健康体回復に向かっているかどうかが遥かに重要であるのも同じだろう。
私も現在定期的に診てもらっている医者が2人いる。一人は掛かり付けの内科医で、基本的には一応何でも相談している。もう一人は大学病院の泌尿器科医で、掛かり付け医からの紹介に依っている。他にも定期的とまでは言えないが、整形外科であったり皮膚科であったり耳鼻咽喉科であったり歯科医もいる。どの医師とも意思疎通は良いと思っているのでさしたる心配はしていないが、大げさに言えば命を預けているのだから医師への関心は高い。
医者通いが多くなっている割には健康保険のお陰で医療費負担はそれほど多くはならない。更に、現在治療中の前立腺癌治療もそうだと信じたいが、日本の医療技術は世界的にも最高水準にあると思っている。
個人的前置きが長くなりすぎて申し訳ない。この本を読むと個人的思いと日本の医療実態はかなり異なり、多くの問題を含んでいることに改めて気づかされる。先ずその第一が日本の医療水準が世界最高の思い込みである。医療水準とは難しい概念かもしれぬが、一般的に医師一人一人の技能として考えた場合、専門医が多い日本の医療体制では総合診療が出来難いのは当然だろうし、必然的に診療機会が少なくなることから医師の医療技術水準の向上は期待し難いようだ。
ある米国企業では、日本駐在社員が急病を発しても極力日本の医療機関に頼ることなく、むしろ韓国での診療を勧めていると知ってはびっくりである。米国の医療制度は民間保険によるカバーが当たり前なので、治療も金次第で最低、といったイメージもあった。しかし、日本の健保制度がより優っているかと言えば、それも違うようだ。米国の健保制度(メディケア)確立を目指すヒラリー・クリントンが日本に健保制度の視察に来て「何ら参考とならなかった。」と言ったそうだ。
何故だろうか、著者は健保制度以前に、医師が経営者にならざる得ない医療制度に問題の根幹があると指摘する。私自身も毎年のようにCTとかMRI検査を受けて何も感じないでいたが、我が国では当たり前のように行われているこれらの検査は勿論、殆どの医院に備え付けられているレントゲン検査についても、本当に必要な時にだけ使われているかと言うことからして、大分問題があるようだ。日本の医療機器保有数は世界水準からすると群を抜いているとのこと。
街の医院がレントゲン1台でも設置すればそれなりのコストが掛かり、その回収を急ぐ心理が働くことは否めないだろう。一事が万事で、医者が経営者になるとどうしても過剰診療が発生せざるを得ない。日本のお医者さんしか知らないので気が付かずにいたが、救急医療に屡問題が発生していることや医療過誤に関すること、入院期間の問題など、本書で指摘されると日本医療制度には問題が多そうだ。
当然行政も絡んでくるので、問題の解決も容易ではなさそうである。しかしお医者さんの世話にならざるを得ない我々としては、知っておいた方が良いことが沢山書いてある。
2015年6月2日火曜日
国会における個別具体的事例
極めて個人的なことかもしれぬが、自衛隊の任務・活動の実態については知らな過ぎる。一昨年は山で知り合った元自衛隊員にすっかり世話になりながら数日を共にしたし、自宅のお向かいの息子さんがやはり元自衛隊員で、いろんな機会にお話を伺ったこともある。国内外で大災害が発生すれば、自衛隊員が派遣されて活躍する姿が報道される。他に自衛隊関連で報道されるのは、記念日のパレードや、若い隊員の訓練風景等である。
他にも自衛隊員の姿を垣間見る機会が全く無い訳ではないが、冒頭に書いたように自衛隊の活動の全体像や隊員の活動全体像は掴みにくいのが本音である。戦前のようにマスコミが張り扇で「兵隊さんよありがとう」と囃し立てるのも如何ではあるにしても、自衛隊に関しては小生のみならず、それこそ一般的に国民の関心が薄いと思われる。
先週から昨日にかけて行われた衆議院の平和安全特別委員会をかなり傍聴して、自衛隊についての認識を改めて考え直す必要があることを痛感している。この委員会は総理も出席を義務付けられる程重要とされているので、テレビも新聞も連日取り上げてはいた。しかし残念ながら、テレビはご承知の通りコメンテーターがほんの一言二言何か言うだけに過ぎず、新聞も誰が何を質問したかさえ満足にフォローできないのが実態だ。
日曜日NHKの日曜討論だけは、それでも各党の代表が討論したとのことなので後程チェックはするが、ここは逆に解説者がいないので、視聴しても日本の防衛とか安全保障そして敷衍される集団的自衛権行使と自衛隊の関わりについて、理解が深まるかどうかである。国民の大多数が自衛隊については殆ど意識せずに過ごせていられることは結構なことだ。
それ故かどうかは知らないが、自衛隊員の年齢構成が段々高齢化しているそうだから、若い人で自衛隊に入隊する人が減りつつあるのかもしれない。この1週間ほどの間に初めて知ったことで最も印象的だったことは次のことである。イラクやインド洋に派遣された自衛隊員の帰国後であるが、自殺者が54人もいたそうだ。海外派遣との因果関係は証明しにくいそうだが、事実がインパクトがある。
しかし、自衛隊もそこが既に外国の軍隊並みであることに先ず驚いた。次に驚いたのが、母数になっている派遣隊員の多さである。陸海空の合計、延べ約10年になるようだが、こちらも延べで約1万8千人強にもなるらしい。「母数がこれだけ大きいと必ずしも自殺率が高いと断定していいのかどうか。」と髭の隊長の自民党参議院議員佐藤正久氏が何処かのテレビコメントしていた。
自衛隊員の総数は定員で約15万人であるが、常態的に2~3万人不足していると聞いている。その中から既に多くの隊員が海外に派遣されて、いわゆる国際平和に貢献している訳だ。中にはシブチなんて聞いたことも無いアフリカの海岸国で基地建設なんてことまで報道されたこともある。建前的には専守防衛を謳い、海外で活動するなんてこと殆どあり得ないと理解していたのが全く違っていた。
名目はどうであれ、日本の自衛隊は既に事実上世界の警察と称する米軍に相当貢献しているではないか。この事実を踏まえて、米国はこれを常態化することを要求しているのだろう。ならば政権側も正直にそう言えばいいではないか。なんで、建前だけを振りかざし「個別具体的にはコメントしませんが」の答弁ばかりが横行するのか。個別具体的なことこそ問題だろう。それでいて、総理は全く意味不明の長広舌の挙句で「国民の皆様に分かり易く説明しているのです。」ときたものだ。
マスコミは何故その不誠実を追求しないのか?今日書店で立ち読みした本に依れば、マスコミの現状は大戦前夜と全く同様と書いてあった。その点、民主党が先週から昨日の質疑で、周辺における現実的脅威を個別具体的に検討する必要があり、としたことは評価したい。特に昨日、前原誠司氏が「北朝鮮危機とは米国が北の核施設を航空機で破壊する時のことで、既に現国防長官ケリー氏が国防次官だった時に実際に計画が持ち上がり、我が国にも1095項目かの要請があったじゃないか。私と一緒に仕事をしていた中谷さん、何故その事実を認めないのですか?」との質問は実に分かり易かった。
同じく長島昭久氏の質問、中国工船が近海に押し寄せて海上保安庁が対応しきれない時、海上自衛隊との連携はどうなっているのか?これも如何にもありそうな個別具体的事例で非常に興味深かったが、政府はまともに答えない。警察機関と自衛隊の連携の悪さは口永良部島の救出なんかでも垣間見える。しかし、マスコミも個別具体的事例に関して相変わらず無視している。余りに情けない。
他にも自衛隊員の姿を垣間見る機会が全く無い訳ではないが、冒頭に書いたように自衛隊の活動の全体像や隊員の活動全体像は掴みにくいのが本音である。戦前のようにマスコミが張り扇で「兵隊さんよありがとう」と囃し立てるのも如何ではあるにしても、自衛隊に関しては小生のみならず、それこそ一般的に国民の関心が薄いと思われる。
先週から昨日にかけて行われた衆議院の平和安全特別委員会をかなり傍聴して、自衛隊についての認識を改めて考え直す必要があることを痛感している。この委員会は総理も出席を義務付けられる程重要とされているので、テレビも新聞も連日取り上げてはいた。しかし残念ながら、テレビはご承知の通りコメンテーターがほんの一言二言何か言うだけに過ぎず、新聞も誰が何を質問したかさえ満足にフォローできないのが実態だ。
日曜日NHKの日曜討論だけは、それでも各党の代表が討論したとのことなので後程チェックはするが、ここは逆に解説者がいないので、視聴しても日本の防衛とか安全保障そして敷衍される集団的自衛権行使と自衛隊の関わりについて、理解が深まるかどうかである。国民の大多数が自衛隊については殆ど意識せずに過ごせていられることは結構なことだ。
それ故かどうかは知らないが、自衛隊員の年齢構成が段々高齢化しているそうだから、若い人で自衛隊に入隊する人が減りつつあるのかもしれない。この1週間ほどの間に初めて知ったことで最も印象的だったことは次のことである。イラクやインド洋に派遣された自衛隊員の帰国後であるが、自殺者が54人もいたそうだ。海外派遣との因果関係は証明しにくいそうだが、事実がインパクトがある。
しかし、自衛隊もそこが既に外国の軍隊並みであることに先ず驚いた。次に驚いたのが、母数になっている派遣隊員の多さである。陸海空の合計、延べ約10年になるようだが、こちらも延べで約1万8千人強にもなるらしい。「母数がこれだけ大きいと必ずしも自殺率が高いと断定していいのかどうか。」と髭の隊長の自民党参議院議員佐藤正久氏が何処かのテレビコメントしていた。
自衛隊員の総数は定員で約15万人であるが、常態的に2~3万人不足していると聞いている。その中から既に多くの隊員が海外に派遣されて、いわゆる国際平和に貢献している訳だ。中にはシブチなんて聞いたことも無いアフリカの海岸国で基地建設なんてことまで報道されたこともある。建前的には専守防衛を謳い、海外で活動するなんてこと殆どあり得ないと理解していたのが全く違っていた。
名目はどうであれ、日本の自衛隊は既に事実上世界の警察と称する米軍に相当貢献しているではないか。この事実を踏まえて、米国はこれを常態化することを要求しているのだろう。ならば政権側も正直にそう言えばいいではないか。なんで、建前だけを振りかざし「個別具体的にはコメントしませんが」の答弁ばかりが横行するのか。個別具体的なことこそ問題だろう。それでいて、総理は全く意味不明の長広舌の挙句で「国民の皆様に分かり易く説明しているのです。」ときたものだ。
マスコミは何故その不誠実を追求しないのか?今日書店で立ち読みした本に依れば、マスコミの現状は大戦前夜と全く同様と書いてあった。その点、民主党が先週から昨日の質疑で、周辺における現実的脅威を個別具体的に検討する必要があり、としたことは評価したい。特に昨日、前原誠司氏が「北朝鮮危機とは米国が北の核施設を航空機で破壊する時のことで、既に現国防長官ケリー氏が国防次官だった時に実際に計画が持ち上がり、我が国にも1095項目かの要請があったじゃないか。私と一緒に仕事をしていた中谷さん、何故その事実を認めないのですか?」との質問は実に分かり易かった。
同じく長島昭久氏の質問、中国工船が近海に押し寄せて海上保安庁が対応しきれない時、海上自衛隊との連携はどうなっているのか?これも如何にもありそうな個別具体的事例で非常に興味深かったが、政府はまともに答えない。警察機関と自衛隊の連携の悪さは口永良部島の救出なんかでも垣間見える。しかし、マスコミも個別具体的事例に関して相変わらず無視している。余りに情けない。
2015年6月1日月曜日
中国とのビジネス
このところ運動会日和の晴天が続いているが、年寄りの体調管理が上手くいかない。事務所に居て窓を開けてさえいれば爽やかな初夏の風が入るが、そこは都会のど真ん中、騒音がうるさすぎる。と言って閉めきってしまうと、どうしてもエアコンに頼ることになり、これの温度調節が難しい。結局風邪を引いたようで、昨日はテンションが全く上がらず、終日頭がボーとして何をするでもなく過ごしてしまった。
仕方なしに今日は出しなに風邪薬を一服服用に及んで事務所に来たが、未だに頭がすっきりしていないようだ。午後来客があって、中国とのビジネスの難しさをいろいろ話してくれた。習近平国家主席の意向が経済の末端にまで及んでいるらしい。友人のビジネスが契約直前になって、中央政府の意向で突然のキャンセルを食ってしまい、大損を出したとのこと。友人は映画のプロデューサーで、中国企業とスポンサー契約がほぼ纏まっていたらしい。
先方も中国では名のある一流企業で、社長自ら10数名のスタッフを引き連れて来日し、友人も2日も続けて未だ嘗て無いほどの接待に与ったそうだ。それが、シナリオの中に現在の中国の少数民族政策に触れる瑕疵が政府から指摘された途端、一夜にして10数名いた関係者があっという間に本国に引き上げて、連絡不能状態になっていっるとのこと。契約直後から撮影に入る準備をしていた段取りが全て白紙になってしまったので、当然のことながら友人にはキャンセル料の責任が重く圧し掛かっている。
友人が嘆くのは、彼等にはこのキャンセル料金支払の意味が全く通じないらしい。恐らく似たような話は嫌なほどあるのだろう。昔小生も少し経験があるが、中国のそれなりの人間とさしで話をしている時は、非常に物わかりが良さそうな感じを受ける。しかし、こちらからの依頼も何ら問題ないようだと安心してしまうのは危険だ。翌日担当者と話をすると、昨日にこやかに話していたあの「社長が首を縦に振ってくれません。」みたい答えが返ってきて驚いてしまう。
「ではもう一度社長と話を。」と迫ると「社長は海外出張に出てしまったので」みたいなことではぐらかされる。一瞬詐欺まがいのようでもあるが、100%そうでもない節もある。手前勝手とも少し違うし、個人的コネクションやビジネスとと政府の関係等々。中国と言う国は余程心して掛からぬと、難しい国であることだけは間違いない。
仕方なしに今日は出しなに風邪薬を一服服用に及んで事務所に来たが、未だに頭がすっきりしていないようだ。午後来客があって、中国とのビジネスの難しさをいろいろ話してくれた。習近平国家主席の意向が経済の末端にまで及んでいるらしい。友人のビジネスが契約直前になって、中央政府の意向で突然のキャンセルを食ってしまい、大損を出したとのこと。友人は映画のプロデューサーで、中国企業とスポンサー契約がほぼ纏まっていたらしい。
先方も中国では名のある一流企業で、社長自ら10数名のスタッフを引き連れて来日し、友人も2日も続けて未だ嘗て無いほどの接待に与ったそうだ。それが、シナリオの中に現在の中国の少数民族政策に触れる瑕疵が政府から指摘された途端、一夜にして10数名いた関係者があっという間に本国に引き上げて、連絡不能状態になっていっるとのこと。契約直後から撮影に入る準備をしていた段取りが全て白紙になってしまったので、当然のことながら友人にはキャンセル料の責任が重く圧し掛かっている。
友人が嘆くのは、彼等にはこのキャンセル料金支払の意味が全く通じないらしい。恐らく似たような話は嫌なほどあるのだろう。昔小生も少し経験があるが、中国のそれなりの人間とさしで話をしている時は、非常に物わかりが良さそうな感じを受ける。しかし、こちらからの依頼も何ら問題ないようだと安心してしまうのは危険だ。翌日担当者と話をすると、昨日にこやかに話していたあの「社長が首を縦に振ってくれません。」みたい答えが返ってきて驚いてしまう。
「ではもう一度社長と話を。」と迫ると「社長は海外出張に出てしまったので」みたいなことではぐらかされる。一瞬詐欺まがいのようでもあるが、100%そうでもない節もある。手前勝手とも少し違うし、個人的コネクションやビジネスとと政府の関係等々。中国と言う国は余程心して掛からぬと、難しい国であることだけは間違いない。
登録:
投稿 (Atom)