2017年11月10日金曜日

アメリカ大統領の不作法

国会論戦が始まるまで政治絡みのことを書くのは控えようと思っていたが、他に思いつくことが無かったので、いつものことだが予定を変更する。このところアメリカ大統領トランプ氏のアジア歴訪を巡っての報道が多い。それにしてもこの御仁、日本ではこれ以上ない不作法な振る舞い、無教養さをさらけ出して恬として恥じるところが無い。と見えたが、流石に中国での態度は日本や韓国での態度とは大分違って慎重な言い回しに終始した感がある。周辺スタッフを含め、それなりに考えてはいるのだろう。

マスコミ的には、最初の訪問国として日本を選んでくれたことを大いに評価したいようだ。しかし、訪日前に真珠湾に立ち寄ったことと、二言目に口にする「嘗て我が国に逆らった国は碌なことにならなかった。」はどう考えても日本に対する嫌味に聞こえ、不愉快に思うのは我一人だろうか。日本のジャーナリストは大人だから、そんなつまらぬことを指摘しないことを褒めるべきかどうか。その他にも随分行儀が悪いと思うことは多分にあるが、官僚や政治家も我慢しているのだろうから、あげつらうのは止めておこう。

彼のアジア歴訪はこれから後半戦に入るが、前半の3カ国中、国家としての主張が何も無く、ひたすら大統領の歓迎だけに徹したのは日本だけ。外国、即ち政権が声高に唱える国際社会がこれをどう見てるかは改めて言うまでもない。国益のせめぎ合いが存在しない筈はないが、国家の代表がそれを口にせず、賓客を慮って100%意見が一致したことだけを力説強調し、仲の良さをアッピール。マスコミがそれ以外取り上げなかったことは、国民の一人として白けるばかりだ。

ところで、平安の昔から我が国では権力者の命が短く儚いことを、祇園精舎の鐘の声に例えて言い伝えてきたことを、多くの人が同感するところだろう。そう考えればトランプの不作法も腹を立てても仕方ない。いま頂点を極めた大統領の権力も、どうせ先は長くないのだ。いつになるかは神のみぞ知るだが、任期はあと3年(正味は2年だ)、長持ちしても7年と定められている。間違えればアメリカには弾劾なんてこともあるらしい。トランプ氏はどうなろうと屁の河童だろう。

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