2017年9月4日月曜日

個人的好き嫌い

人間の好き嫌いを論じることは分別ある大人がすべきではないだろうが、耄碌しているので非難を承知で書く。森本敏氏と柳沢恭二氏は共に元防衛官僚であり、経歴の詳細を見れば森本氏は遥かに格上、アメリカ留学経験やら外務省職員も経験し、更に自民党内閣と民社党内閣の両方で防衛大臣を務めている。現在は拓殖大学総長で、防衛大臣顧問か何かだから豪華絢爛。外交・防衛問題に通暁し、本邦に於ける安全保障のスペシャリスト第一人者との持て囃され方である。

対する柳沢氏は大学卒業以来防衛庁に入省以来ずっと防衛官僚一筋で、2004年から2009年まで、第2次小泉・第3次小泉・福田・第1次安倍・麻生内閣の下で内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)を務めて、退官している。いわば防衛官僚一筋で来ている。年齢的には森本氏は1941年生まれでかなりの爺さん、柳沢氏は戦後の1946年生まれ。テレビへの出演頻度は森本氏の方が遥かに多い。経歴の華やかさだけではなく、政治的にかなり政権寄りの発言が多い故だろうと思っている。

似たような年齢なので僻む訳ではないが、この人が政治家やマスコミにここまで持ち上げられる訳がさっぱり分からない。心中しこっている理由は簡単、野田内閣で防衛相として入閣しながら、いとも簡単に再び自民党閣僚に復活、政権の代弁人に化したことにある。外交問題は政権が変わってもそんなに大きく変わってはいけないのは分からないではないが、常に自分の主張が正しかったと言えるのだろうか。

柳沢氏の生き方は大分異なる。彼は官僚時代をずっと自公政権の中で生きてきた。退官して以来自分の来し方について随分反省するところが多かったようだ。
現在は時折マスコミにも登場するが、集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更や自衛隊法の改正など現行政府の安全保障政策に対しては常に反対する立場である。どちらの話が正しいかどうかは別問題だが、個人的に好きか嫌いかは言うまでも無い。

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