2017年8月29日火曜日

蚊帳の外に置かれた国

今朝6時過ぎ寝ぼけ眼でテレビつけてうとうとしていた。そしたら急に「緊急速報」に画面が変わってようで、一瞬知らぬ間に寝てしまっていたのかと思ったが、そうではなくて本物のJアラートを全局が一斉に流れたらしい。「北朝鮮が弾道ミサイルを日本に向けて発射したので、警戒してください。」なんて言われてもどうすれば良いのかね?

内閣官房が「国民保護ポータルサイト」で、4月21日に公表された内容には次のように書かれている。数億円費やされたと言われる広報だ。大いに参考にするが良いのだろう。
【1. 頑丈な建物か地下街に逃げる。2. 地面にふせて頭を守る。3. 口と鼻をふさぐ。その後は行政の指示を待ち、落ち着いて行動するようにしましょう。】

発射されたミサイルは10分足らずで日本を飛び越え、20分ほど飛翔して、無事太平洋に落下したので、特段の事故も無く北朝鮮も無事試験に成功したのだろう。しかし本邦のテレビ緊急速報騒ぎは、テレビの前から離れた8:30迄は間違いなく続いていた。引き続きテレビを観ていた婆さんによれば、司会者の羽鳥君が「これって、どう言う意味があるのでしょうね?」と自問していたそうだ。「そんなこと知るもんか。」といなしたが、折角いいネタなので勝手に意味を考えてみたい。

先ず思ったのは、米朝のののしり合いだけが大々的に報道されるが、両国の交渉の進み具合である。日本では報道が偏るので詳細は分かり兼ねるが、少し古い記録を探しなおすと今月11日のAP通信に次の記述が見つかった。「トランプ政権のジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表 がニューヨークで、国連北朝鮮代表部のパク・ソンイル米国担当大使 と接触を続けている。」トランプ政権内の官僚がスカスカと聞いてはいたが、必要なスタッフには不自由が無いらしい。既に2週間以上前のことだから対話も相当進んでいるに違いない。

今朝のミサイル発射についても詳細は兎も角、何らかの事前通知はあって当然だ。テポドン発射の時代には、数日前から太平洋の弾道直下に一定の距離を置いて観測船を並べるような措置があったらしい。AIが発達した現在はそんな原始的手法に頼らなくても、不測の事態を回避する手段に事欠かないのだろう。領土を跨ぐ日本に対しても総連経由か米軍経由か、何らかの示唆があればこそ、今朝の6時台の騒ぎに官邸からテレビ解説者まで段取りが可能になっているのだ。

米朝対話の結果で今朝になったのかもしれぬが、蚊帳の外に置かれた国なので、騒ぎを利用するしかない。北の若旦那が日本の首相の夏季休暇まで考慮してくれたとは思えないが、現政権にはありがたい騒ぎだったとも思える。

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