2017年8月24日木曜日

事実認識

マスコミはアメリカのトランプ大統領の意に反する国民の意思表示騒ぎや、北朝鮮の国民が将軍様の意に沿って一糸乱れず固い決意を示していることを面白おかしく連日取り上げている。映像があるのだから嘘ではないだろうが、この短い報道で世界の動きが分かる筈がない。そんなことより国内で深く追及すべき問題が沢山ある筈だが、何故かまだ夏休みモードで、気象災害の話や、O157食中毒騒動なんかを延々と追い続けている。

何故かと書いたが、理由ははっきりしているようだ。国内政治が夏休み状態であることと、マスコミが政権にすっかり抑え込まれてしまっているからに違いない。米韓合同軍事演習と北朝鮮のミサイル発射実験を関連付けて、日本に軍事上の危機が迫りつつあるかのように大騒ぎしたのは何だったのか。軍事上の危機が迫りくる中で首相は自宅に引き篭もったままだし、外務省や防衛省に特段の動きは見られない。

アメリカの外交筋が直接かどうかは別にして、北朝鮮やらサポート国家の中国やロシアと相当対話を進めていることが明らかに伺える。但し、トランプ政権の外交実務レベルがどの程度体制が固まってきているかが分からない。要するに日本のマスコミにはそんなことを追求する能力が全く無いのだろう。マニラで開かれたアセアンの会議で河野外相が北朝鮮外相と立ち話をしたことで大騒ぎするのが関の山だ。

北朝鮮が外交的対話に応ずるのは北欧のフィンランドでとか、マレーシアの小島とかだろう。第一マスコミ以前に政府そのものが、今は圧力を強めるしかない、と言っているのだからどうしようもない。外交は常に対話と圧力で成り立つ筈だが、日本政府はこれをいつも2項対立の図式で考えているようで、見ていて甚だ心許ない限りだ。ある日突然「米朝直接対話」の報道が出たら日本政府とマスメディアはどう対応するのか?特に拉致被害者家族に対する対応が見ものになるだろう。

「この道しかない」が得意の台詞で、事実を捻じ曲げて「この道に」合わせることは何れどこかで破綻をきたす。マスコミの事実を見ない姿勢に問題はあるが、政権が事実を捻じ曲げた報道をさせることにも問題はある。何よりも総理自身が、事実をどう認識するかも今後の大きな課題だ。寝ながらでも良いから篤と考えてもらいたい。

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