2017年6月24日土曜日

国家権力とメディアの関係

ティーンエイジャーの頃、最大の娯楽は映画館に行くことだった。邦画と洋画を問わず新作が来ると、早々に映画館に足を運んだ憶えがある。当時はニュースと予告編に次いで本編が上映される仕組みで、コマーシャルは未だ誕生していなかった。現代は、この最大の娯楽機関がテレビに置き換えられて、我が家に据え付けられていることになる。

従ってテレビのことを余り悪く言いたくはないが、市川海老蔵氏夫人死亡に関する番組を朝から延々と見せつけらると、どうしても文句を言いたくなる。何故か、昨日は海老蔵氏の記者会見に少し遅れて、前川喜平氏の記者会見もあった。海老蔵氏は歌舞伎ファンならずとも知らぬ人もいないくらい有名な芸能人、前川氏は前の文科省事務次官で、国会で大問題になった加計学園事件関係に関し1か月ほど前から大きく取り上げられてきているので、知る人は知っている。

テレビはコマーシャルで成り立つ商業放送だから、取り上げる話題も視聴率が優先される。海老蔵氏と前川氏を知名度を比べれば、どちらの記者会見を優先するかは自明のことかもしれぬ。だから読者数も少ない我がブログながら、前川氏の記者会見を少しフォローしたい。昨日は日本記者クラブ主催だから、本邦マスコミの総本山からの招待に答えた形での会見で、2時間近くに亘る長時間である。海老蔵氏の会見はどこかの劇場で、昼の部講演終了後らしいので、時間的には前川氏の方が長かったのではなかろうか。

マスコミ報道はさしのインタビューでも限られた時間又は紙面にはめ込むため、内容を相当圧縮せざる得ないことになる。その割に海老蔵氏の会見はかなりの細部に亘って見させてもらった。一方の前川氏の会見も扱いに程度の差はあるようだが、民放は殆どの局が取り上げている。新聞も殆どの紙が書いているだろうが、僻むようだが海老蔵氏に押されて扱いはさほど大きくはない。指摘すべきはNHKのニュース、連れ合いに言わせると朝5時からどのニュースでも前川氏の記者会見は取り上げなかったとのこと。

ある意味わかり易いとも言える。前川氏は会見で、自分が加計学園獣医学部新設に絡んで発言をしたことで認識を新たにしたことがある。として非常に重要なことを言っているのだ。即ち「国家権力とメディアの関係」である。読売新聞に突然掲載された<出会い系バー通い>について、官邸からもみ消しを暗示する誘いがあったこと。氏が会見を開く前、最初にインタビューを録画したのはNHKであったのに、何故かその録画は未だに公開されていないことである。メディアがここまで堕落すると日本の将来はどうなるのか?

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