2011年3月22日火曜日

事務所の移転

昨日今日と雨模様でうす寒い日が続いている。こんな寒さの中でも季節は進み、近くの校庭では辛夷の花が咲きだしてきた。被災地北国の春が遠い事を思うと、申し訳ないような気がしてしまう。恐らく全国の人が同じ思いだろうが、地震が怖い。つい昨年12月に高校同窓会で気象庁地震火山部に勤務する後輩の講演があり、数十年以内に東南海で大規模地震発生の可能性は高いが、関東大震災級の地震は100年以内に発生する事は無いだろう、と聞いて妙な安心をしていた。人間の心理とは微妙なものだで、今やこの話を信用できず、漠然とした不安をぬぐい去る事が出来ない。

だからと言って特に何をする訳でもない。ご近所でも最古参のぼろ屋なので地震対策のしようが無いのが本音。当面の日用品は普段から一定量は確保できているので、暫く供給が不足しそうだとしても慌てて買いだめをする必要も無いらしい。しかし、原発事故の影響で出荷自粛を余儀なくされた野菜果物や乳製品は、今後間違いなく価格が上がるだろう。節電で勤務先の営業が短縮され、就業時間が減って給料が目減りする人も沢山居るようだ。昨日あたり池袋を歩いても街全体が暗い。しかし昼の飲食店は普段以上に家族連れで溢れかえっている。

婆さん曰く「スーパーに米が無いとか、パンが無いと言っているから、これ幸いに、家でごはんを作らずに外食しましょう、と言って皆出てきているのよ。」尤もかもしれない。先週まで品切れで閉鎖していた近所のガソリンスタンドも少しずつ供給が始まってはいるようだが、車が列を作って順番を待っている。11日の震災で何かが変わったとすれば、誰にとってもそれを復元するのは容易な事ではないだろう。

折も折、この騒ぎの中で仕事場の事務所を移転しなければならない。大家さんが来月の取り壊しを決めていて1年前から通告を受けおり、今月か遅くても来月初めには立退く約束をしていたからである。何となく面倒なのでずっと放っておいたのだが、今月に入ってからバタバタと移転先を探し、先週やっと手頃な移転先を見つける事が出来た。そして本日目出度く契約を完了、来月5日に引っ越しをする事にした。これから又少し面倒な事があるだろうが仕方が無い。

先ず引越屋だが、当然決めていない。不動産屋は「3日の日曜を過ぎれば、安くなります。」と言っている。むしろ、その事より通信環境を円滑に引っ越したいのだが、NTTの話では11日の地震の影響で5日に引っ越しを約束する事が出来ないらしい。単に人手の問題だけではなくて、機材の供給とか運輸とか様々な要因が複雑に関係して、新しい電話番号の発行自体いつになるか分からないらしい。NTT東の窓口の青年も誠実な受け答えで、話しを聞いて尤もだと思った。

まさか日本がこんな事態になるとは想像だにしなかったが、1年前に仕事の大半を若い人に引き受けてもらう事にしておいて本当に良かった。

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