読後感「早わかり 鎌倉・室町時代」河合 敦 著

学生時代の不勉強がたたって、常識として弁えなければいけない我が国の歴史に暗すぎる。先日「私本太平記」を読んでその事を痛感した。

遅きに失しているが改めてこの時代について体系的に一覧する必要を感じ、易しく書かれたこの本を見つけた。源平のせめぎあいで鎌倉幕府が誕生してからも武士の騒乱が続き、室町幕府が崩壊して戦国時代に突入する迄を6章に分けて、時代の流れを多角的に年表、系図等をふんだんに用いて分かりやすく解説している。

年代的には1100年代の末から1500年代半ばの長丁場になるが、全ての項目を見開き2頁で完結している。しかも何処を開いても見やすく年代・章のテーマ・項目のテーマが表示されている。この他に挿入されている図以外の文章(本文)は約1頁分千字前後であろうか。編集がとても素晴らしい。学校の教科書もこんなものであれば生徒の飲み込みも大分違うのでは、と思ったりしてしまう。

読後の感想は「我が国は千年の昔から随分と血なまぐさい権力抗争に明け暮れているものだ。しかし、その割に進歩がない。もしかしたら天皇制のせいではないだろうか。」が正直なところだ。こんな事を書くと右寄りの人たちから非国民呼ばわりを受けかねない。

ヨーロッパにも国王制が残っている国は沢山ある。しかし、権力抗争の際に国王を錦の御旗として勝ち残った例は少ないのではないだろうか。むしろ現在の政治体制の殆どは市民の力を背景にした革命的な政権交代が生き残り、国王の力を著しく削いでいるのが実態では、と思ったりするのだが。

日本は千年の昔から明治維新は勿論、昭和の軍国主義時代までずっと天皇を担いだ権力者が統治者の位置についている。戦後は一応市民国民主権とは言っているが、安心できるかな。

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