2017年10月19日木曜日

最後の課題

東京の気候は季節外れの冷え込みだが、世の中の景気は大変良いようだ。特にアメリカの景気が良いらしい。まさか2月の日米首脳会談の際に安倍首相が持参したとされる「日米成長雇用イニシアティブ」(アメリカに約50兆円の市場を生み出し、70万人規模の雇用を創出するために協力することを約束したとされている。)が効いていると思いたくないが、このことは外務省のホームページでも何故か非常に解りにくい表現になっている。兎に角株式市場は空前の景気に沸いているとのこと。
 
ヨーロッパについては一般向けのニュースが少ないのでよく分からないが、一時危機的とさえ言われた中国でさえ、厚化粧で何かを隠しているかどうか知らぬがGDPも順調に拡大しているし、交通網の発達とか海外旅行熱報道からすると何となく景気が良さそうな風情だ。少なくともアジア諸国からはあまり不景気な話は聞こえてこない。我が日本も11月号の月刊「文藝春秋」に滝田洋一氏と言う人が<バブル再来で物価は上がり始める>と言う記事を書いている。どんな人かは知らぬが記事を読ませて頂く限り、東京の六本木や大阪ミナミ辺りでは1990年のバブル期を髣髴する現象が随分窺えるとのこと。併せてアベノミクス達成も間近と臭わせている。安倍総理や黒田日銀総裁は嬉しい限りだろうが、個人的実感が湧かない記事なので、季節の寒さが先に立ってしまうのが情けない。

話が飛ぶが、昨夜同世代の友人に美味しい食事をご馳走になりながら、いろいろ有益な話を聞くことができた。曰く「今度の選挙で自公が勝つのは仕方がない。それも大勝すれば良いと思っている。すれば必ず益々図に乗るだろう。国民の真の判断はそれからの話だ。」「今度の選挙で野党側にはいろいろ事件が起きたが、物事がはっきりしたことは良いことだ。今の日本に革新なんて存在しない、ある意味では全員保守ではないか。枝野氏なんか市民運動をしていた時代からよく知っているが、彼なんかまるきり保守派とされていたのだよ。」

「枝野氏も頑張っているとは思うが、菅直人氏と赤松氏には説得して引退させるべきだったね。」「筋が通っているし、かなり保守的ながら人気がイマイチの共産党は党名を変更すべきだ。」「世の中が変わるには何と言っても時間が必要、後10年か15年長生きしようよ。」もともと考えが似ているので、いつも飲みながら楽しく談論できる。しかし昨日は最後の1節<後10年か15年>が大きな課題となった。

2017年10月18日水曜日

我が家の周辺

久しぶりに朝から陽の光が差し込み生き返る心地がした。人間には雨も大切であるのは分かるが、3日以上降り込められとやり切れない気持ちになってしまう。明日からまた雨の予想なので今日の陽射しは有効に使うにしくはない。と言っても変わり映えの無い道の散歩ぐらいしか思い浮かばないが、外気に触れるだけでも有難い。

変わり映え無いと書いたが、思えば近所の風景も随分変わった。50年も経てば変わらない方がおかしいだろうが、東京の風景、日本の風景、人間の住み方は随分変わるものだ。家並みだけではなく、生活様式がいつの間にか大変化している。父母の生涯もこんなに大変化があったのだろうか?これからの世代は世の流れをどう見ることになるのだろうか?なんて変なことを思ったりしたが、そんなこと分かるはずが無い。

己の生きてきた環境の変化をありのままに受け止めるしかない。ただ言えるのは総体的に一貫して良くなり続けたように思う。77歳になってしまったが、更に生き延びると、いつの間にかピークを通り過ぎて「昔が良かった」なんて思いかねないことが少し気になりだした。かと言って生きる環境は我が手に負えることには非ずだ。願わくばこれ以上日本に大きな変化が起きないでほしいが、そんなにうまくいくはずは無いだろう。

2017年10月17日火曜日

若年層の考え

たまたま35歳前後の若い独身男性と話す機会があったのでいろいろ聞いてみた。大卒でありながら非正規雇用で働く現代ではあまり珍しくない人。趣味はピアノ、小さい頃から習っていたようだ。そう多くはない給料のようだが、今でも月に2回は先生について練習をしているし、経済的には多少無理してピアノを置けるワンルームマンションを借りている。他には最近ゴルフを始めて、月1度くらいは友人と田舎の安いコースを探して行っているらしい。

酒や煙草はやらないので、こちらとはだいぶ違うキャラの真面目な青年だ。テレビ番組への興味も大して無さそうだし、新聞や雑誌、更には小説などの活字には縁遠い様だが、ネットをよく見ているのだろう、世間に疎いということは無い。ひょっとするとこちらより情報量は多いかもしれぬ。自分で株を売り買いしているとは言わなかったが、株価についてまで詳しい。今でこそ朝晩テレビで株価がどうのこうの聞かされるので何となく動向がインプットされてしまうが、こちらは若い頃に株価なんて全く興味が無かったし、知りもしなかった。

自分の若い時代を思い出すと自慢にならぬことが多すぎるし、今でも標準的老人とは言えぬだろう。彼が標準的な青年であるかどうかも分からないが、実在の一人であるのも確かだ。彼の政治に対する考えも興味深い。先ず政治に対する関心は高くなさそうだ。余り突っ込んで聞いていないが、自民党を支持しているようだ。若い層が与党支持と巷で言われている通りだ。安倍首相に対する嫌悪感(特に好きとか嫌いは聞いていない)より、野党のだらし無さのインパクトが先に来てしまうらしい。

曰く「野党は野合を繰り返しながら安倍批判の一点張りだが、安倍を倒した後に何が来るのですか。仮に政権を取れたにしても何もできないでしょう。どう転ぼうと世の中は大して変わらないと思いますよ。」ここまで来た時、横にいた50歳で独身の友人が助け舟を出した。「更に野党には外交ができる奴がいないから余計始末が悪いや。」この二人が若年層の平均的思考かどうか分からないが、当たらずとも遠くは無さそうでもある。「なるほどね」と半分解ったような気持でもある。

「外交は誰が政権を取ろうと不可逆のもの、新政権の政治家は今後について基本的な方向性を示すことが役割になる。外交の現場、実態は一般人には窺い知れないが、政治家より圧倒的に官僚が仕切るので、新政権に誰が来ようと外交が出来ないなんて心配は無用。」と言おうかと思ったが、官僚と政治家の役割を言い出すと難しい。結局黙って聞くだけにした。

2017年10月16日月曜日

イライラが募るばかり

久しぶりにブログを2日続けて休んでしまった。特に昨日は終日パソコンに触らずに過ごしてしまった。すごく面白い本が見つかったとか、他にやることがあったわけではない。どうしても選挙のことが頭から離れないので、書けば政権批判めいたことになりそうなので、自分でもうんざりしてしまったのが正直なところ。選挙を興味本位で見ているつもりはないが、自らのこととして受け止めているか、と聞かれると「イエス」とは答えられない。

ならば、昔観ていた東映や日活のやくざ映画の鑑賞と違わない。我が身は全く異次元にありながら贔屓の役者を応援するだけではないか。仮に悪役を応援しても彼が勝つことにはならぬだろう。第一映画は虚像、役者の実像なんて観客が知るはずも無い。政治家や政治の世界の実態をどれだけ知っているのか?日本のことでさえそうだから、外国事情について云々するなんてもっと虚しいことだ。いい歳なんだから頭を冷やそう、と思った意味もある。

それで冷静になれば良いのだが、結局ただボーと過ごしてしまった。しかも丸2日近くパソコンに触らなかったために、高校同期の友人からの大事なメールを長時間ほったらかしてしまった。またイライラが募り、世の中はなかなか思うようには進まないものだ。選挙に関するマスコミ報道には言いたいことが山ほどあるが、日本人の常識を信じて暫くは見守りたい。畏れ多いが天皇陛下の心境だ。

2017年10月13日金曜日

読後感「クラウド・テロリスト」ブライアン ・フリーマントル著 松本剛史訳

上下2巻:フリーマントルのスパイ小説を読むのは久しぶり。また幾ら面白かったからとしてもこの手の小説について読後感を書くことも珍しい。理由は著者に敬意を表したかったからである。著者は4歳年上なので80歳は優に超えているはず。老いたスパイの活躍を書けば天下一品で、経歴はジャーナリスト出身と記されるが、その実英国の諜報関係者だったのではと疑いたくなる。

改めてwikiで調べると案の定ソ連時代は入国を拒否されていて、ソ連崩壊後初めてロシアへ入国できるようになったとのこと。今回もスパイ小説に違いないがこれまで読んだ作品とは趣が大分異なり、主役は英国MI6勤務の若い女性と米国NSCの若い男性。共にアナリストとかITのスペシャリストで、これまでのスパイとは一味も二味も違う。

スパイと言えば単身身元を偽って敵地に潜入がお決まりにのパターン。これも相当にイメージが異なり、敵国が存在しない。悪役は国際的テロ組織のアルカイダで欧米各国が協力してこの組織と対立する図式となっている。共に英語国家だが、中東系のテロ組織との対立には中東からアフリカにかけての言語に堪能でなければ困る。そこで英国から米国に主人公の語学のスペシャリスト(父は中東とアフリカ歴任の外交官で母はヨルダン人)が国際協力として出向することになる。

英国MI6と米国NSCの諜報機関同士の協力が描かれる訳だが、先ずはそれぞれ国内で組織間の縄張り争い、功名争いと失敗のなすりつけ合いがある。その上での国家間の協力になるが、これが如何に難しいかがこの小説の一つのテーマ。特に米国の諜報機関は数が多いので有名だが、諜報機関の前には国務省と通じる各国大使館があり、情報取り扱いの差し手争いのようなことが相当にややこしい。当然ながら小説でさえその齟齬の恐ろしさを指摘している。

ここが、現実に政権によって国際協調が強調される日本国民として非常に興味深い。トップ同士が握手をした程度で、デリケートな諜報とまではいかなくても軍事的な協力関係なんかとても円滑にいかぬだろう。日本にも諜報活動をする風情の機関は各国に配置されている大使館の他に国内にも公安調査庁、内閣情報調査室とか、2014年には米国に倣って国家安全保障局会議(日本版NSC)なんてものが設置されている。それぞれの組織内に朝鮮語や中国語のスペシャリストが何人いて、それが英語国家のアメリカとどのように協力し合っているか心配になってきた。

もう一つのテーマは、実は翻訳の書名にも関係するが、インターネットと暗号に関する記述の豊富さである。77歳の年の割には知っている方だろうと己惚れていたが、反省しきりだ。著者は既に80歳を過ぎているにも拘らず豊富な知識には完全に脱帽せざるを得ない。つい先日も韓国の国防省が「対北朝鮮作戦計画」を数年前からハッキングされていたことを公表したばかりだ。

関連してこれも最近であるが、隣国の中国に於けるインターネット環境に関する知識が皆無であることを思い知らされた。インターネットにも国境が無い。経産大臣がNTT広報部長歴任の日本だが、彼が高度なIT技術を持ち合わせる筈はない。この小説にも原子力発電所へのアタックが描かれるが、日本のサイバーセキュリティ―に関して思いを深めた意味で、並みの小説以上に収穫があった。

2017年10月12日木曜日

嘆き節<総選挙結果予想>

今朝新聞各紙が総選挙結果予想を一斉に発表した。それによると各紙とも似たようなことで、自民党は公示前議席を上回る可能性まであり、安倍氏の思惑通り自公政権の安定は揺るぎが無いだろうとのこと。今朝テレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」でコメンテーターの玉川徹氏が「日本人て何だったのでしょうね。」と慨嘆しているのを小耳に挟んだ。どうも選挙前の世論調査で内閣支持率がが不支持率を下回ったり、安倍総理の信用できないとする比率が70%を超えていたことを思い出して怒っていたようだ。

気持ちはよく理解できる。それにしても「嘘も百回つき通せば真実になる」とはよく言ったものだ。公示前から党首討論や総理の演説を聞いていると毎度同じことを言い続けている。先の格言を信じて実行しているのだろうが、大成功と喜んでいることだろう。

今日の朝日新聞社説は見出しが「衆院選 安倍首相 説明になっていない」と掲げ、安倍政権の5年が問われる衆院選である。として以下のように言っている。『「一番大切なのは私が指示したかどうか」「国会審議のなかで私から指示や依頼を受けたと言った方は1人もいない」という。首相自身の指示がなければ問題ないと言いたいのだろう。 だが、それでは説明になっていない。』

要するに総選挙の大事な争点でありながら、総理の強弁ばかりがマスコミを通して国民に伝わり、肝心なことは何一つ説明もされず、事実関係の詳細は全く明らかになっていないと主張。『首相が国民に繰り返し約束した「丁寧な説明」はまだない。首相はどのように説明責任を果たすのか。それは、選挙戦の大きな争点である。』と結んでいる。これも正論だろうが、新聞の社説なんて読む人間は千人に一人もいないらしい。

小生もその他大勢の一人だが、今日は悔しいので偶々引用したまでのことだ。未だ投票用紙が配布されていないので、若干の変動はあるだろうが、野党勢力がものの見事に分断されたので、結果は似たようなことになるのだろう。安倍氏が「民意を得た」と自慢げに語る姿を想像するだけでも口惜しいことだ。しかし、どんなに悔しがろうと、まだ当分は安倍氏の暴走が止まらないだろうが、民意がそうであるなら仕方あるまい。

2017年10月11日水曜日

報道の使命

選挙戦が始まったせいだと思うが、最近どうも景気がいいような報道が相次いでいる。日銀支店長会議での景気判断は全国的に景気向上中とか、政府は5年連続の好景気継続中と発表をして経団連もその通りだと言っている。又それを裏付けるかのように株価も連日高騰を続けている。正にご同慶の至りと言うしかない。そこで安倍総裁以下与党候補者が力説強調するのは、野党が政権を持っていた時代に東北大震災が発生し、当時の民社党政権はなす術を知らず手をこまねいていたので、経済がガタガタになった。それを自公政権が立て直して今日に至った功績である。

曰く「民社党政権当時は為替は円高で輸出が落ち込み、関連する中小企業は倒産の危機に瀕し、GDPは500兆円割れまで落ち込み、求人が減って求人1名に対して2人の求職者だから一人は失職せざるを得ない状況でした。そんな悲惨な状況から安倍政権はアベノミクス経済政策適切に行い、GDPを50兆円拡大して、求人は全都道府県で倍率1以上、即ち働きたい人には必ず職がある状態にまで持ち直すことになったのです。」

横文字GDPはよく分からないが、国内総生産なるものが拡大すれば国民が豊かになっても不思議はない。大したものだと感心しながらも一応少し調べさせて頂いた。その点パソコンは便利である、GDPで検索すると政府統計をすぐ確認できる。http://ecodb.net/country/JP/imf_gdp.html実質GDPの推移で見る限り、民社党政権時代の2009~12年は472兆円から498兆円だから500兆円には届いていないが、それ以前500兆円を超えたのは2007年リーマンショック直前の504兆円だけである。

2017年4月までの統計は528兆円、12年498兆円との差は30兆円で、どう見ても50兆円増えているようには見えない。次に賃金のデータは細かく書かないが興味ある方は下記を参照願います。
http://www.nippon-num.com/economy/actual-income.htmlいつも書く通り経済音痴なので間違った統計を見ている可能性もあるが、平たく言って2012年から今日に至るまで賃金は上がっていないどころか下がり続けていると言っても過言ではないと思う。

IMF(世銀)のデータで2012年と2016年のGDPを比較してみると、日本はドルベースで1兆ドル程下がっている。アメリカは16兆ドルから18、5兆ドルへ、中国は8.5兆ドルから11兆ドルへしっかり上がっている。
https://www.globalnote.jp/p-data-g/?dno=8860&post_no=1409
素人が見ただけでも経済は劣化する一方が実態で、庶民の暮らしぶりが良くなろう筈がないように見える。

冒頭に掲げた最近の報道はどこかおかしい。日本経済や景気はかなり悪くなっているのではないか。政権当事者が嘘っぽいことを並べてるのは仕方が無いにしても、マスコミが政権の幇間を演じては困る。真実を分かりやすく伝えるべきだ。